寒冷紗の主な使用目的は、被害に遭いやすい幼苗期の野菜を害虫から守ることです。
その他の寒冷紗を使用する目的には、遮光目的・水分蒸発抑制目的・防寒(防温)目的・凍霜害防止目的・防風目的などがあります。
寒冷紗の材質はポリエステル性で網目状になっているので、ある程度の保温性・保湿性を保ちつつ、なおかつ通気性が良いのが特徴。水やりの際も覆った寒冷紗を捲らずに、そのまま水やりを行うことが出来ます。
寒冷紗は不織布のようにべた掛けに使うのではなくトンネルがけに使う園芸資材で、色の違いや折り方の違いなど様々な種類があります。
ただし、不織布や普通のナイロンフィルムに比べると保温性はそれほど高くないため、寒冷地での使用はあまり向いていません。
寒冷紗を使用する時期は、害虫被害に遭いやすい植え付け後~幼苗期、気温の低い12月~3月まで、気温が高くなり日光が強くなる7月~9月です。
白い寒冷紗と黒い寒冷紗の使い分けですが、保温と凍霜害を目的とする冬場の使用では白色タイプの寒冷紗を利用し、遮光を目的とする場合に黒色の遮光ネットタイプを利用しましょう。
遮光率は白色のものは70~80%透過するもの、黒色のものは50~90%の範囲があるので栽培品目と使用時期によって使い分けるようにします。
寒冷紗を張る時に必要な道具は「寒冷紗」「トンネル用支柱」「クリップ」が必要です。(注:クリップは洗濯バサミでも代用出来ます。)
これらの寒冷紗用の道具は近くの園芸店やホームセンターで販売していますし、楽天市場やamazonなら使いやすくて人気の手ごろな寒冷紗をすぐに見つけることが出来るでしょう。
使用する野菜に合った寒冷紗を選ぶのがポイントです。
楽天市場の人気の寒冷紗一覧はこちら(クリック)
amazonの寒冷紗一覧はこちら(クリック)
トンネル用の支柱を40~50㎝の間隔で畝の周りに風で倒れないようにしっかりと土中に差し込みます。
葉が大きく拡がって育つ野菜に寒冷紗を立てる時に支柱を苗のすぐそばに立ててしまうと、葉の形が変形したり寒冷紗からはみ出してしまうので、育てる野菜に合わせて支柱のサイズを選びましょう。
支柱を立てたら両端に隙間が出来ないよう余裕を持たせて寒冷紗をちょうどよいサイズに切り取ります。
サイズを間違わないコツは寒冷紗を支柱に掛ける前に畝の横に並べて実際に確認してから切るようにすることです。
寒冷紗の両端部を短く切ってしまうと、単部をくくった際に長さが足りなくなって、隙間が出来て害虫の侵入口になるので注意しましょう。
サイズは畝幅と同じ長さ残すと丁度よい長さになります。仮に畝幅60㎝の場合なら畝の端から約60㎝確保すれば十分な括りしろが作れます。
寒冷紗を切り取ったら先ほど立てたトンネル支柱の上に被せましょう。
この時点で寒冷紗の位置をある程度決めてしまいます。この時は寒冷紗に多少のシワがあっても問題ありません。
どちらか片方に寒冷紗が偏って大きな隙間が出来ないようにバランスよく配置するのがポイントです。
寒冷紗を被せたら両端のトンネル支柱と寒冷紗をクリップ(洗濯バサミ)で止めましょう。
寒冷紗は弛みが出来ないようにピンと張って、支柱の根元にクリップで止め付けます。
この時に緩みが大きすぎると隙間が出来てしまって害虫が侵入する原因になります。
クリップを止めたあとは寒冷紗の小口側を括ります。
写真のように寒冷紗の外側部分を捻じってから括るようにすると、シワや弛みが出きずに綺麗に貼り付けることが出来ます。
括った部分は最後に石や周辺の用土を重しにして、寒冷紗が風で飛ばされないようにしましょう。
長辺方向の裾も隙間が出来ないように寒冷紗の両端を地面にピッタリと密着させるか用土を被せておきます。
最後に寒冷紗の上からトンネル支柱を立てて風で飛ばされないようにすれば完成です。
寒冷紗は生育環境(光と温度)を調節して害虫や害獣(害鳥)から野菜を守るアイテム。設置には少し手間が掛かりますが、うまく使いこなすとその効果は絶大です。
特に露地栽培はベランダ栽培と違って頻繁に苗を観察することが出来ないため、害虫の発見が遅れると一気に被害が拡大してしまうことがあります。
害虫への余計な心配をしなくて済む寒冷紗は、露地栽培はもちろんベランダ菜園でも大活躍してくれることでしょう。
ベランダ菜園では設置も簡単なプランター専用の寒冷紗が販売されています。
▷家庭菜園で簡単野菜作り!VegetablesBeginnersGuide
YouTubeの動画でも野菜の育て方や野菜作りのコツなどを分かりやすくご紹介しています。チャンネル登録おすすめです。