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落ち葉堆肥の作り方

落ち葉堆肥(腐葉土)の作成方法を詳しく解説します。落ち葉を使って作る堆肥は腐葉土とも呼ばれ、土をふかふかにして、根の伸びを良くしてくれたり、保水性や排水性を整えてくれたり、野菜が健康に育つための力を、しっかりと引き出してくれます。

落ち葉堆肥の作り方


Contents Menu

  1. 落ち葉堆肥とは?
  2. 落ち葉堆肥の基本知識
  3. 落ち葉堆肥作りはなぜ冬がベストなのか
  4. 堆肥作りで用意する材料と道具
  5. 落ち葉堆肥の作り方
  6. 完成までの期間と使い方
  7. 堆肥作りでよくある失敗とその対策
  8. さらに早く落ち葉堆肥を完成させるコツ
  9. 落ち葉堆肥作りのまとめ

動画でも「落ち葉堆肥の作り方」を解説!

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落ち葉堆肥とは?

落ち葉堆肥とは、名前の通り公園などに落ちている落ち葉を使って作られた自然素材の安心で安全な有機資材です。腐葉土とも呼ばれています。


ここ数年、物価高の影響で、市販の堆肥の価格がじわじわと上がり続けています。 家庭菜園を続けるうえで、土づくりのコストが負担になってきたという声もよく聞きます。

じつは、落ち葉は家庭菜園にとって最高の節約アイテムなんです。

普段ならお金を出して買う堆肥(腐葉土)が、秋に拾った落ち葉だけで、ほぼ無料で作れてしまいます。

落ち葉堆肥の肥料成分は?


落ち葉でつくる堆肥は、土をふかふかにして、根の伸びを良くしてくれたり、保水性や排水性を整えてくれたり、野菜が健康に育つための力を、しっかりと引き出してくれます。

市販の堆肥に負けないどころか、むしろじわっと効くやさしい堆肥です。

この落ち葉堆肥は、冬がいちばん作りやすい時期です。 気温や落ち葉の状態、作業のしやすさなど、条件がすべて揃っています。

今回は、落ち葉堆肥の基本知識のほか、必要な材料、実際の作り方、早く分解させるコツ、そして、よくある失敗例も合わせて、ていねいに解説していきます。 秋の落ち葉を、来年の豊作につながる宝物に変えていきましょう。

落ち葉堆肥の基本知識

落ち葉堆肥は、市販品でいうと腐葉土にあたり、土壌改良材として主に使われます。

落ち葉堆肥の基本知識


堆肥には、大きく分けて植物性の堆肥と動物性の堆肥があります。 植物性には落ち葉や樹皮を発酵させた腐葉土やバーク堆肥があり、主に土をふかふかにする改良材として使われます。

動物性には牛ふんや鶏ふんなどの家畜ふん堆肥があり、土を改良しながら肥料成分も少し補えるという特徴があります。

落ち葉堆肥の養分比率は、チッ素・リン酸・カリのどれも非常に少なく、いわゆる「肥料」というよりは「土壌改良材」に近い性質を持っています。 一般的にはチッ素がおよそ0.5%前後、リン酸とカリはそれぞれ0.2%程度です。

落ち葉堆肥を用土の混ぜる理由


養分が少ないなら混ぜてもあまり意味がないのでは?と思うかもしれませんが、落ち葉堆肥を混ぜることで土がふかふかになり、微生物が増えて肥料の効きが安定するため、栽培全体としては大きなメリットがあります。

養分不足を補うには、堆肥づくりの段階で、米ぬかや油かすなどの窒素資材を混ぜて発酵を強める方法と、畑に使う際に粒状肥料や有機肥料を少量追加して全体の肥料分を整える方法があります。

また、落ち葉堆肥を土に混ぜてから数週間置くことで微生物が活性化し、土中の栄養循環が促されて結果的に肥料の効きが良くなるため、先に土をつくっておくことが大切です。

落ち葉堆肥作りはなぜ冬がベストなのか

まずは、落ち葉堆肥づくりが、どうして冬に始めるのが良いのか、その理由をいくつか解説します。

落ち葉堆肥を作る時期は?


