キクイモが発芽しない主な原因は「発芽適温から外れている」「種イモをまく深さ」「用土が合っていない」「多湿や多乾燥」「種イモが休眠状態」「病害に遭っている」など、植え付け方法やその後の管理によるものです。
キクイモが発芽しない原因と対策を野菜栽培士が分かりやすく解説します。キクイモの発芽率を上げるには?キクイモの芽が出ない時の対処法や芽出し(催芽処理)のやり方などをレクチャーします。
キクイモの発芽率を上げるには?キクイモの芽が出ない時の対処法は?
キクイモは条件が整っていれば14~21日ほどで発芽が始まります。ここからは発芽が遅れる原因と対策を解説していきます。
種イモを植える時期が間違っていると芽が出ない
キクイモの植え付けは春(4月~6月)で、気温が15℃~20℃の範囲が発芽に適した温度です。
種イモを植える時期の気温が適正でも、発芽してからの気温が低いと苗が育たなかったり、途中で枯れたりすることがあります。
温度が大きく外れていると芽が出ない
キクイモは種イモを植える時期の気温が低いため、発芽が揃わなかったり、発芽が完全に止まったりすることがあります。
また、5月以降は気温が高すぎる可能性もあります。発芽適温は15℃~20℃なので、適温外のときは温度管理をして発芽させましょう。
用土が極度に湿っていると芽が出ない
キクイモが発芽しないときは、気温が高い時期に保温状態での水やりのしすぎで高温多湿になって土中で種イモが腐っていることがあります。
特に3月中旬以降で気温が高くる時期は過多の水やりは厳禁です。高温で多湿の状態が長く続くと種イモが腐ってしまうことがあるからです。
キクイモに適した土壌湿度は60~80%です。種イモに含まれる水分と養分だけで十分に発芽するので、過度の水やりは不要です。
傷んだ種イモは芽が出ない
キクイモは種イモが悪いと発芽しないことが多くなります。
シワが多かったり傷が付いていたりする種イモは植え付けないようにしましょう。古い種イモや腐った種イモも発芽しにくくなります。
種イモは、ハリがあり表面がきれいで傷みや欠けがないものを選んで植え付けましょう。
種イモの植え方が間違っていると芽が出ない
種イモが腐ると発芽しなくなります。用土を被せる量は種イモが少し見えるくらいか少し隠れる程度まで。
種イモの両端を10円玉くらいの大きさに切っておくと、細い芽が多く発芽するのを防ぐことができます。
土壌が適正でないと芽が出ない
キクイモに適した土壌環境になっていますか。
キクイモは熱帯原産で多湿に弱いため、培養土に砂を多めに混ぜた水はけのよい土壌でよく育ちます。
土壌への適応性は強いのですが、同じ場所で連続して野菜を育てているときはアルカリ性に傾きやすくなります。
ペーハーメーターを使ってpH6.0~6.5未満の範囲になるように調整しておきましょう。
キクイモは植え付けに適した用土に種をまくことが大切です。痩せた土地(何度も繰り返して使っている用土)やや、地下生菌(病原菌)がいる土壌などは、うまく発芽しない原因になります。
用土は繰り返して使っていると、古い根が残ってしまったり、大きなダマができたり、固く締まって密度が高くなってしまいます。
通気性や通水性が悪い用土は小さな根が張りにくい状態です。プランター栽培では用土を定期的に新しくする、露地栽培では用土丁寧に耕すなどしましょう。
キクイモの種は発芽率が低め。要点をまとめると、「温度の管理」「水の量」「日照量の管理」です。
適正内の気温になるよう温度管理を行って、適度な水分量を確保することが上手に発芽させるポイントです。
温度の低さが原因で発芽しないときは、地温を確保するため発芽するまでの間、マルチングや敷き藁を被せて保温対策を行いましょう。
プランターで育てる場合はガラス蓋を上に置くことで保温効果を高めることができます。発芽するまで暖かい場所に鉢を移動させるのも効果的です。
キクイモはそのまま植えるよりも、保温して芽出し(発芽しやすくする処理)を行うと発芽がよくなります。
また、植え付け前に発芽した良い種イモだけを選別できるので、畑に直接植えるよりも確実です。
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