ニンジンが育たない主な原因は、栽培時期が間違っている・日当たりが悪い・気温が低いまたは高い・用土が古い・土壌酸度が合っていない・水不足・多湿・連作をしている・害虫や病害の被害に遭っているなどです。
ニンジンの苗が育たない・苗が大きくならない・苗が枯れる・苗が萎れる・根にこぶが出来た・根が細い・葉が黄色くなった・茎が細い・花が咲いた、など。
ニンジン栽培で失敗しやすい問題やその解決方法を野菜栽培士が分かりやすく解説しています。
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ニンジンの苗の成長が悪いときや遅いときの原因はいくつかあります。その失敗例を見ながら対策をしてみましょう。
ニンジンの種まきは春と夏の2回です。春まきは3月からで夏まきは7月からと、ニンジンに限らず野菜にとって栽培の難しい時期になります。
ニンジンは発芽させれば成功と言われるほどで、発芽させるのは難しいのですが、その後の管理は容易な部類です。
ニンジンは18~22℃が最も生長がよくなる温度です。
根が大きくなる期間に最適な温度になるように種まきをするのが根を大きくするポイントです。
季節外れに栽培すると生長が思うように進みません。
ニンジンの苗の成長が遅いときや苗が大きくならない要因を分かりやすく解説します。
a.日当たりが悪いと育ちが悪い
ニンジンは強い日光を好みます。生長が悪いときは日当たりの良い場所で栽培してみましょう。最低でも5時間/1日は太陽光が当たる場所が理想です。
日当たりが悪いと生育が遅くなるだけでなく病害の原因にもなるので注意しましょう。
ニンジンは密植も可能ですが、太陽の当たり方を考えて株間は15~20cmは確保しておきます。他の株の影にならない工夫が大切です。
b.土壌が悪いと育ちが悪い
ニンジンは本来、水辺に生息する植物です。保水性がありながらも通気性の良い土壌を好みます。乾き過ぎず湿り過ぎずを心がけましょう。
また土壌酸度にも注意が必要です。ニンジンはPH6.0~6.5の範囲が適切な酸度です。
c.植え付け時期が早い(遅い)と育ちが悪い
気温が低い時期は苗の生育が遅くなります。日中の気温が20℃前後、夜間で10℃以上ある時期が栽培の最適期です。
3月~4月上旬の気温が低い時期に苗を植えつけたときは、不織布のべた掛けすると発芽や初期の苗の生育が良くなります。半月程度早く収穫する事ができます。
株数が少ないときやプランター栽培では、プラスチック製のドームカバーやナイロンなどを苗の上から被せておくと保温対策になります。
気温が高くなったらカバーは取り外しておきましょう。
d.連作障害になると育ちが悪い
ニンジンは連作障害があります。毎年同じ場所に植えると生育が悪くなったり病害にかかりやすくなります。
同じ場所で栽培するときは、最低でも2~3年は間隔を空けるようにしましょう。
ニンジンの苗が萎れる原因はいくつかありますが代表的なものは以下になります。
a.病害に掛かっている
ニンジンの苗が萎れる代表的な病害は「軟腐病」で、苗の根や茎の部分が褐色に腐敗しはじめ、やがて茎
何度も発生するときは、土壌を含め生育環境の改善を行ってください。原因菌は土中に残るため、種まき用の培養土は常に新しいものを使いましょう。
b.害虫の被害にあっている
ニンジンには「カメムシ類」「ネコブセンチュウ」「キアゲハの幼虫」といった害虫が発生します。
幼苗期に害虫の被害にあうと、茎葉が縮れたり萎れたりするので要注意です。幼苗期はトンネル掛けをして成虫の飛来を予防しましょう。
c.用土の乾燥・肥料不足
水やりが少なく乾燥気味になると生育が悪くなり、さらに極度の乾燥が続くと茎葉が萎れてしまいます。
また、ニンジンは株の生長が遅いので元肥だけでは肥料不足になりがちです。1回あたりの量を増やすのではなく、回数を分けて少しずつ与えるのがポイントです。
発芽して約2週間ほど経ったら追肥を開始しましょう。
ニンジンの苗が枯れる原因はいくつかありますが、生育不良で枯れるのか、正常な生育過程での枯れなのかを判断して対策をすることが大切です。
a.病害にかかっている
ニンジンが枯れる病害には「褐斑病」や「葉枯れ病」があります。8月~11月の晴れと雨を繰り返すときや日照りが長く続くときによく発生します。
初期は茎葉の先が枯れはじめ、次第に株全体に拡がっていくのが特徴です。治療が困難なほど株全体が枯れたときは、株ごと抜き取って他の株への影響を防ぎましょう。
b.水不足
ニンジンはアフガニスタンの水が豊かなヒンズークシ山脈とヒマラヤ山脈の合流地点一帯が原産地と言われています。
適度な湿り気がある用土と日当たりの良い場所を好むため、水分が不足すると生長が悪くなり、極度に乾燥すると先端から枯れ始めます。
