本文へスキップ

リーキの育て方

リーキは春から秋が栽培時期で収穫まで約7か月です。深さ約5mmで種をまき、発芽後は本葉が触れ合うタイミングで間引きをします。収穫までの作業は、植え替え・土寄せ・水やり・追肥などです。

 はてなブックマークに追加


リーキの育て方失敗しないリーキ栽培のコツ


失敗なしでリーキを栽培しましょう!

リーキの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。

種まき適期や植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています。

Contents Menu

  1. リーキの栽培難易度と育て方のコツ
  2. 栽培時期
  3. 育てやすい品種
  4. 栽培前に準備しておくこと
  5. 露地栽培の土作りと畝作り
  6. 種まき
  7. 間引き
  8. 苗の植え付け
  9. 栽培管理土寄せ水やり 追肥
  10. 収穫
  11. 病害対策
  12. 害虫対策

リーキの栽培難易度と育て方のコツ

栽培難易度 ★★★★☆

リーキは栽培期間が長く土寄せなどの管理作業があるので栽培難易度は高めです。弱アルカリ性の土壌を好むので酸度調整をしっかりと行ってから栽培しましょう。

リーキの栽培難易度と育て方のポイント


リーキはヒガンバナ科の野菜で、地中海沿岸地方が原産地です。ギリシャ・ローマ時代にヨーロッパ各地に広まり、日本には明治時代に伝わりましたが、普及したのは近年になってからです。

ちなみにリーキのことを「ポロネギ」といいますが、リーキは英語起源で、料理業界では仏語起源の「アポロ」が使われてきたためです。

当初日本に伝わったときの和名は「洋葱」といいます。軟白化した葉しょうは加熱すると甘みが増すので、スープやオーブン料理などに利用します。

リーキの育て方のコツ


見た目は日本の長ネギのようですが、葉はネギのように丸型ではなく、ニラやニンニクのような扁平型をしています。葉の長さもネギよりも短いです。

リーキは晩春に種をまいて晩夏に育った苗を一度植え替えします。冷涼な気候を好みますが、強靭で日本の夏の暑さにも耐えることができます。

収穫までに土寄せを行って地際の茎(葉しょう)を軟白化させることで、甘く柔らかくなり、香りも芳醇になります。

リーキの栽培データ

科名 ヒガンバナ科
別名 ポロネギ・ポアロ・ポワロ・ポワロ―・洋葱・ニラネギ(韮葱)など
草丈 60~80cm
連作障害 あり(1~2年)
適した場所 日がよく当たる風通しの良い場所
日当たり 🌞 or 🌤
土壌酸度 pH6.0~7.0
株間 7~10cm以上
条間 40~50cm
発芽適温 15~25℃
生育適温 15~20℃
種まき時期 3月~4月
発芽日数 10日~15日
苗植え替え時期 7月~8月
収穫時期 種まきから約7か月


