トマト(ミニトマト)の整枝には、わき芽取り・摘葉(枝葉の切り取り作業)・摘果(果実調整)などがあります。
整枝はトマト栽培ではとても重要な作業。中でもわき芽取りを上手に行うことが多収穫のポイントです。
正しいトマトの整枝の方法やわき芽の取り方を覚えて、果実をたくさん収穫しましょう!
Contents Menu
YouTubeでも野菜の育て方や野菜作りのコツなどを分かりやすくご紹介しています。チャンネル登録おすすめです。
トマトは放任でもそれなりに育ちますが、わき芽取りや整枝を丁寧に行うことで収穫量がグッと増えます。
わき芽取りはどのようなやり方で、どういったタイミングで行えばよいのでしょう?
まず最初に、整枝・わき芽取りのコツとポイントを確認しておきましょう。
家庭菜園の本の中には、大玉トマトはわき芽を摘み取って、ミニトマトはそのまま残すと書かれています。これって本当なのでしょうか?
トマトを栽培していて株が伸びるにしたがって、実が小さくなったり、実に数が減ったり、実がつかなくなったりした経験はありませんか?
大玉トマトはもちろんですが、ミニトマトも、わき芽を摘み取った方が実つきが良くなります。
ミニトマトの中には、わき芽をそのまま残しても実がなる品種もありますが、大半のミニトマトはわき芽取りをした方が実がよくつきます。
わき芽を摘み取らずにそのまま伸ばすと、株全体の日当たりが悪くなって、マンションのベランダなど1日の日照時間が短い場所だと日照不足になります。
トマトが果実をつけるためには、十分な光量と温度が必要です。日当たりが悪くなると株の中心部分の温度が下がり実が熟すまでに時間がかかるようになります。
わき芽を伸ばすことの最大の問題は、養分と水分が茎葉の生長に取られて果実に回らなくなってしまうということです。
わき芽取りで多い失敗は、間違って主枝を摘み取ってしまうことです。主枝と側枝(わき芽)を間違わないように注意しましょう。
わき芽は側枝とも呼ばれ、主枝(株の中心の太い枝)に比べて実のつきが悪かったり果実数が少なかったりするのが普通です。
気温が高くなるとわき芽が伸びるスピートが早くなり、主枝と側枝の見分けるのが難しくなります。
わき芽は基本的には主枝の先端よりも下の茎と葉の付け根から生えてきます。主枝の先にわき芽ができることはありません。
また、主枝に比べると茎が細く紫がかった色をしています。花芽も主枝より遅れて大きくなります。(栽培環境が良いと同時に花芽ができることもあります。)
登頂付近に一番近い位置に出たわき芽は10cm以下では摘み取らないようにします。
この理由は、万が一、主枝が風や雨などで折れてしまったときにわき芽を主枝の代わりにして伸ばすためです。主枝に花芽がつき、しっかりとしてきたタイミングでわき芽を摘み取るようにしましょう。
株元のわき芽を摘み取る時ですが、病害の感染を防ぐためにハサミやナイフではなく手で茎の部分を持って摘み取るようにします。
わき芽を手で持って左右に何度か倒すと簡単に折ることができます。
わき芽取りをするときの注意点は、切り口を必要以上に傷めない(広げない)ことと、晴れの日の午前中に行うことです。
この理由は、切り口がふさがる前に、水やりや雨で菌を含んだ泥や土の跳ね返りが傷口にかかって、病害やウイルスに感染してしまうためです。
曇りの日や雨の日、夜間にわき芽取りを行うと傷口が乾きにくく病害に感染するリスクが高まります。
わき芽は大きく伸びてしまってから摘み取ると、切り取った切り口が大きくなってしまって病害に感染しやすくなります。
わき芽は摘み取っても何度も生えてきます。頭頂部から1番目のわき芽以外は、10cm以下の小さなうちに摘み取るようにしましょう。
接ぎ木苗は株元からわき芽が次々と伸びるので忘れずに摘み取ります。それ以外の苗でも、地面から第1果房までの間に伸びるわき芽はすべて摘み取ってください。
株の茎葉が必要以上に増えると、風通しが悪くなってミニトマトが病害になったり害虫の住処となってしまいます。
