「畝」とは、野菜を植えるために土を盛り上げた場所のことで、畝作り(畝立て)と言い、野菜を美味しく健康に育てる大切な場所です。畝を作る目的や畝の種類、正しい畝の立て方など畝作りの基本をレクチャーします。
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畝を作る目的は、周りよりも用土の嵩(かさ)を高くすることで、用土の水はけと通気性を良くして、農作業をやりやすくすることです。
畝は育てる野菜によって幅と高さを変える必要があり、畝の作り方によって日当たりや土質などが大きく変化します。
畝の種類には「平畝」「高畝」「鞍つき」があります。それぞれの畝の特徴とその畝で育てる代表的な野菜の種類を見ていきましょう。
平畝とは一般的に高さ5~15cmほどの畝のことで、多くの野菜はこの平畝で育てます。
平畝は土が軽く乾燥しやすい畑や夏場の乾燥機のときに作ります。根を深く張らない野菜に向きます。
平畝で育てる野菜は「トウモロコシ」「ピーマン」「エダマメ」「ナス」「キャベツ」などがあります。
高畝は周囲よりも20~30cmほど土を盛り上げ、畝面を高くした畝のことです。
高畝は用土が重く水はけの悪い畑や地下水位が高くて湿害が発生する畑、作土層(栽培土)が浅い土壌のときに作ります。
高畝で育てる野菜には、ダイコンやニンジンなどの根野菜のほか、トマトやサツマイモなど排水性の良い土壌を好む野菜に適しています。
鞍つき畝とは円形に土を盛った畝で、1株あたりの栽培に広い面積が必要な野菜などに向く畝です。
「スイカ」や「カボチャ」「キュウリ」などは、根を浅く広く張る性質をしているため、鞍つき畝が適しています。
鞍つきは1株ごとに円形の畝を作るのが基本です。
それぞれ畝の見た目や高さは違いますが、基本的な考えからは同じです。畝を作るときのコツとポイントを説明します。
野菜の根の張り方や作業効率を考えて畝の幅は決めましょう。
多くの野菜は株の直径と同じ長さの根を張ります。例えばキャベツだと収穫前の株の直径が50~60cmになるので、根の直径も最終的に50~60cmまで広がります。
キャベツ栽培で作る畝の幅は最低でも60cm以上が必要ということになります。ただし、2列に植えようと120cm以上にすると管理作業がやりにくくなるため、畝幅は作業しやすい幅にしておきます。
畝の高さは乾燥しやすい用土や時期は低めに作り、土質が重く水はけの悪い用土や作土層が浅い場所は高畝にします。
また、多湿を嫌う野菜は水はけのよい高畝で育て、乾燥を嫌う野菜は平畝で育てます。
畝の向きは平地の場合は南北方向が基本ですが、栽培地の日当たりや風向きなどを考慮して作りましょう。
例えば、冬場は太陽が低い位置に登るため、畝は東西に伸ばして作り、北側に土を盛って風よけを作るなどします。
傾斜地に畝を作る場合は、等高線(高さを表す線)に沿って作るといいでしょう。
平畝と高畝の作り方を説明します。
①ヒモ(2本)とクワとレーキを用意しておきます。畝を作る前に元肥を入れて用土としっかりと混ぜておきましょう。
②作りたい畝の幅に合わせて2本のヒモを平行に張ります。
ヒモは棒などに括りつけて畝の高さにしておきます。一般的な平畝は高さ5~15cmで、高畝は20~40cmです。
③ヒモの外側の用土を内側に盛ります。
畝作りのポイントは、用土が時間の経過ともに締まるので、少し高めにしておくことと、用土の量が偏らないように、畝全体にバランスよく盛ることです。
④レーキなどを使って表面を平らにならします。小石や枯草・枯れ木などがあれば取り除いておきましょう。
⑤最後にヒモを外して畝の完成です。
次は鞍つき畝の作り方について詳しく説明します。鞍つき畝はキュウリやカボチャなどの根を広く張る野菜に向いた畝です。
①スコップで直径約40cm深さ約30cmの穴を掘って元肥(化成肥料や堆肥)を穴の底に入れます。
②円形の畝になるよう周辺の土を円の中心に盛って掘った穴を埋め、更に土を盛りあげていきましょう。
鞍つき畝の高さは一般的に20~30cmです。
③最後に盛った土の表面をレーキなどを使って平らに仕上げて完成です。
次のページでは、気温が低いときに地温を上げたり、害虫から野菜を守るために必要なマルチングの基本知識について説明します。
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