タマネギ栽培で収穫までたどり着くには育て方のコツを知ることが成功への第一歩。初心者にも分かるように植え方から収穫までタマネギの育て方を丁寧にレクチャー。タマネギの作り方はプランター栽培でも露地栽培でも簡単!家庭菜園で立派なタマネギを育てましょう!
Contents Menu
・タマネギ栽培カレンダー
・タマネギ栽培成功のポイント
・おすすめの品種
・タマネギを種から育てる(種のまき方)
・タマネギの植え方(苗の植え付け方)
・タマネギの水やり
・タマネギの追肥
・タマネギの収穫
・タマネギの育て方まとめ
・タマネギの病害対策
・タマネギの害虫対策
玉葱(タマネギ)はユリ科の野菜で、露地栽培はもちろんですが、家庭のプランターでも育てられる家庭菜園向けの野菜です。
タマネギの作り方はコツさえ分かれば簡単!栽培期間は長めですが、上手に育って収穫までたどり着いた時は感動ものです。
タマネギには早生種・中生種・晩生種があり、それぞれは植え付ける時期と収穫までの期間が違っています。
各種類に合った種蒔き時期と植え付け時期を守ることが立派に育てるポイント。連作障害も出にくいため同じ場所に毎年植えることができます。
プランター栽培では、球根(子球)から育てるホームタマネギ(オニオンセット)を利用すると収穫までが短くて丈夫に育つのでおすすめです。
タマネギに含まれる栄養素は、糖質・ビタミンB・C・カリウム・リンアシン・ケルセチン・食物繊維など。
血液をサラサラにしてくれて成人疾患の予防に良いと言われています。
初心者の場合はホームセンターなどで子球や幼苗を購入して育てるほうが簡単です。
タマネギは種から育てることもできるので、家庭菜園に慣れてきた方は種蒔きからチャレンジしてみましょう。
タマネギは種からでも育てられますが、育苗期間が長いので、初心者は苗から育てることをおすすめします。
早生種では「泉州黄」や「貴綿」「ソニック」などが人気種です。
中晩種では、「ネオアース」や「ノンクーラー」、その他サラダ向けの赤玉葱の「湘南レッド」などが育てやすくて人気があります。
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タマネギを育てるときに適したプランターサイズですが、大型サイズ(60㎝以上)のものを利用しましょう。
標準サイズのプランターでタマネギを10~12株育てることができます。
栽培する株数が少ない時は、深型で大きめの植木鉢でも十分に育てることが出来ます。株数が多い時はプランターで育てましょう。
タマネギの栽培に適した用土ですが、プランター栽培の場合は市販の培養土を利用すればすぐに植え付けられます。
自分で用土を作る時は、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、それに苦土石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化成肥料を用土10ℓ当たり10~20g混ぜ合わせましょう。
タマネギは酸性土壌を嫌うため土壌酸度はpH6.5が理想です。
用土を自分で作る時は植え付けの2週間前までに土作りを済ませておき、植え付けの1週間前に元肥を施しておくようにしましょう。
植え付け前の準備として、市販のプランターに2~3㎝ほどウォータースペースを残して培養土を入れます。
用土を自分で作る時は植え付けの2週間前までに土作りを済ませておき、植え付けの1週間前に元肥を施しておくようにしましょう。
タマネギの土作りですが、植え付けの2週間前に苦土石灰を100g/1㎡まいてよく耕しておきます。
植え付けの1週間前に、それぞれ1㎡あたり、堆肥を2kg、化成肥料(15:15:15)100g、ヨウリン50gを施しましょう。元肥は全面施肥とします。
タマネギに適した畝は幅60~100㎝、高さ10㎝の平畝を作りましょう。
タマネギの種は畑に直まきします。
早生種は9月上旬以降、中晩生種は9月下旬が種まきの適期ですが、地域によって種まき時期が変わるので注意しましょう。
種を植える時期が合っていないと植え付け時に苗が成長しすぎてしまって、春先に分球や抽苔(トウ立ち)が多発します。
苗の植え付け時期から逆算して根元の直径が7~9㎜に育つタイミングで種まきをしましょう。9月に種まきをすれば約30日ほどで植え付けられるサイズに育ちます。
種のまき方ですが、条間は20㎝にして長い棒などを使ってまき溝を掘り1㎝間隔でまきましょう。
