インゲンマメの実がならない、インゲンマメの実が大きくならない(インゲンマメの実が小さい)、このような悩みを抱えていませんか。
これらが起こる原因とそれぞれの解決方法について、丁寧にご説明します。
インゲンマメの実が大きくならないときは、カメムシなどの害虫の被害がないかをCheckしてみましょう。
インゲンマメの実を大きくするためには、開花がはじまる時期に発生するカメムシの駆除を確実に行いましょう。
カメムシは吸汁害虫と呼ばれ、インゲンマメの茎葉や果実から汁を吸います。吸汁されると実が太らず莢だけが大きくなってしまいます。
収穫したインゲンマメの実が太らなかった、ほとんど実が入っていなかったとにならないように、万全に対策をしておきましょう。
インゲンマメ栽培で発生しやすい害虫は、カメムシ類、シンクイムシ類、ハスモンヨトウです。
害虫の対策では殺虫剤や防除剤を散布する方法もありますが薬剤の利用はしたくない方は多いと思います。そこでおすすめしたい方法は、寒冷紗をを使って害虫を寄せ付けない方法です。
花芽がつくまで網目の白色の寒冷紗をかぶせておくだけの簡単な害虫対策です。実が太って莢が大きくなったら、寒冷紗は外しても大丈夫です。
インゲンマメの実がならないときは、肥料の種類や追肥のタイミングと与える量などが間違っていないかをCheckしてみましょう。
インゲンマメは開花する際に大きなエネルギーが必要になります。そこで肥料切れになると、花が落花して数が減ったり、実が大きくならなかったりします。
また、生育期(種まきから開花が始まるまでの期間)は苗を大きくする成分が多めに配合された肥料を与え、開花が始まって以降は果実を大きくする成分が多めに配合された肥料を与えましょう。
肥料は量だけでなく与える時期も実の大きさや収穫量に影響します。
インゲンマメは肥料を多めに与えたからといって実がたくさんなるわけではありません。肥料の与えすぎはつるボケになって実がつかない原因になります。
肥料が原因で実がならないときの対策ですが、インゲンマメの元肥(最初に入れる肥料)は少なめにしておくことがポイントです。前作野菜があったときの元肥は不要です。
生育期間はチッソ分が少ないもの、開花以降はではリン酸の比率の高いものを使うのがポイントです。
インゲンマメは根にいる根粒菌がチッソをアンモニアに分解します。つまり、自ら栄養素を作り出せるため、前作野菜を植えていた時の元肥は不要なのです。
インゲンマメはチッソ分の与えすぎると、葉や茎ばかりが生長して莢が少なくなります。
追肥がいるかいらないかの判断ですが、黄色い葉が増えたときはチッソ分が不足しているサインです。それまではリン酸とカリが中心の肥料を与えましょう。
実がならない(落花が多い)ときはリン酸が不足しているサインです。
リン酸は糖質やたんぱく質を合成する働きがあり、花のつきを良くしたり果実を形成したりに使われる成分になります。
つるボケして実がならない時は、チッソ分を減らしリン酸の比率の高い肥料に与えてみましょう。
インゲンマメの実がならないときは、栽培場所の日当たりが悪くないかと日照時間が短くないかをCheckしてみましょう。
インゲンマメは太陽光が大好きな野菜です。立派な果実を実らせるためには十分な光合成させる必要あります。
光合成とは、根から吸収した水と空気中の二酸化炭素をもとに光エネルギーを使って茎葉が炭水化物を作る作用のことです。
ちなみにインゲンマメに必要な光量は20,000~40,000luxです。
*光量の目安は夏の畑で100,000lux、冬の畑で40,000lux、日の当たるマンションのベランダで10,000~15,000lux、ベランダの奥側で4,000~8,000lux、林の中で2,000lux。
インゲンマメは日当たりのよい場所で栽培するのがポイントです。光合成を行って果実に栄養がもっとも届くのは、主に昼間から夕方にかけての数時間です。
インゲンマメの果実を大きくするためには、1日に3~4時間ほど日光が当たる場所で育てるのが理想の環境です。
ベランダなど日照時間が少ない場所で栽培するときは日当たりを観察して、長い時間太陽光が当たる場所にプランターを配置しましょう。
インゲンマメの実がならないときは、水の与え方と与える量が間違っていないかをCheckしてみましょう。
インゲンマメの実が太るのは夕方から早朝にかけての時間帯です。この間の水分不足は実が大きくならないだけでなく落花の原因にもなってしまいます。
インゲンマメは実がなりだしたら水切れさせないことがポイントです。
特に5月以降の気温が高くなる時期は極度の乾燥に注意しましょう。敷き藁などをすれば用土の乾燥を防ぐことができます。(梅雨時期は病害が発生するので撤去しましょう。)
水やりは時間帯にも注意しましょう。気温が高い日中の水やりは水がお湯のように熱くなるため根を傷める原因になります。急激な温度差もインゲンマメにとってよくありません。
夏場の強い日光は要注意です。水滴がレンズのようになり茎葉を傷めてしまうため、生育不良の原因につながります。
夕方から夜間の水やりは病害の原因になるので避けましょう。実を大きくするためには気温が下がり始めてから2~3時間過ぎた頃に与えるのがベストです。
インゲンマメの実がならないときは、生育適温から大きく外れていないかをCheckしてみましょう。
インゲンマメの生育適温(最も実がなる気温)は、22℃~28℃です。気温が高すぎても低すぎても、落花が増えて実がならない原因となります。
植え付けが早すぎると気温が低い時期に開花が始まってしまうことがあります。気温が十分に上がってから苗を植え付けるかトンネル掛けで保温してやりましょう。
気温を管理するのは難しいのですが、日照量を確保しつつ気温を適正な範囲に管理する方法をいくつかご紹介します。
春先の気温が低い時期はマルチングで地温を上げる、逆に気温が高い時期は敷き藁などで直射日光を遮り地温を下げることができます。
地上部に当たる太陽光をうまく調整することで温度を管理する方法になります。
つぎに、インゲンマメの苗を遮光するという方法です。
支柱を立てて黒色の寒冷紗などで屋根を作り、日光を遮ることで温度を下げることができます。
最後に、風通しの良い場所で育てることです。風が通れば気温は自然と低くなります。株元の枯れた茎葉と萎れた茎葉を除去するだけでも風通しがよくなります。
インゲンマメに限らず多くの野菜は、収穫量を増やすために苗が小さなうちに管理を丁寧に行って大きく丈夫な株に育てることが最大のポイントになります。
苗が小さい時期の栄養不足や水分不足は、小さく弱い株になって実が付かない原因となります。開花が始まってから対策をしても手遅れとなることが大半です。
人間でも大人になると成長が止まるのと同じでインゲンマメも幼苗の時期にどれだけ手間暇をかけてあげるかが大切です。
生長が活発な時期に実がたくさんなる様に手入れをしっかりと行いましょう。
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