ウコンの根茎が発芽しない主な原因は「発芽適温から外れている」「根茎を埋める深さ」「品種が合っていない」「多湿や多乾燥」「日当たりが悪い」「根茎の植え方が悪い」など、植え付け方法やその後の管理によるものです。
ウコンが発芽しない原因と対策を野菜栽培士が分かりやすく解説します。ウコンの発芽率を上げるには?ウコンの芽が出ない時の対処法は?
ウコンの発芽率を上げるには?ウコンの芽が出ない時の対処法は?
根茎を植える時期が間違っている
ウコンの根茎の植え付けは春(3月~4月)が適期です。気温が20~30℃の範囲が発芽に適した温度で、発芽には高温が必要です。
根茎の植え付け時期の気温が低いと発芽が遅れ、地上部になかなか芽が出てきません。
仮に、植え付け時の気温が適正でも、発芽後の気温が低いと生育が緩慢になります。ウコンの生育適温も25~30℃と高温です。保温対策をしっかりと行いましょう。
用土が極度に湿っている
ウコンが発芽しない原因は土中で腐っていることが多いです。ウコンは厚く覆土するので、水やりが多すぎると過湿環境になって腐敗することが多くなります。
発芽までの水やりはなしで、自然の雨だけでも十分です。(プランター栽培も同様です。)
4月以降の気温が高い時期の水の与えすぎは厳禁です。高温多湿が長く続くと根茎が腐ってしまうからです。
ウコンは根茎に元から含まれている水分と養分だけで発芽するので、よほどのことがない限り、発芽までの水やりはしなくても大丈夫です。
根茎の植え方が間違っている
根茎が腐ると発芽しなくなります。根茎を切り分けて植えるときは、切り口を下に向けて植えておきましょう。
下向きにする理由は、切り口に水分がたまらなくなって、腐敗しにくくなるからです。
日当たりが悪い
ウコンはショウガ科の野菜ですが、日当たりのよい場所を好みます。日陰になる場所は温度も上がりにくく多湿環境になることが多いので、発芽後の生育もよくありません。
日がよく当たる風通しの良い場所に根茎を植え付けましょう。
土壌酸度が適正でない
ウコンに適した土壌酸度になっていますか。ウコンはpH6.0~6.5の土壌酸度を好み、酸性やアルカリ性の土壌を嫌います。
写真のようなペーハーメーターを使ってペーハー値を測定して適正な土壌酸度を確保しましょう。
土壌酸度はpH値で適正値になるように調整しておきます。
温度(気温)が適正でない
ウコンは亜熱帯地方に自生している多年生植物で、耐寒性がありません。(日本は温帯で冬になると枯れてしまいます。)
高温を好むため、温度不足だとなかなか発芽しません。発芽適温になるように、発芽までの温度管理をしっかりと行いましょう。
気温が低い時期は保温して地温を上げる工夫が必要です。気温が低い時期はマルチングやトンネル掛けなどで地温を高めてから植え付けるのがポイントです。
ウコンは土壌への適応性がありますが、植え付けに適した用土に根茎を植えることが大切です。
極度に痩せた土地(何度も繰り返して使っている用土)や、地下生菌(病原菌)がいる土壌などは、うまく発芽しない原因になります。
用土は繰り返して使っているとダマができたり、固く締まって密度が高くなり、通気性や通水性が悪いだけでなく根が張りにくい状態になってしまいます。
プランター栽培では用土を定期的に新しくする、露地栽培では土作りを丁寧に行うなどしましょう。
ウコンの種は発芽率が低め。要点をまとめると、「水の量」「温度の管理」「日照量の管理」です。
適正内の気温になるよう日当たりを調整して適度な水分量を確保することが上手に発芽させるポイントです。
ウコンの早掘りを目的とするときや寒冷地など気温が低い場所で栽培するときは、マルチ栽培がおすすめです。
保温にはなるべく透明のマルチを利用しましょう。黒色のマルチは太陽光を遮るため保温効果が低くなります。
マルチが芽で盛り上がったらフィルムを切って芽を出してやりましょう。
プランターで育てる場合はガラス蓋を上に置くことで保温効果を高めることができます。発芽するまで暖かい場所に鉢を移動させるのも効果的です。
根茎を切り分けて植えるときは、根茎を傷付けないようにしましょう。
とくに、芽が出る部分を傷付けたり、萌芽した小さな芽を折ったりしないように注意します。
根茎は切り口が湿ったままだと腐敗して発芽不良の原因となります。1~2日ほど反日蔭でしっかり乾燥させておきましょう。
乾燥させることで切り口にカルス(傷口を塞ぐために増殖する組織)が形成されます。
ウコンの芽出しは難しくはありません。透明の衣装ケースなどに用土を入れずに根茎だけを並べて日当たりのよい場所に置いておくだけでも芽が出ます。
ウコンは植え付けの1週間ほど前から日光を当てておくと発芽が促されます。これを浴光催芽といいます。
直射日光でなくてもコンテナや紙袋に入れて屋外に2~3週間ほど置いておくと発芽率がよくなり芽が出るようになります。
芽の出ていない根茎を慌てて植えるよりも、地上で発芽した根茎を植え付けた方がより確実です。
勢いのある根茎を植えることができるので、後の生育も良くなります。
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