1つ目は、落ち葉がたくさん手に入ることです。 秋の終わりになると、広葉樹の葉がいっせいに落ちて、乾いた状態の葉が短い期間に大量に集まります。

新鮮で、乾きすぎず、濡れすぎない落ち葉が、一番使いやすい状態です。


2つ目は、分解が始まりやすい気温だからです。

年内は、まだ温度がそこまで下がっていません。 堆肥の分解を担当する微生物が、しっかり活動できるため、仕込みを早く始めるほど、春までの分解が順調に進みます。


3つ目は虫が少ないことです。

夏場の堆肥づくりと違って、コバエや害虫が寄りにくいため、袋やコンポストを安心して置いておくことができます。

4つ目は、春の畑づくりにちょうど間に合うことです。

いま仕込んでおくと、3月から4月ごろに、ちょうど良く熟してくれます。 春植えのトマトやナス、キュウリの土づくりにすぐ使えるのがポイントです。

このように、冬は落ち葉堆肥作りのスタートには最適な季節なんです。

落ち葉堆肥作りで使う材料と道具

このPartでは、堆肥づくりに必要な材料と道具を紹介します。

用意するものは、次のとおりです。

落ち葉堆肥作りで用意する材料と道具類


まず、落ち葉です。できれば、広葉樹の落ち葉が向いています。

スギやマツなどの針葉樹は、繊維が固くて分解が遅いため、混ざっても良いですが、なるべく取り除いておきましょう。

落ち葉堆肥作りで使う材料「米ぬか」


次に、米ぬかです。落ち葉は炭素が多く窒素が少ないので、窒素源として米ぬかを混ぜると、発酵がとてもスムーズに進みます。 米ぬかが手に入らない場合は、油かすでも代用できます。

そして、水です。落ち葉は乾燥しているので、適度な湿り気を与えることが大切です。

そのほかの道具としては、スコップ、手袋、そして、堆肥をつくるための容器がひとつ必要です。

家庭菜園では、黒いポリ袋や土のう袋で簡単につくる人も多いです。 専用コンポストがあればもちろん便利ですが、袋でも十分につくることができます。

落ち葉堆肥の作り方

このPartでは、実際の作り方を順番に解説します。

落ち葉堆肥の作り方


作業手順その1

落ち葉を集める まず、落ち葉をたくさん集めておきます。

針葉樹は分解が遅いので少なめにしましょう。 乾いた葉が一番扱いやすく、仕込みに向いています。

公園の落ち葉をもらってくる場合は、砂やごみが混ざらないように注意して集めてください。

落ち葉堆肥作りの手順「落ち葉を細かく砕く」


作業手順その2

落ち葉を細かくする。

落ち葉は、大きいままだと分解が進みにくいため、手で揉むようにして細かくしたり、足で踏んで軽く砕きます。

細かければ細かいほど、分解が早くなります。

落ち葉堆肥作りの手順「米ぬかを混ぜる」


作業手順その3

米ぬかを混ぜる

次に、袋か容器の中で、落ち葉に米ぬかをふりかけて混ぜます。 落ち葉100に対して、米ぬかは3から5の量が目安です。

米ぬかを加えることで、微生物が活性化しやすくなり、発酵がしっかり進むようになります。

落ち葉堆肥作りの手順「水を混ぜる」


作業手順その4

水を加える。

続いて、水を加えて湿り気を調整します。 握ったときに、ぎゅっとまとまる程度がちょうど良い湿り具合です。

水が多すぎると、嫌なにおいが出ることがあります。 逆に、乾きすぎると分解が止まってしまいます。

ここは、仕上がりに大きく関わる大事なポイントです。

落ち葉堆肥作りの手順「落ち葉を袋やコンポストに入れる」


作業手順その5

容器に入れる。

準備ができたら、袋やコンポストに落ち葉を入れます。 ぎゅうぎゅうに押し込まず、軽く空気を含ませるようにして入れましょう。 好気性発酵がポイントです。

黒いポリ袋でつくる場合は、袋の上に数か所、小さな穴を開けておくと、空気の出入りがしやすくなり、発酵が安定します。

作業手順その6

切り返す 1か月から2か月に一度、袋の中身を混ぜ直すと、分解が早くなります。

とくに、表面と底で湿り気に差が出やすいため、位置を入れ替えることで、発酵を均一に進めることができます。 乾いたら水を追加してもOKです。

切り返しの時に、白い菌糸が見えたら、分解が順調に進んでいるサインです。

完成までの期間と使い方

落ち葉堆肥が完成するまでにどのくらいの期間(時間)をみておけばいいのかを解説します。

落ち葉堆肥の完成までの期間は?


