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クレソンの育て方

クレソンは真冬以外が植え付け時期です。日当たりのよい場所で容器に砂利を入れて挿し芽をしておけば簡単に成長します。収穫までの作業は水やり(水替え)・追肥などです。収穫まで約2か月です。

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クレソンの育て方は?失敗しないクレソン栽培のコツ


失敗なしでクレソンを栽培しましょう!

クレソンの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。

苗の植え付け適期や挿し芽時期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています。

Contents Menu

  1. クレソンの難易度と栽培のポイント
  2. 栽培時期
  3. 育てやすい品種
  4. 栽培前に準備しておくこと
  5. 露地栽培の土作りと畝作り
  6. クレソンの種まき
  7. 間引き
  8. 苗の植え付け
  9. 挿し芽(挿し穂)から育てる
  10. クレソンの栽培管理保温栽培摘芯水やり追肥
  11. クレソンの収穫
  12. 病害対策
  13. 害虫対策

動画で解説「クレソンの育て方」

YouTubeでも「シシトウの育て方」を解説しています。テキストを手元に置いて動画を一緒に見ると、より理解が深まります。チャンネル登録おすすめです。

クレソンの難易度と栽培のポイント

栽培難易度 ★★☆☆☆

クレソンは自生するほど強靭で、水につけるだけで容易に発根する難易度の低い葉野菜です。露地栽培もできますが、繁殖力が強いので鉢植えがおすすめです。

クレソンの栽培難易度と育て方のポイント


クレソンはヨーロッパから西アジア一帯の冷涼な湿地に自生しているアブラナ科の多年草です。クレソンはフランス語で、別名は「オランダガラシ」や「クレス」と言います。

日本へは明治初年に渡来し、その後、全国各地の小川や湿地で自然繁殖しています。

クレソンは繁殖力が強く水辺に自生する植物なので、鉢やプランターで水かけ栽培(水耕栽培)で栽培します。頻繁に水やりできる環境なら露地での栽培も可能です。

クレソンの上手な育て方


クレソンは葉にピリッとした特有の辛みがあり、古くからサラダ野菜として利用されています。

栄養価が高く、お浸しや鍋の具・汁の具・肉料理の付け合わせなど、さまざまな料理に使うことができます。

クレソンは種からも栽培できますが、水に差すだけでも発根するので挿し木(挿し芽)から苗を作るのが一般的です。スーパーで食品として売っているクレソンでも苗を作れます。

クレソンは冷涼な気候を好むので、露地栽培では高温期になると生育が悪くなって収量が減ってしまいますが、水かけ栽培なら収穫を続けられます。

低温期(晩秋から冬)の間でも、日の良く当たる霜の当たらない場所で栽培すればその間も収穫できます。

クレソンの栽培データ

科名 アブラナ科
別名 オランダガラシ(和蘭芥子)・オランダミズガラシ・クレス・葶藶(ていれき)・水芥子など
草丈 20~30cm
連作障害 あり(1~2年)
適した場所 反日蔭の風通しの良い場所
日当たり 🌞 or 🌤
株間 5cm~10cm
発芽適温 18~22℃
生育適温 15~20℃
種まき時期 4月~5月・9月~10月
発芽日数 5日~10日
苗植え付け時期 4月~6月・9月~10月
収穫時期 種まきから約2か月


栽培時期

クレソンの栽培時期は通年です。種まきは春と秋に可能で、収穫までは種をまいて(植え付けから)から約2か月です。

栽培カレンダー

春まき

クレソンの春まきは、種まきが4月~5月で苗の植え付けは4月~6月です。

クレソンの栽培カレンダー


秋まき

クレソンの秋まきは、種まきが8月~9月で苗の植え付けは9月~11月です。

クレソンの栽培時期は?



育てやすい品種

クレソンは基本的に在来種の1品種のみですが、さまざまな商品名で販売されています。基本的にはどの品種を選んでも栽培方法や育てやすさに違いはありません。

クレソンの育てやすい品種は?


