ニガウリの種が発芽しない主な原因は「種まき適温から外れている」「種をまく深さ」「用土が合っていない」「多湿や多乾燥」「種の休眠状態」「種の寿命」など、種まき方法やその後の管理によるものです。
ニガウリの発芽率を上げるには?ニガウリの芽が出ない時の対処法は?野菜栽培士がニガウリが発芽しない原因と対策を分かりやすく解説します。
ニガウリは栽培条件によりますが、種をまいてから2~3日経つと発芽が始まります。ニガウリが発芽しない・ニガウリの芽が出ないときの原因と対策をご紹介します。
発芽適温外だと芽が出ない
ニガウリはアジアの熱帯地方が原産の野菜で、25~30℃が発芽に適した温度です。
13℃以下や35℃以上だと発芽しなかったり発芽日数が遅れたりすることがあります。
平均発芽日数は19~20℃で約8日、22~24℃で約6日、25~26℃で約4日です。
ニガウリは種をまいてから植え付けに適した大きさになるまで約30日かかります。5月上旬に植え付けする場合は4月上旬以降に種をまく計算になります。
4月はまだ気温が低い時期です。この時期に直まきで種をまいてもうまく発芽が揃わないことから、この時期はポットまきの温床育苗が基本になります。
また、種まき時期の気温が発芽適温内でも、発芽後の気温が生育温度(生育適温は20~30℃)から大きく外れると発芽後の苗の生育が悪くなります。
ビニルハウスや保温棚・トンネル掛けなど保温できる場所で種をまいて、植え付けできる大きさになるまで育てましょう。
種が乾燥しすぎると芽が出ない
ニガウリは種まきから発芽するまでの間は用土が乾燥しないように水やりをしましょう。長期間の乾燥が続くと発芽率が低下します。
育苗中の水やりは、低温期(4月中旬頃まで)は午前中の気温が上がり始める前に行います。
発芽までは用土の表面が乾燥しすぎないようにしましょう。夕方に表面がやや乾いている状態にしておくことがポイントです。
もみ殻などをかけておくと、用土の保湿力が上がり用土の乾燥防止にもなります。
種は浅まきすると芽が出ない
ニガウリは嫌光性種子で光が強いと発芽が抑制される性質をしています。そのため、種を浅くまくと発芽が遅れたり発芽率が悪くなったりします。(発芽まで2倍以上の日数がかかります。)
種は10~15mmの深さにまくことのがうまく発芽させるポイントです。
用土が合っていないと芽が出ない
種まきや育苗に使用する用土は排水性の良い専用土(園芸店で販売されているものや肥料及び退避を混ぜて1年以上寝かせたもの)を使用しましょう。
使い古した用土や軟弱な用土、排水性の悪い用土を使うと発芽率が悪くなってしまいます。
種と用土の間に隙間ができると芽が出ない
ニガウリは種と用土の間に空間ができないように密着させておくことが発芽を早めるポイントです。
種と周辺の土の間に隙間が多いと、種の吸水に時間が掛かって発芽率が悪くなるためです。
種まき後に用土を上から軽く押さえて種と用土を密着させておきましょう。
種の寿命がきていると芽が出ない
ニガウリの種は保存状態が悪いと腐ったり傷んだりして発芽率が悪くなります。
ニガウリの種は湿度の低い冷暗所で保存しておけば2~3年は持ちますが、保存状態が悪いと1年持ちません。
ニガウリは種まきに適した用土に種をまくことが大切です。痩せた土地(何度も繰り返して使っている用土)での種まきは上手く発芽しない原因になります。
用土は繰り返して使っているとダマができたり、固く締まって密度が高くなり、通気性や通水性が悪いだけでなく根が張りにくい状態になってしまいます。
プランター栽培では用土を定期的に新しくする、露地栽培では土作りを丁寧に行うなどしましょう。
ニガウリの種が発芽しないときや芽が出ないときは、芽出しをしてから植え付ける方法がおすすめです。
ニガウリがうまく発芽しないときは芽出しをしてから種をまく方法がおすすめです。芽出しを行ってから種をまくと失敗が少なくなります。
エアコンの効いた室内など暖かな場所で芽出しを行います。ただし、光量が強いと発芽率が下がるので、窓際など強い太陽光が当たる場所は避けましょう。
芽出しのやり方ですが、種を半日~1日ほど水を入れたコップなどの容器に浸けておきます。
種をコップから取り出して、トレーに濡れたティッシュペーパーやガーゼなどを敷きその上に種を置きます。3~5日すると発芽が始まります。
根は少しでも出ていればオッケーです。根の伸ばし過ぎに注意しましょう。
ニガウリは暗発芽種子といって光が強いと発芽しにくい性質をしているので、反日蔭になる場所に置いておくのが上手く発芽させるポイントです。
浸水することで表皮がふやけて破れやすくなっています。種を取り出すときはピンセットなどを使って丁寧に取り出して下さい。
発芽するまでは日中も夜間も25~30℃を保つと発芽日数が早まります。発芽は遅れますが10℃以下にならなければ大丈夫です。
根が出たら用土を入れたポットに種をまいて10mmほど用土を被せておきます。地上に目が出るまでは、ハウス内や室内などの暖かな場所でしばらく育苗します。
発芽後の苗が小さなうちは冷気に当たると萎れや枯れの原因になるので注意しましょう。
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