その後まき溝の左右の土を寄せて1㎝ほど覆土してやります。
タマネギはバラまきしてもかまいません。その際は種をまく場所を平らにならして種が重ならないように1~2㎝間隔で種をバラまきます。その後はフルイなどを使って均一になるように用土を被せましょう。
タマネギの種を蒔いた後は、雨に打たれて種が流れてしまわないように表面の土をクワなどの裏側で強めに転圧して種を密着させ、発芽するまでは不織布などをベタがけしておきます。
発芽が始まり本葉が1枚になる頃に、日差しが強くない時を見計らって不織布は取り除きましょう。芽が出たら本葉が2~3枚になる頃に2~3㎝の株間になるように間引きます。
タマネギは種まきの期間が短く育苗にも手間がかかります。ベランダ菜園で育てるときは10~11月頃に売り出される苗を購入して育てるとよいでしょう。
タマネギを種から育てる時に一番困るのはタマネギの苗の成長と同じように周辺の雑草が生えてくる事です。
雑草対策としてタマネギの苗を植えた周辺に籾殻(もみがら)をたっぷりと敷き詰めておくと雑草が生えにくくなって用土の乾燥防止にもなります。
タマネギを立派に育てるには植え付ける苗の選び方がポイントです。
植え付ける苗は、種をまいてから30日~50日経って草丈が25㎝(地際の茎が7~8㎜)までの苗を選ぶようにしましょう。
苗は太すぎても細すぎてもいけません。地際付近の茎の太さが15㎜を超えるとトウ立ちしやすくなり、5㎜以下だと根が霜柱の被害に遭いやすくなるので注意しましょう。
植え付け適期のサイズは目安は鉛筆ぐらいの太さです。
タマネギは玉の大きさを揃えるために植え付ける苗は、茎の太い苗と茎の細い苗とに分別して揃えておきます。
細い苗と太い苗を混ぜて植えてしまうと細い苗が太い苗に生育が抑えられてしまってクズ玉になってしまうので注意してください。
苗は葉色が濃く葉先が枯れていないものを選びましょう。
プランター栽培では苗以外にもオニオンセット(球根)からも育てられます。オニオンセットとは子球のこと。
子球から育てるタマネギは8月下旬に植え付けて年内には収穫できるのでプランター菜園向きです。
オニオンセットの植え方ですが、条間を15㎝とって10~12㎝間隔で植え付けましょう。
深さ1㎝の植え穴を掘って、子球の先端が少し見える程度(1/3ほど)埋まるように浅植えします。
植え付けた後は根付くまでは水をたっぷりと与えてやりましょう。子球を植え付けてから約7~10日ほどで芽が出来てきます。
晩生種の場合は冬以降に霜でタマネギの根が浮いてしまうのを防ぐために日当たりの良い東西畝にしましょう。
タマネギの根の植え方ですが、株間を10~12㎝ほど取って苗を畝に立てかけるように株の根元の白い部分を人差し指の第二関節ほどの深さまで差し込んで植え付けます。
株を根元まで差し込んだら白い部分が埋まらないようにして株元に土寄せを行います。その後にクワなどで表面の土をしっかりと押えつけて根の活着を促してやります。
用土をしっかりと押さえつけておかないと霜で苗が持ち上がってしまうことがあるので注意しましょう。
苗の植え付け時に注意することは分けつ部分が埋まらないようにすること。深植えしすぎると成長が悪くなったり実が縦長の形状になったりしてしまいます。
逆に浅植え(株元に寄せる土の量が少ない)しすぎと霜柱や凍結で苗が浮き上がることがあるので注意しましょう。
タマネギは雑草対策でマルチングをして栽培することも出来ます。
マルチングで育てる時は指の第二関節まで穴をあけて深植えに注意しながら1本ずつ苗を植え付けて、苗が倒れないように軽く土寄せしてしてやります。
植え付けた後は苗の先端が茶色くなって萎れたようになりますが、新根が出ると元気になるので心配はいりません。
タマネギは種を蒔いた後は発芽するまでは用土を乾燥しないように注意しましょう。
苗の定植後はやや乾燥気味に育てますが、冬期でも晴天が1週間以上続く場合はかん水をしっかり行うことで春先の球の肥大を促進出来ます。
冬場はできるだけ暖かい日中(午前中)に水やりを行って夕方には表面が乾いている状態にしておけば夜間に凍結する心配がありません。
3月になって気温が上昇し始めると成長が盛んになり用土が乾燥しやすくなるので、晴れたら毎日水をたっぷりと与えるようにしましょう。
タマネギを苗から植えた時の追肥は早生種は1月初旬~2月中旬まで、中生種と晩生種は12月・2月・3月の3回に分けて追肥します。