クレソンは分化した品種は少なく、自生種を親株として繁殖させた種や苗が市場に出回っています。

種苗メーカーからは固定種名の「クレソン」のほか、オランダガラシ(和蘭芥子)・オランダミズガラシ・クレス・葶藶(ていれき)・水芥子といった商品名で苗が販売されています。


クレソンの栽培方法

クレソンはプランター栽培と露地栽培が可能ですが、水やりの手間や繁殖の管理を考えるとプランターや鉢での栽培がおすすめです。

栽培前に準備しておくこと

クレソンの栽培をはじめる前にしておくことは、プランター(栽培容器)の準備と土作りなどです。

クレソンのおすすめの栽培容器・プランター


プランターの選び方

クレソンは水を張って栽培するので、利用するプランターは水抜き栓付きを使います。サイズは中型(60cm)以上のものを利用しましょう。

中型サイズのプランター1つに対して、4~5株程度の栽培が可能です。

10号サイズ以上の水抜き栓付きの植木鉢や、食器の洗いカゴ(二重になっているもの)でも栽培ができます。

夏場は水が腐りやすいので、水抜き栓のある容器を使うと水替えが楽になります。

クレソンの栽培で使う用土の種類は?


栽培に使う用土の種類

クレソン栽培で使う用土は市販の培養土を利用すれば土作りの必要がなく袋から開けてすぐに使えるのでとても便利です。

自分で用土を配合するときは、黒土(6):川砂(4)を混ぜたものを用意しましょう。

元肥は不要です。


種まき

クレソンはポットまきができます。日数はかかりますが、発芽させるのは難しくありません。植え付けに適した大きさになったら植え替えて水かけ栽培に移行します。

クレソンの種まき


クレソンを種から育てる

クレソンは直まきもできますが、植え替えするのでポリポットなどに種をまいて育てるのが一般的です。

発芽適温から大きく外れる時期は、苗が植え付けに適した大きさになるまで保温栽培するとより確実です。

種まき時期

クレソンの種まき適期は、春まき(3月~4月)と、秋まき(8月~10月)です。

※種まき適期は栽培地の気候などによって前後します。

発芽適温

クレソンは18℃~22℃が発芽に適した温度です。

発芽日数

クレソンは発芽適温内なら5日~10日で発芽が始まります。発芽適温から外れていると日数は前後します。


ポットまきのやり方(手順)

  1. 3号のポリポットに種まき用の培養土を入れます。
  2. 水をたっぷりとかけます。
  3. 1か所あたり3~4粒の種をまきます。
  4. 用土を5~10mm被せます。
  5. 指先で軽く押さえて用土と種を密着させます。
  6. 種が流れ出ないように水やりをします。

種まきのコツとヒント

  • 覆土は適切な量を被せましょう。
  • 発芽までは風通しを良くして反日蔭で乾燥させないように管理しましょう。
  • 発芽するまでは水切れに注意しましょう


間引き

クレソンの間引きはタイミングよく行いましょう。間引きの時期が早すぎると苗が徒長して軟弱になり、遅すぎると抜き取るときに隣の根を傷める原因になります。

クレソンの間引き


間引きの時期(タイミング)

クレソンの間引きは葉が触れ合うタイミングで行いましょう。

最終の間引きは草丈が5cmを超えた頃で、元気な苗を1本だけ残しましょう。

苗の間引き方

苗が抜けないように残す苗の根元付近を指で軽く押さえて、不要な苗の根元を掴んで手で抜き取りましょう。

間引きが遅れて隣り合う苗の根と絡まって抜けにくいときは、ハサミで根元から切り取ってもかまいません。

苗は徒長させない

クレソンが発芽して植え替えするまでは、日光を十分に当てて苗が徒長しないように管理します。

葉が込み合うと採光が悪くなって徒長する原因になるので、タイミングを逃さないように間引きしましょう。


苗の植え付け

クレソンを種から育てるのが難しいと感じたら、園芸店などで売られている苗を購入して育ててみましょう。苗からだと収穫まで簡単に辿り着けます。

クレソンの苗の植え付け


クレソンを苗から育てる

クレソンは、節間が狭く茎が太く葉の緑の濃いもの、害虫や病害の被害に遭っていないものが良い苗です。草丈が10cmを超えたものが植え付けに適した苗の大きさです。


植え付け時期

クレソンの苗の植え付け適期は、春(4月~6月)と秋(9月~11月)です。

※植え付け適期は栽培地の気候などによって前後します。

生育適温

クレソンは15℃~20℃が生育がもっとも良くなる温度です。

苗を植える間隔(株間)

クレソンの苗を植える間隔は5~10cmです。


苗の植え方(手順)

