家庭菜園で野菜を育てていると収穫した野菜が変形したり形が売られているものと違う事が良くあります。どうして野菜は形が悪くなってしまうのかを分かりやすくご説明します。
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きゅうりやピーマン・シシトウなど果菜類の果実の形が悪くなるのはなぜ?
きゅうりやピーマンなど実を付ける野菜(果菜類)は栽培管理のやり方によって果実が変形することがあります。形が悪い果実のことを「奇形果」または「変形果」と言います。
奇形果が発生する野菜の代表的な品種は、「キュウリ」「ナス」「ピーマン」「シシトウ」「トマト」などです。
野菜の種類は違っても奇形果になる原因と予防や対策はどれも似ているのが特徴です。
奇形果の原因は、「野菜が病害が原因」の場合と「気候や土壌が原因」「生育不良」のどれかに当てはまった場合です。
まずはひとつに原因を決めつけるのではなく、すべての原因疑ってみてください。
果実だけでなく株も元気がないときは病害による原因の可能性が高く、株や草勢が旺盛な時は「気候や土壌」が原因であることが多いです。
奇形果という名前を聞くと食べるのに不安になるかも知れませんが、形の良い野菜と比べても味や品質は殆ど変わりはありません。
野菜がどのような形をしているかで原因を判断することができます。奇形になった野菜はどういう形をしていますか?
次の項目からは形で判断する奇形果の原因と対策についてご説明します。
これらの症状が出る場合は草勢が弱いのが一番の原因です。これらの症状が出るときは草勢が弱くなっている証拠で、その原因を取り除けば形が良くなります。
野菜の草勢が弱くなる原因は?
日照不足・高温乾燥・着果過多・肥料不足です。
例えばキュウリの場合だと、梅雨の時期の日照時間が少ない時や夏場の気温が高く乾燥する時期に奇形果が良く発生します。
尻太果に似ている奇形で、果実の上部が細いが下は均一に育っている「肩こけ」という奇形果があります。
この肩こけになるのは肥料が多すぎる時や春先の低地温で根の活力が悪いときの発生する奇形果です。
総勢が弱い時の対策ですが、以下の項目をチェックして対策を行いましょう。
株間を適切に確保する
野菜同士が密植しすぎて植えてありませんか?決められてた株間を確保していないと通風が悪くなりますし肥料を取合って草勢が弱くなってしまいます。
ベランダ菜園の場合は両隣のプランターが近すぎませんか?間隔を空けてやることで日照不足が解消されます。
土作りを見直す
水の含水量が適切に確保される土壌になっていますか?土の保湿が悪いと水やりを頻繁に行わなければいけなくなります。
水やりは表面だけでなく土中にも行きわたるようにしっかりと行っていますか?
摘葉をしっかりと行う
葉が必要以上に多く生い茂っていると光量不足になり草勢が悪くなります。適度に摘葉を行っていますか?
通風が悪いと空中湿度が下がるので注意が必要です。
実がなり過ぎていないか?
収穫のピークになると1株に沢山の果実がなりますが、実らせる果実が多すぎると株が成り疲れの状態になります。
特に実が曲がる状態の時はつける実の数を調整してやることで形が良くなります。
栄養(肥料)を十分に与える
肥料は適切なものを適量与えていますか?プランター栽培で株間が狭い場合は肥料の奪い合いをしている時があります。特にプランターでのキュウリ栽培では根を浅く広く張りますから肥料不足になっていることがあります。
肥料の種類を変える
キュウリやピーマンに与える肥料は元肥の肥料と同じものを与えていませんか?着果した時に与える肥料は「ぼかし肥料」といって、元肥に比べて窒素分が少ないものを与えましょう。
元肥は株や茎、葉を成長させるために窒素分の多い肥料、着果後は、窒素分を抑えた果実が充実する肥料を与えましょう。ただし尻太果はカリが少ない時もよく発生します。
くびれ果と空洞果の原因と対策は、以下の項目をチェックしてみましょう。
水やり量を見直す
水やり不足の場合は、水を与える時間帯の確認、1回あたりの水やりの量を野菜に合わせて適度に行ってください。
ホウ素不足でアルカリ性の土壌になっている
ホウ素不足の場合は土壌がアルカリ性になっている場合が多いので、野菜を植える前にPHメーターなどでPH値を確認して下さい。
土壌にホウ素を与えるよりも土壌を弱酸性にする方法が手間もかからずより有効です。
流れ果はその名前の通り、花が咲いても結実までたどり着かない(実がならない)奇形果の種類です。
流れ果は実が花が咲く前に落ちる時と花が咲いた後で落ちる時とでは原因が違ってくるので、開花前後は注意して観察してそれぞれに適した対策を行うことが大切です。
開花前に実が落ちる流れ果の原因は、草勢が弱い、あるいは日光不足です。予防と対策は以下の点を確認してみましょう。
開花後に実が落ちる流れ果の原因は日照不足、高夜温、肥料の与えすぎが原因です。予防と対策は以下の点を確認してみましょう。
夏場の高温下では形の良い野菜を作るのが非常に難しくなります。対策として夏場に強い品種を選び水やりをしっかりと行いましょう。
裂果とは名前の通り「実が割れてしまう奇形果」のことで、裂果は昼夜の温度差が大きくなる秋口によく見られる奇形果です。
昼夜の温度差が激しい時期に栽培する時はビニル栽培にするなど対策しましょう。
トマトの場合は短期間で水分や肥料を与えた時にも裂果します。短時間で大量の水やりするのは避けましょう。
短果は夏野菜であれば秋口によく発生します。
あと主枝の2~3番果にも良く発生しますので、初期段階で形が悪いものが発生した時は処分しても構いません。
長果は収穫のピーク時に良く発生する奇形果です。特に側枝の2~3番果は長くなる傾向にあります。
奇形果になる原因はありますが、これらを完全に防ぐことはできません。普通に育てても野菜の生理現象で起きてしまうのです。
例えば「裂果」という奇形は野菜が種を将来に残す為に起きるもので気温が下がり草勢が落ちる秋口に種を地中に落とすことが目的です。本来は自然なことなのです。
奇形果と聞くと「食べても大丈夫なの?」と言う方がいますが、見た目が悪くて味も質も変わりませんし、もちろん人体に影響はありません。
奇形果は販売農家ならともかくとして、家庭菜園で育てる野菜なら病害でない限りは特に気にすることではないでしょう。
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