ササゲは夏が植え付け時期です。日当たりと水はけの良い土壌に1か所あたり3粒深さ1cmで種をまいて、間引きをせずにそのまま育てましょう。管理作業は、支柱立て・水やり・追肥・土寄せなどです。収穫まで約2か月です。
ササゲの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。
種まき適期や苗の植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています
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栽培難易度 ★★☆☆☆
ササゲは大角豆とも呼ばれるアズキによく似て赤色をしたマメ科ササゲ属の夏植え野菜です。
病害虫に強く肥料がなくても育つほど丈夫、初心者向けで育て方は簡単です。
つる性の植物なので支柱を使って栽培しますが、露地栽培だけでなく、大きめのプランターや植木鉢でも育てることが可能。
ササゲは火を通しても皮が破れにくいので、赤飯やぜんざいなどに向いています。長期間の保存が出来るのも特徴です。
科名 | 豆科 |
別名 | 大角豆・虹豆・角豆・ササギなど |
草丈 | 30~100cm |
連作障害 | あり(2~3年) |
適した場所 | 日がよく当たる風通しの良い場所 |
日当たり | 🌞 or 🌤 |
土壌酸度 | pH6.0~6.5 |
株間 | 30cm以上 |
畝幅 | 60~80cm |
畝高 | 10~15cm(平畝) |
発芽適温 | 20~25℃ |
生育適温 | 20~25℃ |
種まき時期 | 6月~8月 |
発芽日数 | 3日~5日 |
苗植え付け時期 | 7月~9月 |
収穫時期 | 種まきから約2か月 |
ササゲは夏に植える野菜です。種まきは7月上旬から、苗の植え付けは7月下旬以降です。収穫時期は種まきから約2か月で、9月以降です。
ササゲは育てやすい丈夫な野菜ですので、どの品種を選んでも失敗は少ないでしょう。
その中でも人気の品種は「金時ササゲ」「三尺ササゲ」「十六ササゲ」
十六ササゲはその名の通り、長さが30cmほどで豆が16個入っているのが名前の由来です。三尺ササゲは長さがなんと50cm以上にもなる品種。
成長後の株がどの程度の大きさになるかを考えて、栽培する場所に合わせて適した品種を選ぶと良いでしょう。
ササゲはプランター栽培でも露地栽培でも育てることができます。ササゲ栽培の準備から収穫までの流れを丁寧に解説します。
ササゲの栽培を始める前にしておくことは、「道具と栽培用土の準備」栽培地の「土作り」「畝作り」などです。
ササゲを栽培するときのプランターは標準~大型サイズを使用しましょう。プランターの代わりに大型の植木鉢でも育てることも可能。
ササゲは大株に育てるならプランターなら2株、植木鉢なら1株にします。狭いスペースに苗を植えすぎると収穫量が減るので注意しましょう。
ササゲ栽培で使う用土は市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに使えて便利です。葉野菜用で肥料入りの用土がおすすめです。
自分で用土を配合するときは、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~20gを混ぜ合わせたものを使いましょう。
プランターの底には鉢底石などを入れ水はけを良くします。
入れる用土の量は、プランターの淵からウォータースペースを残して、鉢の8分目程度(淵から2~3cm)です。
畑(菜園)でササゲを育てるときは、植え付けの2週間前までに酸度調整を終わらせておきましょう。
ササゲを露地で育てるときの土作りですが、種まきの約2週間前になったら、石灰を150g/㎡・堆肥を2kg/㎡・化成肥料を(15:15:15)150g/㎡を畑に施してよく耕しておきます。
ササゲに適した畝は畝の幅が60~80cm、畝の高さは10~15cmの平畝です。根を張りやすいようにしっかりと耕しておきましょう。
気温が高くなったら直まき。気温が低い時期はポットで苗を育てて移植する方法がおすすめ。
ササゲの種ををまく前に、一昼夜水に浸しておくと発芽が揃いやすくなります。
ササゲの種まきは、ポットまきは6月中旬以降、直まきは6月下旬以降です。(温暖地は5月~・寒冷地は7月~)
ササゲ高温を好み、発芽適温は20~25℃です。15℃以上になってから種まきをしましょう。
ササゲの種は温度が高すぎても発芽しません。種まき時期は気温が高いので日よけや反日蔭になる場所で種まきをするのがポイントです。(もっと詳しく:ササゲが発芽しない原因と対策 )
ササゲは直まきとポットまきのどちらも可能です。種まき時期の気温が高めなので、ポットまきして涼しい環境で苗をある程度まで育てて植え替える方法がおすすめです。
