ブロッコリーが育たない主な原因は、栽培時期があっていない・日当たりが悪い・気温が低い・気温が高い・土壌が悪い・株間が狭い・土壌酸度が合っていない・水不足・連作をしている・害虫の被害にあっている・病害に合っているなどです。
「ブロッコリーが育たない」「苗が大きくならない」「苗が小さい」「苗の生長が遅い」「葉が枯れる・萎れる」「花蕾が紫色になった」「花蕾が大きくならない」「花が咲いた」といった、失敗しやすいトラブル例と解決方法は?
ブロッコリーを育てる時に起こりやすい問題や疑問の解決方法を野菜栽培士がお教えします!トラブルの原因と対策を覚えてブロッコリー栽培の失敗を防ぎましょう。
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ブロッコリーはさまざまな料理に使える便利な野菜です。家庭菜園でもブロッコリーを育てている方は多いでしょう。ブロッコリーは栽培方法や栽培管理を失敗すると、収穫までにさまざまなトラブルが発生します。
ブロッコリーがうまく育てられないときは必ずその原因があります。苗が大きくならない・育たないなら、その原因を見つけることがトラブルを解決する糸口になります。
大事なことはブロッコリーの性質や特徴を知りながら栽培することです。ブロッコリーがどのような野菜でどのような環境を好むかなど、特徴を知っておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。
ブロッコリーの原産地は地中海沿岸からヨーロッパにかけてと言われています。土壌への適応性が高く栽培温度の適応幅も広いのが特徴です。
ブロッコリーの苗が大きくならない・生長しない原因を具体的にあげて解決方法を解説していきます。
ブロッコリーの苗が育たない・苗の成長が遅いときは以下の原因が考えられます。
a.日当たりが悪いと大きくならない
日当たりの良い場所で育てることが生長をよくするコツです。日当たりが悪いと生育不良になるだけでなく、害虫や病害の発生を助長します。
1日に最低でも5~6時間は太陽光があたる場所で育てましょう。
b.気温が低い・高いと大きくならない
ブロッコリーの生育に適したは15~20℃です。種まき時期だけでなく栽培期間中の気温も考慮して種をまくことが大切です。気温が低い時期はトンネル掛けやマルチなどで地温を上げ、気温が高い時期は日よけをするなど対策しましょう。
c.土壌が合っていないと大きくならない
ブロッコリーは多湿を嫌いますが、極度の乾燥も苗の生長を悪くします。栽培する用土は、保水性がありつつ通気性と通水性の良いものを選びましょう。
乾き過ぎず湿り過ぎずがベストです。手で握って形が崩れない程度の湿り気を目安にしましょう。
また土壌が酸性に傾かないことも大切です。pH6.0~6.5の範囲が適切な範囲です。
d.植え付け時期を間違うと大きくならない
春まきは3月~4月中旬(寒冷地は4月~6月)まで、夏秋まきは8月下旬~9月上旬まで。(寒冷地は春まきのみ)
f.株間が狭いと苗が大きくならない
ブロッコリーの花蕾を大きくするには、花蕾の肥大が始まるまでに外葉を大きく出きるかがポイントになります。
そのためには、葉が広がるだけの株間をしっかりと確保して、日当たりと風通しを良くすることが苗を大きくするコツです。
苗の植え付け間隔が狭いと、日当たりや風通しが悪くなるだけでなく、隣り合う株同士で養分や水分を取り合うことになります。
種から育てるときは葉と葉が触れ合ったら間引きを行って、最低でも40~50cmは株間を確保しましょう。
g.連作障害
ブロッコリーは連作障害があります。同じ場所に植えると苗の生育が悪くなります。最低でも2~3年は間隔を空けるようにしましょう。
連作すると初期の段階ではそれなりに生長しますが、途中で枯れたり萎れたりする苗が増えます。
ブロッコリーの茎が強風や大雨・作業中の不注意で折れてしまうことがあります。残念ですが、茎が折れてしまった苗には大きな花蕾がつくことはありません。
ブロッコリーの花蕾は主茎(中央の一番太い茎)の頂点につく花蕾がもっとも大きくなります。この花蕾のことを「頂花蕾」といいます。
ただし、頂花蕾がつく主茎が折れてしまっても、脇芽から新しい茎が伸びてその先に「側花蕾」という一回り小さな花蕾がたくさんつくようになります。
主茎が折れてしまても、株を抜き取らずにそのまま栽培を続けましょう。
ブロッコリーの苗が枯れる原因と対策について詳しく解説します。
ブロッコリーが枯れる原因はいくつかありますが、代表的な原因は以下になります。当てはまっていないかをCheckしてみましょう。
a.病害に掛かっている
