ニンニクの種球が発芽しない主な原因は「植え付け適温から外れている」「種球を埋める深さ」「用土が合っていない」「多湿や多乾燥」「種球が休眠状態」「種球の寿命」など、植え付け方法やその後の管理によるものです。
ニンニクの発芽率を上げるには?ニンニクの芽が出ない時の対処法は?ニンニクが発芽しない原因と対策を野菜栽培士が分かりやすく解説します。
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通常なら植えつけてから約2週間ほどで発芽します。ニンニクが発芽しないときやニンニクの芽が出ないときのチェックポイントをご紹介します。
ニンニクは秋(9月中旬~10月下旬)から育てる野菜で、18~20℃が発芽に適した気温です。発芽適温から外れていると発芽しなかったり発芽が遅れたりします。
植え付け時期の気温が適正範囲内でも、発芽してから収穫までの気温が適正温度(生育適温は18~20℃)から外れていると発芽してから苗の生育も悪くなります。
ニンニクを確実に発芽させるには植え付け適期を守ることが成功のポイントです。
ニンニクは9月に植えるという決めつけは失敗する原因です。
じゃあ「いつ植えるのが正解なのよ」となるわけですが、ニンニクは芽出しをしてから植えると成功の確率が高まります。
芽出しのやり方は後ほど詳しく解説します。
ニンニクは植え付けから発芽するまでの間は、用土が極度に乾燥しないように水やりをタイミングよく行いましょう。長期間乾燥した状態が続くと種球が死んでしまいます。
ニンニクは多湿を嫌うため毎日する必要はなく、用土の表面が乾いたときにたっぷりと与えます。
気温が高い時期に水分量が多く多湿環境になると、種球が土の中で腐って芽が出ない原因になるので注意しましょう。
植え付けた種球のりん片の芽(尖っている方)が傷付いていたり、折れていたりすると芽が出ない(発芽しない)ことがあります。
種球を深く埋めすぎていませんか。ニンニクは深く植えると発芽が揃いにくくなります。種球は用土に隠れる程度の浅く植え付けましょう。
種球を深植えしすぎたり上から強く抑えすぎたりすると、酸素不足で種球がだめになってしまいます。
ニンニクの種球は保存状態が悪いと腐ったり傷んだりして発芽率が悪くなります。(種の保存状態が悪いと1年持ちません。)
ニンニクは植え付けに適した用土に植え付けることが大切です。痩せた土地(何度も繰り返して使っている用土)での植え付けは上手く発芽しない原因になります。
用土は繰り返して使っているとダマができたり、固く締まって密度が高くなり、通気性や通水性が悪いだけでなく根が張りにくい状態になってしまいます。
プランター栽培では用土を定期的に新しくする、露地栽培では土作りを丁寧に行うなどしましょう。
ニンニクの発芽の失敗は球が土中で種球が腐ることです
冷蔵保存しなければいけない食品を高温下に置いておくとどうなるでしょうか?当たり前ですが腐りますよね。
さらに水やりをして土壌が多湿になっているのだからさらに腐敗しやすくしているというわけです。
本来は冷涼な気候を好むニンニクを高温期に植えなければならないから当然です。
気温が高い年は植え付け時期を遅らせる、芽出しをしてから植え付けるなど対策しましょう。
ニンニクは冷涼な気候を好むので、温暖地で栽培するときは暖地系の品種を選ぶようにしましょう。
栽培地に合った品種を選ぶことが上手に発芽させるポイントです。
ニンニクが発芽しないときや芽が出ないときは、芽出しをしてから植え付ける方法がおすすめです。
ニンニクの植え付け時期は9月以降ですが、地域によってはまだまだ気温が高い時期です。
畑に直接植えると温度や水分の管理が難しいため、ポリポットなどで芽出しをしてから植える方法が簡単です。
芽出しとはポットにりん片の1/3が浸かる程度の水を張って水耕栽培のように発芽させる方法です。用土は入れても入れなくてもかまいません。
水張りのときは、雑菌が繁殖すると種球の腐敗や病害を招くので発芽までは1日に1回は水替えをしましょう。
種球は日の当たらない涼しい場所に置いておきます。数日経つと根が出てくるので、少し深め(5~6cm)に種球を上向きにして埋めてやります。
気温が高いうちは直射日光や高温に当たると種球がだめになってしまいます。根が出ても本葉が出るまで反日蔭の涼しい場所で育苗してから植えても大丈夫です。
葉が伸びる前に植え付けるのがポイントです。根や茎葉が伸びすぎた状態で植えると、土壌への適応性が下がって球が小さくなります。
根が少し伸びたら早めに植え付けましょう
りん片は薄皮はつけたまま植えますが、外側の厚い皮を剥いてから植えると発芽までの日数が短くなります。
ニンニクの皮には撥水性があるため、そのまま植えると萌芽(発芽)が遅れてしまいます。
萌芽が遅れると厳寒期の葉数が少なくなり収穫量が減ってしまいます。ニンニクは葉数を増やして越冬させると養分の貯蔵量が増えてりん片が大きく育つからです。
皮を剥くときに注意することは、りん片を傷つけないようにすることです。傷がついた箇所から細菌が侵入して病害に掛かったり、腐敗したりするからです。
りん片の芽(尖っている方)が傷付いていたり、折れていたりすると発芽不良の原因になるので注意しましょう。
りん片に含まれるアリシンという殺菌成分が周囲に広がりやすくなり、初期病害の抑制力が高まります。
ちなみに、ニンニクなどユリ科の野菜には土壌病害を防ぐ力があり、さまざまな野菜のコンパニオンプランツとして利用できます 。
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