リーキの栽培時期

リーキの栽培時期は春~秋にかけてです。種まきは3月下旬~4月で、苗の植え替えは7月~8月中旬です。収穫までは種をまいてから約7か月です。

リーキ栽培カレンダー

リーキの栽培カレンダー


リーキの育てやすい品種

リーキには栽培地の風土や気候に合った品種が多くあります。基本的にはどの品種を選んでも栽培方法や育てやすさに違いはありません。

リーキの育てやすい品種


リーキは世界各地で栽培されていて、見た目(葉の形や色、茎の太さ)が違うものや、各地の風土や気候に合わせて改良された品種があります。

リーキには収穫までが短い早生種や収穫までが長い晩生種、その中間の中生種があります。

苗の植え替えをしてから収穫までに約4か月かかるので、その後の気候を考えて栽培地に合った品種を選びましょう。


リーキの栽培方法

リーキはプランター栽培と露地栽培が可能です。畑と別の場所で苗を育苗してから畑に移植します。

栽培前に準備しておくこと

リーキの栽培をはじめる前にしておくことは、プランター栽培では「プランターと栽培用土の準備」、露地栽培では「土作り」と「畝作り」などです。

リーキのプランター栽培


プランターの選び方

リーキ栽培で利用するプランターサイズは中型(60cm)以上のものを利用しましょう。1~2株植えなら10号サイズ以上の深型の植木鉢でも栽培ができます。

品種にもよりますが、中型サイズのプランター1つに対して4~6株程度の栽培が可能です。

リーキ栽培で使う用土


栽培に使う用土の種類

リーキ栽培で使う用土は市販の培養土を利用すれば土作りの必要がなく袋から開けてすぐに使えるのでとても便利です。

自分で用土を配合するときは、赤玉土(7):腐葉土(2):バーミキュライト(1)を混ぜたものを使いましょう。

そこに石灰を用土10Lあたり10~20gと化成肥料を用土10Lあたり10~20gを入れてよく耕しておきます。


プランターへの用土の入れ方

プランターや植木鉢の底には、水はけを良くするために赤玉土や鉢底石などを数センチほど敷き詰めておきます。

種から育てるときは淵から5cmほどの位置まで用土を入れ、苗から育てるときは根鉢の高さを考慮して用土を入れておきましょう。(根鉢を置いてから残りの用土を足します。)


リーキの土作りと畝作りのやり方


露地栽培の土作りと畝作り

土作りのやり方

リーキの露地栽培の土作りは種まき(苗の植え付け)の2週間前に終わらせておきましょう。苦土石灰150g/1㎡をまいて全体に混ざるように丁寧に耕しておきます。(pH6.0~7.0)

種まき(苗の植え付け)の1週間前になったら、堆肥(2㎏/㎡)と化成肥料(100g/㎡)を畑の全面にまいて良く耕しておきましょう。

畝作りのやり方

リーキ栽培で作る畝は、畝幅は50cm(1条)70~80cm(2条)で畝の高さは10~15cmの平畝です。


リーキの種まき

リーキは畑に直まきして苗を育てることもできますが、場所を取るので別に苗床を作り、そこに種をまいて苗を育苗する方法がおすすめです。

リーキの種まき


リーキを種から育てる

リーキは気温が上がってくる3月~4月に種をまきます。

育苗に適した容器は深さ10cmの平箱で、用土は市販の培養土にピートモスを20%加えたものを使います。

種まき時期

リーキの種まき適期は、3月下旬~4月下旬です。

発芽適温

リーキは15℃~25℃が発芽に適した温度です。

発芽日数

リーキは発芽適温内なら10日~15日で発芽が始まります。

発芽適温から大きく外れていたり、栽培地の気候などが合わなかったりすると、発芽までの日数が前後します。(もっと詳しく:リーキが発芽しない原因と対策


リーキの種まき方法(手順)

  1. 用土を平らにならします
  2. 水をたっぷりとかけて用土を湿らせます
  3. 1cm間隔で種をばらまきます
  4. 用土をごく薄く被せます
  5. 指先で軽く押さえて用土と種を密着させます
  6. 種が流れ出ないように水やりをします

種まきのコツとヒント

  • 覆土は適切な量を被せましょう。
  • 発芽までは風通しを良くしましょう。
  • 発芽するまでは水切れに注意しましょう
  • もみ殻をかけると雑草対策になります


リーキの間引き

リーキの間引きはタイミングよく行いましょう。間引きの時期が早すぎると苗が徒長して軟弱になり、遅すぎると抜き取るときに隣の根を傷める原因になります。

リーキの間引き


間引きの時期(タイミング)

リーキの間引きは合計で1~2回行います。本葉が2~3枚になるまでに込み合った部分を間引いて、苗と苗の間隔を1~2cmにしましょう。

苗は草丈20~30cmまで育苗箱で栽培をします。植え替えまでは1週間に2回、薄めの液肥を与えましょう。

間引いた苗は「芽ネギ」として利用できます。

最終の株間

リーキの苗(育苗中)の間隔は1~2cmです。

苗の間引き方

苗が抜けないように残す苗の根元付近を指で軽く押さえて、不要な苗の根元を掴んで手で抜き取りましょう。

間引きが遅れて隣り合う苗の根と絡まって抜けにくいときは、ハサミで根元から切り取ってもかまいません。


リーキの植え付け

リーキを種から育てるのが難しいと感じたら、園芸店などで売られている苗を購入して育ててみましょう。苗からだと収穫まで簡単に辿り着けます。

リーキの苗の植え付け


リーキの良い苗の選び方

リーキは苗の太さが鉛筆ほどになったものが植え付けに適した苗の大きさです。

太い苗と細い苗を混ぜて植えると細い苗が負けてしまうので、植え付け前に太さを揃え分けておきましょう。


苗の植え付け時期

リーキの苗の植え付け適期は、7月下旬~8月下旬です。

※植え付け適期は栽培地の気候などによって前後します。

生育適温

リーキは15℃~20℃が生育がもっとも良くなる温度です。

苗を植える間隔(株間)

