ピーマンが育たない主な原因は、栽培時期があっていない・日当たりが悪い・土壌の通気性が悪い・土壌に保水性がない・土壌酸度が合っていない・水不足・連作をしている・害虫の被害にあっている・病害に遭っているなどです。
ピーマンの苗が育たない原因は?苗の生長が悪い原因は?・苗が萎れるのはなぜ?・どうして苗が枯れるの?
ピーマン栽培ではさまざまなトラブルや失敗が起きます。失敗しやすい例を具体的にあげて、その解決方法をレクチャーします。
ピーマンの苗の成長が悪いときや遅いときの原因はいくつかあります。その失敗例を見ながら対策をしてみましょう。
ピーマンは中央アメリカから南アメリカの熱帯地方が原産で、高温で多湿の環境を好みます。
ポットまきでは2月から種をまいて育てますが、気温が低く苗の生長はとても遅いのが普通です。
この時期の直まきはうまく育たないため、日中は25℃以上・夜間は18℃以上に保温することが育苗の基本になります。
3月中旬以降になって暖かい日が続くようになると一気に成長を始めるので、この頃になっても生長が遅いときは原因を探してしっかり対策しましょう。
ピーマンは種まきの時期や苗の植え付け時期が合っていないと苗の生長が悪い原因になります。
ポットまきは2月下旬から、直まきは日中の気温が20℃を超えるようになってから種をまきましょう。
種まきや苗の植え付け時期の気温が低くても高くても、芽が出なかったり苗が大きくならない原因となります。
ピーマンの苗の成長が遅いときや苗が大きくならない原因を分かりやすく解説します。
a.日当たりが悪いと育ちが悪い
ピーマンは日当たりの良い場所に苗を植え付けましょう。日当たりが悪いと生育が遅く成るだけでなく病害の原因にもなります。
最低でも1日に5時間以上は直射日光があたる場所が理想です。
b.土壌が悪いと育ちが悪い
ピーマンは保水性があり通気性の良い土壌を好みます。乾燥には弱いので乾き過ぎにしましょう。
また土壌酸度にも注意が必要です。PH6.0~6.5の範囲が適切な範囲です。
c.植え付け時期が遅いと育ちが悪い
気温が低い時期に植えると苗の生育が遅くなります。気温が低い時期は敷き藁やマルチングなどで地温を上げる工夫をしましょう。
d.水不足だと育ちが悪い
ピーマンは80~90%の土壌水分でもっとも生育がよくなります。土壌が長く乾燥すると生育不良の原因になるので水やりを忘れずに行いましょう。
気温が低い時期は用土の表面が乾いたタイミングで日中の暖かな時間帯に与えましょう。
日照が強い時期は日中の水やりは控えます。水がお湯のようになって根や葉を傷めてしまうからです。早朝と気温が下がり始める昼以降に与えましょう。
e.連作障害になると育ちが悪い
ピーマンは連作障害があります。毎年同じ場所に植えると生育が悪くなったり病害にかかりやすくなります。
同じ場所にナス科の野菜を連作するときは、最低でも3~4年は間隔を空けるようにしましょう。
ピーマンの苗が枯れる原因はいくつかありますが代表的なものは以下になります。
a.病害に掛かっている
ピーマンの苗が枯れる病害は「モザイク病」「青枯れ病」「疫病」「立ち枯れ病」などです。
病害が疑われる時は早期治療を行って他の株に発生しないよう生育環境の改善も同時に行いましょう。
b.害虫の被害にあっている
ピーマンには「カメムシ類」「タバコガ」「チャノホコリダニ」といった害虫が発生します。
中でもカメムシ類はウイルス病に感染するので要注意です。幼苗期に被害にあうと株が萎れたり縮んだりします。
c.肥料不足・肥料過多だと生育が不良になる
長期栽培するピーマンは肥料切れになりやすいので、堆肥や遅効性の化成肥料を確実に施しておきます。
