タマネギは秋から翌年の春までが栽培時期です。育苗トレーに種を浅く筋まきして間引きながら苗を育てます。根元が鉛筆ほどの太さになったら畑に植え付けます。収穫までの作業は水やり・追肥・マルチなどです。
タマネギのプランター栽培、土作り、タマネギの種まきと間引き、植え付け時期、追肥、水やり、病気の対策と害虫の対策、収穫の時期についてご紹介します。
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タマネギ 栽培難易度 ★★★☆☆
タマネギはユリ科の野菜で、露地栽培はもちろん、プランターでも育てられます。種から育てるのは難易度が高めですが、苗からなら難易度は低めで初心者でも育てられます。
タマネギの作り方はコツさえ分かれば簡単!夏に種をまいて収穫は翌年春と栽培期間は長めですが、上手に育って収穫までたどり着いた時は感動ものです。
タマネギには早生種・中生種・晩生種があり、それぞれは植え付ける時期と収穫までの期間が違っています。
各種類に合った種まき時期と植え付け時期を守ることが立派に育てるポイント。連作障害も出にくいため、同じ場所に毎年植えることができます。
初心者の方は園芸店やホームセンターで、子球や幼苗を購入して育てるほうが簡単です。家庭菜園に慣れてきたら種まきからチャレンジしてみましょう。
タマネギに含まれる栄養素は、糖質・ビタミンB・C・カリウム・リンアシン・ケルセチン・食物繊維など。
血液をサラサラにしてくれて成人疾患の予防に良いと言われています。
タマネギは秋(9月~11月)が栽培時期です。9月に種をまき11月頃に苗を畑に植え替えします。収穫までは苗の植え付けから約6か月、種からだと約8か月です。
タマネギの品種は早生種・中生種・晩生種があります。収穫までの日数が変わります。
タマネギは種からでも育てられます。ただし、育苗期間が長いので、初心者は苗からの栽培が確実です。
収穫までが短い早生種は4月上旬に収穫が始まり、晩生種は5月以降です。栽培面積が少ない方は、夏野菜の植え付け時期と重なることも考慮して品種を選んでもよいでしょう。
早生種では「泉州黄」や「貴綿」「ソニック」などが人気種です。収穫までは短いのですが、収穫後の保存はあまり効きません。
中晩種では、「ネオアース」や「ノンクーラー」、その他サラダ向けの赤玉葱の「湘南レッド」などが育てやすくて人気があります。
タマネギを育てるときの準備(プランターの選び方や栽培で使う用土の種類)・土作りなどをレクチャーします。
タマネギを育てるときに適したプランターサイズですが、大型サイズ(60㎝以上)のものを利用しましょう。根は深く張らないので浅型で育てられます。
タマネギの株間は10~15cmなので、60cmサイズのプランターなら8~10株は育てることができます。
栽培する株数が少ない時は、深型で大きめの植木鉢でも十分に育てることができます。株数が多い時はプランターで育てましょう。
タマネギの栽培に適した用土ですが、プランター栽培の場合は市販の培養土を利用すれば、袋から空けてすぐに栽培をはじめられるのでとても便利です。
自分で用土を作る時は、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、それに苦土石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化成肥料を用土10ℓ当たり10~20g混ぜ合わせましょう。
用土を自分で作る時は植え付けの2週間前までに土作りを済ませておき、植え付けの1週間前に元肥を施しておくようにしましょう。
タマネギは酸性土壌を嫌うため土壌酸度はpH6.0~6.5が理想です。
植え付け前の準備として、市販のプランターの淵から5㎝ほどウォータースペースを残して培養土を入れます。
露地栽培では植え付けの2週間前までに土作りを済ませておき、植え付けの1週間前に元肥を施しておくようにしましょう。
タマネギの土作りですが、植え付けの2週間前に苦土石灰を100g/1㎡まいてよく耕しておきます。
植え付けの1週間前に、それぞれ1㎡あたり、堆肥を2kg、化成肥料(15:15:15)100g、ヨウリン50gを施しましょう。元肥は全面施肥とします。
タマネギに適した畝は平畝です。幅60~100㎝、高さ10㎝の畝で育てましょう。
晩生種の場合は冬以降に霜でタマネギの根が浮いてしまうことがあります。日当たりが良くなるように東西方向に畝を立てるのがポイントです。
タマネギの種のまき方と上手に発芽させるコツとポイントは?
