アーティチョークは春が植え付け時期です。日当たりと水はけの良い場所に深さ5~10mmで種をまき、発芽後は本葉が触れ合うタイミングで間引きをします。主な作業は水やり・追肥・土寄せなどです。収穫までは約2か月です。
アーティチョークの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。
種まき適期や植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています。
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栽培難易度 ★★☆☆☆
地中海原産の野菜で別名はチョウセンアザミといいます。栽培期間は長めですが育てやすいため難易度は低めです。同じ場所で何年も収穫できるお得な葉野菜で株分けして増やすこともできます。
アーティチョークは大きな多肉質なつぼみの部分を食べる野菜です。茹でたてはホクホクで栄養たっぷりの高級食材です。
収穫せずにそのままにしておいて花を観賞用にするのもおすすめ。アザミに似た紫色の大きな花をつけます。
丈夫な野菜でさほど手間もかからずに栽培できるので初心者でも安心して育てることができます。
科目 | キク科 |
連作障害 | あり(2~3年) |
土壌酸度 | pH6.0~6.5 |
株間 | 10cm以上 |
発芽適温 | 15~20℃ |
生育適温 | 10~20℃ |
種まき時期 | 3月下旬~4月下旬 |
発芽日数 | 種まきから7~10日 |
苗植え付け時期 | 4月上旬~5月上旬 |
収穫時期 | 種まきから約2か月 |
アーティチョークの栽培時期は春から秋にかけてです。種まき適期は3月~4月で、収穫までは種まきから約2か月です。
アーティチョークの品種は大きく分けると「大型種」「中型種」に分かれます。人気の品種はグローブ種の「グリーン・グローブ」や「インペリアルスター」などです。
品種による栽培方法に違いはなく育てやすさも変わりません。どの品種を選んでも栽培は容易です。
大型種には「インペリアルスター」「グリーン・グローブ」赤紫色をした「ロマネスコ」があります。
中型種は、細長い形をした「ビオレッタ」や芯が柔らかく生食もできる「シエナ」などが人気の品種です。
アーティチョークはプランター栽培と露地栽培が可能で、直まきとポットで育苗してから畑に移植する方法があります。
アーティチョークの栽培をはじめる前にしておくことは、プランター栽培では「プランターと栽培用土の準備」、露地栽培では「土作り」と「畝作り」などです。
アーティチョーク栽培で利用するプランターサイズは中型(60cm)以上のものを利用しましょう。1株植えなら大型の植木鉢でも栽培ができます。
品種にもよりますが、中型サイズのプランター1つに対して3~5株程度の栽培が可能です。
アーティチョーク栽培で使う用土は市販の培養土を利用すれば土作りの必要がなく袋から開けてすぐに使えるのでとても便利です。
自分で用土を配合するときは、赤玉土(7):腐葉土(2):バーミキュライト(1)を混ぜたものを使いましょう。
そこに石灰を用土10Lあたり10~20gと化成肥料を用土10Lあたり10~20gを入れてよく耕しておきます。
プランターや植木鉢の底には、水はけを良くするために赤玉土や鉢底石などを数センチほど敷き詰めておきます。
種から育てるときは淵から5cmほどの位置まで用土を入れ、苗から育てるときは根鉢の高さを考慮して用土を入れておきましょう。(根鉢を置いてから残りの用土を足します。)
アーティチョークの露地栽培の土作りは種まき(苗の植え付け)の2週間前に終わらせておきましょう。苦土石灰100g/1㎡をまいて全体に混ざるように丁寧に耕しておきます。
種まき(苗の植え付け)の1週間前になったら、堆肥(2㎏/㎡)と化成肥料(100g/㎡)を畑の全面にまいて良く耕しておきましょう。
アーティチョーク栽培で作る畝は、2条まきで畝幅が70~80cm、畝の高さが10~15cmの平畝です。
アーティチョークは直まきとポットまきができます。どちらも発芽させるのは難しくありませんが、発芽適温外に種をまくときはポットまきをして温度管理しながら育苗する方が確実です。
アーティチョークの種まき適期は、3月下旬~5月上旬です。
アーティチョークは15℃~20℃が発芽に適した温度です。
アーティチョークは発芽適温内なら7日~10日で発芽が始まります。発芽適温から外れていると日数は前後します。(参考:アーティチョークが発芽しない原因と対策)
アーティチョークの間引きはタイミングよく行いましょう。間引きの時期が早すぎると苗が徒長して軟弱になり、遅すぎると抜き取るときに隣の根を傷める原因になります。