  1. 根鉢の高さを考慮して底に用土を敷き詰めます。
  2. ポリポットから丁寧に苗を取り出します。
  3. 苗を置きます。
  4. 子葉が埋まらない程度に用土を足します。
  5. 株元を軽く押さえて根と用土を密着させておきます。
  6. 水をたっぷりと与えます。


クレソンを挿し芽から育てる

クレソンは挿し芽から簡単に育てることができます。スーパーなどで購入した根付きのクレソンも同様に栽培でき経済的です。

クレソンを挿し芽から育てる


クレソンの増やし方

クレソンは親株から切り取った茎葉を植える「挿し芽」で簡単に株を増やせます。

挿し芽の時期

春(4月~6月)と秋(9月~11月)です。

※植え付け適期は栽培地の気候などによって前後します。

クレソンの苗の増やし方は?


挿し芽の作り方(手順)

  1. 親株から15cmほどの茎葉を切り取ります
  2. 根元から半分までの葉を切り落とします
  3. コップに水を入れます
  4. 切り取った茎葉をコップに挿します
  5. 発根したら苗を植え替えします

挿し芽のコツとヒント

  • 水は毎日取り換えましょう
  • 水が腐るのでミネラルウォーターではなく水道水を与えましょう
  • 適温内なら7~10日で発根します
  • スーパーなどで買った根付きのクレソンも同様に植え付けできます


クレソンの栽培管理

摘芯

クレソンは主茎の先端を切ると側枝(脇芽)がたくさん伸びます。株が一定の高さになったら摘芯を行いましょう。

クレソンの摘芯


摘芯とは枝の先端部分を切り取ることです。

株の高さが20cmを超えたら、中央から伸びる主枝(一番太い枝)の先端部分から7~8cmのあたりを切って摘芯します。

クレソンは主枝を摘芯することで、写真のように脇芽がたくさん出るようになります。


冬越し(保温栽培)

クレソンは晩秋以降になると低温で茎葉が固くなって収穫は終わりになりますが、トンネル掛けをして保温すれば張るまで柔らかい茎葉を収穫を続けることができます。

クレソンの冬季の保温栽培


温暖な地域ではビニルのトンネル掛けをして温度管理をしましょう。プランター全体をビニールで覆っても大丈夫です。よく日の当たる場所で栽培を続けましょう。

11月以降から3月上旬までは低温で株の生育が悪くなり、また霜が降りると霜枯れの原因になるため、透明のビニール掛けに変更して霜対策と保温対策をしましょう。

収穫をしないときは何もしなくても冬越しできます。


水やり(水替え)

クレソンは水を張って栽培しますが水替えが必要です。苗の植え付け後から約1ヶ月に1回の頻度で水替えをしましょう。

クレソンの水やりと水替え


水やり(水替え)の頻度

クレソンは水が古かったり腐ったりしていると食味が悪くなって病害が発生しやすくなります。

苗の植え付け後は水の腐敗防止を兼ねて、1ヶ月に1~2回、それまでの水を抜いて新しい水と入れ替えをしましょう。

1回あたりの水やり量

クレソンは苗が活着するまでの1~2週間は浅水(2~3cm)で栽培します。

苗が勢いよく成長をはじめたら、深水(10cm前後)で栽培しましょう。水深が深いと側枝の発生が悪くなります。

クレソンは15℃前後の水温がもっとも生育が良く、水量が少ないと水温が上昇して成長を阻害するからです。

水替えのコツとヒント

  • 温暖な地域で栽培するときや夏季は1ヶ月に2回が目安です。
  • 冬季は頻繁な水替えは不要で2か月に1回が目安です。
  • 古い水を抜いてから新しい水を足しましょう。


追肥

クレソンの追肥は液肥を中心に与えましょう。季節や株の成長に合わせてタイミングよく適量与えるのがポイントです。

クレソンの追肥


追肥の時期(タイミング)

クレソンの追肥時期は苗を植え付けて約2週間後からスタートさせます。その後は茎葉の状態を見ながら1ヶ月に2~3回の頻度で与えましょう。

葉が黄色くなったときや新葉が出なくなったときは肥料不足のサインです。

冬季に収穫を続ける場合は収穫の頻度に合わせて量を減らし、収穫をしない場合は月に1回程度(草勢を維持する程度)でかまいません。

与える肥料の種類

クレソンに与える肥料はチッソ分の割合が多めの液肥を与えて、株を大きく育てます。

1回あたりに与える追肥の量

プランターに水を張った状態で、水の表面全体にバランスよく液肥をまき、軽く水と混ぜ合わせておきます。

使用する商品の使用基準を見て適量を与えましょう。

追肥のコツとヒント

  • 水替えで水を抜いたタイミングで追肥すると、肥料が効果的に土にしみこんで吸肥の効率がよくなります。
  • 肥料の与えすぎは株が軟弱に育ってしまいます。適量を心掛けましょう。


