スイスチャードの育て方を野菜栽培士が画像を交えて丁寧に解説します。失敗しないスイスチャード栽培。スイスチャードをプランターや露地栽培で上手に育てましょう!
スイスチャードの栽培管理(種まき・間引き・水やり・追肥・収穫など)を画像を交えて分かりやすく解説しています。
スイスチャードはアカザ科の野菜で、別名でフダンソウ(不断草)と呼ばれる夏場に育つ便利な葉野菜です。カラフルな色彩をした葉は観賞用の野菜としても人気です。
栽培難易度 ★★☆☆☆
スイスチャードの生育適温は15℃~20℃で秋から冬にかけてが最も美味しい季節ですが、高温や乾燥に強いので、育てやすく初心者向けの野菜です。
日当たりの悪いベランダでも育ち、病気や害虫にも強いので家庭菜園に向いています。
スイスチャードにはビタミンやミネラル・食物繊維を豊富に含む栄養価は抜群の野菜。食味はスイスチャードに近く、おひたしやサラダ、バター炒めなど料理のレシピもバラエティーがあります。
スイスチャードは春と秋が栽培期間です。真夏と真冬を除けば1年中栽培することも可能です。収穫は種まきから約30日です。
種からでも簡単に育てられるスイスチャード(スイスチャード)。育てる株数が少ない時は種から、株数が少ない時は苗を購入しましょう。
育てやすいスイスチャードの品種は「アイディアル」「ブライトライト」などがあります。どの品種でも比較的良く育ちます。
スイスチャードはプランター栽培でも露地栽培でも育てることができます。スイスチャード栽培の準備から収穫までの流れを丁寧に解説します。
スイスチャード栽培を始める前にしておくことは、「道具と栽培用土の準備」栽培地の「土作り」「畝作り」などです。
スイスチャードを栽培するときのプランターは標準~大型サイズがおすすめです。プランターの代わりに大型の植木鉢でも育てることも可能です。
スイスチャードは大株に育てるならプランターに2株まで、植木鉢に1株までにします。
狭いスペースに苗をたくさん植えると、日当たりと風通しが悪くなり、水分や養分を奪い合って株の生長が悪くなってしまいます。
スイスチャードをプランター栽培するときの用土は、市販の培養土を利用すると袋から空けてすぐに植え付けできて便利です。
自分で用土を配合するときは、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~20gを混ぜ合わせたものを用意しましょう。
プランターの底には鉢底石などを入れ水はけを良くします。入れる用土の量は、プランターの淵からウォータースペースを残して、鉢の8分目程度(淵から2~3㎝)です。
スイスチャードの露地栽培では、1㎡あたり堆肥2㎏・化成肥料150g施してよく耕しておきましょう。
スイスチャード栽培に適した畝は、畝幅60~90㎝、畝の高さ15㎝の平畝を作りましょう。
植え付け(種まき)の2週間前には土入れを終わらせて、1週間前には畝作りを終わらせておきます。
種まき時期・発芽温度・種のまき方・種まき後の栽培管理など、種から育てる方法を詳しく解説します。
スイスチャードの種の表皮には発芽抑制物質が含まれるため、種をまく前に2~3時間ほど水に浸しておくと発芽が揃いやすくなります。
真夏と真冬を除いて通年種まきが可能です。
スイスチャードの種まきに適した温度は22~28℃です。
スイスチャードはポットまきと直まきができます。発芽適温から外れているときはポットまき、発芽適温の範囲内なら直まきがおすすめ。
スイスチャードの種のまき方ですが、8~12㎝のポリポットに指先で5~10mmの深さのまき穴をつけます。穴の中に種を3粒ほどまいて周辺の土を薄く被せます。
発芽後は子葉が出る頃に生育の良い方を残して最後は1本立てにします。本葉が4~5枚に出るまでポリポットで育てましょう。
スイスチャードの直まきは筋まきと点まきができます。小株取りは筋まきし、大株どりは点まきがおすすめです。
小株取りするときの種まきは、棒などを押し付けてまき溝を作り、そこに種を1cm間隔で深さ5~10mmの深さにまきましょう。条間(列の間隔)は15~20㎝とします。
大株取りするときの種まきは、条間60㎝、株間30㎝で1か所あたり種を4~5粒を点まきします。
種をまいてから発芽するまでの間は、表面が乾燥しないようこまめに水やりを行いましょう。スイスチャードの種が発芽するには十分な水分が必要です。(もっと詳しく:スイスチャードが発芽しない原因と対策)
筋まきしたときの1回目の間引きは、本葉が出そろった頃がタイミングです。2回目以降は葉と葉が触れ合ったタイミングで間引きを行いましょう。
小株取りの最終的な株間は15cm以上。それまでに何回かに分けて間引きを行います。
点まきでは、本葉が2~3枚になる頃に、葉柄の色合いを見ながら生育のよい苗を1本だけ残して他の苗はすべて間引いてしまいましょう。