発芽して本葉が2枚出たら間引きの時期です。緑が濃く元気な苗を1本だけ残して他の苗はすべて引き抜きましょう。
アーティチョークの株間は10~15cmです。
残したい苗の根元を指で押さえて不要な苗をつまんで一気に抜き取りましょう。
間引きが遅れて隣り合う苗の根と絡まって抜けにくいときは、ハサミで根元から切り取ってもかまいません。
アーティチョークを種から育てるのが難しいと感じたら、園芸店などで売られている苗を購入して育ててみましょう。苗からだと収穫まで簡単に辿り着けます。
アーティチョークの植え付け適期は3月下旬~5月上旬です。
アーティチョークは10℃20℃が生育がもっとも良くなる温度です。
アーティチョークの苗を植える間隔は10~15cmです。
アーティチョークの栽培は長期に渡るため、定期的な土寄せ(まし土)を行って、根が用土の表面から露出しないようにしましょう。敷き藁などをして用土の流出を防ぐ方法もおすすめです。
水やりや降雨で根元周りの用土が減ってきたときが土寄せのタイミングです。根が完全に露出する前に行いましょう。
株周りの固くなった用土の表面を軽くほぐして株元に寄せます。プランター栽培では新しい用土を足しましょう。
アーティチョークは成長に併せて水やりを変えます。種まき後(苗の植え付け後)から約1週間程度はこまめに水やりをしますが、その後は用土の表面が乾いたタイミングで水やりをしましょう。
アーティチョークは用土の表面が乾いたときが水やりのタイミングです。高温多湿が苦手なので、回数を増やすよりも1回でたっぷりと与えるようにしましょう。
プランター栽培では鉢底から染み出るくらいたっぷりと与え、露地栽培では1株あたり1.5~2Lが目安です。表面だけでなく用土の中に染み込むまで与えましょう。
極度に土壌が乾燥すると葉焼けを起こすので、収穫前の水切れには注意しましょう。
アーティチョークの追肥は株の成長に合わせて与える肥料の種類と与える量を調整しましょう。アーティチョークは根の先端からもっとも吸肥します。プランターの淵や、畝間や株と株の間に肥料をまいて表面の用土と混ぜ合わせておきます。
収穫後から低温期は肥料は少なめにして、翌年の春以降から追肥を開始しましょう。
アンティチョークはチッソ分の割合が多めの肥料を与えて株を大きく育てます。
1株あたり5~10gを与えましょう。(プランターの淵に沿ってまく。)
1㎡あたり20~30gを与えましょう。(軽く一握り)
アーティチョークの収穫のタイミングや収穫の目安を知って、もっとも美味しい頃合いに収穫しましょう。
アーティチョークは種まきから約2.5か月、苗の植え付けから約2か月月で収穫適期を迎えます。大型種は100日前後で中型種は80日前後が目安です。
アーティチョークの収穫時期を見た目で判断するときは、大型種はつぼみの直径が10~15cmがもっとも美味しいとされるサイズです。中型種は7~8cmが目安です。
ハサミやナイフなどで蕾の根元を切り取って収穫しましょう。
アンティチョークは開花が始まる6月下旬までに収穫を終えましょう。
収穫後の苗は抜かずに越冬させると翌年以降も収穫を楽しめます。株の寿命は5~6年です。
アンティチョークには多くの病害が発生します。病害が発生したら早期解決と再発防止を心掛けましょう。
アンティチョーク栽培で見かける病害は「うどん粉病」「炭疽病」「カビ病」「モザイク病」「苗立ち枯れ病」などです。
アンティチョークは冷涼でやや乾燥を好むため、高温多湿の環境下では病害が発生しやすくなります。
連作と密植を避けて、水はけが良く風通しの良い環境で栽培することが病害の予防になります。
収穫前に害虫の被害に遭うと収量に大きく影響します。害虫を見かけたら早期に駆除することが被害を最小限に抑えるポイントです。害虫対策をしっかりと行って、害虫の集まりにくい環境を目指しましょう。
アンティチョークに集まる害虫は「ヨトウムシ」「アブラムシ類」「アザミウマ」「ハモグリバエ」などです。
害虫は大きくなる前や数が増える前に早期に駆除することが大切です。葉の裏もよく観察して卵や幼虫を見つけたらすぐに捕殺しましょう。
苗が小さいうちのトンネル掛けや不織布掛けは、害虫の飛来を予防する上でかなり有効な方法です。
栽培時に出る残渣(落ち葉や枯葉)はこまめに撤去し、株元が込み合ったら摘葉して風通しを良くすることで、害虫の住処をなくすことができます。
自分の畑だけを対策しても、周辺の無対策の畑や雑草地に囲まれている畑などから害虫は次々と飛来してくるからです。
害虫の数が増えて人力で駆除できないときは、人体への影響が少ない薬剤を使うことも検討しましょう。
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