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ミョウガの育て方

ミョウガは春から秋が栽培時期で収穫まで約4か月です。反日蔭になる場所に種株(根っこ)を植え付けておくと何年も収穫できます。主な管理作業は水やり・追肥・土寄せなどです。

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ミョウガの育て方失敗しないミョウガ栽培


失敗なしでミョウガを上手に育てましょう!

ミョウガの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。

種株の植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています。

Contents Menu

  1. ミョウガの栽培難易度と育て方のコツ
  2. 栽培時期
  3. 育てやすい品種
  4. 夏ミョウガと秋ミョウガの違い
  5. 栽培前に準備しておくこと
  6. 露地栽培の土作りと畝作り
  7. ミョウガの植え付け
  8. 栽培管理土寄せ敷き藁水やり 追肥
  9. 茎ミョウガ(ミョウガタケ)栽培方法
  10. 収穫
  11. 病害対策
  12. 害虫対策

ミョウガの栽培難易度と育て方のコツ

栽培難易度 ★★☆☆☆

ミョウガは栽培期間は長いですが管理の手間が少なく病害にも強いため難易度は高くありません。強い日差しと乾燥が苦手なので、高温期さえ乗り越えれば栽培は容易です。

ミョウガの栽培難易度と育て方のポイント


ミョウガは日本原産の香味野菜で本州から沖縄にかけて自生しています。主に食用にしているのは地下茎から出る花穂の部分で、旬は7月~8月です。

英名は「Japanese ginger」で、漢字では「茗荷」で、実は野菜として栽培されているのは日本だけです。「花ミョウガ」や「ミョウガの子」とも呼ばれています。

ミョウガは土壌の適応性が高く、高温多湿を好み日当たりのよい場所が苦手です。庭の隅や樹木の陰などで栽培しましょう。

ミョウガの上手な育て方


ミョウガは多年草で1度植えると数年に渡って収穫ができますが、同じ場所で長く栽培していると生育や収量が悪くなるので、3~4年ごとに別の場所に植え替えると生育がよくなります。

茗荷の独特の香りはアルファピネンという成分で、食欲増進や発汗作用・集中力の向上効果があります。夏バテ防止にもぴったりの香味野菜です。

ミョウガの栽培データ

科目 ショウガ科
連作障害 あり(1~2年)
土壌酸度 pH6.0~6.5
株間 30cm以上
発芽適温 15~25℃
生育適温 20~25℃
苗植え付け時期 2月~4月
収穫時期 植え付けから約4か月


ミョウガの栽培時期

ミョウガの栽培時期は春から秋にかけてです。種株の植え付けは2月~4月で、収穫までは植え付けから約4か月です。

ミョウガ栽培カレンダー

ミョウガ栽培カレンダー


ミョウガの育てやすい品種

ミョウガは日本原産の香味野菜で全国各地にさまざまな在来種が存在しています。どの品種を選んでも栽培方法や育てやすさに大きな違いはありません。

ミョウガの育てやすい品種


ミョウガは本州から沖縄まで古くから日本で親しまれてきた野菜で在来種が豊富です。

大きく分けると夏ミョウガという早生種や中生種と、秋ミョウガという晩生種に分かれます。

園芸店では早生種・中生種(夏ミョウガ)と晩生種(秋ミョウガ)と分けて記載されています。

夏ミョウガと秋ミョウガの違い

ネットでは両者の違いはなく植え付け時期が違うだけという情報が多いですが、正しくは夏ミョウガと秋ミョウガは植え付け時期は同じで、色合いや香り、食味もまったく違います。

多くの在来種がありそれぞれの栽培期間が地域ごとに違っているため、収穫までが短いものが早生種と中生種で、長いものが晩生種に分けられています。

夏ミョウガは花穂が小ぶりで濃緑色が強く香りも良く、秋ミョウガは花穂が大きくて濃赤色で色鮮やかです。

早生種・中生種(夏ミョウガ)

「陣田早生」「早生ミョウガ」「中生ミョウガ」など

晩生種(秋ミョウガ)

