カブ栽培で収穫までたどり着くには育て方のコツを知ることが成功への第一歩。初心者にも分かるように植え方から収穫までカブの育て方を丁寧にレクチャー。カブの作り方はプランター栽培でも露地栽培でも簡単!家庭菜園で立派なカブを育てましょう!
Contents Menu
・カブ栽培カレンダー
・カブ栽培成功のポイント
・カブを種から育てる(種のまき方)
・カブの間引き方とタイミング
・カブの水やり
・カブの追肥の与え方
・カブの収穫
・カブの育て方まとめ
・カブの病害対策
・カブの害虫対策
カブ栽培
難易度★★☆☆☆
カブは漢字で「蕪」と書く冷涼な気候を好むアブラナ科の根野菜。原産地はアフガニスタンまたは地中海沿岸と言われ、日本には奈良時代に渡来したと言われています。
カブは直播が基本で春蒔きと秋蒔きがありますが、害虫や病害の被害が比較的少ない秋蒔きが初心者には育てやすくおすすめです。
カブに含まれる栄養価は、根にはビタミンC、カリウム、カルシウム、食物繊維など。アミラーゼという消化酵素を含むので内臓の働きを助け胃もたれや胸焼けに良いと言われています。
カブは葉の部分にも多くのビタミンやミネラルを豊富に含んでいるので、葉は味噌汁の具にしたりお浸しにすれば美味しく食べることが出来ます。
カブは春植え(3月植え・4月植え・5月植え・6月植え)と夏植え(8月植え・9月植え)が可能。収穫までは種まきから約2か月です。
カブを育てるときのプランターサイズは、中型の標準タイプ(60㎝以上)で栽培しましょう。標準サイズのプランターで4~6株育てることができます。
2条で育てる時は大型のプランターを利用しましょう。また10号程度の植木鉢なら少数株(2~3株)を栽培することも可能です。
プランターの深さは15㎝以上あれば十分です。
プランターで育てる時はプランターの底に鉢底石を敷くなど排水性を良くしておきましょう。
プランターに入れる用土の量は、鉢の8割にしてウォータースペースを確保します。用土を入れすぎると水やりの際に用土がこぼれてベランダが汚れてしまう原因になります。
カブ栽培に適した用土ですがカブ栽培が初めての方やベランダ菜園の場合は市販の培養土を利用すると簡単です。
自分で用土を準備する時は、赤玉土6:砂2:バーミキュライト3、これに石灰を用土10ℓ当たり10gと化学肥料を用土10ℓ当たり20g混ぜ合わせた物を用土に使いましょう。
種まきをする2週間前までに土作りを完了させておきます。
露地栽培でカブを育てる時は、種を蒔く2週間前までに石灰100g/㎡をまいてよく耕しておきます。
種まきの1週間前までに堆肥2㎏/㎡・化成肥料100g/㎡を施してよく耕してましょう。
カブ栽培では高さ10㎝の平畝が適しています。幅は2条植えで60㎝~3条植えで80㎝~。
カブは土壌の通気性を良くすることが大きく太らせるコツ。用土は種をまく前に深くていねいに耕しましょう。小石などがあると根別れを起こすので取り除いておきます。
日本各地で品種改良されて、現在では地域特産の様々な品種のカブが販売されています。大きく分けるとヨーロッパ型とアジア型の2種類。
初心者が育てやすいカブの種類は、金町系の「しらたま」「たかね」「はくれい」「はくたか」など。
その他にも、早取り出来て変形やス入りが少ない「福小町」、病害に強く実の育ちが良い「玉里」、赤色のカブ「愛真紅」、上半分だけ赤い「あやめ雪」、細長い形をした「日野菜蕪」なども人気です。
カブはどの品種を選んでも簡単に育てられますので、色々な品種を育てて栽培を楽しみましょう。プランターで栽培する時は小カブと言われるミニ種がおすすめです。
楽天市場の「カブ」の種はこちら(クリック)
amazonで人気の「カブ」の種はこちら(クリック)
カブは苗からの移植は出来ないので、畑やプランターに直接種を蒔いて育てます。
カブは種点蒔きか筋蒔きで種を蒔きます。点蒔きする時は、空き缶などを使ってくぼみをつけて蒔き穴を作り、そこに4~5粒程度種を蒔くようにします。
点蒔きは植える間隔が広くなるので、後々の間引きの手間が楽になる蒔き方です。通常のカブは20㎝~25㎝、小カブは10~20㎝植え付けの間隔を取って種を蒔きましょう。
間引いた苗を料理に使いたい方は筋蒔きがおすすめ。
筋蒔きする時は条間を10~15㎝取り棒などを使って深さ5~10㎜のまき溝をつけましょう。
カブはバラ撒きも出来ますが、苗を間引く時や施肥の管理に手間がかかるのでおすすめしません。
用土は篩などを利用して土の粒をそろえるようにすると、「また根」になるのを防ぐことが出来ます。
種を植えた後は用土をかぶせてやりますが、覆土は1㎝以下にして軽く手や木の板などで軽く押さえてやりましょう。
軽く抑えることで水やりの時に種が表面に出るのを防ぐことが出来ます。種を蒔いた後はたっぷりと水やりをしましょう。カブは種をまいてから4~5日ほど経つと発芽が始まります。
カブが発芽しない原因の一つは極度の乾燥です。
