ルッコラは春から秋が植え付け時期です。日当たりと水はけの良い場所に1か所あたり3~4粒の種を約1cmの深さにまきます。本葉が触れ合ったら間引いて株を大きく育てましょう。主な作業は水やり・追肥・土寄せなどです。収穫までは約1.5か月です。
ルッコラの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。
種まき適期や植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています。
Contents Menu
栽培難易度 ★★☆☆☆
ルッコラは収穫までが短く(35~45日)管理作業も簡単な初心者向けの葉野菜です。春から秋は病害虫の被害に遭いやすいので害虫対策がポイントです。
ルッコラ(ロケット)はアブラナ科の野菜で胡麻の様な香りとピリッとした辛みがくせになる野菜です。
種まきは春から秋にかけて可能で、日当たりが良く排水性の良い土壌での栽培が適しています。ルッコラは耐寒性と耐暑性がありますが、温暖地域の真夏はうまく育たないことがあります。
ルッコラ(ロケット)に含まれる栄養価は、ビタミンC・E・K、βカロチン、鉄・カルシウムが豊富で、モロヘイヤと同等の鉄分が含まれます。
科名 | アブラナ科 |
別名 | ロケット・アングラ・キバナスズシロなど |
草丈 | 30~40cm |
連作障害 | あり(1~2年) |
適した場所 | 日がよく当たる風通しの良い場所 |
日当たり | 🌞 or 🌤 |
土壌酸度 | pH6.0~6.5 |
株間 | 5~10cm以上 |
畝幅 | 40~60cm |
畝高 | 10~15cm(平畝) |
発芽適温 | 15~25℃ |
生育適温 | 15~25℃ |
種まき時期 | 3月~10月 |
発芽日数 | 5日~7日 |
苗植え付け時期 | 3月~10月 |
収穫時期 | 種まきから約1.5か月 |
ルッコラ(ロケット)の栽培時期は春から秋です。春まきは3月~6月、秋まきは9月~10月で、収穫までは種まきから約1.5か月です。
ルッコラは耐寒性・耐暑性が高くどの品種を選んでも比較的簡単に育てられます。
ルッコラで人気の品種は、「ロケット」、癖がなく葉柄が長い早生種「アストロ」、癖がなく食べやすいとされる「オデッセイ」などです。
ルッコラはプランター栽培と露地栽培が可能で、種からと苗からのどちらからでも栽培が始められます。ここからはルッコラの育て方を解説します。
ルッコラの栽培を始める前にしておくことは、「道具と栽培用土の準備」栽培地の「土作り」「畝作り」などです。
ルッコラ(ロケット)を栽培するときのプランターサイズは標準タイプ(60cm程度)のものを利用しましょう。標準サイズで5~10株ほど栽培できます。
2~3株なら10号程度の植木鉢でも栽培できます。
ルッコラ栽培で使う用土は市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに使えて便利です。葉野菜用で肥料入りの用土がおすすめです。
自分で用土を配合するときは、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~20gを混ぜ合わせた物を用意しましょう。
プランターに入れる用土の量は、ウォータースペースを残して、鉢の8分目程度にしておきます。
ルッコラの種を植える約2週間前には土づくりを完了させておきましょう。
畑(露地栽培)でルッコラを育てるときは、植え付けの2週間前までに酸度調整を終わらせておきましょう。
畑に植え付ける場合は、種植えの約2週間前に、石灰を150g/㎡・堆肥を2kg/㎡・化成肥料を(15:15:15)100g/㎡を畑に施して土作りを済ませておきます。
ルッコラ栽培に適した土壌酸度(pH値)は6.0~6.5です。
苦土石灰をを入れて酸度調整をしておきましょう。pHを1.0上げるには石灰が1㎡あたり400g(60cmのプランターで約50g)が目安です。
植え付けの直前に石灰を入れると根を傷めてしまうので、最低でも約2週間前には酸度調整を完了させておきましょう。