リーキの苗を植える間隔は10cm前後です。株間が狭いと葉しょうが細くなり、広すぎると太くて短い葉しょうになります。

リーキの植え付け方(手順)


リーキの苗の植え方(手順)

  1. 深さ10cm、幅10cmのまき溝を掘ります。
  2. まき溝の片側(太陽が当たる側)に苗を立てかけます
  3. 穴の中に用土を2~3cm入れます。
  4. 穴の中に藁または腐葉土を厚さ5~10cmほど入れます
  5. 水をたっぷりと与えます。

リーキの植え替えのコツとヒント

  • 葉を畝の方向と平行になるように植え付けると、土寄せのときに邪魔になりません。
  • 植え付け直後は苗は萎れていますが、数日経って苗が根付くとしっかりとしてくるので心配はいりません。
  • まき溝は完全に埋めずに成長に合わせて埋めていきます
  • 掘った用土は片側の肩に盛っておきます


リーキの栽培管理

土寄せ

リーキは根が地上に露出すると太陽光で根を傷めてしまい、生育不良の原因になってしまいます。タイミングよく株元に土を寄せておきましょう。

リーキの土寄せ


土寄せの時期(タイミング)

リーキは土寄せをしっかりと行って、葉しょう部分を軟白化させて利用します。軟白部は長さよりも太さが重要です。

葉しょう部分が完全に露出すると軟白部分が少なくなってしまうので早めに土寄せするのがポイントです。

収穫の1か月前に土寄せをすると、軟白部分が少し長いリーキを収穫できます。

土寄せのやり方

株周りに追肥を施して固くなった用土の表面を軽くほぐしてから株元に寄せておきます。プランター栽培では用土が減ってきたら新しい用土を足しましょう。

リーキは分げつ部分(葉の間)に用土が入ると腐ってしまうので、葉の付け根より上には土を盛らないように注意します。

用土が崩れてしまうときは、盛り上げた用土の頂点を平らにしておくと崩れを予防できます。


リーキの水やり

リーキは成長にあわせて水やり方法を変えます。種まき後(苗の植え付け後)から約1週間程度はこまめに水やりをしますが、その後は用土の表面が乾いたタイミングで水やりをしましょう。

リーキの水やり


水やりの頻度と回数

リーキは極度の乾燥を嫌います。用土の表面が乾いたときが水やりのタイミングです。

種まき後や苗の植え付け後の約1週間は、水切れにならないように用土の表面が乾いたタイミングでこまめに水やりをしましょう。

1回あたりの水やり量

プランター栽培では1回の水やりで鉢底から染み出るくらいたっぷりと与え、露地栽培では1株あたり1.5~2Lが目安です。表面だけでなく用土の中に染み込むまで与えましょう。

水やりのコツとヒント

  • 苗が小さいうちの水やりは苗が倒れないように丁寧に与えるのがポイントです。
  • ハス口の細かいものを使うか、ジョウロから出る水を手に受けて株と株の間に優しく水やりしましょう。
  • 初期段階で苗が倒れたり抜けたりすると、株の成長が遅れる原因になります。
  • 水の与えすぎは株を軟弱にして病害の要因になります。適量を心掛けましょう。


リーキの追肥

リーキの追肥は株の成長に合わせて与える肥料の種類と与える量を調整しましょう。リーキは根の先端からもっとも吸肥します。プランターの淵や、畝間や株と株の間に肥料をまいて表面の用土と混ぜ合わせておきます。

リーキの追肥


追肥の時期(タイミング)

