きゅうりの実がならない・実が大きくならない・きゅうりの実が小さい・実の数が少ない・きゅうりの花が落ちてしまう。これらの原因は「日照不足」「肥料の与え方」「水の与え方」「気温」「成り疲れや株疲れ」などです。
きゅうりの実がならない・実が大きくならない(きゅうりの実が小さい)・実の数が少ない・きゅうりの花が落ちてしまうなどのトラブルに困っていませんか。
これらが起こる原因とそれぞれの解決方法について、丁寧にご説明します。
きゅうりの実がならないときは、与えている肥料の種類と与える量・与える時期が間違っていないかをCheckしてみましょう。
まず、きゅうりの実を大きくするためには、成長期(苗を植えてから実がなるまで)と収穫期で与える肥料を使い分けることがポイントです。
成長期では苗を大きくする成分が入った肥料を使い、実がなり始めたら果実を大きくする成分が入った肥料を使いましょう。
与える肥料の量も果実の大きさや果実の収穫量に大きく影響します。実は肥料をたくさん与えたからといって実がたくさんなるわけではありません。肥料の与えすぎも実がならない原因になります。(濃度障害と言います。)
特に水に溶けやすい即効性の化成肥料を与えるときは要注意です。根の周りの肥料濃度が急激に高くなると、根から水分を奪ってしまい根を傷めて生育が悪くなります。
肥料が原因で実がならないときの対策ですが、成長期ではチッソの比率の高いものを使い、収穫期ではリン酸の比率の高いものを使うようにするのがポイントです。
実がならない(花が落花する)ときはリン酸が不足していて、黄色い葉が増えるときはチッソ分が不足しているサインです。
チッソは主に茎葉を育てる成分で、リン酸は糖質やたんぱく質を合成する働きがあり、花のつきを良くして果実を形成する成分になります。
茎葉ばかりが生い茂って実がならない時は、チッソ分を減らしてリン酸の比率の高いものに切りかえてみましょう。
肥料を与える量やタイミングは茎葉の状態を見ながら適切に判断して、生理障害の原因になるため、根から少し離れた位置に与えることもポイントです。
成分や比率が難しいと感じる方は園芸店に行ってみましょう。果実野菜専用の肥料が売られているので、そちらを利用するのがおすすめです。
きゅうりの実がならないときは、栽培している場所の日当たりが悪くなっていないかをCheckしてみましょう。
きゅうりは日光を好む野菜です。大きな果実を実らせるためには光合成が必要です。
光合成とは、根から吸収した水と空気中の二酸化炭素をもとに光エネルギーを使って茎葉が炭水化物を作る作用のことです。ちなみにきゅうりに必要な光量は40,000lux以上です。
*光量の目安は夏の畑で100,000lux、冬の畑で40,000lux、日の当たるマンションのベランダで10,000~15,000lux、ベランダの奥側で4,000~8,000lux、林の中で2,000lux。
きゅうりは日当たりのよい場所で植えるのがポイントです。きゅうりが最も光合成を行い果実に栄養を届けるのは、主に昼間から夕方から数時間とされています。
きゅうりの果実を大きくするためには、直射日光が1日に5時間程度当たる場所で育てるのが理想です。マンションのベランダなどで栽培している時は日の当たり方をよく見て、長く日が当たる場所にプランターを移動させてみましょう。
また、収穫が始まって実が大きくなる頃は茎葉がもっとも生い茂る時期になります。株の仲間で太陽光が当たるように、傷んだ葉や古い葉(黄色い葉)は早めに取り除きましょう。
きゅうりの実がならないときは、水を与える量・水の与え方が間違っていないかをCheckしてみましょう。
きゅうりの実が大きくなるのは夜間から早朝にかけての時間帯です。この間に水分が不足していませんか。
水分が不足すると、実が大きくならないだけでなく落花の原因にも繋がります。
きゅうりは実がなりだしたら水切れを起こさないようにするのがポイントです。特に夏場の高温期は注意が必要です。敷き藁などをして急激な乾燥を防ぐことも有効な手段です。
水を与える時間にも注意しましょう。夏場は日光が強いため、気温が上がってからの水やりは禁物です。水滴がレンズのようになり茎葉を傷め生育不良の原因になるためです。
夕方から夜間にかけての水やりも病害の原因になるので避けましょう。実を大きくするためには気温が下がり始めてから2~3時間過ぎた頃がベストです。
きゅうりの実がならないときは、生育に適した気温から外れていないかをCheckしてみましょう。
きゅうりの生育適温(最も実がなる気温)は、22℃~28℃です。気温が合っていないと花が落ちて実がならないことが多くなります。
苗の植え付け時期が早すぎて気温が低い時期に咲いた花は、実をつけずに落花することが多くなります。
また夜間の高温もきゅうりの実が大きくならない原因となります。夜間の気温が高いと、昼間の光合成で作られた栄養分が果実に回らなくなってしまうためです。
気温を管理するのは難しいのですが、日照量を確保しつつ気温を適正な範囲に管理する方法をいくつかご紹介します。きゅうりに大きな実をつけるためにチャレンジしてみましょう。
まずは、夏以降は風通しの良い場所で育てることです。風が通れば気温は自然と低くなります。不要な葉を間引くことでも風通しがよくなります。
次に敷き藁などをして地温を下げるということです。地上部に当たる太陽光を遮ることで温度を下げることができます。
最後は遮光するという方法です。支柱を立てて黒色の寒冷紗などで屋根を作り、直射日光を避けることで気温を下げることができます。
きゅうりの実がならない原因は他にもいくつかあるのでCheckしてみましょう。
実を大きくしていませんか。収穫が遅れて実を大きくし過ぎると、株が弱ってしまう原因になります。収穫適期になったら早めに収穫して株疲れを予防しましょう。
茎葉が茂り過ぎていませんか。茎葉が必要以上に茂っていると養分が果実に回らなくなって、実が小さくなったり実のなる数が減ってしまう原因になります。
狭いスペースにたくさんの株を植えていませんか。地上部分は重なっていなくても、地中の根が干渉し合って、お互いの株の養分や水分を奪い合ってしまうことがよくあります。
害虫に茎葉を食べられていませんか。茎葉が食害に合って穴があいたり萎れたりすると光合成がうまく行われずに実がならなかったり大きくならなかったりの原因になります。
病害になっていませんか。病害になると茎葉の生長が悪くなって実がならない原因になります。
きゅうりに限らず多くの野菜は収穫量を増やすためには苗が小さなうちに管理を丁寧に行って大きく丈夫な株に育てることが最大のポイントになります。
栽培初期に栄養不足や水分不足で小さく弱い苗に育ててしまうと、収穫期に入ってから対策をしても手遅れになってしまうことが大半です。
人間でも大人になると成長が止まってしまいます。きゅうりも同じです。生長が活発な時期に実がたくさんなる様に手入れをしっかりと行いましょう。
▷家庭菜園で簡単野菜作りVegetableBeginnersGuide
YouTubeでも野菜の育て方や野菜作りのコツなどを分かりやすくご紹介しています。チャンネル登録おすすめです。