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野菜作りの栽培管理の種類とやり方は?

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家庭菜園の栽培管理の基本。栽培管理には間引き・誘引・摘心・わき芽かき・摘葉・摘芽・摘果・摘花・摘蕾など収穫までに行う様々な管理作業が待っています。それぞれのやり方と目的をここで学びましょう。

家庭菜園で管理作業をする目的は?

家庭菜園では栽培管理を行うことで、農作業の効率がよくなるだけでなく収穫量もかなり増えます。

野菜を育てる上で代表的な栽培管理の種類は、「支柱立て」「誘引」「整枝(摘芯・摘葉・摘果・摘花・わき芽かき)」「間引き」などがあります。

栽培管理の基本(やり方)


育てる野菜の種類によって栽培の管理方法が違っているので、育てる野菜に合わせた栽培方法を行うことが大切です。

安全で美味しい野菜を育てるために野菜の管理作業は欠かすことができません。栽培管理をしっかりと確実に行うことで収穫量はぐっと増えます。


苗の間引き作業

間引きとは葉と葉が重なり合い込み合った時に不要な苗を引き抜く作業のことです。

間引きとは。間引きの仕方


種を筋まきや直まきした時は、苗が込み合って水分や肥料を奪い合って株の成長が悪くなってしまいます。

葉が込み合うことで日当たりや風通しも悪くなり苗が軟弱化して病害や害虫の被害に遭いやすくもなります。

そこで不要な株を抜き取って最適な株間(株と株の距離)を確保する間引きという作業をします。

栽培管理(間引き)


間引きは葉が重なり合うタイミングで何度か行います。葉菜類の場合は収穫までに2~3回ほど行いましょう。

間引く苗は生育が悪い苗(左右不対象であったり小さいもの)や病害虫の被害にあっている苗を優先的に抜き取るようにします。

生育の悪い苗を残すと収穫量が減ってしまうので、元気の良い苗だけを残すのが間引きのポイントです。



整枝作業

整枝とは枝葉を整理して株の姿を整える作業ことで、整枝の作業には、枝葉の他にも「摘芯」「摘葉」「摘果」「摘花」「わき芽かき」などがあります。

整枝作業


整枝は、「日当たりと風通しを良くする」「株元の加湿を防ぎ病害の発生を抑制する」「つる性の野菜など果実が付きやすい枝を伸ばす」「新しい枝はの発生を促す」などの目的で行います。

