カブと一緒に植えると生育が良くなったり害虫を退避させたりする効果がある野菜をコンパニオンプランツといいます。
カブと寄せ植え(混植)できる野菜には、レタス類やシュンギクなどキク科の野菜のほか、ネギやニラなどのユリ科の野菜、エダマメやニンジン・サトイモなどがあります。
カブと一緒に植えると良く育つ相性の良い野菜(コンパニオンプランツ)の種類や、混植することで得られるメリットなどを詳しくご紹介します。
カブと寄せ植えできる野菜を見つけて、限られたスペースを有効に活用しましょう。
カブのコンパニオンプランツ(カブと混植できる相性の良い野菜)と、生育が悪くなる野菜(相性が悪い野菜)の組み合わせ例です。
ニンジン・バジル・サルビア(生育が良くなる&害虫を退避させる)、エダマメ・サヤエンドウ・タアサイ・カラシナ・チャービル(相互に有益な効果)、葉ネギ(病害を予防する)、ゴボウ・リーフレタス・玉レタス・シュンギク(害虫を退避させる)などです。
カブと一緒に植えてはいけない野菜はサツマイモ(跡地では生育が悪くなる)、地中根を広げて増えるハーブ類(生長を抑制する)などです。
カブと混植(寄せ植え)できる野菜の組み合わせ例をいくつかご紹介します。
同じ場所に植えると良い野菜の種類とどういった混植の効果があるのかなどを具体的に解説します。
カブとレタス類は相性が良い組み合わせです。お互いに発生する害虫が寄りにくくなる効果も期待できます。
カブに集まるモンシロチョウやコナガは、レタスの香りで寄り付かなくなるためアオムシによる被害を軽減できます。反対にレタスに集まるアブラムシはカブの香りを嫌がって退避させます。
カブ4~5株に対してレタス1株の割合で植え付けましょう。お互いの株を20cmほど離して混植します。カブを囲うようにレタスを植えるとより効果的です。
カブとシュンギクは相性の良い組み合わせです。
カブに集まるモンシロチョウやコナガは、レタス同様にシュンギクの香りを嫌うので、アオムシによる被害が軽減します。カブの香りでシュンギクに集まるアブラムシを退避させます。
カブ4~5株に対してシュンギク1株の割合で植え付けましょう。お互いの株を20cmほど離して混植します。
カブを囲うようにシュンギクを植えるとより効果的です。カブを夏~秋まきするときは、シュンギク栽培からスタートすると害虫の退避効果が高くなります。
カブと相性がいい野菜はゴボウです。
カブに集まるモンシロチョウやコナガをゴボウが退避させるため、アオムシの被害が軽減します。ゴボウは地中深くに根を張るため土中の通気性も良くなり生育がよくなります。
ゴボウの陰にならないようにお互いの株を30~40cm離して混植します。
カブとニンジンはともに直根性(根がまっすぐ伸びる性質)で、お互いの根が干渉しない相性の良い組み合わせです。
カブがニンジンに集まるキアゲハを退避させ、カブに集まるアオムシやネグサレセンチュウをニンジンが退避させます。
お互いの株どうしが触れ合う距離(5~10cm)で植えるとより効果的です。害虫が発生しやすい秋まきでは、ニンジン栽培からスタートするとアオムシの退避効果が高くなります。
カブと葉ネギは相性が良い最高の組み合わせです。
カブに集まる害虫を葉ネギから出る香りと辛み成分で退避させ、お互いの根につく根粒菌が異なるので病害の発生も軽減されます。
葉ネギが作り出す硝酸態窒素はカブの栄養となるため、少ない肥料でカブがよく育ち、形の整った苦みが少なく甘いカブを収穫できます。
お互いの株を10~15cmあけて植え付けましょう。葉ネギの葉は細いので日照不足になる心配はありません。
カブとエダマメは相性が良い組み合わせです。
カブとエダマメは根の張り方が違うため、お互いの根が干渉しません。枝豆の根につく共生菌が作るリン酸や微量ミネラル成分をカブが吸収して生育が良くなります。
また、お互いに発生する害虫に対する益虫(害虫を食べる虫)のすみかができるうえ、害虫の被害を軽減する効果も期待できます。
お互いの株を30cmほど離して混植しましょう。
カブと混植できる(一緒に植えても大丈夫な)野菜の一覧です。
◎=相性抜群 〇=混植可 ×=相性が悪い
おすすめ度 | 野菜名 | 期待できる効果 |
◎ | サヤエンドウ | 生育が良くなる |
害虫退避効果 | ||
◎ | 葉ネギ | 生育が良くなる |
害虫退避効果 | ||
病害予防効果 | ||
◎ | ニンジン | 生育が良くなる |
害虫退避効果 | ||
◎ | エダマメ | 生育が良くなる |
害虫退避効果 | ||
◎ | シュンギク | 生育が良くなる |
害虫退避効果 | ||
◎ | レタス類 | 生育が良くなる |
害虫退避効果 | ||
〇 | カラシナ | 互いに排除しない |
〇 | チャービル | 互いに排除しない |
〇 | バジル | 害虫退避効果 |
〇 | サルビア | 互いに排除しない |
〇 | チンゲンサイ | 互いに排除しない |
〇 | タアサイ | 互いに排除しない |
× | サツマイモ | 生育が悪くなる |
× | ハーブ類 | 生育が悪くなる |
カブをニンジンやゴボウなどの根野菜同士を混植すると、用土中の空気の通りが良くなるため、お互いの根の張りと伸びが良くなって生育が良くなります。
カブは生長すると外葉が大きく広がります。混植する野菜と収穫時期が重なるときは、株間は30cmほど確保しておくと管理が楽になります。
カブは根をまっすぐ深く張る性質をしています。根を浅く張る野菜との混植が向いています。ただし、キュウリなどの根を浅く広げて生長する野菜との混植には不向きです。
カブの収穫時期は品種にもよりますが、種まきから30~70日です。混植する野菜はカブの収穫時期に合うように種まきをすると畑を有効に使えて無駄のないリレー栽培ができます。
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