ブロッコリーは「菌核病」「苗立ち枯れ病」「萎黄病」「軟腐病」などがよく発生します。
多くの病害はカビや細菌が原因で多湿によって発生しやすくなります。生育環境(日当たり・風通し・温度・水分量)の改善を行いましょう。
生育環境を改善しても病害が蔓延するときは薬剤による治療を行うことも検討してください。
b.水やりが不足している
何日間も水やりをしていないと苗が枯れる原因になります。用土の表面が乾いたときが水やりのタイミングです。特にプランター栽培では水分が不足しやすくなります。
ブロッコリーは水を与える量が多すぎて多湿になると病害にかかりやすくなります。回数を増やすのではなく間を空けて1回でたっぷりと与えるのがポイントです。
ブロッコリーが萎れる原因はいくつかありますが、代表的な原因は以下になります。当てはまっていないかをCheckしてみましょう。
a.水やりが少ない
ブロッコリーは長期間の乾燥状態が続くと株が萎れてしまいます。早めに気付いけば水やりを行うと萎れの状態から復活しますが、長期間放置すると枯死することもあります。
b.肥料の量が間違っている
ブロッコリーが萎れる原因に肥料過多や肥料不足があります。
葉が枯れるときはマグネシウムやカルシウムなどのミネラル分が不足しているサインです。
肥料が足りないと葉が枯れる原因になるので、苗を植え付けて1ヶ月ほど経ったら追肥を開始しましょう。
肥料は多すぎてもいけません。肥料が多すぎると根の水分が肥料に奪われてしまって枯れの原因になります。
肥料が効きすぎていると茎葉の緑色が濃くなり、害虫の被害にも遭いやすくなります。
c.霜にあたる
秋まき以降では霜にあたると葉が傷んでしまいます。トンネル掛けなどをして対策をしましょう。
d.凍害に遭う
厳寒期に零下まで気温が下がると茎葉が凍結して萎れてしまいます。気温が低い時期はトンネル掛けなどをして低温対策をしておきましょう。
ブロッコリーの花蕾が大きくならない(花蕾が小さい)原因を詳しく解説します。
ブロッコリーの花蕾が大きくならない原因はいくつかありますが、その一つはボトニングという現象が起こっている場合があります。
ボトニングとは早期抽苔とも言われ、株が十分な大きさになる前に極度の低温にさらされると通常より早く花芽をつけてしまう現象です。
ボトニングは春まきや晩秋以降の栽培で起こりやすくなります。
ブロッコリーは、低温や肥料切れ・活着不良などによって、花蕾の肥大に必要な葉数が揃わないと花蕾が大きくなりません。
苗が小さいうちに低温に当たるとボトニングが起こりやすくなるので、苗がある程度大きくなるまでトンネル掛けなどで保温しながら栽培しましょう。
晩秋や春まきでは、早期抽苔しにくい品種を選ぶこともポイントです。
ブロッコリーの茎葉や花蕾が紫色になることがあります。これは葉に含まれるアントシアニンという成分が原因です。
アントシアニンは冬の寒さから身を守るために起こるブロッコリーの自然現象です。低温の日が連続すると発生しやすくなります。
収穫間際に変色したときは問題ありませんが、幼苗期に発生したときは生育不良になるサインなので、苗が大きくなるまではトンネル掛けなどで保温しましょう。
アントシアニンはポリフェノールの一種なので、食べても何ら問題はありません。
1つの株からいくつもの花蕾ができることがあります。これは苗が小さい頃に害虫の被害などによって生長点が傷付いたりなくなってしまったりしたことが原因です。
主枝(中央の一番太い茎)の生長点がなくなってしまうと、脇芽(側枝)が何本も伸びて、そこに花蕾をつけるようになります。ただし、小さな花蕾しかできません。
苗が小さいうちはトンネル掛けをして害虫の被害を予防することが大切です。
ブロッコリーの葉がボロボロになる・葉に穴があくのは害虫の仕業かもしれません。
ブロッコリーの葉を食害する虫は「アオムシ」「コナガ」「カブラヤガ」「タバコガ類」です。
葉が食害されて穴だらけになると、病害が発生しやすくなり花蕾も大きくならないので、トンネル掛けなどで害虫対策を行っておきましょう。
ブロッコリーの花蕾の中にアブラムシが発生することがあります。発生してから薬剤をまくと中で死んでしまうため、発生前に対策しておくことが大切です。
アブラムシは市販の退避テープや粘着テープが効果的です。
万が一発生してしまった時は、退避薬を散布するか強めの流水をかけて洗い落とすかしましょう。
追肥の量(窒素分)が多すぎると、ホローステム(花茎空洞症)という空洞化現象が起こり花茎にスが入ってしまいます。茎を食べたい方は注意しましょう。
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