ジャガイモ栽培で収穫までたどり着くには育て方のコツを知ることが成功への第一歩。初心者にも分かるように植え方から収穫までジャガイモの育て方を丁寧にレクチャー。ジャガイモの作り方はプランターでも露地でも簡単!家庭菜園で立派なジャガイモを育てましょう!
Contents Menu
・ジャガイモ栽培カレンダー
・ジャガイモ栽培成功のポイント
・種イモの選び方
・ジャガイモの植え方
・ジャガイモの芽かき
・ジャガイモの水やり
・ジャガイモの追肥
・ジャガイモの収穫
・ジャガイモの育て方まとめ
・ジャガイモの病害対策
・ジャガイモの害虫対策
ジャガイモ栽培
難易度★★☆☆☆
ジャガイモはナス科の野菜で原産地は南米アンデス地方。
ジャガイモは春植えが育てやすくておすすめですが、温暖地域では秋植えも出来ます。失敗が少なく初心者でも育てやすい根野菜です。
温暖な地方で秋植えする時は8月下旬~9月上旬に種イモを植えておくと、その年の11月~12月頃には収穫を楽しむことが出来ます。
ジャガイモは冷涼な気候で日当たりの良いところを好む野菜。育てやすい品種は、メークィーン・男爵・キタアカリ、デジマニシユタカなど、品種も豊富で子供と一緒に芋掘りも楽しめる家庭菜園にはぴったりの野菜です。
ジャガイモに含まれる栄養素は、・ビタミンC・ビタミンB1・ビタミンB2・食物繊維・鉄・カリウムなど。必須アミノ酸も豊富に含みます。
ジャガイモのビタミンCは熱に非常に強く壊れにくいのも特徴です。ガン・高血圧・心筋梗塞などの成人病の予防や美容に良いと言われている栄養素がたっぷり含まれている健康野菜です。
土の中を掘ってゴロゴロとジャガイモを掘り出す楽しさを味わえるのがジャガイモ栽培の魅力。ベランダのプランター栽培でも十分に育てられるので、ジャガイモ栽培にぜひチャレンジしてみましょう。
ジャガイモは春植え(2月植え・3月植え)と夏植え(8月植え・9月植え)の年2回、収穫までは植え付けから約3か月。
お店で売られているジャガイモでも育てられますが、種イモで伝染するウイルス病があるので市販の検査済みの種イモを購入することをおススメします。
お店で売られているジャガイモでも育てられますが、種イモで伝染するウイルス病があるので市販の検査済みの種イモを購入することをおススメします。
ジャガイモの品種は男爵イモとメークインがが全体の半分を占めていて、新品種も育成されていますが知名度の高いこの2品種を超えるものは出ていません。
人気の品種は「キタアカリ」「トヨシロ」「ニシユタカ」「ホッカイコガネ」「セトユタカ」「ワセシロ」など。
カラフルなジャガイモもあり、皮の赤い「ベニアカリ」「アイノアカ」、肉色が濃い黄色の「アンデス赤」「ジャガキッズレッド」、肉食の赤い「インカレッド」、紫色の「インカパープル」「ジャガキッズパープル」が有名です。
ジャガイモには春植えと秋植えに向く品種があります。春植えは「男爵芋」「メークイン」、秋植えは「デジマ」「普賢丸」「アンデス赤」が代表的な品種です。
ジャガイモは袋にいれたまま暖かい場所で保管しておくと、もやしの様な芽が伸びて植え付けに支障をきたします。植え付けまで期間が開く時は、出来るだけ温度の低い場所(適温は3℃)で保管しましょう。
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ジャガイモ栽培のプランターサイズは大型(60㎝~)で深型のものを利用しましょう。
ジャガイモはまし土を頻繁に行うので、浅型のプランターは向いていません。
ベランダ菜園でじゃがいも栽培を行う時は土のう袋などを使えば限られたスペースを有効に使うことができます。
植え付ける2週間前に土作りを済ませておくようにしましょう。市販の培養土ならすぐに植え付けできるので便利です。
自分で作る時は赤玉土5:砂2:バーミキュライト3
それに石灰を用土10ℓ当たり10gと化学肥料を用土10ℓ当たり20gを混ぜ合わせたものを使用します。