ルッコラに適した畝は、幅70~80cm、高さ10~15cmの平畝です。根を張りやすいようにしっかりと耕しておきましょう。
ルッコラの種まき適期は春と秋です。種まき方法は点まきと筋まきがありますが、株数が少ないときは点まき、間引き菜を収穫するときは筋まきがおすすめです。
ルッコラを種から育てるときは温度と水分量に注意しましょう。種まき後の乾燥や高温は発芽を遅らせたり発芽しなかったりする原因になります。
ルッコラは、温度管理と水切れを起こさないことが発芽を揃えるポイントです。
春まきは3月~6月、秋まきは8月~10月です。
ルッコラの発芽適温は15℃~25℃前後。気温が20℃前後の時期に種をまきましょう。
ルッコラ(ロケット)は発芽適温内では、種をまいてから発芽するまでに約5~7日程度かかります。
ルッコラは間引き菜を収穫しながら育てるので「筋まき」がおすすめです。支柱などを使って深さ5mm程度のまき溝を作りそこに1cm間隔で種をまきます。
2列以上に種をまくときは、条間(列の間隔)を10~15cm程度あけましょう。
種は厚まきにならないように、篩(ふるい)などを使って細かな用土を薄く被せるのがポイントです。
篩がないときは、用土を指ですり潰し、細かくして被せてもかまいません。
種をまいた後は手のひらで軽く上から押さえて、種と用土を密着させておきます。種をまいたあとはたっぷりと水を与えましょう。
発芽するまでの間は水切れを起こさないことが大切です。用土の表面が乾いたらこまめに水やりをしましょう。
網目の細かいハス口を上向きに取り付けて、種が流れてしまわないようにやさしく水やりをするのがポイントです。
ルッコラは葉が重なり合ったタイミングで収穫まで2~3回ほど間引きを行いましょう。
1回目の間引きの時期は発芽が揃った頃に行います。双葉が開いた頃が1回目の間引きのタイミングです。
2回目以降の間引きは、隣り合う葉が触れ合うタイミングで行います。最後の間引きは本葉が4~5枚前後になる頃に行いましょう。
1回目の間引きでは、茎葉の色が薄い苗や葉の形が悪い苗、双葉が左右対称でない苗を中心に間引いて、株間を2~3cmにしましょう。
2回目以降の間引きは隣り合う葉が触れ合ったタイミングで行い、最後の間引きでは株間(株と株の間隔)が5~10cmになるようにします。
株が小さいうちは茎が細くて弱いので、間引きのときに株元に土を寄せて軽く抑えておきましょう。これは風や雨(水やり)で株が倒れないようにするためです。
種から育てるのが難しいと感じた方や植える株数が少ないときは園芸店で売られている苗から育てるのがおすすめです。
緑色の濃くしっかりしたもの、茎の節が詰まって双葉が残っているものを選ぶことがポイントです。
春植えは4月~7月、秋植えは9月~11月上旬まで。本葉が4~5枚になった頃が植え付け適期です。
ルッコラの生育適温は15℃~25℃です、
ルッコラの苗を植え付ける間隔は、密植栽培は4~5cm、通常は5~10cm間隔で植えていきます。
密植気味に植えると柔らかい茎葉を収穫できます。
ルッコラの苗をプランターに植え付けるときは、根鉢の高さより少し低くなるように用土を少なめに入れておきます。露地栽培の場合は根鉢より一回り大きな植穴を掘っておきます。
根鉢を壊さないようポットから取り出して用土の上に置きます。その後に周囲に用土を入れて株元を手で軽く押えて根と用土を密着させておきましょう。
根鉢と用土の間に隙間があると、苗が根付くまでに時間が掛かってしまうからです。
ルッコラは苗を植え付ける前にポットごと水に浸しておくと根付きがよくなります。
水に浸した場合は苗を植え付けてから2日ほどは水やりをしません。(気温が高いときは翌日から)こうすることで水を求めて根を地中に深く張る力がつきます。
苗の生育が盛んになって草丈が高くなると株が倒れやすくなります。株元に土を寄せて倒伏防止をしておきましょう。
また苗の根元が露出して太陽光が根に直接当たると、株の生育を弱める原因になります。