「晩生ミョウガ」「諏訪1号」「諏訪2号」など


ミョウガの栽培方法

ミョウガはプランター栽培と露地栽培が可能です。強い日光を嫌うので反日蔭になる場所を選んで植え付けましょう。季節によって鉢を移動できるので、プランター栽培におすすめの野菜です。

栽培前に準備しておくこと

ミョウガの栽培をはじめる前にしておくことは、プランター栽培では「プランターと栽培用土の準備」、露地栽培では「土作り」と「畝作り」などです。

ミョウガのプランター栽培


プランターの選び方

ミョウガ栽培で利用するプランターサイズは中型(60cm)以上のものを利用しましょう。1株植えなら10号サイズ以上の深型の植木鉢でも栽培ができます。

品種にもよりますが、中型サイズのプランター1つに対して1~2株程度の栽培が可能です。

ミョウガ栽培で使う用土


栽培に使う用土の種類

ミョウガ栽培で使う用土は市販の培養土を利用すれば土作りの必要がなく袋から開けてすぐに使えるのでとても便利です。

自分で用土を配合するときは、赤玉土(6.5):腐葉土(2.5):バーミキュライト(1)を混ぜたものを使いましょう。

そこに石灰を用土10Lあたり10~20gと化成肥料を用土10Lあたり10~20gを入れてよく耕しておきます。


プランターへの用土の入れ方

プランターや植木鉢の底には、水はけを良くするために赤玉土や鉢底石などを数センチほど敷き詰めておきます。

種から育てるときは淵から5cmほどの位置まで用土を入れ、苗から育てるときは根鉢の高さを考慮して用土を入れておきましょう。(根鉢を置いてから残りの用土を足します。)


ミョウガの土作りと畝作りのやり方


露地栽培の土作りと畝作り

土作りのやり方

ミョウガの露地栽培の土作りは種まき(苗の植え付け)の2週間前に終わらせておきましょう。苦土石灰100g/1㎡をまいて全体に混ざるように丁寧に耕しておきます。

種まき(苗の植え付け)の1週間前になったら、堆肥(2㎏/㎡)と化成肥料(100g/㎡)を畑の全面にまいて良く耕しておきましょう。

畝作りのやり方

ミョウガ栽培で作る畝は、畝幅は◎cm(1条)~◎cm(2条)で畝の高さは10~15cmの平畝です。


ミョウガの種株の植え付け

ミョウガは種からではなく「種株」という根っこの切れ端しを植え付けて育てます。発芽は難しくありませんが、発芽までは時間がかかるので気長に待ちましょう。

ミョウガの種株の植え付け


ミョウガの種株を掘り採る

ミョウガの種株は市販のものを購入するか、すでに栽培している場合は親株の根の先端を掘り出して再利用しましょう。

ミョウガの植え付け時期

ミョウガの植え付け適期は、2月~4月です。凍結のない温暖な地域なら秋植えもできます。

ミョウガの発芽適温

ミョウガは15℃~25℃が発芽に適した温度です。

ミョウガの発芽日数

ミョウガは種株を植えておくと発芽適温になると自然と発芽が始まります。発芽適温から外れていると日数がかかりますが、心配はいりません。(参考:ミョウガが発芽しない原因と対策

苗を植える間隔(株間)

ミョウガの苗を植える間隔は30~40cmです。

ミョウガの植え付け方法


ミョウガの植え付け方(露地栽培)

  1. 新芽が2~3個くらい付いた種株を選ぶ
  2. 幅10cm、深さ5~10cmの溝穴を掘る
  3. 溝の中に種株を2~3株まとめて置きます
  4. 周りと同じ高さに用土を被せます
  5. 手で軽く押さえて用土と種を密着させます
  6. 種が流れ出ないように水やりをします

種株の植え付け方法(プランター栽培)

  1. 新芽が2~3個くらい付いた種株を選びます
  2. 鉢に種まき用の培養土を半分まで入れます。
  3. 1か所あたり種株を2~3株まとめて置きます
  4. 用土を5~10cmほど被せます。
  5. 手で軽く押さえて用土と種を密着させます。
  6. 種が流れ出ないように水やりをします。

