「ニンニクの球が小さい」「ニンニクの球が大きくならない(肥大しない)」「ニンニクの球が割れる(裂球する)」「ニンニクの球をきれいにしたい」など失敗例を元にトラブルの解決方法を詳しく解説します。
Contents Menu
YouTubeでニンニクが育たない原因やニンニク栽培の裏技を分かりやすくご紹介しています。チャンネル登録おすすめです。
ニンニクの球が肥大しない原因は、植え付け時期が合っていない、苗の大きさが適切でない、水やりと追肥が間違っている、土壌が悪い、日照量と気温が適切でないなど複数の原因が重なって起こります。
ニンニク栽培では、球が大きくならない・球が割れる・球ができないといった失敗がよく起こります。
栽培方法が間違っていたり、栽培時期の決定・品種の選び方など、正しい知識を身につけてトラブルを回避しましょう。
ニンニクがの結球が始まらない・球が小さいときは、その原因を見つけることがトラブル解決の糸口になります。
大事なことはニンニクの性質や特徴を知りながら栽培することです。
ニンニクの球が大きくならない・球が小さくなる原因と対策を具体的に解説していきます。
ニンニクの球が大きくならない・球が大きくならないときは以下の原因が考えられます。
a.日当たりが悪いと球が大きくならない
ニンニクは日当たりが極端悪いと球が大きくなりません。
日照不足は球の生育が遅れると同時に、害虫が発生したり病害になったりします。
1日に最低でも5~6時間は太陽が当たる場所で育てましょう。
b.気温が低い・高いと球が大きくならない
ニンニクの球が大きくなるには最低でも12℃以上が必要です。
株が生育できる温度は10℃~27℃と幅はありますが、もっとも球の肥大が良くなるのは15~20℃です。
25℃を超えると球の肥大が悪くなるので、結球時期の気温も考慮して植え付け時期を決めることが大切です。
植え付けが遅れて結球期間の気温が高くなってしまうときは、幼マルチングやトンネル掛けを外して、温度を下げる対策をしましょう。
c.軟弱な土壌では球が肥大しない
ニンニクは土質を選ばない野菜ですが、肥沃な土壌で育てた方が当然生育は良くなります。
肥沃な土壌とは、微生物が生息していて養分のバランスが整っている用土のことです。微生物がいるというのがポイントです
土壌中の微生物には、動物の糞尿や落ち葉・枯草などの有機物を野菜が吸収できる形に変える働きがあります。ニンニクを立派な大きい球するには、有機物をしっかりと混ぜ込んだ土作りをすることが大事です。
微生物が作り出す粘液によって土の塊り「団粒」ができ、保水性・排水性・通気性が高い団粒構造の畑が完成します。つまり、肥沃な用土作りに微生物の存在は欠かせません。
同じ場所で野菜をずっと作り続けて、化成肥料だけを与えていると微生物はいなくなります。栄養となる有機物がなくなるからです。
有機物とは具体的には堆肥のことです。ニンニクの元肥には堆肥を入れろと言われる理由はこのためです。
ここで注意したいのは完熟した堆肥を使うということです。安価な堆肥は未熟な粗悪品が多いので注意しましょう。
d.植え付け時期を間違うと球が大きくならない
ニンニクは気温が7℃以下では株の生育が緩慢になるので、低温期に入るまでに冬越しできる大きさにする必要があります。そのためには鱗茎を植え付ける時期がとても大事です。
植え付けから苗が冬越しできる大きさになるまでには、適温内で約2か月半ほどかかります。
植え付け適期は品種にもよりますが、寒冷地では8月下旬~9月中旬、中間地以西では9月中旬以降が目安です。
e.品種選びを間違えると球が肥大しない
ニンニクには暖地系と寒地系があります。大きな違いは、低温期になると寒地系は冬眠し、暖地系は冬眠しないという点です。
球の肥大には低温が必要ですが、暖地系は低温要求性が弱いので、本来は栽培に向かない温暖な関東以西地域でも栽培できる品種です。
ちなみにニンニクにおける低温要求性とは、40日以上の低温に当てることで球の形成が誘発される生理条件のことです。
暖地で寒地系の品種を栽培してしまうと球の肥大が悪く、収穫期が遅れて、病害が多発し貯蔵性も悪くなってしまいます。
f.雑草に負けると球が肥大しない
ニンニクは根が浅いため雑草との競争に弱く、養分や水分が他の野菜と比べて奪われやすいといった特徴があります。
植え付け直後で苗が小さい時期は、初期成長の遅れに繋がってしまうため、ニンニク栽培では除草をこまめに行うことが、球を大きくするポイントです。
特に球が肥大する春以降も除草はかかせません。この時期の除草は、球を大きくする一番のポイントになります。春以降は吸肥が盛んになるため雑草をそのままにしないようにしましょう
g.水不足になると球が肥大しない
ニンニクは気温が上がり始める春先の、本葉が7~8枚になる頃から球の肥大期に入ります。
肥大期以降の乾燥は球の大きさに影響がでるので、乾燥対策をしっかりと行いましょう。
