ニンニクが育たない主な原因は、栽培時期があっていない・日当たりが悪い・気温が高いまたは低い・土壌が合っていない・水不足・用土が多湿になっている・連作をしている・害虫や病害の被害に遭っているなどです。
ニンニクが育たない・苗が大きくならない・球が小さい・苗の生長が遅い・葉が枯れる・葉が萎れる・葉の色が薄い・花が咲いたなど、失敗のトラブル例と解決方法をご紹介します。
ニンニクを育てる時に起こりやすい問題や疑問の解決方法を野菜栽培士が解説しています。
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ニンニクは長期保存が効き、香味として使える便利な野菜です。家庭菜園でもニンニクを育てている方は多いでしょう。ニンニクは栽培方法や栽培管理を失敗すると、収穫までにさまざまなトラブルが発生します。
ニンニクをうまく育てられないときは必ずその原因があります。苗が大きくならない・育たないなら、その原因を見つけることがトラブルを解決する糸口になります。
大事なことはニンニクの性質や特徴を知りながら栽培することです。ニンニクがどういった野菜でどのような環境を好むか、ニンニクの特徴を知っておくと失敗を未然に防ぐことができます。
ニンニクはアジア原産の香辛野菜です。生育適温は10~20℃と冷涼な気候を好み、酸性土と乾燥を嫌います。
ニンニクの苗が大きくならない・生長しない原因を具体的にあげて解決方法を解説していきます。
ニンニクの苗が育たない・苗の成長が遅いときは以下の原因が考えられます。
a.日当たりが悪いと大きくならない
日当たりの良い場所に苗を植え付けることが失敗を防ぐポイントです。1日に最低でも5~6時間は太陽光を当てるようにしましょう。
b.気温が高いと大きくならない
ニンニクの生育適温は10~20℃です。ニンニクの植え付けは9月から可能ですが、気温が高い時期なので、涼しい場所で芽出しをして適期に植え替えをしましょう。
c.土壌が合っていないと大きくならない
ニンニクは多湿を嫌います。栽培用土は、保水性がありながらも通気性と通水性の良い土を使いましょう。
また土壌が酸性にしないこともポイントです。pH6.0~6.5の範囲が適切な範囲です。
d.植え付け時期を間違うと大きくならない
ニンニクの植え付け時期は10月上旬~11月中旬まで。(寒冷地は9月上旬~10月中旬まで)
f.株間が広いと球が大きくならない
ニンニクの球を大きくするには、株間を狭くすることがポイントです。根と根が触れ合うことで隣り合う株同士が競争するからだと言われています。
苗を植え付ける間隔は株間15cm、条間15cmが目安です。
g.畝が低いと苗が大きくならない
ニンニクは高畝にすると育ちがよくなります。ニンニクは単子葉植物といって根も地上の茎と同じように地中にまっすぐに伸びる性質をしています。
畝の高さは20cmが目安です。
h.連作障害
ニンニクは連作障害があります。同じ場所に植えると苗の生育が悪くなります。最低でも1~2年は間隔を空けるようにしましょう。
連作すると初期の段階ではそれなりに苗は生長しますが、途中で枯れたり萎れたりすることが多くなります。
ワンポイントアドバイス
ニンニクは秋に種球を植え付けると年内に葉の数が4~6枚まで生長して冬の間は生長が止まります。翌春になって気温が上昇してくると新芽がふたたび伸びるようになります。
ニンニクの球が小さくなる原因はいくつかあります。「気温が高い」「追肥の量とタイミング」「水の量」「株間が広い」「花芽を取らなかった」などです。
大きなニンニクを結球させるには、冬の低温期に入る前に葉の数を4~5枚まで育てておくことがポイントです。ニンニクは株間を狭め(約15cm)にすると球が大きくなります。
追肥は2月頃に葉の展開が始まる前に1回、3月下旬~4月上旬の球の肥大が始まる前に行いましょう。
水やりは球の肥大が始まるまではやや乾燥気味に球の肥大が始まる頃に始まる頃には極度の乾燥状態にならないようにしましょう。
春になると花芽(ニンニクの芽)ができますが、取らずに放置すると球に栄養がいかなくなり球が小さくなります。
