トマトに害虫が発生する原因・害虫の対策・農薬を使わずに害虫を駆除する方法など、安全で安心な野菜作りを目指しましょう。トマト栽培でよく見かける害虫の種類と防除方法も詳しく解説します。
YouTubeでトマトの害虫対策をより詳しく解説しています。動画を見ながらテキストを読むと、より理解が深まるのでおすすめです。
トマトに害虫が発生する原因やその対策をはじめ、なるべく農薬を使わずに害虫を駆除する方法、害虫が発生しない野菜作り、トマト栽培でよく見かける害虫の種類と防除方法を詳しく解説します
トマト栽培で害虫による被害に困っていないでしょうか?
トマトにはタバコガ類をはじめ、テントウムシダマシ、ヨトウムシ、コナジラミなど、大きな被害に繋がる害虫が多く集まります。
植えたばかりの苗に突如として襲ってくる害虫たち 大切に育てた苗や収穫した実がボロボロになるのは本当に辛いことです。
人体に影響があるから駆除剤を使いたくない、かといって何も対策せずにそのままにしておくと、数がどんどん増えて、一生懸命育てた野菜がダメになってしまいます。
害虫はどのように防除すれば良いのでしょうか?
なるべく被害を最小限に抑えて、人体や環境に影響のない防除法が理想です。
このページでは、トマトに害虫が発生する原因やその対策をはじめ、なるべく農薬を使わずに害虫を駆除する方法、害虫が発生しない野菜作り、トマト栽培でよく見かける害虫の種類と防除方法を詳しく解説しています。
害虫は、早期発見・早期対策が大切です。発見が早いほどより多くの手段を選択できるようになります。
このページを見ているということは、トマトの害虫対策を知りたい、もしかするとすでに被害に遭っているのかも知れません。
次はは、トマトの害虫対策の基本的な考え方、薬剤をできるだけ使わない防除方法、栽培環境を整えて害虫に対する作物の抵抗力を高める方法など、単に害虫の駆除方法だけでなく、予防も含めた総合的な害虫対策を解説していきます。
害虫は駆除方法を知ることは大事ですが 害虫が発生しない環境作りが大事です ここからは「野菜になぜ害虫が集まるのか」を詳しく解説していきます。
害虫が発生する原因を知って防除と対策をしておけば、被害を大きく減らすことができます。
どのような条件下で害虫が発生しやすくなるのか、害虫を増やさないためにどういった対策をすればいいのかを見ていきましょう。
美味しい野菜には虫が集まると聞いたことがあると思います。
ひと昔前は虫に食べられている野菜は安全で美味しいというのが定説でしたが、実は健康で元気な野菜には害虫は寄り付かなくなるのをご存知でしょうか?
健康に育った野菜は、葉で作られた糖分がバランス良くタンパク質やデンプン質に合成されますが、この合成がうまく機能しなくなると必要以上の糖分が葉に蓄えられます。
人間に例えると肥満体質で、糖分が多い葉は害虫の大好物です また、苗を大きく育てたい、果実数を増やしたいからと肥料を与えすぎると、植物内に害虫を寄せ付ける硝酸態窒素が増えます。
窒素過多は有機質肥料でも化成肥料でも起こります。株を軟弱化させないように、肥料は適正な量を与えましょう。
害虫の天敵になる益虫が少ないと害虫が増える原因になります。
自然界で害虫が大量に発生しないのは、鳥や小動物・昆虫・爬虫類といった、害虫の天敵となる生き物がいるからです。
プランター菜園や農薬を散布している畑や雑草がまったく生えていない畑などは生態系のバランスが崩れています。
益虫の生息地になる雑草地を残したり、枯草マルチを活用したり、益虫が住みやすい生態系のバランスが取れた畑を目指しましょう 。
野菜は日照不足になって葉の光合成量が減ると 合成のバランスが崩れて硝酸態窒素が増えてしまいます。
日当たりの良い場所を選び、太陽光が株の中心まで届くように整枝を行いましょう。
風通しが悪い 害虫の中にはジメジメした環境を好むものもいます。株元が茎葉で込み合うと風通しが悪くなって多湿気味になり、害虫の住処になってしまいます。
込み合った株元の側枝や茎葉を切り、株元周りの除草をしっかりと行うことで太陽光が根元まで届いて、害虫が住みにくい環境になります 。
同じ科の野菜を同じ場所で連続して育てると害虫が発生しやすくなります。