摘心作業

摘芯とは主茎や側枝の先端を摘み取る作業で、果菜類の栽培時に行います。

摘芯作業


多くの野菜は主枝という中心に伸びる太い枝を摘み取ることで側枝という脇芽が伸びる性質があります。

主枝を摘み取って側枝の発生を促すことで、その伸ばした側枝に果実を実らせるようにする作業が「摘心」です。

ナスやピーマン・シシトウなどは、主茎を摘み取って腋芽を伸ばして側枝の数を調整する目的で摘芯を行います。

摘心には株の成長を止めるという目的で行うこともあります。草丈をこれ以上伸ばしたくないときや果実を必要以上に増やしたくないときにも行います。

わき芽かき

わき芽かきは、葉と茎の付け根から出る側枝(わき芽)を摘み取る作業のことです。必要以上に側枝を増やすと、養分や水分が不足気味になって株や果実が小さくなります。

わき芽取りとは?摘芽の仕方


トマト栽培では脇芽かきは収量を増やす上でとても重要な作業になります。

無駄な側枝を伸ばさないことで日当たりと風通しが良くなり、果実へ養分が十分に行きわたるようにするのが目的です。


摘葉作業

摘葉は込み合った葉を摘み取る作業で、摘蕾は花になる蕾(つぼみ)を摘み取る作業、摘果は着果した果実を摘み取る作業です。

摘葉作業


葉の数を減らして株疲れを防ぐのがそれぞれの主な目的です。

摘果作業

摘果とは実らせる実の数を調整することを言います。果実が小さいときに不要な果実をすべて摘み取って、残した果実だけを大きくする作業です。

摘果は栽培土壌の地力によって数を決めるのが基本です。地力の強い露地栽培と地力の弱いプランター栽培では実を着ける数が違います。



野菜の支柱立て

支柱立てを行う主な野菜はきゅうりやナスなどの果菜類で、自重や風や雨の影響を植えやすく支柱を立てて補強します。

支柱立てとは?目的と理由


果菜類は支柱をしてやらないと、果実の重みによって株が根元から折れたり、風によって株が倒伏したり、弦が四方に乱雑に伸びて病害虫の発生を助長する原因になります。

支柱を立てることで苗を真っ直ぐに生育できるので畝間を歩きやすくなり、管理作業や収穫作業の効率を上げる効果が期待できます。

支柱には仮支柱と本支柱の2つがあり、仮支柱は苗を植え付けた直後に立てる一時的な短い支柱のこと。本支柱は収穫が終わるまで立てておく支柱で、太く長いしっかりした支柱を使います。

合掌式支柱の立て方


合掌式支柱とは?

合掌式支柱は支柱を斜めに立てて頂部付近を交差させる強度の高い支柱のことです。一般的によく利用される支柱の立て方が「合掌式」という方法です。

背が高くなる果菜類によく利用される方法で、果実の重量に耐えられるように太めの支柱を使うようにしましょう。

合掌式に向く野菜は、「トマト」「キュウリ」「ニガウリ」などがあります。


直立式支柱(簡単な支柱)の立て方


直立式支柱とは?

縦方向に垂直に棒を立てた簡易な支柱の立て方のことです。短期間で収穫できる野菜やつる性の野菜(インゲンやエンドウ)、果実に重みがない野菜などに利用します。

直立式は他の方式と比べると強度がないので、風や雨の影響を受けて倒れやすいのが特徴です。

隣同士の支柱どうしを横桟でつないでおくか斜めに1本支柱を加えて強度をアップさせましょう。

直立式に向く野菜は、「ナス」「ピーマン」「シシトウ」「エンドウ」などです。


ドーム式支柱立て方


ドーム型の支柱とは?

トマトやメロンなどの雨や多湿に弱い野菜の栽培に使うドーム型をした支柱のことです。きゅうりやウリなどは吊り下げ栽培ができるため収穫がしやすくなります。

ドームの上にナイロン製の透明なカバーをかけてハウスにすれば、寒暖差がある地域や春先の気温の低い時期から夏前まで長期間栽培するような野菜などは、温度と湿度・水やり量の管理がしやすくなります。

畝間を広く確保できる幅広タイプを選べば畝間を歩くこともできて栽培管理がより楽にできます。

ドーム式に向く野菜は、「トマト」「ミニトマト」「キュウリ」「メロン」「マクワウリ」などです。


つるの誘引作業

誘引とは野菜の茎や葉の部分を支柱にヒモなどを使って固定する作業のことです。

誘引とは?誘引の仕方


苗を支柱に固定することにより、株の倒伏を防ぐことができて、重みで茎が曲がらずに成長させることができます。

誘引は植え付け後すぐに行いますが、定期的にヒモを括り直して茎や弦が垂れ下がらないように注意しましょう。

野菜のつるの誘引作業


支柱に茎や弦を誘引するときに、ヒモで締め付けすぎて苗を傷めたり、誘引の際に茎を折ったりすることがあるので、茎葉を強引に捻じ曲げないように注意しましょう。

茎は成長と共に太く長く伸びていくので、ヒモを8の字に交差させてゆとりを作っておくのがポイントです。



野菜の栽培管理まとめ

家庭菜園の野菜作りでは、栽培管理をしっかりと行うことで後の収穫量が大きく変わります。

栽培管理のコツとまとめ


野菜は管理をせずに放任栽培でも育ちますが、実が小さくなったり病害や害虫の被害に遭ったりして失敗する確率が高くなってしまいます。

栽培管理をすることは面倒で大変に思うかもしれませんが、一つ一つの作業を丁寧にこまめに行うことで成果が大きく変わるのでしっかりと取り組みましょう。

手間をかけて育てた野菜は達成感を味わえ食べたときの感動や味も格別です。



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