ゴボウは3月~6月・9月が植え付け時期です。日当たりと水はけの良い場所に種を3~4粒ほど深さ5mmでまきます。何回か間引きして苗を1本立てにします。主な作業は土寄せ・水やり・追肥などです。収穫までは約3.5か月です。
ゴボウの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。
種まき適期や植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています
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ゴボウ栽培 難易度★★★☆☆
ゴボウはキク科の野菜で、春と秋に種からまいて栽培する野菜。ゴボウは漢字では牛蒡と書きます。野生種はヨーロッパ・シベリア・中国などに見られます。
ゴボウは春まきと秋まき(温暖地)ができますが、初心者におすすめの季節は春です。
ゴボウは野菜の中でも地中深くに根を張るため、固くなった土の層を柔らかくしてくれるので、輪作にはおすすめです。
ゴボウは根を地中に50~100cmも伸ばす野菜ですが、短根品種(ミニゴボウ)と言われる30~50cmの小型の品種なら、大型のプランターや深型の植木鉢、土のう袋などでの栽培もできます。
家庭菜園では、根が40cm以下のサラダゴボウや若い葉と根を食べる葉ゴボウが人気です。
ゴボウには、カリウム・カルシウムなどのミネラルをはじめ、ポリフェノール、不溶性の食物繊維(セルロース)が豊富に含まれる栄養満点の根野菜です。
科名 | キク科 |
別名 | 牛蒡・ギュウボウ・ウマフブキ・悪実・ごんぼ・キタキスなど |
草丈 | 70~90cm |
連作障害 | あり(4~5年) |
適した場所 | 日がよく当たる風通しの良い場所 |
日当たり | 🌞 or 🌤 |
土壌酸度 | pH6.0~6.5 |
株間 | 15cm以上 |
畝幅 | 60~70cm |
畝高 | 20~30cm(高畝) |
発芽適温 | 20~25℃ |
生育適温 | 20~25℃ |
種まき時期 | 3月~6月(春まき)・9~10月(秋まき) |
発芽日数 | 10日~14日 |
苗植え付け時期 | 種から育てる |
収穫時期 | 種まきから約3.5か月(秋まきは翌年6月以降) |
ゴボウは春(3月~6月)に植える野菜です。温暖地では秋まき(9月~10月)もできます。種まきから収穫まで約3.5か月(秋まきは翌年の6月以降)です。
プランター栽培の場合は短根種を選ぶようにしましょう。ホームセンターやネットでは、品種改良された育てやすい様々なミニ品種の種が販売されています。
ゴボウの露地栽培でおすすめの品種は「太浦田」「大作牛蒡」「魁白肌」密植ができる「柳川理想」などです。
プランター栽培でおすすめの品種は「サラダむすめ」「ダイエット」「百日一尺」などです。
春まき品種と秋まき品種があるので、栽培時期に合わせて品種を選ぶことが収穫まで辿り着くポイントです。
ゴボウは土作りが終わったら種まきをして、間引きながら少しずつ株の間隔を広げていきます。日々の管理は水やりと追肥が主な作業になります。ここから先はゴボウの栽培方法を具体的に説明していきます。
ゴボウの栽培を始める前にしておくことは、「道具と栽培用土の準備」栽培地の「土作り」「畝作り」などです。
ゴボウ栽培に適したプランターサイズは、深型サイズ(50cm以上)です。ミニ種の場合は、深さ30cm以上のプランターや植木鉢での栽培が可能です。
園芸店では底が50cm以上の深いプランターはあまり販売していません。
ゴボウ栽培ができるプランターサイズがない時は、大型の土嚢袋や用土の空袋などを代用して栽培する方法もおすすめです。
ゴボウの栽培に適した用土ですが、市販の培養土を利用すれば袋から空けてすぐ植え付けできて便利です。
自分で用土を作る時は赤玉土6:砂1.5:バーミキュライト2.5、それに石灰を用土10ℓ当たり10gと化学肥料を用土10ℓ当たり10g混ぜ合わせたものを使います。
土作りは2週間前には済ませておきましょう。
ゴボウの露地栽培では、種まき(苗の植え付け)の2週間前までに土作りを終わらせましょう。
ゴボウを露地で育てる時は、種まきの2週間前に各1㎡あたり苦土石灰を150~200g施してよく耕しておきます。