芽が出るまでの水やりが少ないと発芽率を下げる原因に。カブが発芽するまでの間は種の乾燥に注意しましょう。
カブの種はとて小さいため激しい水やりをすると種が表面に浮き出てしまうことがあります。
ジョウロのハス口を上向きにして丁寧に水やりをして種が流れ出るのを防ぎましょう。
筋蒔きでは全ての発芽が揃った時、点蒔きは本葉が2~3枚になった時に1回目の間引きをします。
筋蒔きの1回目の間引きは、2~3㎝間隔(本葉どうしが重ならない程度)に間引いて、株が倒壊しないように真っ直ぐになるよう土寄せをしてやりましょう。
点蒔きの1回目と筋蒔きの2回目の間引きは本葉が2~3枚に成長した時に行います。
点蒔きでは1か所あたり育ちの良い苗を3本だけ残して間引きましょう。
芽が密集している場合に強引に手で抜き取ると他の株の根と絡まった残したい株ごと引き抜いてしまうことがあります。
株が密集している状況で苗を間引く時はハサミを使って根元から切り取ってしまいます。間引いた後は株もとに土寄せを行っておきましょう。
最後の間引きは本葉が5~6枚になった時です。株間を20~25(子カブは8~10㎝)確保して1本立てにします。
この頃になると苗がしっかりと根付いているので、ハサミなどを使って根元から切って間引きましょう。
カブの間引きは根の部分を太らせるために大切な作業となるので、適期に行うことがポイントです。
カブの種を撒いた後は、発芽するまでの間は水を切らさないようにします。表面が乾いたらその都度水やりをしましょう。
芽が出て以降は土の表面が乾いた時に水やりを行います。カブは多湿を嫌うので暖かい日中に水やりを行いましょう。夕方以降の水やりは病害の発病を助長する原因になります。
また、根の肥大期に水やりが足りないと裂根の原因となるので根の肥大を確認したら水やりを十分に行いましょう。
カブの追肥は根の肥大が始まる前に行います。追肥のタイミングは2回目の間引きの後と最後の間引きを行った時です。
2回目の間引きを行ったら、株周辺に化成肥料を1株当たり3~5g程度パラパラっと撒いて、周辺の土と混ぜ合わせて土を株もとに寄せてやりましょう。
カブの2回目の追肥は、最後の間引きのあとに化成肥料を2回目と同量(1株当たり3~5g程度)与えます。1回目同様に株もとに肥料を撒いて周辺の土と混ぜ合わせ、その肥料の混ざった土を株もとに寄せます。
カブは多肥性なので、根の肥大が始まってから収穫までは肥料をしっかり与えることが根を太らせるコツ。生育が急速になる時期は肥料の吸収が盛んになり、この時期に肥料切れを起こすと根が太らず味も落ちてしまいます。
ただし、窒素分を多く含む肥料を多く与えると葉ばかりが育つので注意が必要です。カブ栽培では追肥のタイミングと与える肥料の種類と量を適切に守りましょう。
カブの収穫までの日数は品種によって違いますが、種を蒔いてから、大カブで60~100日、小カブで40~50日程度で収穫出来ます。
見た目で収穫適期を判断する時は、用土から出ている首の部分を少し掘って大きさを確認します。根の直径が10㎝(子カブは5~6㎝)になった頃が収穫適期です。
カブは葉の付け根の部分を手で掴んで引き抜くと簡単に収穫できます。大きなものから順番に収穫していきましょう。
一度に収穫しない時は、残ったカブが肥大を続けるので引き抜いた穴を必ず埋めておくようにしましょう。
収穫のタイミングが遅れると「す」が入ってしまって食感が落ちてしまう原因になるので、収穫のタイミングには注意しましょう。
「す」が入ると中がスカスカになってしまいます。ス入りかどうかは、外葉を千切って葉柄の断面に空洞が出来ているかどうかで簡単に判断できます。
カブを育てるコツは間引きと追肥。間引きのタイミングを守って、与える肥料の種類と量・タイミングが大切です。
カブは有機質をたっぷり富んだ、通気性と排水性、それに保水性の良い土壌で育てると根が大きく育ちます。
用土の中に地中障害物(石、木の根)や、未熟な有機物(未収穫の根野菜)などがあると根が分かれてしまうので注意しましょう。
カブに発生しやすい病害は白さび病・黒腐れ病・根こぶ病・萎黄病などです。
病害の原因は多湿によるものが殆どなので、露地栽培する場合は高畝栽培すると良いでしょう。
尚、プランターの場合は鉢底石などを敷き詰めて水はけを良くしましょう。
カブに発生しやすい害虫は、カブラハバチ・キスジノミハムシ・アオムシ・アブラムシなど。
中でも厄介な害虫がキスジノミハムシ。特に幼虫は根の部分に被害を与えるので、発見したら粒剤による土壌処理を必ず行う必要があります。
成虫が多く発見された時は粒剤の効果が出にくいので散布剤等の利用も検討して下さい。
特に幼苗期に害虫が発生すると一瞬で被害が拡大するので注意しましょう。
種を蒔いた後に寒冷紗を利用して栽培すれば、害虫の飛来を大幅に防ぐことが出来ます。
害虫は早期駆除が有効です。成虫の飛来や食害跡を見つけたら、葉の裏などを良く観察して早期発見を心掛けましょう。