オカヒジキは春から初秋が栽培時期で収穫まで約1か月です。深さ5~10mmで種をまき、発芽後は本葉が触れ合うタイミングで間引きをします。収穫までの作業は水やり・追肥・土寄せなどです。
オカヒジキの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。
種まき適期や植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています。
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栽培難易度 ★★☆☆☆
オカヒジキは酸性土壌に弱いので土作りが必要ですが、栽培期間が約30日と短く栽培の難易度は低めです。乾燥して水分不足になると葉が固くなるので、水やりをしっかりと行いましょう。
オカヒジキは中国・シベリアからヨーロッパ南西部の砂地に自生するアカザ科の野菜で、日本でも山形県米沢市を中心に古くから食用として栽培されています。
春か初秋にかけてが旬で独特のシャキシャキとした歯触りと癖のない風味が特徴です。名前の由来は葉の形がヒジキに似ているところから。
耐寒性はありますが開花が始まる夏以降になると茎葉が固くなり先端がとげ状になるので、食用として収穫できるのは開花する8月末頃までです。
科名 | アカザ科 |
別名 | 水松菜(ミルナ)・岡ひじき |
草丈 | 100cm以上 |
連作障害 | あり(1~2年) |
適した場所 | 日がよく当たる風通しの良い場所 |
日当たり | 🌞 or 🌤 |
土壌酸度 | pH6.0~8.0 |
株間 | 10cm以上 |
発芽適温 | 20~25℃ |
生育適温 | 15~25℃ |
種まき時期 | 4月~5月 |
発芽日数 | 5日~10日 |
苗植え付け時期 | 4月~6月 |
収穫時期 | 種まきから約1か月 |
オカヒジキの栽培時期は春から初秋にかけてです。種まきは4月~5月(苗の植え付けは4月~6月)で、収穫までは種をまいてから約1か月です。
オカヒジキは固定種で1品種のみです。
オカヒジキは各種苗メーカーからさまざまな商品名で種子が販売されていますが、商品名は違っても品種は固定種の「オカヒジキ」のみです。
商品名が違っていても、オカヒジキの栽培方法や育てやすさに違いはありません。
オカヒジキはプランター栽培と露地栽培が可能で、直まきとポットで育苗してから畑に移植する方法があります。
オカヒジキの栽培をはじめる前にしておくことは、プランター栽培では「プランターと栽培用土の準備」、露地栽培では「土作り」と「畝作り」などです。
オカヒジキ栽培で利用するプランターサイズは中型(60cm)以上のものを利用しましょう。1株植えなら10号サイズ以上の深型の植木鉢でも栽培ができます。
品種にもよりますが、中型サイズのプランター1つに対して2~3株程度の栽培が可能です。
オカヒジキ栽培で使う用土は市販の培養土を利用すれば土作りの必要がなく袋から開けてすぐに使えるのでとても便利です。
自分で用土を配合するときは、赤玉土(7):腐葉土(2):バーミキュライト(1)を混ぜたものを使いましょう。
そこに石灰を用土10Lあたり10~20gと化成肥料を用土10Lあたり10~20gを入れてよく耕しておきます。
オカヒジキは、酸性土壌では病害が発生しやすく、弱アルカリ性の土壌(pH6.0~8.0)を好みます。
プランターや植木鉢の底には、水はけを良くするために赤玉土や鉢底石などを数センチほど敷き詰めておきます。
種から育てるときは淵から5cmほどの位置まで用土を入れ、苗から育てるときは根鉢の高さを考慮して用土を入れておきましょう。(根鉢を置いてから残りの用土を足します。)
