コウサイタイの育て方
コウサイタイは秋から春が栽培時期で収穫まで5か月です。深さ5～10mmで種をまき、発芽後は本葉が触れ合うタイミングで間引きをします。収穫までの作業は水やり・追肥・土寄せなどです。
失敗なしでコウサイタイを栽培しましょう！
コウサイタイの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。
種まき適期や植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています。
Contents Menu
- コウサイタイの栽培難易度と育て方のコツ
- 栽培時期
- 育てやすい品種
- 栽培前に準備しておくこと
- 露地栽培の土作りと畝作り
- コウサイタイの種まき
- 間引き
- 苗の植え付け
- 栽培管理（土寄せ・マルチング・トンネル掛け・水やり ・追肥 ）
- 収穫
- 病害対策
- 害虫対策
コウサイタイの栽培難易度と育て方のコツ
栽培難易度 ★★☆☆☆
コウサイタイは耐寒性があり寒さに強く育てやすいので難易度は低めです。水やりと追肥以外に大きな管理作業がなく、初心者でも育てやすい葉野菜です。
コウサイタイはナバナの一種で中国野菜に分類されていて、漢字では「紅菜苔」と書きます。茎は緑色ですが、茎や葉脈が薄い紫色をしていることから「紅菜花（べになばな）」とも呼ばれています。
春先（1月下旬以降）に伸びる茎の部分と蕾を、お浸しや汁物の具・和え物・炒めものなどに利用できます。
コウサイタイは茹でると緑色になり、少しぬめりが出て味はアスパラガスに似ています。茎の部分は柔らかく甘みがあります。
コウサイタイは耐暑性は低いのですが、耐寒性が高く冷涼な気候ほどよく育ちます。厳寒期に入るまでに苗を大きくできると春先に大株に成長して収量が増えます。
とう立ちして花芽を着けるには低温に当てる必要があるため、秋以降に種をまいて早春に収穫するのが一般的です。
12月～1月は地上部の生育が緩慢に見えますが、トンネル掛けで防寒しておくと地下の根が大きく成長します。
コウサイタイの栽培データ
| 科目 | アブラナ科 |
| 別名 | 紅菜花・べになばな・紅菜苔 |
| 連作障害 | あり（1～2年） |
| 適した場所 | 日がよく当たる風通しの良い場所 |
| 日当たり | 🌞 or 🌤 |
| 土壌酸度 | pH6.0～6.5 |
| 株間 | 30cm以上 |
| 発芽適温 | 18～22℃ |
| 生育適温 | 15～25℃ |
| 種まき時期 | 8月～10月 |
| 発芽日数 | 2日～3日 |
| 苗植え付け時期 | 9月～11月 |
| 収穫時期 | 種まきから約5か月 |
コウサイタイの栽培時期
コウサイタイの栽培時期は秋から翌年の春にかけてです。種まきは8月下旬～10月下旬（苗の植え付けは9月～11月上旬）で、収穫までは種をまいてから約5か月です。
コウサイタイ栽培カレンダー
コウサイタイの育てやすい品種
コウサイタイはの品種は1種類のみです。商品名は違っても栽培方法や育てやすさには大きな違いはありません。
コウサイタイは主に中国で栽培されており、在来種の1品種が存在しています。
商品名は「コウサイタイ」や「紅菜苔」です。
コウサイタイの栽培方法
コウサイタイはプランター栽培と露地栽培が可能で、直まきとポットで育苗してから畑に移植する方法があります。
栽培前に準備しておくこと
コウサイタイの栽培をはじめる前にしておくことは、プランター栽培では「プランターと栽培用土の準備」、露地栽培では「土作り」と「畝作り」などです。
プランターの選び方
コウサイタイ栽培で利用するプランターサイズは中型（60cm）以上のものを利用しましょう。1株植えなら10号サイズ以上の深型の植木鉢でも栽培ができます。
品種にもよりますが、中型サイズのプランター1つに対して1～2株程度の栽培が可能です。
栽培に使う用土の種類
コウサイタイ栽培で使う用土は市販の培養土を利用すれば土作りの必要がなく袋から開けてすぐに使えるのでとても便利です。
自分で用土を配合するときは、赤玉土（7）：腐葉土（2）：バーミキュライト（1）を混ぜたものを使いましょう。
