ピーマン栽培で収穫までたどり着くには育て方のコツを知ることが成功への第一歩。初心者にも分かるように植え方から収穫までピーマンの育て方を丁寧にレクチャー。ピーマンの作り方はプランターでも露地でも簡単!家庭菜園で立派なピーマンを育てましょう!
Contents Menu
・ピーマンの植え付け時期
・ピーマンの育て方のポイント
・育てやすいピーマンの品種
・ピーマンを種から育てる
・ピーマン苗の植え付け方
・支柱の立て方・脇芽取り
・水やりと追肥のタイミング
・ピーマンの収穫時期
・ピーマン栽培まとめ
・ピーマンの病害対策
・ピーマンの害虫対策
ピーマン栽培
難易度 ★★☆☆☆
ピーマンはナス科の野菜で原産地は南アフリカ。植え付けてから長期間に渡って栽培できる長く収穫を楽しめる野菜です。
トウガラシ属の中で実が大きく肉厚で辛みがないものがピーマンです。
緑色のピーマンは少し苦みがありますが、赤色や黄色に完熟すると甘みが出るパプリカ(カラーピーマン)も人気があります。
ピーマンに含まれる栄養素は、ビタミンCやカロチン(ビタミンA)の他、ミネラル類・繊維質を豊富に含む、栄養満点の家庭菜園でも人気の緑黄色野菜です。
ピーマンの栽培は移植栽培(ポット)と直まき栽培がありますが、ピーマンは種蒔きを2月下旬頃から始めて、植え付けできるまでの育苗期間がとても長いので、初心者はホームセンターなどでポット売りされた苗から育てるのが簡単でおすすめです。
ピーマンの種まきは2月以降、苗の植え付けは春植え(4月植え・5月植え・6月植え)が可能です。収穫期間は種まきから約3.5か月(5月末から10月末まで)
ピーマンを種から植える時は3月下旬~4月上旬頃に種まきを行いましょう。種から植える時は育苗箱に種を撒き、発芽後にポットに移し替えて定植まで育てましょう。
ピーマンを種から植えた時は定植までおよそ70日~80日ほど掛かります。初心者は良い苗を作ることが難しいので市販の苗から育てる方がおススメ。
ピーマンを栽培するときのプランターサイズは標準タイプ以上(60㎝~)で深型のものを利用しましょう。
ピーマンは根を浅く張る野菜なのですが、加湿を大変嫌うため、極力深型のプランターがよいでしょう。
ピーマンの栽培用土は市販の培養土を利用するのが簡単ですが、自分で作る時は
赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~30gを混ぜ合わせた物を使いましょう。
ピーマンは多湿を嫌いますので水はけを良くするために、メッシュ付きのプランターか網に入れた発泡スチロールを底が見えない程度まで敷き詰めてやります。
その上はウォータースペースを残し、鉢の8分目まで土を入れマルチングを施し地温を高めておきましょう。
ピーマンは病害虫に強くどの品種でも比較的簡単に育てることが出来ます。
おすすめの品種は、苦みと臭みが少ない中型種の「京鈴」・果皮が柔らかくサラダに最適な「みおぎ」などです。
種から育てる時は育苗期間が長いので管理が難しいので、初心者の方は苗から育てると手軽で簡単に育てられます。
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ピーマンを種から育てる時は、育苗箱に種を植えて発芽した後にポリポットに苗を移し替え、そこでしばらく育てます。
種から植える場合は2月下旬ころに種を蒔いてから、植え付けられる大きさに苗が育つまでに70日以上かかります。
種を撒く前に布に包んで一晩水に浸けておきます。
ピーマンの育苗管理は上級者でも難しく、マルチングをしっかり行って土の湿度と温度の管理(18℃以上)を徹底して行う必要があります。
初心者の場合は4月~5月になると園芸店などである程度まで育った苗が売り出されるので、そちらを利用すると収穫まで上手くたどり着けます。
初心者はピーマンを種から植えるよりも苗から植える方が簡単でおすすめです。
ピーマンの苗の選び方ですが、本葉が10枚程度で子葉が付いていて株全体ががっちりしていて茎が太いもの、一番花が開花しているか直前の苗を選びましょう。
早い時期に売り出されている苗は購入してすぐには植え付けないで1廻り大きなポットで一番花が咲くまで育ててから定植すると上手に育てられます。
ピーマンの苗を植える時期は気温が高くなってから。気温が低い時期に植えると活着が遅れます。
ピーマンの植え方ですが、苗と苗の間隔(株間)は約20cm程度は確保して植え付けていきます。植え付けは晴天の日の午前中を選ぶと上手く定着します。
植え付け後は土の跳ね返りによる病害の発生を伏せぐためにマルチや敷き藁を施しましょう。マルチの代わりに新聞紙でも代用できます。
ピーマンの苗を定植する時は、苗の根元を指で挟み根鉢が崩れないように注意しましょう。