間引いた苗は柔らかくクセがないので、サラダにしたりスープに浮かべたりして美味しく食べられます。
スイスチャードを種から育てるのが難しい方は園芸店などで売られている苗から育ててみましょう。丈夫な苗を選ぶことが収穫まで辿り着くポイントです。
スイスチャードの良い苗は、葉の緑色が濃く、節間が狭く、茎が太くしっかりしているものが良い苗です。
スイスチャードの苗をすぐに植え付けたいときは、本葉が4枚~5枚まで育ったものを選びましょう。
苗の葉が小さくて葉数が少ないものしかないときは、しばらくポットで育てて植え付けに適した大きさになってから植え付けましょう。
スイスチャードの生育に適した温度は15~25℃です。低温にも高温にも強く、5℃~30℃の範囲なら生長を続けます。
植える場所に根鉢より少し大きめの植え穴を掘り、根鉢を崩さないようにポットから取り出して穴の中に置きます。
周辺の用土を株元に寄せて根元の用土を上から軽く手で押さえて根を落ち着かせます。
苗を植え付けてから根付くまでの約1週間は、用土の表面が乾燥しないように十分に水やりを行いましょう。
スイスチャードは乾燥に強いので、水やりは用土の乾燥が目立った時に葉が萎れない程度でかまいません。露地栽培の時は、土の表面の乾燥が目立った時に水やりを行う程度で十分です。
プランター栽培では、7日~10日に1回ほど液肥を水やり代わりに与えてもかまいません。
スイスチャードは元肥だけで十分に育ちますが、茎葉の成長が悪いときやプランターで栽培するときは追肥を行いましょう。
スイスチャードは株ごと摘み取る方法と外葉を摘み取って長く収穫を楽しむことができます。
外葉を摘み取って収穫するときは、水やりを兼ねて液肥を7日~10日に1回で与えると新しい茎葉が次々と伸びてくれます。
スイスチャードを大株に育てる時は、草丈が10㎝ほどに育った頃に、株の周辺に肥料を10gほどまいて周辺の土と軽くまぜて株元に土寄せします。
小株取りのの場合は、苗の生育状況が悪いと感じたのみ少量だけ与えるようにしましょう。肥料が不足すると茎が細くなり葉が黄色くなってきます。
スイスチャードの収穫のタイミングですが、サラダなど生食に使う場合の小株取りでは15~20㎝になった頃が目安です。種まきからだと、春まきで約45日、秋まきで約60日です。
スイスチャードを収穫する時間帯は早朝か夕方のどちらか。野菜は朝から夕方にかけて光合成を行って糖分(甘み)を作りだし、夜間は日中に作った糖分を使って根から窒素(エグ味や苦みになる成分)を吸収します。
早朝はみずみずしい代わりに甘みは少なめ、夕方は甘みが強い代わりに水分は少なめです。
秋まき以降で霜が降りる時期は朝採りは向きません。
スイスチャードの収穫方法は「株取り」と「摘み取り」です。
外葉を摘み取って収穫する場合は、外葉の根元をハサミで切って使う分だけ収穫します。新しい葉は中心から伸びるので中心部分の葉は摘み取らないように。
サラダなど生食は15cmを超えたら収穫します。株の根元を手で掴んで引き抜いて収穫しましょう。
スイスチャードの小株取りする場合は株を根元からハサミやナイフで切り取って収穫します。外葉を摘み取る時は外側から順番に切り取って収穫しましょう。
炒めものや煮物使う場合は、大株(25㎝以上)になるまで育てます。大株は小株に比べて茎葉が固くなります。
30㎝を超える大きさになるとアクが強くなってしまうので、収穫適期を逃さないようにしましょう。
大株取りの場合は株ごと引き抜いてしまいます。
スイスチャードは観賞用としても人気の野菜です。観賞用に育てる時は、株の成長に合わせて追肥をしながら大株まで育てましょう。
スイスチャードを秋まきすると翌年の春以降にトウ立ちして花が咲きます。花は観賞価値がないので、株が弱る前に早めに茎を切り取ってしまいましょう。
スイスチャードに発生しやすい病気は、ベト病、黒斑細菌病などです。病気に強いので大きな被害にはなりません。
スイスチャードは、日当たりが悪く水やりが多い多湿環境になると病気が発生しやすくなります。
水はけを良い土壌で育て日当たりを良くすることで病気の発生を抑えることができます。
病気が発生したら環境を改善して早急に対策することが大事です。(参考:野菜の病気対策)
スイスチャードは害虫に被害を受けることは殆どありませんが、雑草地が近い場所でセマダラコガネとういう害虫が発生することがあります。
セマダラコガネの食害にあうと葉がボロボロに食い荒らされるの注意しましょう。
害虫の被害を防ぐために毎日食い跡がないか葉の状態をよく観察して、害虫を発見したら早めに駆除しましょう。(参考:野菜の害虫対策)
▷家庭菜園で簡単野菜作りVegetableBeginnersGuide