植え付けのコツとヒント

  • 覆土は適切な量を被せましょう。
  • 発芽までは風通しを良くして反日蔭で乾燥させないように管理しましょう。
  • 発芽するまでは水切れに注意しましょう


ミョウガの栽培管理

ミョウガの土寄せ

ミョウガは根が地上に露出すると太陽光で根を傷めてしまい、生育不良の原因になってしまいます。タイミングよく株元に土を寄せておきましょう。

ミョウガの土寄せ(まし土)


土寄せのタイミング

水やりや降雨で用土は自然に減ってしまいます。根元周りの用土が減ってきたと感じたら土寄せをしましょう。

根が完全に露出すると株の生育に影響するので早めに土寄せするのがポイントです。

土寄せのやり方

株周りの固くなった用土の表面を軽くほぐしてから株元に寄せておきます。プランター栽培では用土が減ってきたら新しい用土を足しましょう。


敷き藁(乾燥防止対策)

ミョウガは強い光と乾燥を嫌い高温多湿を好む野菜です。気温が高くなる高温期は、敷き藁やピートモスなどで乾燥対策をしましょう。

ミョウガの敷き藁のやり方


ミョウガは乾燥がひどいと株の生育が悪くなり収量が激減してしまいます。夏場以降は乾燥対策を必ずしておきましょう。通年敷き藁を敷いておいても大丈夫です。

ミョウガ栽培では夏場以降の雑草取りが大変になります。敷き藁をすることで雑草対策にもなります。


ミョウガの水やり

ミョウガは成長に合わせて水やり方法を変えます。発芽までの水やりは自然の降雨だけで十分ですが、夏場以降は用土の表面が乾きすぎない様にこまめに水やりをしましょう。

ミョウガの水やり


ミョウガの水やりの頻度

ミョウガは極度の乾燥を嫌います。用土の中がカラカラに乾かないようにすることポイントです。

5月下旬以降になって日中の気温が20℃を超え始めたら、水切れにならないように用土の表面が乾いたタイミングでこまめに水やりをしましょう。

1回あたりの水やり量

プランター栽培では1回の水やりで鉢底から染み出るくらいたっぷりと与え、露地栽培では1株あたり2.0~2.5Lが目安です。表面だけでなく用土の中に染み込むまで与えましょう。

水やりのコツとヒント

  • 水切れをおこすと茎葉が枯れるので注意しましょう
  • 株元に敷き藁をしてその上から水やりしましょう
  • 初期段階での乾燥を繰り返すと、苗の成長が遅れる原因になります。


ミョウガの追肥

ミョウガの追肥は株の成長に合わせて与える肥料の種類と与える量を調整しましょう。ミョウガは根の先端からもっとも吸肥します。プランターの淵や、畝間や株と株の間に肥料をまいて表面の用土と混ぜ合わせておきます。

ミョウガの追肥


ミョウガの追肥のタイミング

ミョウガは多肥性の野菜で年に3回ほど追肥をしましょう。植え付けから2~3週間が経って草丈が20~30cmになる頃に1回目の追肥を施し、その1ヶ月後に2回目の追肥を施します。

3回目の追肥は冬前です。地上部が枯れてきたら、翌年に向けて追肥を施しておきます。

与える肥料の種類

生育初期から収穫まではチッソ分の割合が多めの肥料を与えて株を大きく育てます。

1回あたりに与える量

プランターの場合

1株あたり5~10gを与えましょう。用土全体に肥料をまいて軽くほぐしてから株元に土寄せしておきます。

薄めた液肥を1週間に1度のタイミングで水やりを兼ねて与えてもかまいません。

露地栽培の場合

1㎡あたり20~30gを与えましょう。列の両側に肥料をまいて用土をほぐして株元に土寄せしておきます。

追肥のコツとヒント

  • 追肥のあとに水やりをすると、肥料が効果的に土にしみこんで吸肥の効率がよくなります。
  • 肥料の与えすぎは株が軟弱に育ってしまいます。適量を心掛けましょう。


