ミツバ栽培で収穫までたどり着くには育て方のコツを知ることが成功への第一歩。初心者にも分かるように植え方から収穫までミツバの育て方を丁寧にレクチャー。ミツバの作り方はプランターでも露地でも簡単!家庭菜園で立派なミツバを育てましょう!
Contents Menu
・ミツバ栽培カレンダー
・ミツバ栽培のコツとポイント
・種まき(種から育てる)
・ミツバの苗の植え方
・間引きのタイミング
・ミツバの水やり
・ミツバの追肥
・ミツバの収穫
・ミツバの育て方まとめ
・ミツバの病害対策
・ミツバの害虫対策
ミツバ(三つ葉)栽培
難易度★☆☆☆☆
ミツバ(三つ葉)はセリ科の野菜で原産地は日本、旬は春から初夏ですが、通年の栽培が出来る葉野菜です。
水耕栽培も出来るほど生育が強い野菜で家庭菜園初心者向け。暑さに強い反面、乾燥には弱く、夏場は乾燥が長期間続くと生育が極端に悪くなります。
ミツバは半日陰で湿度の高い場所でよく育つので、マンションのベランダなど日当たりの悪い場所でもスクスク育ちます。
実はミツバ(青ミツバ)は、ホウレン草に劣らないほどビタミン類が含まれる栄養満点の野菜。ミツバに含まれる栄養価は、ビタミンA・B群・C、ミネラルは鉄・カルシウムが豊富に含まれています。
独特の香味があり、どちらかと言えばお吸い物や蒸し物などに添えるだけの料理を思い浮かべますが、アクが少なく淡白な味のため、卵とじ・お浸し・和え物・酢の物・天婦羅など実は料理の種類が豊富な野菜です。
ミツバ(三つ葉)を栽培するときのプランターサイズは小型タイプ(45㎝程度)以上のものを利用しましょう。
少数株育てる時は10号以上の植木鉢で育てることも可能です。ミツバは日当たりを調整するので、移動ができるプランターや鉢での栽培が適しています。
プランターのミツバ栽培で使う用土は、市販の培養土を利用すると簡単です。自分で用土を作る時は
赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、これに石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~20gを混ぜ合わせた物を使いましょう。
露地栽培でミツバを育てる時は、種を蒔く2週間前に苦土石灰70g/㎡、1週間前に堆肥5㎏/㎡・化成肥料70g/㎡を施してよく耕しておきます。
幅60㎝以上で高さ10㎝の畝を作りましょう。
プランターに入れる用土の量は、ウォータースペースを残して、鉢の8分目程度にしておきます。
プランターも露地栽培もミツバの種を蒔く約2週間前には土づくりを完了させておきましょう。
ミツバは特に品種名はありません。ミツバという名称の種で販売されています。
大きく分けて関東系と関西系の2つ。関東系の「白茎ミツバ」「柳川1号」「大利根1号」、関西系の「白茎ミツバ」「大阪白軸」が人気です。
栽培方法は、軟化床で発芽させて収穫する切ミツバ、根株を掘り起こさず土寄せして軟化させる根ミツバ、深植えして自己軟白させて20㎝以上で収穫する青ミツバなどがあります。
関東では根株を育てて軟化させる軟化三つ葉、関西では軟化せず短期で育てる青三つ葉が主流です。ミツバはどの品種を選んでも比較的簡単に育てられます。
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ミツバの発芽適温は20℃前後。春蒔きは4月以降、秋蒔きは9月以降で気温20℃前後になる頃に種を蒔きましょう。
植え付けシーズンになると園芸店などで幼苗が販売されているので、プランターや鉢で少数株育てる時は、株から植えて育てると無駄がありません。
ミツバは間引きしながら育てるので条撒きにします。2列に蒔く時は条間は15~20㎝以上確保しましょう。
支柱などを使って深さ5mm程度のまき溝を掘り、そこに種を1㎝間隔で撒いていきます。
ミツバの種は好光性種子なので厚撒きにならないように薄く土を被せるのが発芽率を上げるコツ。土を指でつまんでそっとかけてやるか、篩(ふるい)などを使って薄く覆土しましょう。
間引きの際に、残したい株と間引く株の根が絡まって一緒に抜けてしまうことがあるので、種はあまり密に蒔きすぎないように注意しましょう。
ミツバの種を撒いた後は種が表面に出るのを防ぐために、上から軽く手のひらで押さえて土と種を良く密着させてあげて下さい。
その後はジョーロのハス口を上向きにして、水の勢いで種が表に出てしまわないよう、丁寧に水やりを行いましょう。
ミツバは種を蒔いてから発芽するまでに、約10~2週間かかるので、芽が出るまでの間は水を切らさないことが上手に発芽させるコツです。
ミツバは種皮が固く発芽率が悪いので、種を蒔く前に一晩水に浸けておくと発芽率が上がります。