そこに石灰を用土10Lあたり10～20gと化成肥料を用土10Lあたり10～20gを入れてよく耕しておきます。
プランターへの用土の入れ方
プランターや植木鉢の底には、水はけを良くするために赤玉土や鉢底石などを数センチほど敷き詰めておきます。
種から育てるときは淵から5cmほどの位置まで用土を入れ、苗から育てるときは根鉢の高さを考慮して用土を入れておきましょう。（根鉢を置いてから残りの用土を足します。）
露地栽培の土作りと畝作り
土作りのやり方
コウサイタイの露地栽培の土作りは種まき（苗の植え付け）の2週間前に終わらせておきましょう。苦土石灰100g/1㎡をまいて全体に混ざるように丁寧に耕しておきます。
種まき（苗の植え付け）の1週間前になったら、堆肥（2㎏/㎡）と化成肥料（100g/㎡）を畑の全面にまいて良く耕しておきましょう。
畝作りのやり方
コウサイタイ栽培で作る畝は、畝幅は50cm（1条）70～80cm（2条）で畝の高さは10～15cmの平畝です。
コウサイタイの種まき
コウサイタイは直まきとポットまきができます。どちらも発芽させるのは難しくありませんが、発芽適温外に種をまくときはポットまきをして温度管理しながら育苗する方が確実です。
コウサイタイを種から育てる
コウサイタイの種ををまく前に、一昼夜水に浸しておくと発芽が揃いやすくなります。発芽適温から大きく外れる時期は、ポットに種をまいて苗が植え付けに適した大きさになるまで育苗する方法がおすすめです。適温内なら直まきでも発芽が揃います。
種まき時期
コウサイタイの種まき適期は8月下旬～9月下旬です。
種まきが遅れて苗が小さい状態で冬越しすると、収量が減る原因になります。
発芽適温
コウサイタイは18℃～22℃が発芽に適した温度です。
コウサイタイの発芽日数
コウサイタイは発芽適温内なら2日～3日で発芽が始まります。発芽適温から外れていると日数は前後します。
コウサイタイの直まきのやり方（手順）
- 用土を平らにならします
- 水をたっぷりとかけて用土を湿らせます
- 瓶の底を押し当ててまき溝をつけます。
- 1か所あたり4～5粒の種をまきます
- 用土を5～10mm被せます
- 指先で軽く押さえて用土と種を密着させます
- 種が流れ出ないように水やりをします
コウサイタイのポットまきのやり方（手順）
- 3号のポリポットに種まき用の培養土を入れます。
- 水をたっぷりとかけます。
- 1か所あたり3～4粒の種をまきます
- 用土を5～10mm被せます。
- 指先で軽く押さえて用土と種を密着させます。
- 種が流れ出ないように水やりをします。
種まきのコツとヒント
- 用土の表面を均一にならしておくと発芽が揃いやすくなります。
- 覆土は適切な量を被せましょう。
- 発芽までは風通しを良くして反日蔭で乾燥させないように管理しましょう。
- 発芽するまでは水切れに注意しましょう
コウサイタイの間引き
コウサイタイの間引きはタイミングよく行いましょう。間引きの時期が早すぎると苗が徒長して軟弱になり、遅すぎると抜き取るときに隣の根を傷める原因になります。
コウサイタイの間引きのタイミング
コウサイタイの間引きは合計で2回行います。1回目の間引きは本葉が1～2枚になった頃で2本立てにします。
2回目の間引きは本葉が3～4枚になった頃が目安の時期で、元気な苗を1本だけ残しましょう。
コウサイタイの最終の株間
コウサイタイの株の間隔は30cm以上です。
苗の間引き方
苗が抜けないように残す苗の根元付近を指で軽く押さえて、不要な苗の根元を掴んで手で抜き取りましょう。
間引きが遅れて隣り合う苗の根と絡まって抜けにくいときは、ハサミで根元から切り取ってもかまいません。
コウサイタイの植え付け
コウサイタイを種から育てるのが難しいと感じたら、園芸店などで売られている苗を購入して育ててみましょう。苗からだと収穫まで簡単に辿り着けます。
コウサイタイの良い苗の選び方
コウサイタイは、節間が狭く茎が太く葉の緑の濃いもの、害虫や病害の被害に遭っていないものが良い苗です。本葉が4～5枚になったものが植え付けに適した苗の大きさです。