タマネギは発芽して苗がある程度大きくなったら別の場所に植え替えをします。そのため、種まきは栽培地とは別の場所で行います。
早生種は9月上旬以降、中晩生種や晩生種は9月下旬からが種まきの適期です。地域によって種まき時期が違います。
発芽期間は低温に弱いので、寒冷地では種まき時期が遅れないようにしましょう。
種まき時期が合っていないと植え付けの時期に苗が成長しすぎてしまうことがあり、春先に分球や抽苔(トウ立ち)が増える原因になるので注意しましょう。
タマネギの発芽に適した温度は15~20℃です。
種のまき方ですが、条間は20㎝にして長い棒などを使ってまき溝を掘り1㎝間隔でまきましょう。
種をまいたら、まき溝の左右の土を指で寄せて約5~10㎜覆土しておきます。
タマネギは「バラまき」もできます。種をまく場所を平らにならしておき、種が重ならないように1~2㎝間隔で種をバラまきます。
種まき後は覆土の厚みが均一になるように、フルイなどを使って細かな用土を被せましょう。
タマネギの種はとても小さいので、水やりや雨に打たれて種が流れて出てしまわないようにしましょう。(参考:タマネギが発芽しない原因と対策)
表面の土を強めに押さえて種と用土を密着させておくのがポイントです。発芽するまで不織布などをベタがけしておくのもおすすめです。
発芽が始まり本葉が1枚になる頃に、日差しが強くない時を見計らって不織布は取り除きましょう。
タマネギを種まき時に一番困るのはタマネギの苗の成長と同じように周辺の雑草が生えてくる事です。
雑草対策としてタマネギの苗を植えた周辺に籾殻(もみがら)をたっぷりと敷き詰めておくと雑草が生えにくくなって用土の乾燥防止にもなります。
芽が出たら本葉が2~3枚になる頃に2~3㎝の株間になるように間引きます。
タマネギは種まきの期間が短く育苗にも手間がかかります。ベランダ菜園で育てるときは10~11月頃に売り出される苗を購入して育てるとよいでしょう。
植え付けに適した苗は根元の直径が7~9㎜の太さです。そこまで生長するまで約30日ほどかかります。(種まき時期や品種により前後します。)
苗の植え付け時期から逆算すると10月に苗を植え付けるときは9月に種まきをすれば良い計算になります。
タマネギの苗の植え付け時期や苗を植えるときのコツやポイントは?苗の選び方から移植のやり方などをレクチャーします。
タマネギの苗の植え付け適期は寒冷地は10月頃から、温暖地は11月頃からです。
タマネギの栽培に適した温度は15~20℃です。
タマネギを立派に育てるには植え付ける苗の選び方がポイントです。
植え付ける苗は、種をまいて発芽してから30日~50日の草丈が25㎝(地際の茎が7~8㎜)までの苗を選ぶようにしましょう。
タマネギの苗は茎が太すぎても細すぎてもいけません。地際付近の茎の太さが10㎜を超えると春にトウ立ちしやすくなり、5㎜以下だと根が霜柱の被害に遭いやすくなるからです。
植え付け適期の苗のサイズは目安は鉛筆ぐらいの太さを目安としましょう。
タマネギは玉の大きさを揃えるために植え付ける苗は、茎の太い苗と茎の細い苗とに分別して揃えておきます。
細い苗と太い苗を混ぜて植えてしまうと細い苗が太い苗に生育が抑えられてしまってクズ玉になってしまうので注意してください。
苗は葉色が濃く葉先が枯れていないものを選びましょう。
タマネギの苗の植え方ですが、苗の根元の白い部分を人差し指の第二関節ほどの深さまで差し込んで植え付けます。
苗は根元まで差し込んだら白い部分が埋まらないようにして株元に土寄せをしておきます。
その後に表面の土をしっかりと押さえて根と用土を密着させておきます。こうすることで根の活着がよくなります。
根と用土をしっかりと密着させておかないと、霜が下りると苗が持ち上がる原因にもなるので注意しましょう。
