サトイモの種イモが発芽しない主な原因は「発芽適温から外れている」「種イモを埋める深さ」「用土が合っていない」「多湿や多乾燥」「品種によるもの」「用土が古い」など、植え付け方法やその後の管理によるものです。
サトイモが発芽しない原因と対策を野菜栽培士が分かりやすく解説します。サトイモの発芽率を上げるには?サトイモの芽が出ない時の対処法は?
サトイモの発芽率を上げるには?サトイモの芽が出ない時の対処法は?
種イモを植える時期が間違っている
サトイモの種イモの植え付けは春(4月~5月)が適期です。気温が15~28℃の範囲が発芽に適した温度で発芽には高温が必要です。
発芽適温から外れていると発芽しなかったり発芽が遅れたりします。種イモを植える時期の気温が適正でも、発芽してから収穫までの気温が低すぎると生育が緩慢になります。
そのため、地上部になかなか芽が出てこないことがあります。サトイモの生育適温は25~30℃です。
用土が極度に湿っている
サトイモが発芽しない原因は土中で腐っていることが多いです。サトイモは覆土を厚くするため、水やりが多いと過湿環境になります。
発芽までの水やりは不要で、自然の雨だけで十分です。(プランター栽培も同様です。)
4月以降の気温が高い時期の水の与えすぎは厳禁です。高温多湿の状態が続くと種イモが腐ってしまうからです。
サトイモは種イモに含まれる水分と養分で十分に発芽するので、過度の水やりは控えましょう。
種イモの植え方が間違っている
種イモが腐ると発芽しなくなります。種イモを切って植えるときは、切り口を下に向けて植えましょう。
下向きにする理由は植え付け後に雨が降ったときに腐敗しにくいからです。
品種選びが間違っている
サトイモには発芽しやすい品種があります。栽培時期や栽培する風土に合った品種を選ぶようにしましょう。
土垂(どだれ)系の品種は、寒さや乾燥に強く、寒冷地でも栽培が可能で、育てやすくておすすめです。
土壌酸度が適正でない
サトイモに適した土壌酸度になっていますか。サトイモはpH6.0~6.5の土壌酸度を好み、酸性やアルカリ性の土壌を嫌います。
写真のようなペーハーメーターを使ってペーハー値を測定して適正な土壌酸度を確保しましょう。
土壌酸度はpH値で適正値になるように調整しておきます。
温度(気温)が適正でない
サトイモはインドや中国南部から東アジア、インドネシアにかけて自生する熱帯性の多年生植物です。(日本は温帯で冬になると枯れてしまいます。)
高温を好むため、温度不足(15~20℃)だとうまく発芽しません。発芽適温になるように発芽までは温度管理をしっかりと行いましょう。
気温が低い時期は保温して地温を上げる工夫が必要です。
気温が低い時期はマルチングやトンネル掛けで保温を行って、温度を高めてやりましょう。
サトイモは植え付けに適した用土に種イモを植えることがポイントです。
極度に痩せた土地(何度も繰り返して使っている用土)や、地下生菌(病原菌)がいる土壌などは、うまく発芽しない原因になります。
用土は繰り返して使っているとダマができたり、固く締まって密度が高くなり、通気性や通水性が悪いだけでなく根が張りにくい状態になってしまいます。
プランター栽培では用土を定期的に新しくする、露地栽培では土作りを丁寧に行うなどしましょう。
サトイモの種は発芽率が低め。要点をまとめると、「水の量」「温度の管理」「日照量の管理」です。
適正内の気温になるよう日当たりを調整して適度な水分量を確保することが上手に発芽させるポイントです。
サトイモの早掘りを目的とするときや寒冷地など気温が低い場所で栽培するときは、マルチ栽培がおすすめです。
保温にはなるべく透明のマルチを利用しましょう。黒色のマルチは太陽光を遮るため保温効果が低くなります。
マルチが芽で盛り上がったらフィルムを切って芽を出してやりましょう。
種イモを切り分けて植えるときは、イモを傷付けないようにしましょう。
とくに芽が出る部分を傷付けないようにします。
種イモは切り口が湿ったままだと腐敗して発芽不良の原因となります。1~2日ほど反日蔭でしっかり乾燥させておきましょう。
乾燥させることで切り口にカルス(傷口を塞ぐために増殖する組織)が形成されます。
サトイモの芽出しは難しくはありません。透明の衣装ケースなどに用土を入れずに種イモだけを並べて日当たりのよい場所に置いておくだけでも芽が出ます。
サトイモは植え付けの1週間ほど前から日光を当てておくと発芽が促されます。これを浴光催芽といいます。
直射日光でなくてもコンテナや紙袋に入れて屋外に2~3週間ほど置いておくと発芽率がよくなり芽が出るようになります。
慌てて種イモを植えなくても、地上で発芽させてから植え付ける方がより確実でおすすめの方法です。
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