苗の植え付け時期
コウサイタイの苗の植え付け適期は、9月～11月上旬です。
植え付けが遅れて苗が小さい状態で冬越しすると、収量が減る原因になります。
コウサイタイの生育適温
コウサイタイは15℃～25℃が生育がもっとも良くなる温度です。
苗を植える間隔（株間）
コウサイタイの苗を植える間隔は30cm以上です。
画像
コウサイタイの苗の植え方（手順）
- 根鉢より一回り大きな植穴を開けておきます。
- 根鉢を壊さないように丁寧に苗を取り出します。
- 穴の中に苗を入れます。
- 子葉が埋まらない程度に用土を入れます。
- 株元を軽く押さえて根と用土を密着させておきます。
- 水をたっぷりと与えます。
コウサイタイの栽培管理
コウサイタイの土寄せ
コウサイタイは根が地上に露出すると太陽光で根を傷めてしまい、生育不良の原因になってしまいます。タイミングよく株元に土を寄せておきましょう。
土寄せのタイミング
水やりや降雨で用土は自然に減ってしまいます。根元周りの用土が減ってきたと感じたら土寄せをしましょう。
根が完全に露出すると株の生育に影響するので早めに土寄せするのがポイントです。
土寄せのやり方
株周りの固くなった用土の表面を軽くほぐしてから株元に寄せておきます。プランター栽培では用土が減ってきたら新しい用土を足しましょう。
べた掛け
コウサイタイは種まきから苗がある程度の大きさになるまでは害虫被害に遭いやすいので不織布をべた掛けして対策しましょう。
コウサイタイは発芽直後から幼苗期の間に害虫の被害に遭いやすく、食害されると生育に遅れがでます。成長点を食べられると株がだめになることがあります。
発芽してトンネル掛けをするまでの間は、不織布をべた掛けするなどして害虫から苗を守ってやりましょう。
コウサイタイのトンネル掛け
コウサイタイの害虫対策にはトンネル掛けが有効です。
コウサイタイの苗が小さい時期は害虫の被害に遭いやすいので、寒冷紗のトンネル掛けで害虫対策をするのがおすすめです。
初秋の日中の気温が高い日は、トンネルの裾をめくって風を通して温度下げてやりましょう。
コウサイタイは低温に当たることで花芽をつける性質をしています。寒冷地以外では害虫の心配がなくなる12月以降になったらトンネル掛けを外しておきましょう。
コウサイタイの水やり
コウサイタイは成長にあわせて水やり方法を変えます。種まき後（苗の植え付け後）から約1週間程度はこまめに水やりをしますが、その後は用土の表面が乾いたタイミングで水やりをしましょう。
コウサイタイの水やりの頻度
コウサイタイは極度の乾燥を嫌います。用土の表面が乾いたときが水やりのタイミングです。
種まき後や苗の植え付け後の約1週間は、水切れにならないように用土の表面が乾いたタイミングでこまめに水やりをしましょう。
1回あたりの水やり量
プランター栽培では1回の水やりで鉢底から染み出るくらいたっぷりと与え、露地栽培では1株あたり1.5～2Lが目安です。表面だけでなく用土の中に染み込むまで与えましょう。
コウサイタイは冬季（12月～2月上旬）でも地中の根は成長を続けています。水やりの量は減らしますが、暖かな日中に水やりをしましょう。
水やりのコツとヒント
- 苗が小さいうちの水やりは苗が倒れないように丁寧に与えるのがポイントです。
- ハス口の細かいものを使うか、ジョウロから出る水を手に受けて株と株の間に優しく水やりしましょう。
- 初期段階で苗が倒れたり抜けたりすると、株の成長が遅れる原因になります。
- 水の与えすぎは株を軟弱にして病害の要因になります。適量を心掛けましょう。
コウサイタイの追肥
コウサイタイの追肥は株の成長に合わせて与える肥料の種類と与える量を調整しましょう。コウサイタイは根の先端からもっとも吸肥します。プランターの淵や、畝間や株と株の間に肥料をまいて表面の用土と混ぜ合わせておきます。
コウサイタイの追肥のタイミング
コウサイタイは収穫までに2回ほど追肥を施しましょう。1回目は本葉が7～8枚になった頃で、2回目はトウが経ち始めた頃が追肥の時期です。
与える肥料の種類
生育初期はチッソ分の割合が多めの肥料を与えて株を大きく育てます。トウ立ちが始まる時期も同様の肥料を与えましょう。