露地栽培でジャガイモを育てる時は、植え付ける2週間前には苦土石灰を全面散布して良く耕しておきましょう。ジャガイモの元肥は植え付け時に与えるので、前もって施しておく必要はありません。
温暖地でジャガイモを育てる場合は、生育期間が短いためしっかりした太い茎葉に育てることがポイント。
有機肥料は効果の発現が遅いので化成肥料を加えて調整します。窒素分の多い肥料を使うと水っぽい芋になってしまうので、ジャガイモ専用の肥料を使うなどしましょう。
ジャガイモは酸性の土壌(pH5.0未満)を極端に嫌うデリケートな野菜です。
写真のようなペーハーメーターを使ってペーハー値を測定して適正な土壌酸度を確保しましょう。
酸性になっている時は石灰等を混ぜてpH値が5.0~6.0の範囲になるように調整します。
ジャガイモをプランターや鉢で育てる時は「まし土」行うので、用土の量は鉢の6割程度にしておきます。
用土を入れ過ぎるとまし土が出来なくなったり、水やり時に用土が流れ出てベランダが汚れてしまう原因になるので注意しましょう。
お店で売られているジャガイモでも育てられますが、ウイルス病に感染していることがあるので検査済みの種イモを購入することをおすすめします。
植え付ける1か月前に種イモを日光に当てて丈夫な黒紫色の若芽を伸ばしてやりましょう。
発芽促進、黒あざ病菌の予防になります。
ジャガイモは袋にいれたまま暖かい場所で保管しておくと、もやしの様な芽が伸びて植え付けに支障をきたします。
植え付けまで期間が開く時は、出来るだけ温度の低い場所(適温は3℃)で保管しましょう。
春植えのジャガイモは60g以下の種イモはそのまま植え付けます。
それ以上の種イモは芽が集中している部分を切り落とし、そこを頂点にして芽数が均等になるように縦に半分に切って植え付けましょう。
秋植えの場合は35g前後の小さな種イモから植えると育ちが良くなります。大きな種イモは芽を付けて複数に切り分けて植え付けましょう。
ジャガイモの導管はストロンから縦に伸びていて横に切ると導管を切ってしまって萌芽しません。芽は芋の頂部に集中していて、そこから太くて強い芽が育ちます。つまり芋の頂部を入れて立て切りすれば芽を均等に出来ます。
秋植えのジャガイモは気温が高いと腐って育ちが悪くなるので、切らずに畑にそのままのサイズで植え付けましょう。
ジャガイモは切り口が湿ったまま植え付けると腐敗の原因となります。
すぐに植え付ける時はケイ酸白土や草木灰を付けて乾燥させ、直ぐに植え付けないのであれば2~3日ほど反日蔭でしっかり乾燥させるようにしましょう。乾燥させることで切り口にカルス(傷口を塞ぐために増殖する組織)が形成されます。
ジャガイモは植え付けの1週間ほど前から日光を当てておくと発芽と芽の緑化が促されます。直射日光でなくてもコンテナや紙袋に入れて屋外に2~3日置いても大丈夫です。
春植えのジャガイモは日光に当たると皮が緑色に変化する性質があります。緑化したジャガイモはソラニンという有害物質が含まれています。
食用としては向きませんが、種イモとして使う場合は問題はありません。
ジャガイモを春に植えるときは、2月下旬から桜の咲く頃にジャガイモが萌芽するようにその2週間から1か月前までに植え付けましょう。
種イモは地表面から10㎝ほどの深さに植え付けます。
ジャガイモをプランターで育てる時は、用土の量はプランターの半分程度にしておきましょう。これは後からまし土を行う時に用土が溢れないようにするためです。
植えつける間隔は20~30㎝、ジャガイモは日当たりの良い場所を好むので葉が込み合わない幅になるように株間を空けて、芋の切り口は下に向けて種イモを置いていきます。下向きにする理由は植え付け後に雨が降ったときに腐敗しにくいからです。
ジャガイモを植え付ける間隔は靴1足分(20~30㎝)が目安です。移植ごてを使って計る方法もあります。
植え付ける間隔が狭いと根が干渉して生育が悪くなり掘り出す時に絡まった根が切れて地中に残ってしまう事があるので注意しましょう。