苗の植え付け時に注意することは分けつ部分が埋まらないようにすること。深植えしすぎると成長が悪くなったり実が縦長の形状になったりしてしまいます。
逆に浅植え(株元に寄せる土の量が少ない)しすぎと霜柱や凍結で苗が浮き上がることがあるので注意しましょう。
苗を植え付けた後は、苗の先端が茶色くなって萎れたようになりますが、新根が出ると元気になるので心配はいりません。
タマネギはオニオンセットからも育てられます。オニオンセットとはタマネギの子球のこと。タマネギそのものの形をした小型のタマネギでホームタマネギとも呼ばれています。
子球から育てるタマネギは8月子球に植え付けると、年内には収穫できるので初心者向けのタマネギです。
オニオンセットの植え方ですが、条間(列の間隔)を15㎝とって株間は10~12㎝あけて子球を植えましょう。
深さ1㎝の植え穴を掘って、子球の先端が少し見える程度(1/3ほど)埋まるように浅く植えます。
植え付けてから芽が出るまでの間では朝と夕の2回水をしっかりと与えましょう。子球を植え付けてから約7~10日ほどで発芽が始まります。
タマネギ栽培で困るのは雑草対策です。マルチングをして栽培することで雑草が生えるのを防ぐことができます。
マルチングに苗を植えるときは、指の第二関節まで植え穴を掘り、苗を1本ずつ深植えにならないように植え付けましょう。
苗が倒れないように株元に軽く土寄せしてしておきます。
タマネギの水やりのタイミングと1回で与える水の量は?正しい水やり方法をレクチャーします。
タマネギは種をまいた後は発芽するまでは用土が乾燥しないようにこまめに水やりをしましょう。
苗の植え付けから1週間はたっぷりと水やりをしますが、それ以降はやや乾燥気味に育てます。
3月になって気温が上昇し始めると成長が盛んになり用土が乾燥しやすくなるので、晴れたら毎日水をしっかりと与えるようにしましょう。
冬場はできるだけ暖かい日中(午前中)に水やりを行って夕方には表面が乾いている状態にしておけば夜間に凍結する心配がありません。
プランター栽培では鉢底から染み出るくらいたっぷりと与え、露地栽培では1株あたり1.0~1.5Lが目安です。表面だけでなく用土の中に染み込むように与えましょう。
冬期でも晴天が1週間以上続く場合は、水やりをしっかり行うことで春先の球の肥大が促進されます。
タマネギの追肥の時期(タイミング)と1回あたりに与える量は?正しい追肥のやり方をレクチャーします。
タマネギを苗から植えた時の追肥は早生種は1月初旬~2月中旬まで、中生種と晩生種は12月・2月・3月の3回に分けて追肥します。
生育が遅い時期の追肥は無駄な気がしますが、12月から2月までの追肥を行わないと抽苔が多くなります。3月の追肥は春以降の生育を促進するためのものです。
4月以降の追肥は腐敗の原因になりやすいので、なるべく行わないようにしましょう。
追肥が遅いと病気発生の要因となります。中晩種は2月の下旬までに追肥を完了させておきます。追肥と同時に土寄せも行っておきましょう。
タマネギの1回あたりの追肥の量は、株の周りにひと掴み(3~5g)与えるか、畝の肩に20~30gばらまき、周辺の用土と軽く混ぜ合わせてから株元に寄せておきます。
オニオンセット栽培(球根)は、苗から植える時よりも早め(植付から約1か月)に追肥を行います。1株あたりに化成肥料10gを周辺の土と混ぜ合わせるようにして与えましょう。
水やりを兼ねて薄めの液肥を週に1回与えてもかまいません。
タマネギは、子球を植える時期が遅いと低温に遭ってトウ立ちすることがあります。トウ立ちした芽のことを「ネギ坊主」と呼びますが、ネギ坊主は芽が小さなうちに摘み取ってしまいましょう。