ニンジンは幼苗期の光量不足や肥料過多が原因で徒長(茎ばかりが伸びる状態)気味になります。
元肥には遅効性(ゆっくり効くタイプ)を使って、追肥は植え付けから1ヶ月半経ち、苗の生長がよくなり始めてから与えるようにします。
株の上部の新葉の色が淡いときは徒長しやすいサインなので、過度の追肥は不要です。
ニンジンの葉の表面に粉が吹いたようになるのは「うどんこ病」です。早期に対策すれば大きな被害にはならないので早期発見早期治療を心掛けましょう。
ニンジンのうどんこ病が発生しやすいのは春の終わりや秋口の低温で乾燥が続いたときです。日当たりが悪く風通しの悪い場所で栽培しているときは環境を改善してみましょう。
うどんこ病を防ぐには、日当たりの良い場所で育てること、株と株の間隔を空けて苗を植えて風通しをよくすること、乾燥が続かないよう水やりをしっかりと行って適度に湿度を保つことです。
被害広がると株全体が枯れたり実の付きが悪くなったりします。被害に遭った葉は早めに取り除いて株全体に拡がったときは薬剤による治療も検討してみましょう。
収穫の間際にうどんこ病が発生したときは、治療よりも収穫を終えることを優先しても大丈夫です。
ニンジンの葉が黄色くなって枯れるときは病害が原因かもしれません。
ニンジンの葉が黄色く変色したときは肥料が不足しているときです。ニンジンの生長は遅いので元肥だけでは後半になると肥料不足の状態になることがあります。
株の生長が活発になった頃から、即効性の肥料を1~2週間のペースで与えるようにしましょう。水やりを兼ねて薄めた液肥を与えるのも効果的です。
ニンジンの葉が黄色くなって枯れるときは病害が原因かもしれません。
ニンジンは株がある程度の大きさに生長してから低温に当たると花芽をつける性質をしています。秋以降に収穫を始めたときは気温が上がる前に収穫を終えるようにしましょう。
また、秋以降に夏まき専用の品種をまいたときも、とう立ちして花芽をつけてしまいます。秋以降の栽培では、春まき用の「晩抽性品種」を選ぶようにしましょう。
トウ立すると根の栄養を花芽の生長に使うため品質が落ちてしまいます。花芽をつけてしまった株は早めに収穫することをおすすめします。
ニンジンの根が細い・根が太らない・根が太くならない、これらの原因と対策について解説します。
ニンジンの根が細くなるのは栄養不足と水不足が主な原因です。
追肥をしっかりと行っているのに根が太らないのは株間不足が原因かも知れません。ニンジンの根を大きくするには間引きのタイミングがポイントです。
間引きをしなかったり間引きの時期が遅れたりして株同士の間隔が狭くなると、水分と養分を奪い合って根が細くなってしまいます。
また肥料不足でも根が太らない原因になります。追肥を間引きのタイミングで必ず行って、最終の間引きが終わったあとも2週間に1回のタイミングで追肥を施しましょう。
根が細くても味は変わらないので、スティックサラダなどに利用するのもいいでしょう。
ニンジンの根が複数(二股・三股)になる(又根になる)原因は、肥料濃度障害や土中にある障害物によって生長点が障害を受けたことが主な原因です。
小石や腐葉土など大きな堆肥物、固形の肥料などが土中にあると、そこから根が割れてしまいます。病害ではなく生理障害の一つです。
根が割れたニンジンは食べても健康上の問題はありません。土作りのときに小石など障害になるものを丁寧に取り除いておきましょう。
ニンジンの根にこぶができたり、表面が凸凹していたり、イビツな形をしているときがあります。これはネコブセンチュウという土中に潜む虫が原因です。
根の表面に寄生されると、表面が凸凹になる・根がくびれる・根が二股や三股になる・根が曲がるなどの症状が出ます。
連作で前の野菜の栽培中にネコブセンチュウがいた場合などに被害を受けます。センチュウ類は50℃以上の高温に弱いので、栽培前に太陽光で用土を消毒しておくのも有効です。
ニンジンの根が縦に割れた・根が割けた、これらの症状は根の肥大が始まってからの乾燥後の大雨や水やり過多です。病害ではなく生理障害が原因です。
根は本葉が3~4枚頃から始まります。これ以降の土中水分の急激な変化は裂根の原因となるので、乾燥のし過ぎや大雨に注意しましょう。
ニンジンには「キアゲハの幼虫」「ヨトウムシ(ネキリムシ)」「アブラムシ」といった害虫がよく発生します。
害虫の中でもキアゲハの幼虫は、幼苗期の時期だと茎葉がなくなるほどの被害が出るので要注意です。
数が増える前に見つけ次第捕殺しましょう。幼苗期のトンネル掛け栽培も害虫予防に有効です。
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