オカヒジキの露地栽培の土作りは種まき(苗の植え付け)の2週間前に終わらせておきましょう。苦土石灰100g/1㎡をまいて全体に混ざるように丁寧に耕しておきます。
種まき(苗の植え付け)の1週間前になったら、堆肥(2㎏/㎡)と化成肥料(100g/㎡)を畑の全面にまいて良く耕しておきましょう。
オカヒジキは、酸性土壌では病害が発生しやすく、弱アルカリ性の土壌(pH6.0~8.0)を好みます。
オカヒジキ栽培で作る畝は、畝幅は40cm~50cm(2条)で畝の高さは10~15cmの平畝です。
オカヒジキは直まきとポットまきができます。どちらも発芽させるのは難しくありませんが、発芽適温外に種をまくときはポットまきをして温度管理しながら育苗する方が確実です。
オカヒジキの種まき適期は、4月~5月です。6月以降も種まきはできますが、収穫期間が短くなります。
オカヒジキは20℃~25℃が発芽に適した温度です。
オカヒジキは発芽適温内なら5日~10日で発芽が始まります。発芽適温から外れていると日数は前後します。
オカヒジキの間引きはタイミングよく行いましょう。間引きの時期が早すぎると苗が徒長して軟弱になり、遅すぎると抜き取るときに隣の根を傷める原因になります。
オカヒジキの間引きは、筋まきでは葉が触れ合うようになったら間引きのタイミングです。最終的に株間10cm以上にしましょう。
ポットまきや点まきの間引きのタイミングは、1回目の間引きは双葉が出揃った頃で2本立てにします。2回目の間引きは本葉が3~4枚になった頃が目安の時期で、元気な苗を1本だけ残しましょう。
オカヒジキの株の間隔は、株採り収穫するときは5~10cmで摘み取り収穫するときは40cm以上です。
苗が抜けないように残す苗の根元付近を指で軽く押さえて、不要な苗の根元を掴んで手で抜き取りましょう。
間引きが遅れて隣り合う苗の根と絡まって抜けにくいときは、ハサミで根元から切り取ってもかまいません。
オカヒジキを種から育てるのが難しいと感じたら、園芸店などで売られている苗を購入して育ててみましょう。苗からだと収穫まで簡単に辿り着けます。
オカヒジキは、茎が太く葉の緑の濃いもの、害虫や病害の被害に遭っていないものが良い苗です。本葉が4~5枚になったものが植え付けに適した苗の大きさです。
オカヒジキの苗の植え付け適期は、4月~6月です。
オカヒジキは15℃~25℃が生育がもっとも良くなる温度です。
オカヒジキの株の間隔は、株採り収穫するときは5~10cmで摘み取り収穫するときは40cm以上です。
オカヒジキは根が地上に露出すると太陽光で根を傷めてしまい、生育不良の原因になってしまいます。タイミングよく株元に土を寄せておきましょう。
水やりや降雨で用土は自然に減ってしまいます。根元周りの用土が減ってきたと感じたら土寄せをしましょう。
根が完全に露出すると株の生育に影響するので早めに土寄せするのがポイントです。
株周りの固くなった用土の表面を軽くほぐしてから株元に寄せておきます。プランター栽培では用土が減ってきたら新しい用土を足しましょう。
オカヒジキは成長にあわせて水やり方法を変えます。種まき後(苗の植え付け後)から約1週間程度はこまめに水やりをしますが、その後は用土の表面が乾いたタイミングで水やりをしましょう。
オカヒジキは極度の乾燥を嫌います。用土の表面が乾いたときが水やりのタイミングです。
種まき後や苗の植え付け後の約1週間は、水切れにならないように用土の表面が乾いたタイミングでこまめに水やりを行います。
幼苗期は湿気に弱く、梅雨時期はべと病が発生しやすいので注意しましょう。プランターで栽培するときは収穫期まで雨の当たらない場所に移動させて水やりを控えめにします。
収穫が始まってからは水やりが不足すると、茎葉が針のようにとんがり固くなってしまいます。