植え付けの1週間前に堆肥を2kg・化成肥料(15:15:15)100gを散布して50cm以上までしっかりと耕しておくようにします。
畝は幅60~70cmの平畝でかまいませんが、用土が固い畑の場合は収穫のことも考えて30cmの高畝で栽培するとよいでしょう。
露地栽培は種まきの1週間前までには全ての土作りを完了させておきます。
ゴボウは移植を嫌うので直まきが基本です。間引き菜を収穫するときは筋まき、栽培数が少ないときは点まきがおすすめです。筋まきは1cm間隔、点まきは15㎝~20㎝間隔で種をまきましょう。
ゴボウ直根性なのでポットからの移植を嫌います。直まきで栽培するのが基本です。
ゴボウの種は固い殻に包まれていて発芽しにくいので、種まき後はしっかりと水やりを行って乾燥防止に努めましょう。(参考:ゴボウの種が発芽しない原因と対策)
ゴボウの種まき時期は春から夏にかけて(3月下旬~9月上旬)です。収穫までは3か月以上かかるので、冬前に収穫が終わるように種をまきましょう。
ゴボウの発芽に適した温度は20~25℃です。
ゴボウの種は発芽適温内で10~14日で発芽します。
ゴボウを露地栽培で育てるときの種まきは、点まきと筋まきができます。
点まきするときは株間を15~20cmあけて瓶の底などで深さ5~10mmのまき穴を作り、1か所あたり3~4粒の種をまきます。
ゴボウは葉の直径は25~40cmほどになりますが、根は直根性でまっすぐ張るため、株間は15cm以上、列の間隔は約60cm確保すれば十分です。
ゴボウは筋まきして間引き菜を収穫しながら栽培するのもおすすめです。
直径が1cmほどの細い棒などを使って深さ5~10mmのまき溝を作り、種を10mm間隔で条まきします。
大型のプランターなら、条間を20~30cm以上確保すれば2列に種をまくこともできます。
ゴボウは発芽の初期に立ち枯れ病(苗立ち枯れ病)が発生することがあります。
病害の発生を防ぐ殺菌済の種が園芸店などで販売されているのでなるべくそちらを利用しましょう。
ゴボウの種を植えるときに気を付けることは深く種をまかないことです。フルイなどを使えば上手に覆土することができます。
ゴボウの種は発芽するためにある程度の日光が必要な好光性種子なので、用土を被せすぎないように覆土しましょう。
種をまいた後は濡らした新聞紙や不織布などを被せておくと発芽までの水分の管理がしやすくなります。
水やりのときに種が流れ出たり乾燥したりを予防できるほか、風で種が飛ばされることや野鳥の被害を受けることも防げます。
発芽を確認したら、被せた新聞紙や不織布はすぐに取り除くようにしましょう。
ゴボウは最終の株間が15cm以上になるように成長を見ながら間引きましょう。株の根元を押さえて引き抜くか、ハサミやナイフを使って根元から切り取ります。
ゴボウの間引きは点まきでは1~2回、筋まきでは2回行います。
1回目は双葉が出た頃に間引きを行って、2回目は葉が触れ合うようになったときに間引きます。最終的に株間が15cm以上になるように成長を見ながら間引きましょう。
ゴボウの苗を間引きする時は、株の根元をしっかりと押さえて引き抜くか、ハサミやナイフを使って根元から切り取ります。(根は土中に残しても問題ありません。)
葉がきれいに整った生育の良い株を残すのが間引きのポイントです。
・苗を引き抜くときに、隣り合う株の根同士が絡まっていて、残したい株が一緒に抜けてしまうので注意しましょう。
・小さな苗は根も柔らかく癖も少ないのでサラダなど生食で食べることができます。葉は油炒めや天ぷら・酢味噌和えなどにするのがおすすめです。
強い雨が降ったときや水やりを続けていると株元の周辺の用土が流れてしまいます。苗の倒れや露出した根を傷める原因となるので土寄せをしっかりと行いましょう。
ゴボウの土寄せ(プランターではまし土)は株元の茎の部分が長くなってきたときや追肥のタイミングに合わせて、収穫までに2~3回ほど行いましょう。
土寄せのやり方ですが、株周囲の用土の表面を軽くほぐして株元に寄せて手のひらで軽く押さえておきます。プランター栽培では新しい用土を足しておきます。
ゴボウは生長に合わせて水やりの量を変えましょう。発芽するまでは多め、それ以降は用土の表面が乾いたときのみに行います。正しく水やりをすれば立派なカブに育ちます。
ゴボウの種をまいた後は発芽するまでの間(1~2週間)、用土が乾かないよう十分に水やりをしましょう。