リーキの追肥時期ですが、種まき後から育苗中は1週間に1~2回、薄めた液肥を与えましょう。

苗を植え替えてからの追肥は約1ヶ月後からスタートさせます。2回目以降は1回目の追肥から約1か月後、3回目は収穫の1か月前に施します。

与える肥料の種類

生育初期から収穫までチッソ分の割合が多めの肥料を与えて株を大きく育てましょう。

1回あたりに与える量

プランターの場合

1株あたり5~10gを与えましょう。用土全体に肥料をまいて軽くほぐしてから株元に土寄せしておきます。

薄めた液肥を1週間に1度のタイミングで水やりを兼ねて与えてもかまいません。

露地栽培の場合

1㎡あたり20~30gを与えましょう。土を盛り上げた側の反対に肥料をまき、表面の用土と混ぜてから株元に寄せておきます。

追肥のコツとヒント

  • 追肥のあとに水やりをすると、肥料が効果的に土にしみこんで吸肥の効率がよくなります。
  • 肥料の与えすぎは株が軟弱に育ってしまいます。適量を心掛けましょう。


リーキの収穫

リーキの収穫のタイミングや収穫の目安を知って、もっとも美味しい頃合いに収穫しましょう。

リーキの収穫


収穫時期(タイミング)

リーキは種まきから約7か月、苗の植え替えから約4か月で収穫適期を迎えます。(11月中旬以降)

苗を植え付けて約3か月後から、間引きながら順次、収穫をはじめられます。

収穫に適した大きさ(見た目)

リーキの収穫時期を見た目で判断するときは、軟白部の太さがが3~5cmになったら収穫のタイミングです。

リーキの収穫方法

植え付け時の溝の深さまで掘ってから、しっかりと手で掴んで一気に引き抜きましょう。


リーキの病害対策

リーキにはさまざまな病害が発生します。病害の前兆を早く見つけることが大きな被害を防ぐことにつながります。早期の治療と再発防止対策をしっかりと行いましょう。

リーキの病害対策


リーキに発生しやすい病害の種類

リーキ栽培でよく見かける病害は「さび病」「萎凋病」「萎縮病」「条斑病」「べと病」「白絹病」「軟腐病」などです。

病害の予防方法

リーキが病害に掛かる主な原因は、日当たりが悪い、株元の葉が込み合って風通しが悪い、畑の排水性が悪く多湿になっている(または水やりが多い)、土壌が酸性になっているなどです。

リーキの病害の発生を予防するためには、多湿を避ける、日当たりのよい場所で育てる、適正な株間の確保を行う、用土を丁寧に耕して水はけの良い土壌作りを心掛けましょう。


リーキの害虫対策

収穫前に害虫の被害に遭うと収量に大きく影響します。害虫を見かけたら早期に駆除することが被害を最小限に抑えるポイントです。害虫対策をしっかりと行って、害虫の集まりにくい環境を目指しましょう。

リーキの害虫対策


リーキ栽培で見かける害虫の種類

リーキに発生しやすい害虫は、「ヨトウムシ」「ハモグリバエ」「アブラムシ」「ネダニ」「アザミウマ」「ネコギガ」「マエアカヒトリ」などです。

害虫の予防と対策

害虫は大きくなる前や数が増える前に早期に駆除することが大切です。葉の裏もよく観察して卵や幼虫を見つけたらすぐに捕殺しましょう。

栽培時に出る残渣(落ち葉や枯葉)はこまめに撤去し、株元が込み合ったら摘葉して風通しを良くすることで、害虫の住処をなくすことができます。

リーキの苗が小さい時期や気温が高い時期の追肥は控えましょう。高温期のチッソ分の与え過ぎは害虫を呼び寄せてしまうからです。追肥は気温が下がってからスタートさせます。

害虫の数が増えて自力で駆除できなくなる前に、人体への影響が少ない薬剤を使うことも検討しましょう。


ひとつ前のページに戻る

葉野菜(葉菜類)の育て方一覧

家庭菜園で簡単野菜作りVegetablesBeginnersGuide! 


YouTube公式チャンネル

YouTubeの動画でも野菜の育て方や野菜作りのコツなどを分かりやすくご紹介しています。チャンネル登録おすすめです。