プランター栽培では1回の水やりで鉢底から染み出るくらいたっぷりと与え、露地栽培では1株あたり1.5~2Lが目安です。表面だけでなく用土の中に染み込むまで与えましょう。
オカヒジキの追肥は株の成長に合わせて与える肥料の種類と与える量を調整しましょう。オカヒジキは根の先端からもっとも吸肥します。プランターの淵や、畝間や株と株の間に肥料をまいて表面の用土と混ぜ合わせておきます。
オカヒジキの追肥時期は、苗を植え付けてから約2週間後から、種から育てている場合は最後の間引きが終わった頃からスタートさせます。
その後は茎葉の状態を見ながら2週間に1回の頻度で与えましょう。茎葉が固くなったり、葉が黄色くなったり、新葉が出なくなったりしたときは肥料不足のサインです。
生育初期から収穫の終わりまで、チッソ分の割合が多めの肥料を与えて株を大きく育てます。
1株あたり5~10gを与えましょう。用土全体に肥料をまいて軽くほぐしてから株元に土寄せしておきます。
薄めた液肥を1週間に1度のタイミングで水やりを兼ねて与えてもかまいません。
1㎡あたり20~30gを与えましょう。列の両側に肥料をまいて用土をほぐして株元に土寄せしておきます。
オカヒジキの収穫のタイミングや収穫の目安を知って、もっとも美味しい頃合いに収穫しましょう。
オカヒジキは種まきから約1か月、苗の植え付けから約半月で収穫適期を迎えます。
オカヒジキの収穫時期を見た目で判断するときは、草丈が10~15cmを超えたら収穫のタイミングです。
オカヒジキは株採り収穫と摘み取り収穫ができます。
株採り収穫は草丈が15cmを超えたら株ごと抜き取って収穫しましょう。
摘み取り収穫も草丈が15cmを超えたら、先端から10cmほどをハサミで切り取って収穫します。収穫後は脇芽がつぎつぎと伸びるので、その都度収穫しましょう。
オカヒジキは開花が始まったら収穫は終わりです。
若い葉柔軟で風味が良いのですが、開花後や老化した葉は先端がとげ状になって食感も固くなり風味も落ちます。
オカヒジキにはさまざまな病害が発生します。病害の前兆を早く見つけることが大きな被害を防ぐことにつながります。早期の治療と再発防止対策をしっかりと行いましょう。
オカヒジキ栽培でよく見かける病害は「べと病」「立ち枯れ病」「炭そ病」「モザイク病」「萎凋病」などです。
オカヒジキが病害に掛かる主な原因は、日当たりが悪い、株元の葉が込み合って風通しが悪い、畑の排水性が悪く多湿になっている(または水やりが多い)などです。
オカヒジキの病害の発生を予防するためには、多湿を避ける、日当たりのよい場所で育てる、適正な株間の確保を行う、用土を丁寧に耕して水はけの良い土壌作りを心掛けましょう。
収穫前に害虫の被害に遭うと収量に大きく影響します。害虫を見かけたら早期に駆除することが被害を最小限に抑えるポイントです。害虫対策をしっかりと行って、害虫の集まりにくい環境を目指しましょう。
オカヒジキに発生しやすい害虫は、「アブラムシ」「ヨトウムシ類」「カブラヤガ」「メイガ類」などです。
害虫は大きくなる前や数が増える前に早期に駆除することが大切です。葉の裏もよく観察して卵や幼虫を見つけたらすぐに捕殺しましょう。
栽培時に出る残渣(落ち葉や枯葉)はこまめに撤去し、株元が込み合ったら摘葉して風通しを良くすることで、害虫の住処をなくすことができます。
オカヒジキの苗が小さい時期のトンネル掛けや不織布掛けは、害虫の飛来を予防する上でかなり有効な方法です。
自分の畑だけを対策しても、周辺の無対策の畑や雑草地に囲まれている畑などから害虫は次々と飛来してくるからです。
害虫の数が増えて自力で駆除できなくなる前に、人体への影響が少ない薬剤を使うことも検討しましょう。
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