種を直まきするときは、株間を30cm以上、畝間60cm以上空けて(プランターの場合は1つに対して2株まで)、1か所あたり3~4粒ほど種をまきます。
種をまく深さは、種の長さの2~3倍(約10mm)が目安です。種まき後は土を被せて、手のひらで軽く押さえて土を落ち着かせておきます。
種はあまり深くまきすぎると発芽不良の原因になります。
ササゲをポットまきする場合は、3号ポット1に1~2粒の種をまきます。
種をまく深さは、種の長さの2~3倍(5~10mm)が目安です。種まき後は土を被せて、手のひらで軽く押さえて土を落ち着かせておきます。
直まきでは、発芽するまでの温度管理(15℃以上)と用土の乾燥に注意しましょう。
ササゲは本葉が2~3枚になったら、生育の良いものを2本残してすべて間引きましょう。
間引いたあとは、植え付けに適した大きさ(本葉が4~5枚)になるまで日当たりの良い場所でそのままポットで育てます。
ササゲは間引きの時期が遅れると、苗が大きくなりすぎて間引きのときに絡まった根が切れる原因になります。
あまり早い段階で苗を間引くと、途中で苗が枯れたり萎れたりしたときに困ることになります。
植える株数が少ない方や初心者の方はポットから育てましょう。ポット植えからチャレンジすると失敗が少なくなります。
ササゲの良い苗の選び方ですが、背丈が高いものよりは背丈が低くて節間の詰まったものが良い苗です。
本葉は4~5枚程度に育ち葉がちぎれていない枯れていない青々とした苗を選ぶようにしましょう。
ササゲの苗はホームセンターや園芸店などで7月中旬以降になると販売されています。
ササゲの植え方ですが、苗と苗の間隔(株間)は約30cm程度を確保して植え付けていきます。植え付けは晴天の日の午前中を選ぶと上手く定着します。
苗は2本立てのまま植え付けします。
ササゲの苗の植え付けるときは、苗の根元を指で挟み根鉢が崩れないように注意しましょう。
苗は植え付けたあとは株元を手のひらで押さえて用土と根を密着させておきます。
苗を植え付けた後は根付く(定着)までの間(約1週間)は毎日土の中にしみ込むように水分をたっぷりと与えて下さい。
成長が活発になる夏場以降は、土が痩せて根を露出させてしまうと日光が根に当たって生育が弱まる原因になります。
株周辺の用土の表面を軽く耕して株元に土を寄せておきましょう。
土寄せは苗を植え付けてから追肥のタイミングで行います。7月下旬~8月下旬頃になると草勢がよくなって根元が露出しやすくなるのでよく観察しておきましょう。
ササゲは茎が細く柔らかいため、風や強い雨によって株が倒れてしまいます。タイミングよく支柱を立ててやりましょう。
ササゲは弦が伸びてきたら数本の支柱を垂直にたてて、弦先を麻紐などを使って誘引してやります。
弦が3m以上になる品種もあるので、高さがあり太くて丈夫な支柱を選ぶのがポイントです。
ササゲは生長に合わせて水やり方法を変えましょう。正しく水やりを行うと健康な苗に育ち、立派な果実を実らせることができます。
種をまいたあとは芽が出るまでは土が乾燥しないようにたっぷりと水やりを行い、苗から植えた時は根が活着するまでの約1週間程度はしっかりと水やりを行いましょう。
その後は土の表面が乾いたタイミングで水やりを行います。プランターや植木鉢で育てる時は乾燥に注意。朝または夕方の涼しい時間帯に毎日水やりを行います。
真夏の日中の水やりは太陽熱で根や茎葉を痛めてしまうので、なるべく行わないようにしましょう。
ササゲは痩せた土でなければ元肥も追肥もなくて育ちます。元肥を入れる場合は、窒素分の少ないものを選ぶようにしましょう。
肥料が多すぎるとつるボケの原因となって実なりが悪くなってしまうので注意が必要です。
ササゲは青鞘の時に収穫すればインゲンマメのように皮ごと食べることが出来ます。
開花後に鞘が付くので若鞘で収穫してもいいでしょう。
赤飯やぜんざいなどに使う場合は鞘が茶色く枯れた時が収穫適期。タイミングを逃すと鞘が割れて、中の豆が飛び出してしまうので注意しましょう。
収穫の方法は鞘の根元からハサミで切り取ります。
切り取った後は新聞紙などの上に広げて十分に乾燥させてから鞘から取り出しましょう。
収穫後のササゲは瓶などに入れておけば長期間の保存が可能です。
ササゲは病害に強い野菜ですが、モザイク病や苗立ち枯れ病が稀に発生します。病害を防ぐためには害虫の駆除を早めに行いましょう。
ササゲに発生しやすい害虫は「アブラムシ」と「カメムシ」です。害虫は見つけ次第捕殺しましょう。害虫を防ぐには根本付近の葉が込み合わないようにするのがポイントです。
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