病害と害虫対策の意味でも、わき芽は必ず摘むようにして下さい。
摘葉とは不要な茎葉を摘み取る(切り取る)作業のこと。トマトは株全体に太陽光をたくさん当ててやることが実をたくさん収穫するコツです。
摘葉を定期的に行うことで、果実に養分と水分が行き渡るようになり、太陽光が株の奥まで当たるようになります。
株全体の茎葉が増えて込み合ってきたら、傷んだ葉や先端の大きな葉を中心に摘葉してやりましょう。
特に地上に接している茎葉は、病害にかかりやすく他の茎葉に伝染するので早めに摘葉してください。
ちなみに葉先のみの摘葉は、生育初期に行う整枝です。株の生育が良すぎるときに行うもので、株が小さく茎が細いなど、勢いがないときは葉先の摘葉は行いません。
葉先には生長点があって、肥料が効きすぎて茎葉の勢いが良いときは先端を切ることで、切った茎葉の生長を止めることができます。その結果、株の上部へ養分と水分が回るようになって株を大きくすることができます。
着果後のトマトの茎葉は放任でも良いのですが、新しい実が小さくなったり、大きくなるまでに時間がかかるようになったりするので、不要な下葉はかき取ってしまいましょう。
トマトは不要な茎葉を摘葉することで、養分と水分が株の上部に回るようになります。また下の葉を摘葉することで通気性がよくなって病害の発生を予防できます。
ひとつ上の果房に実が着いたタイミングで下の果房のすぐ横1枚の葉を残してその下の葉はすべて摘葉しましょう。
果実から下の茎葉がほとんどなくなりますが、摘葉後も果実はしっかりと大きくなるので心配はいりません。
茎葉は、上から数えてミニトマトと中玉トマトは12~15枚、大玉トマトは15~18枚を残していれば、果実を充実させるための光合成を十分に行うことができます。
地面に近い大きな葉は病害になりやすく、黄色くなった葉は光合成を行うことができないので、早めに切り取ってしまいましょう。
摘果はミニトマトと中玉トマトは行わず、大玉トマトのみ行います。
果実調整とは1つの果房に実をつけ過ぎて、上部の果実や房の先の果実まで養分や水分が行き届かない状態を防ぐために、果実の数を調整する作業のことです。
1つの花房には7~10花が咲きますが、房の途中の実がつかなかったり、先端の果実が小さくなったり、果実が赤く染まらなかったりすることがあります。
ミニトマトは摘果は不要で、中玉トマトは小さな実は摘果し、大玉トマトは1果房につき実の数を3~5個になるよう摘果しましょう。
大玉トマトは、摘果をせずに栽培すると第1果房の果実ばかりに栄養が使われ、上部の株の生長が進まなくなります。
気を付けないといけないのは、実が赤くならない・実が大きくならないからと言って、追肥を必要以上に施してしまうことです。
ミニトマトや中玉トマトは追肥を行うことで玉が大きくなり実の数も増えますが、大玉トマトは追肥するだけでは、実つきが良くなったり実が大きくなったりはしません。
茎葉の勢いがあるのに果実がならないときは、意味なく肥料を与えるのは逆効果です。ますます茎葉を茂らせてしまって、果実のつきを悪くするだけです。
茎葉に勢いがあるのに実が大きくならないときは、チッソ分を少なくしてカリ分の比率が高い肥料を与えると果実のつきがよくなります。
チッソ分が多すぎると、葉と葉の間隔が詰まった感じになって、葉が内側に巻いてくるようになります。
トマトの整枝についての解説は以上です。トマトはタイミングよく正しく整枝を行うことで収穫量を増やすことができます。
トマトに限らず野菜は丁寧に管理をすることで予想以上の結果が出ます。
放任でも実はなりますが、限られたスペースで効率よく収穫を行うために愛情を込めて育ててやりましょう。
▷野菜作りの教科書!VegetablesBeginnersGuide
YouTubeでも野菜の育て方や野菜作りのコツなどを分かりやすくご紹介しています。チャンネル登録おすすめです。