害虫は1年で1~3回ほど産卵をするため、エサとなる植物がある限りは他の場所に移動しません。
その結果、害虫の数がどんどん増えて、毎年のように発生します。エサとなる植物をなくすことで、害虫は次第に減っていきます 。
野菜は土が育てると言われるように、良質な土壌で育てると丈夫で健康な株に育ち 合成のバランスが良くなって、害虫が集まりにくくなります。
有機質が多く肥沃で、通気性と排水性が高く、微生物が多い団粒構造の土壌を目指しましょう 。
害虫は大量に発生してからでは駆除するのは困難です。駆除する手間や労力、費用もかかるだけでなく 使用する薬剤の量も増えてしまいます。
害虫は発生してから駆除するという考え方ではなく、発生する前に防除するという考え方も持っておきましょう。
幼苗期に葉が食害されると、その後の苗の生育不良や収穫量が減る要因になるので、株の状態を日々チェックして、害虫の防除は万全にしておきましょう。
害虫は周りの畑や雑草地から移動してくることもあります。そのようなときは物理的な防除が有効な対策になります。
効果の高い物理的防除の代表は、防虫ネットです。草丈が低い幼苗期はトンネル掛け、草丈が高くなったら支柱ごと囲ってしまいましょう。
完全な防除はできませんが、飛来害虫による被害を大幅に減らすことができます。
害虫が発生しにくい環境はイメージできたでしょうか?
栽培環境を整え、資材を利用して予防に努めても 害虫の発生を100%防ぐことはできません。
こまめに野菜を観察して、早期発見、早期防除を心がけることで薬剤の利用を減らすことができ、健康な野菜を収穫できます。
ここから先は栽培中によく見かける害虫をご紹介します。見た目や食害跡からどの害虫なのかを特定し 適切な防除法を見つけて、被害を最小限に食い止めましょう
被害拡大度 ★★★
幼虫は葉だけでなく果実も食害します。ナス科を好むタバコガと他の野菜も食害するオオタバコガがいます。果実を食害されると軟腐病の病原菌に感染することも。
葉や茎・果実の食害跡周辺をよく観察して幼虫を見つけたら処分する。整枝した枝や葉はすみかになるので畑の外で処分する。
被害拡大度 ★★★
テントウムシに良く似ていますが野菜の葉を食い荒らす害虫。別名「ニジュウヤホシテントウ」。幼虫と成虫とも葉を食害します。気温の低い早朝に駆除しましょう。
成虫を見つけて捕まえて処分する。成虫は葉を揺らすと落ちるので下に容器などを置いて落としましょう。
被害拡大度 ★★
ヨトウガの幼虫で終齢幼虫になると昼間は土中に潜み夜に葉や茎を食い荒らします。葉の食害跡は白く透けたようになります。卵や若齢幼虫のうちに駆除しましょう。
葉の裏に卵を見つけ次第すり潰しましょう。被害を受けやすい野菜の周りに背の高い野菜を植えると被害を軽減できます。
被害拡大度★★
体長が約1㎜の白い虫で株を揺らすと白い粉が舞い散るように飛び立ちます。英語ではホワイトフライといいます。ナス科やウリ科につく仲間はウイルス病を感染させるので要注意です。
防虫ネットをトンネル掛けする。黄色に誘引される性質があるので黄色の粘着シートで捕獲できます。銀色のマルチも有効です。
被害拡大度 ★
葉や茎に寄生して汁を吸う害虫です。新芽が寄生されると萎縮したり縮れたりします。多発すると株全体が枯れることも。不治の病「ウイルス病」を媒介するので予防が必須です。
発生したら株の下に紙などを敷いて筆などで払い落としましょう。多発したら薬剤も検討する。成虫には銀色のマルチが有効です。
被害拡大度 ★
葉肉内に産卵して孵化した幼虫が葉の中をトンネル状に食い進みます。食害跡は白い筋状が表の表面に現れます。白い線で絵を描いたように見えることからエカキムシとも呼ばれています。
食害跡を見つけたら白色の筋の先に幼虫が潜んでいるので指で押し潰しましょう。黄色に誘引されるので黄色の粘着シートで捕獲する。
被害拡大度 ★
成虫は6~8月に発生しますが、幼虫は土中で年中活動しています。成虫は葉を食害し大きな幼虫は根を食害します。
未熟な有機物の投入を避け植え付けの2週間以上前に完熟した堆肥を施肥する。見つけ次第処分する。
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