ジャガイモは植え付ける間隔が狭いと隣り合う根と根が干渉して生育が悪くなり、掘り出す時に絡まった根が切れて地中に残ってしまう事があるので注意しましょう。
大型プランターでジャガイモを栽培する時は2株まで、鉢植えは1株までとします。
それ以上植えると水分や養分を取り合ってしまい、イモが小さくなってしまうからです。
ジャガイモは基本は芽を上に向けて植え付けますが、写真では切り口を上を向けて植えています。。これは「逆さ植え」という篤農技術で、芽かきの手間が減り病害虫に強い昔から伝承されてきた栽培方法です。
一般ではタブーとされる植え方ですが、最近の研究では病害虫に対する抵抗性が誘導され環境適応性も向上することが明らかになっています。逆さ植えは萌芽はやや遅れます。
土の圧力を受けているため弱い芽は生育が出来ず強い芽だけが地上部に発芽するため芽数が減り芽かきの必要がなくなるというメリットがあります。
ジャガイモの種イモを植えたあとは種イモと種イモの間に元肥を施しておきます。堆肥と化成肥料を30g程度施して5cm~7cmほど覆土し軽く手のひらで用土を押さえて密着させましょう。
ジャガイモは生育期間が短いので元肥を主体に育てることが収穫量を増やすポイントになります。
ジャガイモの植え付けは春植えは2月中旬~3月下旬、秋植えなら8月下旬~9月中旬とします。(地域によってズレがあります。)
ジャガイモは30℃を超えると生育が完全に止まってしまいます。秋植えの場合は植え付けた後、地温の上昇を抑えるために敷き藁を被せてやりましょう。家庭で育てる場合は新聞紙などでも代用できます。
早掘りを目的とする場合は、マルチ栽培がおすすめ。マルチが芽で盛り上がったらフィルムを切って芽を出してやりましょう。
フィルム切りの手間を省くためにマルチング後に種イモを押し込む方法がありますが、この方法は萌芽が少し遅れます。
ジャガイモをたくさん収穫するには芽かき作業が欠かせません。
ジャガイモは種イモから芽がたくさん出ると収穫できるイモの数は増えますが、どうしても型が小さくなってしまいます。大きなイモをたくさん収穫するためにはジャガイモ栽培では芽かき作業が絶対に欠かせません
ジャガイモは種イモを植え付けてから約30日ほどすると草丈が10㎝程度に成長しますが、その頃が芽かきのタイミングになります。(春植えは4月中旬~下旬、秋植えは9月中旬~下旬が目安)
品種や収穫時期で本数は変わりますが、早掘り栽培では芽は1本、通常は元気の良い芽を2~3本残して他の芽は全てかき取ってしまいましょう。
ジャガイモの苗は、間引く茎以外の根元を手で押さえるようにすると上手に引き抜くことが出来ます。ハサミなどを使って芽の根元を切ってもかまいません。
ジャガイモの芽かきをする際に誤って種イモがぬけてしまうことがあります。抜けてしまった場合でもすぐに植え直せば大丈夫です。
茎の数を残し過ぎると実は沢山なりますが、一つ一つの実が小さくなってしまいますので2本前後にするのが大きなジャガイモを収穫するコツとなります。
ジャガイモの水やりのタイミングと与える量ですが、種イモを植え付けた後はたっぷりと水やりを行いますがその後の水やりは殆ど必要ありません。露地栽培の時は自然に降る雨だけで十分に育ちます。
ジャガイモの生育初期は水分を必要とするので、プランターで育てる時は用土が乾いたら水やりを行いますが、栽培の後期は乾燥気味に育てるようにします。
ジャガイモは水やりの頻度が多いと種イモが腐ったり病害(疫病)に掛かることがあるので、必要以上の水やりは控えるようにしましょう。
ジャガイモは生育状態を見て2回追肥を行います。
1回目の追肥は、植え付けから約30日経った頃で、芽かきを行う時と同時期に施しましょう。
ジャガイモは発芽してから20日ほどすると土の中で実が肥大し始めるので、追肥のタイミングを逃さないようにします。
プランター栽培では1株当たりに対して化成肥料10gを株周辺に撒いて用土と混ぜ合わせましょう。