春先以降の乾燥対策は黒マルチでもいいのですが、収穫後に撤去するのが面倒なら、敷き藁や除草後の乾燥させた雑草などで代用しても大丈夫です。
h.追肥のやり方を間違えると球が肥大しない
元肥で初期の苗を大きく育て、春以降は追肥で玉を大きく育てましょう。追肥が遅れると病害が発生しやすくなるので時期を守ることが大切です。
ニンニクは冬季になると成長が止まりますが、正確には少しずつ成長はしています。吸肥料が少ないのでこの時期の追肥はほとんど効果が出ません。
そのため冬季の追肥は基本的には不要です。
球が大きくなり始める2月下旬以降に肥料不足を起こすと球が大きくなりません。
元肥を与えていても、苗の生長で使われたり、自然の雨や水やりで流れていたりしています。
球の肥大にはリン酸が効果的なので、2月上旬から3月中旬になったら、リン酸石灰を与えておきましょう。
マルチ栽培で追肥ができないときは、土作りの際に緩効性の肥料(春先に効き出すように3~6か月持続する肥料)を仕込んでおきます。
緩効性肥料が切れる4月~5月頃に、茎葉の緑が薄いときは即効性の肥料を少し追肥しますが、この時期の肥料過多は病害が発生しやすくなるので、無理に与えなくてもかまいません。
ニンニクの球を肥大させるポイントは、低温期に入る前までに株を越冬に適した大きさに仕上げることです。
ニンニクの発芽適温は22℃前後で、30℃以上では発芽が不揃いになりますが、気温が高く真夏日も多い9月になぜニンニクを植えるのでしょうか。
これにはちゃんとした理由があります。
それはニンニクの球が肥大期に関係しています。多くの方は春先の暖かくなる頃から球が肥大すると思っているからもしれませんが、実は球の大きさは低温期に決定されます。
ニンニクは12月~翌年の3月にかけて、葉の光合成で作られた養分(炭水化物)を根に蓄えます。
そのため、葉の枚数が4~5枚の状態で、冬ごしさせることが球を大きくするポイントです。
ニンニクは低温期になると苗の成長が止まってしまいます。時期を遅らせて植え付けすると発芽はしやすくはなりますが、萌芽が遅れて、根の張りが悪くなり、葉の枚数が少ないまま冬を迎えてしまいます。
根の張りが悪い小さな苗は寒さに負けて枯れてしまいます。9月に植えれば苗の生育適温の期間が、10月~11月の約2か月間もありますが、植え付けが遅れると、適温の期間はどんどん短くなってしまいます。
特に寒冷地ではあっという間に低温期になるので、温暖地より早めに種球を植え付けることが大事です。
万が一植え付けが遅れて、葉の枚数が少ないうちに低温期になってしまうときは、幼苗時期からマルチングやトンネル掛けで保温対策して生長を早めます。
7℃以上を確保すれば生育期間を伸ばすことができますので、諦めずにぜひ試してみましょう。
ニンニクはマルチなしでも栽培できますが、マルチをすると晩秋以降の苗の生育が旺盛になって、収穫時期が早まるだけでなく球も大きくなります。
ただし、中間地以西では、植え付け直後からマルチをすると、地温が高すぎて発芽が遅れ、冬越しできる苗の大きさまで生育することができなくなります。
ニンニクは30℃以上だと発芽しないからです。
ニンニクの球がつかない主な原因は、「葉の数が少ない」ことです。ニンニクの球をつけさせるには結球時期までに茎葉を必要枚数まで増やしておくことが大事です。
ニンニクは輪片がいくつか集まって種球を形成していますが、1枚の葉が1つの鱗片を育てます。
つまり、葉が6枚あるなら、鱗片は6個できるというわけです。鱗片がたくさん付いた大きな球を収穫するためには、一枚一枚の葉を大きく育てることがポイントです。
ニンニクは葉の数が他の野菜と比べて少ないです。初期の苗は葉も小さく数も少ないので心配になりますが、最終的には6枚程度にしか増えません。
害虫に被害にあったり、手入れの際に折ったりすると枚数が少なくなって球の数が少なくなったり、球がつかなかったりの原因になります。
生育期の高温が変形球や裂球が増える原因です。中間地以西でマルチをする場合は低温期の高温が問題で、ニンニクは寒さに当てることで球の肥大が良くなるからです。
利用するマルチの種類ですが、ポリマルチは透明のものではなく黒色のものを使いましょう。透明のマルチは保温効果が高すぎるからです。
ニンニク栽培でのマルチは晩秋以降の低温を防ぐ目的以外にも
除草という目的もあります。除草効果が高いのは、黒色のマルチです。
ニンニク栽培では保温が必要な時期は短く、低温期に入るまでです。温度管理ができて手間がかからないという面ではトンネル掛けがおすすめです。
温度が高いときは、裾を捲って風通しを良くすれば温度を下げることができ、温度が低いときは裾を閉じて温度を上げることができます。
除草の手間はマルチよりもかかりますが、10月以降は日中と夜間の温度差が大きいので、温度調整がしやすいのでおすすめです。
▷家庭菜園で簡単野菜作りVegetableBeginnersguide
YouTubeでも野菜の育て方や野菜作りのコツなどを分かりやすくご紹介しています。チャンネル登録おすすめです。