苗の植え付け直後から一番花が咲き始めるまでは、追肥は施さずに苗をゆっくりと生長させましょう。肥料過多になると節間が広くなったり無駄に茎葉が増えたりするからです。
株が疲れてくる栽培後半は固形よりも液肥の方が樹勢回復には有効です。
ピーマンの苗が枯れる原因について解説します。
2月下旬の低温期に凍害や霜害にあうと苗が枯れてしまいます。トンネル掛けなどをして低温と霜対策をしっかりと行って下さい。
枯れてしまった苗は残念ですが、苗は生長が悪くなり実を付ける可能性も低くなります。
ピーマンが萎れたり枯れたりするときは病害かもしれません。苗が萎れるときは「青枯れ病」、枯れるときは「立ち枯れ病」の可能性があります。
青枯れ病は葉や茎が緑色のまま萎れて、2~3日ほどで緑色のまま枯れてしまいます。
苗立ち枯れ病は本葉が2~3枚の幼苗期の頃によく発生し、地際付近の茎が褐色に変色して細くなって萎れてその後は枯れてしまいます。
どちらも天候が悪く高温多湿の環境下でよく発生します。発病した苗は抜き取って、栽培に使用した容器と用土は感染源になるので使わないようにしましょう。
ピーマンは多日照と多水分を好むため、日当たりが悪く乾燥した場所で育てるとうまく育ちません。特に水分が不足すると茎葉の萎れの原因になります。
元気だったピーマンが突然萎れてしまった時は青枯れ病かもしれません。数日で株が枯れてしまうため、早期に発見しても手遅れになることも。
ピーマンの青枯れ病が発生しやすいのは6月~10月で、高温多湿が続くときです。
根から上昇する養分を導管中の細菌が遮断するため上部の茎葉から萎れ始めます。
初期は日中は萎れますが、曇天時や夜間に回復する状態を繰り返し、最後は回復することなく茎葉が青色のまま枯れてしまいます。
青枯れ病を防ぐには、連作を避けて、抵抗性のある「接ぎ木苗」を利用する、高畝にして水はけをよくする、過多の水やりに注意します。
ピーマンは高温を好みますが、土壌温度は高くなりすぎないようにすることが大事です。シルバーマルチや敷き藁などで地温が上がり過ぎないように対策しましょう。
ピーマンの葉が縮れる・葉にモザイク模様が現れたときは病害が原因かもしれません。
ピーマンの葉の形がおかしいときはウイルス病の一種「モザイク病」の可能性があります。
葉に濃淡のモザイク模様が出る・葉が縮れる・葉が縮む・葉がゆがむ・葉が細い・葉が萎縮するといった症状が特徴です。
ウイルス病はアブラムシやカメムシなど吸汁する害虫によって伝染する病害です。これらの害虫を見つけたら必ず駆除しましょう。
苗が小さいときはビニルシートなどで囲んだり、シルバーや白色のポリマルチを張ったりすると飛来防止になります。
ピーマンは茎枝が固いため、草丈が高くなると強風などによって株が倒れたり折れたりすることがよくあります。
ピーマンの枝が折れてしまうと、その先は生長が悪くなり実もあまり着かなくなってしまいます。
苗を植え付けた段階で(種からの場合は草丈が20cmを超えたら)、仮支柱を立てて倒伏対策をしておきましょう。
万が一、ピーマンの枝が折れてしまったときは挿し木をして新しい苗を育てる方法がおすすめです。
やり方は簡単で、折れた枝の上部の葉を数枚残して土に5~10cm挿して反日蔭に置いておくだけです。水を張ったコップに立てて根が出てから畑に植えてもかまいません。
挿し木した苗は最初は萎れて元気がありませんが、こまめに水やりをすると1週間ほどで根が張り葉っぱも元気になります。
こまめな水やりが出来ないときは1cmほど水を張ってトレーに鉢の底をつけて置く方法もおすすめです。
新芽が出始めたら日当たりの良い場所に移動させて、本葉が5~6枚になるまで育ててから畑に植え付けましょう。
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