ミョウガタケの栽培方法

ミョウガは茎や葉を食用にでき「ミョウガタケ」と呼ばれていて、軟化栽培(光を当てずに栽培)して作ります。それとは別に若い茎を食用にする「茎ミョウガ」も楽しめます。

ミョウガタケの栽培方法


ミョウガタケと茎ミョウガの違い

ミョウガは芽が出て間もない若く柔らかい茎を摘み取って食用にすることもできます。普通に栽培した若芽は「茎ミョウガ」と呼ばれています。

茎ミョウガとミョウガタケは別もので、ミョウガタケはミョウガを軟化栽培したもので、クセがなくさっぱりしているので、茎と葉っぱを生のまま食べることができます。

ミョウガタケの作り方

  1. 根株を植え付けます。
  2. トンネルを作り遮光性のシートを2重に被せます。
  3. 芽が5cm以上になったらシートを裾をめくって、2~3日ほど採光し弱めの日光を当ててやります。
  4. 15cm伸びた頃に3と同じの手順で採光を行います。
  5. 草丈が40㎝以上になったら株元から切り取って収穫しましょう。

ミョウガタケの作り方(手順)



ミョウガの収穫

ミョウガの収穫のタイミングや収穫の目安を知って、もっとも美味しい頃合いに収穫しましょう。

ミョウガの収穫


ミョウガの収穫時期(タイミング)

ミョウガは種株を植え付けてから約4か月で収穫適期を迎えます。夏ミョウガは7月~8月頃で、秋ミョウガは9月~10月頃です。

花が咲いてしまったあとでは風味が落ちるので、地上に芽を出したら早めに摘み取りましょう。

収穫に適した大きさ(見た目)

ミョウガの収穫時期を見た目で判断するときは、開花が始まる直前の蕾(花茎)の状態が収穫のタイミングです。蕾は株元から次々と伸びてきます。

ミョウガの収穫方法

蕾をハサミやナイフで根元から切り取るか、手で折り取って収穫しましょう。

ミョウガの収穫時期と収穫方法


ミョウガはいつ頃まで収穫できるの?

夏ミョウガは8月末頃まで、秋ミョウガは10月末頃まで収穫を続けられます。

冬になると地上部は枯れてしまいますが地下根は生きています。冬前に追肥を与えておけば翌年の春になるとふたたび芽を出して収穫を楽しめます。

ミョウガの保存方法

濡れたキッチンペーパーで包んでナイロン製の保存袋に入れて冷蔵庫に入れておきましょう。丸ごとまたは刻んで密閉すれば冷凍保存もできます。


ミョウガの病害対策

ミョウガにはさまざまな病害が発生します。病害の前兆を早く見つけることが大きな被害を防ぐことにつながります。早期の治療と再発防止対策をしっかりと行いましょう。

ミョウガの病害対策


ミョウガに発生しやすい病害の種類

ミョウガ栽培でよく見かける病害は「葉枯れ病」「いもち病」「根茎腐敗病」「班葉病」「紋枯れ病」などです。

病害の予防

ミョウガが病害に掛かる主な原因は、日当たりが強い、株元の葉が込み合って風通しが悪い、土壌が乾燥しすぎている(または水やりが少ない)などです。

ミョウガの病害の発生を予防するためには、敷き藁を敷いて乾燥を避ける、反日蔭になる場所で育てる、適正な株間の確保を行う、水持ちの良い土壌作りを心掛けましょう。


ミョウガの害虫対策

収穫前に害虫の被害に遭うと収量に大きく影響します。害虫を見かけたら早期に駆除することが被害を最小限に抑えるポイントです。害虫対策をしっかりと行って、害虫の集まりにくい環境を目指しましょう。

ミョウガの害虫対策


ミョウガ栽培で見かける害虫の種類

ミョウガに発生しやすい害虫は、「ヨトウムシ」「ハダニ類」「アワノメイガ」「センチュウ類」「アオバハゴロモ」などです。

害虫の予防と対策

害虫は大きくなる前や数が増える前に早期に駆除することが大切です。葉の裏もよく観察して卵や幼虫を見つけたらすぐに捕殺しましょう。

栽培時に出る残渣(落ち葉や枯葉)はこまめに撤去し、株元が込み合わないように株間を確保して風通しを良くすることで、害虫の住処をなくすことができます。

害虫の数が増えて自力で駆除できなくなる前に、人体への影響が少ない薬剤を使うことも検討しましょう。


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