ニンニクの苗が枯れる原因と対策について詳しく解説します。
ニンニクが枯れる原因はいくつかありますが、代表的な原因は以下になります。当てはまっていないかをCheckしてみましょう。
a.病気に掛かっている
ニンニクは「葉枯れ病」「モザイク病」「さび病」「軟腐病」などが発生します。
多くの病気は多湿によるカビや細菌が原因です。生育環境(日当たり・風通し・温度・水分量)の改善を行いましょう。
生育環境を改善しても病気が蔓延するときは薬剤による治療を行うことも検討してください。
b.水やりが不足している
ニンニクは冬の間は生長は鈍くなりますが定期的な水やりは必要です。用土を極度に乾燥させてしまうと苗が枯れる原因になります。
用土の表面が乾いたときが水やりのタイミング。特にプランター栽培では水分が不足しやすくなります。用土を軽く掘って中がカラカラだと乾燥しすぎのサインです。
ただし冬の間は水やりが多すぎると多湿になり病気にかかりやすくなります。回数を増やすのではなく間を空けて1回でたっぷりと与えるのがポイントです。
夕方以降の水やりは凍結の原因になるので、日中の暖かい時間帯に与えましょう。
ワンポイントアドバイス
ニンニクは収穫時期になると自然と葉が枯れていきます。6月以降に葉が枯れるときは収穫適期のサインなので心配はいりません。
ニンニクの茎や葉が萎れるときは苗の調子が悪い証拠です。原因を早急に見つけて対策を行いましょう。
a.温度が高い
ニンニクは20℃を超えると萎れの原因になります。特に植え付け時期が早すぎた場合に気温が高くなりやすいので、トンネル掛けなどで温度を下げる工夫をしましょう。
b.肥料が多い
肥料は多すぎてもいけません。肥料が多すぎると根から水分が奪われてしまい萎れの原因になります。
c.霜にあたる
秋まき以降では霜にあたると葉が傷んでしまいます。トンネル掛けなどをして対策をしましょう。
d.凍害に遭う
厳寒期に零下まで気温が下がると茎葉が凍結して萎れてしまいます。株間を狭くすることで冷風に当たりにくくなります。
夕方以降の水やりも厳禁です。葉の表面や葉の中の余剰な水分が夜間に凍結し、日中になると太陽光で溶けることで萎れの原因になります。
ニンニクに花芽(ニンニクの芽)が伸びたときはどうすればいいか、花芽をそのまま伸ばすとどうなるのかを詳しく解説します。
ニンニクの芽は花芽ことで春になるとトウ立ち(中央から茎が伸びること)して蕾をつけます。
ニンニクの花芽を残してしまうと根に行くはずの養分や水分が花芽に奪われて球が大きくなりません。蕾が小さなうちに摘み取ってしまいましょう。
収穫時期でないのにニンニクの葉が黄色くなって枯れてきたら養分や水分が不足している可能性があります。
ニンニクの追肥は2月末と3月末です。4月以降になると茎葉の生長が勢いづく時期なので、この頃に水切れと肥料切れには注意しましょう。
ニンニクの葉の色が薄いときは肥料分の吸収が悪くなっているサインです。
水やりをしっかりしているときは追肥を行って、追肥をしていても葉の色が薄くなる時は水不足でせっかく与えた肥料の吸収がうまくいっていない合図です。
1つの種球からニンニクの芽が2本伸びることがあります。この原因と対策について解説します。
芽は何本も伸びても大丈夫?
あまりないことですが1つの種球から数本の芽が出ることがあります。このような場合は生育のよい芽だけを1本残して他の芽はすべて切ってしまいましょう。
複数の芽を切らずにそのまま伸ばしてしまうと、水分と養分が分散してしまいます。
ニンニクは春になると、球の中央から茎が伸びて開花する習性があります。これを抽苔またはとう立ちと言い、ニンニクの芽(花芽)と呼んでいます。
花芽がつく茎をそのまま放っておくと、養分と水分が開花のエネルギーとして使われてしまって球が小さいままになってしまいます。
ただし花芽は慌てて切り取る必要はありません。食べると美味しいので、先端につく蕾が膨らみ始めるまでに切り取れば大丈夫です。
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