露地栽培では株に沿って1㎡あたり20~30gの化成肥料をばらまくように与えます。
ジャガイモの2回目の追肥のタイミングですが、苗に蕾が付いた頃に行います。
2回目の追肥とまし土の量は1回目と同程度(化成肥料10g)で同じように株元周辺に与えましょう。追肥で注意するポイントは肥料と種イモが直接触れ合わないようにすること。
追肥が終わったら新しい用土を10cmほど株の周辺に足してやります。
ジャガイモは上へ上へとイモがなるため、まし土を行うことが大きなイモが生育するスペースを確保することになるのです。
ジャガイモの2回目のまし土のタイミングは、2回目の追肥と同じタイミングで苗に蕾が付いた頃に行います。
2回目のまし土はたっぷりと行うようにしましょう。株もとに土寄せして高畝にする事で、水はけと通気性が良くなりイモの腐敗と病害の予防につながります。
また、ジャガイモはまし土が少ないまま育てると、イモが太陽の光を浴びて緑色に変色してしまいます。
変色すると品質劣化の原因になるので注意しましょう。
窒素分の多い肥料を与えて過繁茂になると疫病を助長します。窒素肥料は適量の範囲内で控えめにするのがポイント。疫病にかかりやすい男爵やメークインを避けて品種選定をするのも良いでしょう。
ジャガイモの収穫のタイミングは花が咲き終わり葉や茎が黄ばみだした時期。生育期間が長く気温が高まると茎葉は自然と枯死します。
収穫が遅れるとイモが腐ったり表面が傷んだりするので最適な収穫時期を逃さないようにするのがポイント。ジャガイモは地表から20㎝までの浅い位置にイモが出来ます。
プランターや面積が少ない畑では皮むけしないように丁寧に手で掘り出しましょう。
面積の大きな畑ではイモを地表に掘り出せる「ポテトディガー」という作業機械も便利です。この機械は小型トラクターや耕うん機に装着でき手彫りに比べて傷がつきにくく効率的に収穫作業が行えるもの。
ジャガイモは なるべく畑が乾燥している時を見計らって収穫しましょう。
雨の日の収穫は避け、晴天が2~3日続いた後に収穫するように気を付けて下さい。
過湿状態や雨の日に収穫すると皮の表面が肥大してイモが腐りやすくなってしまいます。
掘りたてのジャガイモは呼吸が盛んです。ジャガイモの収穫後は掘り出した場所で半日程度日光に当て、その後は通気性の良いコンテナなどに入れ、屋内の冷暗所で2~3日ほど呼吸熱を冷ましてやりましょう。
冷蔵庫で保存する時は密閉された袋に入れてはいけません。ジャガイモは収穫後も呼吸を行っているため通気性の良い袋で保管することで貯蔵性が良くなります。
ジャガイモは種イモの選び方が重要で、良い種イモをしっかりと選べば初心者でも簡単に栽培できる野菜です。
スーパーなどに売っているジャガイモからでも育てる事は出来ますが伝染性のウイルス病に侵されていることがあります。
出来ればホームセンターや園芸店などで検査に合格した無病の種芋を購入して育てるようにしましょう。
プランターで栽培する時の生育初期は水やりを多めに行い、中盤以降は多湿にならないように気を付けることがポイントです。
ジャガイモは土寄せが足りないと病害が発生しやすくなるので土寄せをしっかりと行いましょう。
ジャガイモに発生しやすい病害には、「モザイク病」と収穫時期に「粉状そうか病」があります。
病害の発生を防ぐためには「連作をしない(2~3年以上)」「土壌の排水と通気を良くする」「ペーハー調整を行う」などのこれらの点に注意して栽培しましょう。
生育初期は疫病(発生しやすいのは梅雨時期)にかかりやすく、その症状は葉の一部が褐変して次第に株全体に広がる難病。イモにも感染して異臭を放つようになり腐敗します。
病害を確認したら早めに薬剤を散布しましょう。
ジャガイモに発生する害虫は「アブラムシ」「テントウムシダマシ」「ヨトウムシ」です。
害虫の中には病原菌を媒介するものもいますので、これらを発見した場合は早急に駆除するか駆除剤をまくなど対策しましょう。