摘み取る時は茎を分けつ部分(枝分かれしている部分)から5~6㎝ほど残して摘み取るようにします。
ネギ坊主が伸びる株は球が肥大してもタマネギの芯が固くなってしまうため食用にならなくなってしまいます。
タマネギの収穫時期(収穫のタイミング)と収穫方法などを詳しくレクチャーします。
タマネギは早生種やホームタマネギ(オニオンセット)は10月~2月頃が収穫時期となります。
中生種は4月頃、晩生種は5月以降です。収穫までは苗の植え付けからだと7~8ヶ月かかります。
タマネギは春になって7~8割の茎葉が倒れて約1週間後が収穫のタイミングです。新タマネギとして利用する時は倒伏する前に収穫してしまいましょう。
収穫は晴れた日が数日続くときを狙って収穫しましょう。球の近くの茎を持って株ごと一気に引き抜きます。
収穫後は半日~1日ほど畑に並べ太陽光に当てて、葉と球をしっかりと乾燥させましょう。
乾燥が足りないと切り口部分から乳液状の汁がにじみ出てカビで球が腐る原因となります。
タマネギは収穫が遅れると貯蔵性の悪い柔らかい球になってしまいます。収穫適期を逃さないようにすることが美味しいタマネギを収穫するポイントです。
掘りあげて乾燥中に雨が降っても問題ありません。天気が悪くなるからと言って収穫日をずらすと、玉が余分な水分を吸ってしまって貯蔵中に腐りやすくなる「水太り」の原因となるので注意しましょう。
春先にネギ坊主ができてしまった株は品質が落ちますが、抜き取って葉タマネギとして収穫すると良いでしょう。
タマネギは地中の球が小さなうちは茎葉がまだ柔らかい状態です。葉を収穫すれば通常の葉ネギのように、すき焼きや鍋の具材や炒め物にして美味しく食べられます。
ちなみにネギ坊主も、天ぷらなどにすると美味しく食べることができます。
畑で乾燥させた後は茎を5~10㎝ほど残して切り取り、茎葉のあたりを紐で結んで5~10個のつり玉を作ります。つり玉を風通しの良い場所に吊るしておけば長期保存が可能です。
吊り下げる紐を強く結んでしまうと結び目が腐って落ちてしまうのでゆるく結ぶようにします。 タマネギは濡れると腐りやすいので雨が当たらないようにしましょう。
吊るす場所がないときは、風通しの良い場所に重ならないように籠などに並べてしっかりと乾燥させておきます。
タマネギに発生しやすい害虫は、アブラムシ類・ネギアザミウマ・タネバエ・ネギコガ・ネダニ・ネギハエモグリバエなど。
大きな被害にあう害虫はいませんがアブラムシなど吸汁する害虫はウイルス病を伝染させるため注意が必要です。
害虫は被害を最小限に食い止めるため、数が増える前に駆除することが大切です。
タマネギに発生しやすい病気は、「腐敗病」「萎縮病」「べと病」「乾腐病」「黒斑病」「灰色腐敗病」などです。
タマネギに発生する病気の中でも「べと病」は大きな被害が出るので、感染株を早めに抜き取ることが被害拡大を防ぐためには重要です。ベンレートやダイセンの散布で予防できます。
タマネギに発生する病気は、土壌が酸性に傾いている・窒素成分の多い肥料を利用し過ぎている・深植えし過ぎて生育不良になっている・多湿の土壌環境になっている、などが大きな要因です。
タマネギは植え付け時期と収穫時期の見極めが良質の球を収穫する最大のポイントです。
種からまいて苗を育てて畑に植え付けるときは、生育日数ではなく茎の太さを基準に畑に植え付けることが大切です。
タマネギは追肥のタイミングが遅れないように注意しましょう。遅い追肥は病気の発生原因となるので、3月中旬以降の追肥は行なわないようにします。
ベランダ菜園では日当たりさえ確保できれば土壌を選ばずに作れるため特に面倒なく育てることができるでしょう。
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