コップやトレーなどに種を入れて水を張っておき、常温で一昼夜おいてから種を蒔きましょう。
気温が低い時期や寒冷地でミツバを育てる時は、ポリポットで苗を育ててから移殖すると良いでしょう。気温が低い時はビニルハウスなどで苗を育てます。
また、プランターや鉢などのベランダ菜園で育てる株数が少ない時は、種よりも園芸店などで苗から購入して育てると簡単で経済的です。
ミツバの苗を植え付ける時は、用土にポットより少し大きめの植穴をあけて、根鉢を壊さないように穴の中にそっと入れます。
その後周辺の土を株元に寄せて、上から手のひらで押さえて根と用土を密着させてやりましょう。
その後、ハス口を付けたジョウロで苗が倒れないように丁寧に水やりをします。苗が根付くまでは、土が乾いた時にたっぷり水やりを行いましょう。
ミツバの1回目の間引きは発芽が揃った頃に行います。双葉が開いた頃が1回目の間引きのタイミング。
1回目の間引きでは形の悪いものを間引いて3㎝間隔にします。
ミツバの2回目の間引きは本葉が4~5枚で草丈が8~10㎝ほどに成長した頃です。この頃に株間が5~7㎝になるように間引きしましょう。
ミツバは密植気味に育てると葉柄が柔らかくなって美味しくなります。
ミツバは2回目の間引きを行う頃の下部は細くて弱いため風や雨などで簡単に倒れてしまいます。
間引きを行った後に周辺の土を寄せて株寄せしましょう。
ミツバの株寄せの仕方ですが、中耕を兼ねて株もとから少し離れた場所の土を軽く混ぜて、株が倒れないように株の根元に土を寄せます。
ミツバは乾燥を嫌います。特に気温が上がる夏場以降は、用土の表面が乾かないように水やりをしましょう。
ミツバの水やりの頻度と与える量ですが、芽が出た後は毎日朝と夕方にたっぷりと水やりをしましょう。水が少ないと生育にばらつきが出るので注意。
ミツバの追肥は2回目の間引きが終わった時に行いましょう。
化成肥料の場合は、株間に化成肥料を撒いたあと、中耕して根元に寄せてやります。
プランターや植木鉢でミツバを栽培している場合は、水やりを兼ねて7~10日おきに液肥を与えても構いません。
ミツバは株を残して収穫すれば長期間栽培が楽しめます。
長期間栽培する時は、収穫後に株間に化成肥料30g/㎡、または液肥を施しておくと、切り取った株から新葉が伸びて再び収穫を楽しむことが出来ます。
ミツバは草丈が25~30㎝程度になった頃が収穫適期です。株元を残してハサミやナイフで切り取って収穫しましょう。
収穫までの期間は種蒔き後、春と秋は50~60日前後、冬場のビニルハウス栽培では70~80日かかります。
春に植えたミツバは夏前に収穫が出来ますが、そのまま株を残しておくと、秋口までに2~3回ほど収穫が楽しめます。株を残して長期収穫する際は、収穫後に株間に化成肥料を与えておくのを忘れないようにしましょう。
ミツバは晩秋以降に霜にあたると上部の茎葉は枯れてしまいますが、根株は耐寒性が高いため寒冷地であっても翌春になると再び芽が出てきます。
ミツバは鮮度が落ちやすく傷みやすい野菜なので、必要な分だけ切り取って収穫しましょう。
収穫後の三つ葉は、新聞紙などでくるんで冷蔵庫に入れておけば3~4日、冷凍庫なら1~2か月は保存しておくことが可能です。
青ミツバは根が付いていないと萎れるのが早いので、根を付けたままで収穫して保存しましょう。
ミツバは乾燥に弱いので水やりが上手に育てるポイントです。長期栽培をする時は追肥を忘れずに施しましょう。
ミツバは真冬を除いて1年中育てられますが、初心者は気温が上がり始める春(4月または5月)から育てると失敗がありません。
株を残せば翌年以降も収穫できますが、2年目以降の株は抽だいして夏に白色の小さな花を咲かせます。
長期栽培する時は、夏場は遮光をして通気の良い場所で育て、冬場は保温をしっかりと行いましょう。気温が25℃前後になるように温度管理すれば通年での栽培が可能です。
ミツバが掛かりやすい病害は、株枯れ病・さび病・立ち枯れ病・根腐れ病・ベト病・モザイク病などです。
病害は連作や土壌の極度の乾燥や極度の加湿状態になると発生しやすく、ウイルスを媒介するアブラムシなどによっても発生します。
ミツバは病害が殆ど発生しない丈夫な野菜です。病害になるということは生育環境が悪いということ。連作を避けて保水力の高い土壌で育てることを意識しましょう。
ミツバに発生する害虫は、キアゲハの幼虫・ナミハダニ・ニンジンアブラムシ・ヒメフタテンヨコバエなどです。
ダニ類やアブラムシ類は直接の被害はありませんが、注意が必要な害虫はキアゲハの幼虫です。放っておくと葉っぱがなくなるほど食害するので、見つけ次第すぐに処分しましょう。