1回あたりに与える量
プランターの場合
1株あたり5～10gを与えましょう。用土全体に肥料をまいて軽くほぐしてから株元に土寄せしておきます。
薄めた液肥を1週間に1度のタイミングで水やりを兼ねて与えてもかまいません。
露地栽培の場合
1㎡あたり20～30gを与えましょう。列の両側に肥料をまいて用土をほぐして株元に土寄せしておきます。
追肥のコツとヒント
- 追肥のあとに水やりをすると、肥料が効果的に土にしみこんで吸肥の効率がよくなります。
- 肥料の与えすぎは株が軟弱に育ってしまいます。適量を心掛けましょう。
- 開花前に与えると収量が増えます。
- 追肥のタイミングで土寄せを行っておきましょう。
コウサイタイの収穫
コウサイタイの収穫のタイミングや収穫の目安を知って、もっとも美味しい頃合いに収穫しましょう。
コウサイタイの収穫時期（タイミング）
コウサイタイは2月の下旬頃が収穫時期で、種まきから約5か月、苗の植え付けから約4.5か月で収穫適期を迎えます。
温暖地では11月に開花することがあります。
収穫に適した大きさ（見た目）
コウサイタイの収穫時期を見た目で判断するときは、蕾の花が2～3輪咲いたときが収穫のタイミングです。
コウサイタイの収穫方法
ハサミやナイフを使って蕾が付いた茎を20cm前後の長さで切り取って収穫しましょう。手で折り取ってもかまいません。
水が溜まらないように切り口を斜めにしておくと病害の予防になります。
コウサイタイはいつ頃まで収穫できるの？
料理に使えるのは開花するまでの蕾で、開花後は固くなり味も悪くなってしまいます。
新しい側枝が伸びなくなったときが収穫の終わりです。
コウサイタイの保存方法
コウサイタイは冷蔵保存と冷凍保存ができます。
コウサイタイは、収穫後すぐに塩ゆでして水気を切りラップに包んで冷蔵庫に入れましょう。2～3日は保存できます。
冷凍保存するときは、塩ゆでして水気を切らずにそのままラップをして冷凍庫に入れます。
冷凍保存では小分けしておくと使うときに便利です。
コウサイタイの病害対策
コウサイタイにはさまざまな病害が発生します。病害の前兆を早く見つけることが大きな被害を防ぐことにつながります。早期の治療と再発防止対策をしっかりと行いましょう。
コウサイタイに発生しやすい病害の種類
コウサイタイ栽培でよく見かける病害は「炭そ病」「白さび病」「萎黄病」「根こぶ病」「モザイク病」などです。
病害の予防
コウサイタイが病害に掛かる主な原因は、日当たりが悪い、株元の葉が込み合って風通しが悪い、畑の排水性が悪く多湿になっている（または水やりが多い）などです。
コウサイタイの病害の発生を予防するためには、多湿を避ける、日当たりのよい場所で育てる、適正な株間の確保を行う、用土を丁寧に耕して水はけの良い土壌作りを心掛けましょう。
コウサイタイの害虫対策
収穫前に害虫の被害に遭うと収量に大きく影響します。害虫を見かけたら早期に駆除することが被害を最小限に抑えるポイントです。害虫対策をしっかりと行って、害虫の集まりにくい環境を目指しましょう。
コウサイタイ栽培で見かける害虫の種類
コウサイタイに発生しやすい害虫は、「ヨトウムシ」「ハムシ類」「コナガ」「アオムシ」「カブラハバチ」「メイガ類」などで多くの害虫が集まります。
害虫の予防と対策
害虫は大きくなる前や数が増える前に早期に駆除することが大切です。葉の裏もよく観察して卵や幼虫を見つけたらすぐに捕殺しましょう。
栽培時に出る残渣（落ち葉や枯葉）はこまめに撤去し、株元が込み合ったら摘葉して風通しを良くすることで、害虫の住処をなくすことができます。
コウサイタイの苗が小さい時期のトンネル掛けや不織布掛けは、害虫の飛来を予防する上でかなり有効な方法です。
自分の畑だけを対策しても、周辺の無対策の畑や雑草地に囲まれている畑などから害虫は次々と飛来してくるからです。
害虫の数が増えて自力で駆除できなくなる前に、人体への影響が少ない薬剤を使うことも検討しましょう。
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