落ち葉堆肥が完成するまでの期間は、気温にもよりますが、11月~12月に仕込みを始めれば、早ければ翌年の3月から4月にかけて、しっかり熟した堆肥ができます。

できあがった落ち葉堆肥は、とても使い道が多く、家庭菜園で大活躍します。

たとえば、春の苗の植え付け前に畝に混ぜ込めば、土がふかふかになり、水もちと空気の通りが良くなります。

落ち葉堆肥の使い方は?


また、プランターの古い土に、完成した落ち葉堆肥を2割から3割混ぜるだけでも、状態の良い土に生まれ変わります。

野菜の根張りが良くなり、生育が安定するので、春のスタートを気持ちよく切ることができます。

よくある落ち葉堆肥作りの失敗とその対策

このPartでは、落ち葉堆肥づくりでよくある失敗を紹介します。

落ち葉堆肥作りでよくある失敗


ひとつ目は、落ち葉が乾きすぎて分解しないケースです。

乾燥すると微生物の働きが弱くなってしまうため、落ち葉の分解に時間が掛かってしまいます。

こうしたときは、水を足して湿り気を調整すれば改善します。

落ち葉堆肥作りでは好気性発酵を利用する 


2つ目は、袋の口をきつく結んでしまい、発酵ではなく、腐敗が進んでしまうケースです。

落ち葉堆肥を作る際は、好気性発酵といって微生物が酸素を使うため、密閉すると発酵力が弱くなってしまいます。

袋は軽く閉じるか、小さな穴を開けて、空気が入る状態を保ちましょう。

混ぜる米ぬかの量が少ないと落ち葉堆肥作りは失敗する


3つ目は、米ぬかが少なすぎて発酵熱が出ないケースです。

落ち葉が炭素過多になるため、微生物の活動が弱くなります。 米ぬかを適量追加することで、分解が進みやすくなります。

利用する落ち葉の種類


よっつ目は、落ち葉に針葉樹が多すぎる場合です。

針葉樹は香りは良いのですが分解はとても遅いため、全体の1割から多くても2割に抑えておくのがおすすめです。

これらのポイントさえ押さえておけば、落ち葉堆肥づくりは、失敗がほとんどありません。

さらに早く落ち葉堆肥を完成させるコツ

最後に、分解をもっと早く進めたい人のために、いくつかの裏技を紹介します。

落ち葉堆肥を早く仕上げるコツとポイント


1つ目は、落ち葉をなるべく細かくすること。 細かい葉ほど、表面積が増えて分解が早くなります。

2つ目は、黒い袋を使って日光に当てること。 袋の中の温度が上がり、発酵が活発になります。

3つ目は、使い残した古い堆肥を少量だけ加えることです。 スターターとして微生物が一気に運び込まれ、発酵がすぐに始まりやすくなります。

こうした工夫を組み合わせるだけで、春の完成時期がぐっと近くなります。

落ち葉堆肥作りのまとめ

落ち葉を使った堆肥作りの解説はいかがだったでしょうか。

今回は、冬が落ち葉堆肥作りのベストな理由、必要な材料、作り方の手順、 そして、早く分解させるコツや失敗しないポイントまで、わかりやすく丁寧に解説しました。

落ち葉堆肥は、材料も安く、作業も簡単で、しかも、家庭菜園の土づくりにとても役立ちます。

これからの季節は、落ち葉が手に入りやすく、春までのお休み期間で、堆肥づくりにとってベストなタイミングです。

ぜひこの時期に、落ち葉堆肥づくりを始めてみてください。 春の畑づくりが、まるで別の世界のように、ぐっと楽になります。

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この記事の著者

べじっと|家庭菜園アドバイザー

淡路島で栽培歴25年の兼業農家。小さなベランダ菜園から始め、現在はお米の他、年間30種類以上の野菜を育てています。日本園芸協会「美味野菜栽培士」資格保有。野菜づくりの楽しさを多くの人に伝えるべく、初心者向けのYouTubeチャンネルも運営中。

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