サツマイモが発芽しない原因は「発芽適温から外れている」「種イモをまく深さ」「用土が合っていない」「多湿や多乾燥」「種イモが休眠状態」「病害に遭っている」など、植え付け方法やその後の管理によるものです。
サツマイモが発芽しない原因と対策を野菜栽培士が分かりやすく解説します。サツマイモの発芽率を上げるには?サツマイモの芽が出ない時の対処法や催芽処理のやり方などをレクチャーします。
サツマイモの発芽率を上げるには?サツマイモの芽が出ない時の対処法は?
サツマイモは条件が整っていれば5~7日ほどで発芽が始まりますが、温度が低い(20℃以下)と目が出るまで1ヶ月以上はかかります。
ここからは発芽が遅れる原因と対策を詳しく解説していきます。
種イモを植える時期が間違っていると芽が出ない
サツマイモの植え付けは春(3月~4月)で、気温が20~30℃の範囲が発芽に適した温度です。
種イモを植える時期の気温が適正でも、発芽してから苗取りまでの気温が低すぎると苗が育たないことがあります。
温度が低すぎると芽が出ない
苗取り用の種イモを植える時期は気温が低いため、発芽が揃わなかったり発芽が完全に止まったりすることがあります。
用土が極度に湿っていると芽が出ない
サツマイモが発芽しない原因のひとつに土中で腐っていることがあります。土中は保温をして水やりをしすぎると高温多湿の状態になります。
特に3月中旬以降の気温が高くなってくる時期の過多の水やりは厳禁です。高温で多湿の状態が長く続くと種イモが腐ってしまうことがあります。
サツマイモに適した土壌湿度は60~80%です。種イモに含まれる水分と養分だけで十分に発芽するので、過度の水やりは不要です。
傷んだ種イモは芽が出ない
サツマイモは種イモが悪いと発芽しないことが多くなります。シワが多かったり傷が付いていたりする種イモは植え付けないようにしましょう。
発芽しやすい種イモの特徴は、ハリがあり表面がキレイで傷みや欠けがないもの。200~300gが種イモに適した大きさです。
種イモの植え方が間違っていると芽が出ない
種イモが腐ると発芽しなくなります。用土を被せる量は種イモが少し見えるくらいか少し隠れる程度まで。
種イモの両端を10円玉くらいの大きさに切っておくと、細い芽が多く発芽するのを防ぐことができます。
土壌が適正でないと芽が出ない
サツマイモに適した土壌環境になっていますか。
サツマイモは熱帯原産で多湿に弱いため、培養土に砂を多めに混ぜた水はけのよい土壌でよく育ちます。
土壌への適応性は強いのですが、弱酸性の土壌を好みアルカリ性の土壌を嫌います。同じ場所で連続して野菜を育てているときはアルカリ性に傾きやすいので注意しましょう。
ペーハーメーターを使ってpH5.5~6.0未満の範囲になるように調整しておきます。
サツマイモは植え付けに適した用土に種をまくことが大切です。痩せた土地(何度も繰り返して使っている用土)やや、地下生菌(病原菌)がいる土壌などは、うまく発芽しない原因になります。
用土は繰り返して使っていると、古い根が残ってしまったり、大きなダマができたり、固く締まって密度が高くなってしまいます。
通気性や通水性が悪い用土は小さな根が張りにくい状態です。プランター栽培では用土を定期的に新しくする、露地栽培では用土丁寧に耕すなどしましょう。
サツマイモの種は発芽率が低め。要点をまとめると、「温度の管理」「水の量」「日照量の管理」です。
適正内の気温になるよう温度管理を行って、適度な水分量を確保することが上手に発芽させるポイントです。
温度の低さが原因で発芽しないときは、地温を確保するため発芽するまでの間、マルチングや敷き藁を被せて保温対策を行いましょう。
プランターで育てる場合はガラス蓋を上に置くことで保温効果を高めることができます。発芽するまで暖かい場所に鉢を移動させるのも効果的です。
サツマイモはそのまま植えるよりも催芽処理(発芽しやすくする処理)を行うと発芽率がよくなります。
サツマイモの催芽処理のやり方をご紹介します。
催芽処理のポイント
水温が高すぎると種イモが死んでしまいます。50℃以下になるように注意しましょう。
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