間引きや追肥のタイミングで株周辺の用土の表面を軽く耕して株元に土を寄せておきましょう。プランターの場合は水やりで用土が減りやすいので、定期的に用土を足します。
春以降はルッコラがトウ立ちします。長期収穫するときは先端に付いた蕾を摘み取る「摘蕾」をしましょう。
ルッコラ(ロケット)は気温が高くなるとトウ立ちし、そのまま放っておくと花が咲いてしまって葉がどんどん固くなってしまいます。
葉を長く収穫するときは、摘蕾(てきらい)を忘れずに行いましょう。
ちなみにルッコラは茎葉だけでなく花や蕾もサラダやスープにして美味しく食べることができます。
ルッコラは高温多湿を嫌う野菜です。水やりの量と与えるタイミングが上手に育てるポイントです。
ルッコラの水やりの頻度と与える量ですが、種をまいて発芽するまでの間は用土の表面が乾かない頻度で水やりをしましょう。
その後の水やりは用土の表面が乾いたタイミングで与えます。
朝の水やりは、気温が上がり始める前と気温が下がり始めた頃に与えます。日中の気温が高いときに与えると、太陽光で根を傷めたり、水滴がレンズ代わりになって茎葉を傷めてしまいます。
プランター栽培の場合は、鉢底から水が染み出るまで与えましょう。露地栽培では1株につき1回あたり約1.0~1.5Lが目安です。
雨の日や曇りの日は病害の発生を助長するので水やりはしなくてもかまいません。
ただし、マンションのベランダや雨が当たらない場所で栽培していて雨が何日も続くときは、用土の表面が乾いてたら水やりをしましょう。そのときは、いつもより量を少なめにします。
ルッコラを株採りで収穫するときの追肥は不要です。元肥を中心に育てましょう。ただし、茎葉の色が薄いときや株の生育が悪いと感じたときは追肥を行ってください。
外葉を摘み採りながら長期収穫するときは、2回目の間引きが終わった頃から開始し、以降は2週間おきに施します。
即効性の化成肥料を1株あたり5~10gほど株周辺にパラパラとまいて、表面の用土と軽く混ぜ合わせて株元に寄せておきます。水やりを兼ねて1週間に1回液肥を与えるのも効果的です。
外葉を摘み採りながら育てるときは、茎葉を摘み取ったタイミングで液肥を施しておくと長期の収穫が楽しめます。
ルッコラの収穫方法と収穫時期・収穫どきはいつ?収穫のタイミングや収穫の目安を知って美味しい頃合いを見極めましょう!
ルッコラの収穫適期は、種まきから、高温期で30~40日前後、低温期では40~50日程度、晩秋で60日以上です。
ルッコラの収穫は草丈が15cm以上になった頃で20~25cmが最も香りがよく味も美味しい時期です。
ルッコラは収穫が遅れると、苦みや渋みが増えて茎葉が固くなります。収穫適期を逃さないようにしましょう。
ルッコラは栽培スタイルに合わせて、外葉を摘み採るか、株ごと抜き取るかの2つの収穫方法を楽しめます。
ルッコラは鮮度が落ちやすく長く保存が効かないので、必要な分だけ摘み取って収穫しましょう。
ルッコラに良く発生する害虫は「アオムシ類」「キスジノミハムシ」「アブラムシ類]などです。
中でもアオムシやコナガは放っておくと葉っぱが穴だらけになってしまいます。葉の表裏に青い体色をした虫を見つけたら、早めに駆除しましょう。
ルッコラは種まきから収穫までが短いので病害被害は少なめですが、外葉を摘み取って収穫するときは病害に掛かりやすくなります。
ルッコラが掛かりやすい病害は、「白さび病」「べと病」「軟腐病」などがあります。病害が発生したら早めに対策をしましょう。
真夏と真冬を除けば1年中育てられますが、初心者は涼しい時期に育てると失敗がありません。
日差しが強い気候で育てると苦みが強くなるので、夏場に育てる時は水やりするなど涼しい環境で育てましょう。
外葉を摘み取りながら長期収穫する時は、収穫後に追肥を施しておきましょう。プランターや鉢で育てる時は、水やりを兼ねて液肥を与えると長期間収穫が楽しめます。
▷家庭菜園で簡単野菜作りVegetableBeginnersguide
YouTubeの動画でも野菜の育て方や野菜作りのコツなどを分かりやすくご紹介しています。チャンネル登録おすすめです。