水やりは高い位置から激しく与えると、水の勢いで種や幼苗が表面に流れ出てしまいます。ハス口を上向きにして低い位置から水を与えるようにしましょう。
ある程度苗が大きくなったら、水やりは用土の表面が乾いたときのみに行います。プランターの場合は週に1~2回与える頻度でかまいません。
プランター栽培では鉢底から染み出るくらいたっぷりと与え、露地栽培では1株あたり2.5~3Lが目安です。表面だけでなく用土の深くまで染み込むまで与えましょう。
ゴボウの追肥は双葉が2枚出る頃と本葉の茂りが活発になる頃に施します。株周辺に肥料をまいて表面の土と混ぜ株元に寄せてやりましょう。
ゴボウのプランター栽培の追肥は間引きと同じタイミングで与えるのが基本になります。
1回目は双葉が2枚出て1回目の間引きを行った頃になります。
1回あたりに与える肥料の量は、化成肥料を1株あたり10gです。株周辺に肥料をパラパラと撒いて表面の用土と軽く混ぜて株元に寄せておきます。(露地栽培は20~30g/1㎡)
ゴボウの2回目の追肥は、2回目の間引きのタイミング(本葉が2~3枚になった頃)に与えましょう。追肥の量は1回目同様に化成肥料を1株あたり10gほど与えます。(露地栽培は20~30g/1㎡)
2回目の間引きのときにも、根の色が青くなることを防ぐためと株が倒れるのを防ぐために、周辺の土を株もとに寄せておきましょう。
ゴボウの2回目以降の追肥時期は、本葉の茂りが活発になる頃(種まきから約2か月後)から開始し、2週間に1回程度の頻度で施します。
畝の脇に20~30g/1㎡を施し周辺の土と混ぜて株元に寄せてやりましょう。
ゴボウは与える肥料の量が多くすぐに雑草が生えて放置しておくと苗の成長が阻害されてしまいます。雑草は早めに引き抜きましょう。
ゴボウは根の直径が2cmを超えたら(ミニ品種は直径が1cm)収穫適期です。先に茎葉を落としてから根に沿って穴を掘り、途中で折れないように丁寧に引き抜きましょう。
ゴボウの収穫のタイミングは品種によりますが、種をまいてから100~130日、短根種で70~100日が目安です。
秋まきのゴボウは、冬越しさせて翌年の6月~7月が収穫時期になります。
ゴボウは直径が2cmを超えたら、ミニ品種は直径が1cmを超えたときが収穫のベストタイミングです。取り遅れるとス入りになるので収穫時期を逃さないように注意しましょう。
早めに収穫した若いゴボウは生でも食べられるほど柔らかく上品な香りと風味でサラダや和え物・かき揚げにぴったり。
ミニ品種のゴボウやプランター栽培の場合は、葉柄を掴んで引き抜いて収穫します。
露地栽培や大型の品種は収穫時に折れないように、葉を先に切り落としてから根に沿って穴を掘り進め、穴の方に倒しながら丁寧に引き抜きましょう。
ゴボウは収穫してもそのまま畑に埋めておけばしばらくの間は保存が効きます。また厳寒期は根の成長が止まり葉や茎が枯れますが、畑にそのまま放置して保存することができます。
ゴボウに発生する害虫はアブラムシや根コブセンチュウです。
特にアブラムシが、雨の少ない年や土壌中の窒素分が多い条件下で発生する傾向があります。
発芽した後の害虫の飛来を防ぐために、寒冷紗掛けや防虫ネットを張っておくと効果的です。
また300~500倍に薄めた木酢液を散布すると害虫予防に効果があり、100倍に薄めた牛乳をかけるとアブラムシを防除できます。
根コブセンチュウは連作を避けて落花性やトウモロコシを輪作すると被害を軽減できます。
ゴボウが掛かりやすい病害は、うどんこ病・黒斑細菌病などです。
うどんこ病は土壌の乾燥が続いた時や窒素分が多い時に、葉に白い粉を吹いたようなカビが発生する病害です。黒斑病は連作や密植、肥料不足で発生しやすくなります。
病害の発生を防ぐには連作を避ける・肥料は適量を与える・密植を避ける・茂りすぎた葉を早めに摘み取る(間引きする)ことが大事です。
ゴボウは気温が30℃を超えても耐えることができます。厳寒期も葉や茎は枯れてしまいますが、根が枯れることはありません。とても強い野菜です。
ゴボウを育てるコツは、種まきから発芽までの間にこまめに水やりを行い用土を乾燥させないこと。根が深く育つので用土の排水性と通気性を良くすることが上手に育てるポイントです。
ゴボウ病害虫に強い野菜ですが、連作では土壌病害が必ず発生するので連作は避けましょう。
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