生育が遅い時期の追肥は無駄な気がしますが、12月から2月までの追肥を行わないと抽苔が多くなります。3月の追肥は春以降の生育を促進するためのものです。
4月以降の追肥は腐敗の原因となる可能性があるので絶対に行わないようにしましょう。
追肥が遅いと病害発生の要因となるので、中晩種は2月の下旬までに追肥を完了させておきます。追肥と同時に土寄せも行っておきましょう。
マルチング栽培を行っている時の追肥は株の周りにひと掴み(3~5g)与えるか畝の肩に与えるようにします。
オニオンセット栽培(球根)は、苗から植える時よりも早め(植付から約1か月)に追肥を行います。1株あたりに化成肥料10gを周辺の土と混ぜ合わせるようにして与えましょう。
2回目の追肥は植え付けから2か月後です。同量の化成肥料を同じ要領で与えます。水やりを兼ねて薄めの液肥を週に1回与えても構いません。
タマネギは、子球を植える時期が遅いと低温に遭ってトウ立ちすることがあります。トウ立ちした芽のことを「ネギ坊主」と呼びますが、ネギ坊主は芽が小さなうちに摘み取ってしまいましょう。
摘み取る時は茎を分けつ部分から5~6㎝ほど残して摘み取るようにします。ネギ坊主は天ぷらなどにすると美味しく食べることが出来ます。
ネギ坊主が伸びる株は球が肥大してもタマネギの芯が固くなってしまうため食用にならなくなってしまいます。春先にネギ坊主が出来てしまった株は抜き取って葉タマネギとして利用するのも良いでしょう。
タマネギの球が小さなうちは茎葉がまだ柔らかいので、葉タマネギとして収穫すればすき焼きや鍋の具材や炒め物にして美味しく食べられます。
タマネギは春になって植えた株の7~8割の茎葉が倒れた頃が収穫のタイミング。
収穫後は畑で2~3日干すため晴れた日が数日続くときを狙って収穫しましょう。
収穫が遅れると貯蔵性の悪い柔らかい球になるので収穫適期を逃さないようにすることが美味しいタマネギを収穫するポイントです。
新タマネギとして利用する時は倒伏する前に収穫してしまいます。早生種やホームタマネギ(オニオンセット)は10月~2月頃が収穫時期となります。
球の近くの茎を持って一気に引っこ抜いて収穫しましょう。収穫後はそのまま畑に並べて葉をしっかりと乾燥させましょう。
タマネギは収穫後は畑に並べて根元を乾燥させますが、乾燥が足りないと切り口部分から乳液状の汁がにじみ出てカビで球が腐る原因となります。しっかりと乾燥させましょう。
掘りあげて乾燥中に雨が降っても問題ありません。天気が悪くなるからと言って収穫日をずらすと、玉が余分な水分を吸ってしまって貯蔵中に腐りやすくなる「水太り」の原因となるので注意しましょう。
畑で乾燥させた後は茎を5~10㎝ほど残して切り取り、茎葉のあたりを紐で結んで5~10個のつり玉を作ります。つり玉を風通しの良い場所に吊るしておけば長期保存が可能です。
吊り下げる紐を強く結んでしまうと結び目が腐って落ちてしまうのでゆるく結ぶようにします。 タマネギは濡れると腐りやすいので雨が当たらないようにしましょう。
タマネギは植え付ける時期と収穫する時期の見極めが良質の球を収穫する最大のコツ。
特に種から蒔いて苗を植え付ける時は、生育した日数ではなく茎の太さを基準に畑に植え付けることが大切です。
タマネギは追肥のタイミングが遅れないように注意しましょう。遅い追肥は病害の発生原因となるので、3月中旬以降の追肥は行なわないようにします。
ベランダ菜園では日当たりさえ確保できれば土壌を選ばずに作れるため特に面倒なく育てることができるでしょう。
タマネギに発生しやすい病害は、「腐敗病」「萎縮病」「べと病」「乾腐病」「黒斑病」「灰色腐敗病」などです。
タマネギに発生する病害の中でも「べと病」は大きな被害が出るので、感染株を早めに抜き取ることが被害拡大を防ぐためには重要です。ベンレートやダイセンの散布で予防できます。
タマネギに発生する病害は、土壌が酸性に傾いている・窒素成分の多い肥料を利用し過ぎている・深植えし過ぎて生育不良になっている・多湿の土壌環境になっている、などが大きな要因です。(関連ページ:野菜の病害対策)
タマネギに発生しやすい害虫は、アブラムシ類・ネギアザミウマ・タネバエ・ネギコガ・ネダニ・ネギハエモグリバエなど。
大きな被害にあう害虫はいませんがアブラムシなど吸汁する害虫はウイルス病を伝染させるため注意が必要です。
害虫は被害を最小限に食い止めるため、数が増える前に駆除することが大切です。(関連ページ:野菜の害虫対策)