クレソンの収穫

クレソンの収穫のタイミングや収穫の目安を知って、もっとも美味しい頃合いに収穫しましょう。

クレソンの収穫


収穫時期(タイミング)

クレソンは種まきから約2.5か月、苗の植え付けから約2か月で収穫適期を迎えます。

収穫の周期は春から夏は20~25日で、秋から冬は40~60日が目安です。

収穫に適した大きさ(見た目)

クレソンの収穫時期を見た目で判断するときは、側枝が10~15cmになった頃が収穫のタイミングです。

クレソンの収穫時期と収穫方法は?


収穫方法

クレソンは摘み取り収穫と株採り収穫ができます。

摘み取り収穫は側枝を切り取って収穫します。根元付近をハサミやナイフで切り取って収穫しましょう。手で摘み取ってもかまいません。

夏以降は側枝を挿し芽から苗にして株採り収穫ができます。10cmの長さに切った側枝を用土に挿しておき、草丈が20cmを超えたら株ごと抜き取って収穫しましょう。


病害対策

クレソンにはさまざまな病害が発生します。病害の前兆を早く見つけることが大きな被害を防ぐことにつながります。早期の治療と再発防止対策をしっかりと行いましょう。

クレソンの病害対策は?


クレソンに発生しやすい病害の種類

クレソン栽培でよく見かける病害は「菌核病」「ウイルス病」「白さび病」「立ち枯れ病」などです。

クレソンの病害の原因と対策

クレソンの病害が出る主な原因は、日当たりが悪い、株元の葉が込み合って風通しが悪い、畑の排水性が悪く多湿になっている(または水やりが多い)などです。

病害の予防方法

クレソンが病害に掛かる主な原因は、日当たりが悪い、日当たりが良すぎる、株元の葉が込み合って風通しが悪い、張った水が腐っているなどです。

クレソンの病害の発生を予防するためには、夏場は反日蔭で育て、冬場は日当たりのよい場所で育てる、適正な株間の確保を行う、株元の葉が込み合ったら摘葉して風通しを良くすることを心掛けましょう。


害虫対策

収穫前に害虫の被害に遭うと収量に大きく影響します。害虫を見かけたら早期に駆除することが被害を最小限に抑えるポイントです。害虫対策をしっかりと行って、害虫の集まりにくい環境を目指しましょう。

クレソンの害虫対策は?


クレソン栽培で見かける害虫の種類

クレソンに発生しやすい害虫は、「アブラムシ」「コナガ」「アオムシ」「ハダニ」「カブラハバチ」「ハムシ類」などです。

害虫の対策と予防方法

害虫は大きくなる前や数が増える前に早期に駆除することが大切です。葉の裏もよく観察して卵や幼虫を見つけたらすぐに捕殺しましょう。

害虫の数が増えて自力で駆除できなくなる前に、人体への影響が少ない薬剤を使うことも検討しましょう。

ただし、クレソンは収穫のサイクルが短いので、薬剤の使用は慎重に検討して下さい。

害虫対策その1「残渣の撤去と摘葉」

栽培時に出る残渣(枯れた葉など)はこまめに撤去し、株元が込み合ったら摘葉して風通しを良くすることで、害虫の住処を減らすことができます。

害虫対策その2「トンネル掛け」

クレソンの苗が小さい時期のトンネル掛けや不織布掛けは、害虫の飛来を予防する上でかなり有効な方法です。

自分の畑だけを対策しても、周辺の無対策の畑や雑草地に囲まれている畑などから害虫は次々と飛来してくるからです。

害虫対策その3「コンパニオンプランツ」

実は害虫には好きな野菜と苦手な野菜があります。

クレソンに集まる害虫が嫌いな野菜を一緒に植えておくと害虫を退避させることができ、益虫(害虫を捕食する有益な虫)が集まる野菜を植えておくと害虫を駆除してくれます。


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