苗は浅めに植え付け株元を軽く押さえて水をたっぷりと与え、栽培時期(気温や地温が適温より低い時)はマルチを掛けて地温を高めにしておきます。
苗を植え付けた後は根付く(定着)までの間(約1週間)は毎日土の中にしみ込むように水分をたっぷりと与えて下さい。
ピーマンは乾燥に弱く水分を多く必要とする野菜です。用土の表面が乾いた時にたっぷりと水を与えるようにしましょう。
水やりの回数を増やすよりも一度の水やり時にたっぷりと与えるほうがより効果的。気温が上がる夏場は、朝と夕方の2回の水やりを忘れずにおこないましょう。とにかくピーマンは用土の乾燥に注意が必要です。
水やり時に泥の跳ね返りがあると病害の発生原因となってしまいます。特に青枯病にかかると数日で株が萎れて枯れてしまうので、水の跳ね返りを防ぐ理由と用土の乾燥を防ぐ理由で敷き藁やピートモスなどを敷いてやりましょう。
1番果が付いたら1回目の追肥を行います。
果実がつき始めたら1株当たり化成肥料を10g程度プランターの淵に沿って施し軽く土と混ぜ合わせてやりましょう。
ピーマンの追肥の間隔ですが、化成肥料なら月に2回ほど、液肥の場合は週に1回ほど水やりの時に与えてやります。
ピーマンの収穫期間は6月~10月下旬までと大変長いので、途中で肥料切れを起こさないように気をつけましょう。元肥と同じ配合の肥料を追肥として与えると葉が茂り過ぎてしまうので、追肥では窒素分の少ない「ぼかし肥料」を利用するようにします。
ピーマンは多肥性の野菜なので肥料切れには十分に注意しましょう。
ピーマンは株を固定する目的で支柱立てを植え付け後早い段階で行います。
プランター栽培では植え付けてから2週間ほど経った頃に一番花の上で枝分かれした2本それぞれの枝を支柱に結びつけてやりましょう。
露地栽培では1m位の支柱を合掌式か垂直に立て麻ひもなどで主茎を軽く支柱に結んでやりましょう。ポイントは結び目を支柱側にすること。
支柱は株元付近に強風でぐらぐらと動かないように地面にしっかりと差し込み、両隣の支柱と連結させると台風が来ても心配する必要が無くなります。
ピーマンはナスの様な整枝は必要がなく放任で育てますが、生育が活発になり葉が込み合った時のみ枝を間引くようにしましょう。
ただし、株間が取れないプランター栽培などでは一番果の上の枝を3~4本だけ残して整枝を行った方が育てやすくなります。上部は同様に放任栽培で構いません。
ちなみにピーマンは花の部分で枝分かれしていきます。わき芽を見つける時は花の咲いていた部分を重点的に探してみましょう。
一番果が付いたところから下に出るわき芽もすべて小さなうちに摘み取りましょう。わき芽を摘み取ってやることで株がより大きく育ちますし、そのまま伸ばすと葉が込み合って害虫発生の原因となります。
ピーマンは夏前から収穫が始まり、開花してから約2週間ほど(パプリカは50日~60日ほど)で収穫適期を迎えます。
ピーマンは果実を小さいうちに収穫して株の消耗を押さえ追肥をしっかりと施してやると、秋の初め(霜が降りる)まで長期間収穫を楽しむことが出来ます。
ピーマンは実の大きさが6~7cm程度になった時が収穫のタイミング。株を疲れさせないように早めの収穫を心掛けて下さい。収穫方法はヘタの部分からハサミで切って収穫します。
実の見た目は収穫適期を過ぎても変化がありません。実を取らずに長く残してしまうと株の成長が弱まり、後の収穫期間と収穫量が減ってしまう原因になります。長期間収穫を楽しむためにも出来るだけ実が小さいうちに取って株を大きく成長させましょう。
ピーマンは高温性の野菜なので気温が十分に上がってから植える方が上手く育てる事が出来ます。1番花が咲いている苗を購入するのがコツ。
日当たりの良い場所で育て、株元の枝葉が込み合ってきたら摘葉して風通しと日当たりを良くしてあげましょう。
生育期間中に肥料切れを起こさないように注意。
ピーマンには連作障害がありますので、ウリ科・ナス科を植えた畑に続けて植えないように注意しましょう。連作すると病害にかかりやすくなります。
ピーマンに発生しやすい病害はモザイク病と黄化エソ病です。
モザイク病の対策法ですが、モザイク病はアブラムシが原因となるウイルスを運ぶためアブラムシ類の飛来を防止すること。
また、疫病は連作を避け、多湿に注意しましょう。敷き藁等で水やりや雨の跳ね返りに注意することで発生を抑えることが出来ます。
参考:野菜に発生する病害の種類と対策
ピーマンを栽培する時に発生しやすい害虫は、アブラムシ類とハダニが良く発生します。特にアブラムシ類はモザイク病のウイルスを伝染する上、感染すると新葉や果実にモザイク症状を生じるので注意しましょう。
対策ですが、定植時に粒剤を施したり、発生初期に薬剤を散布してアブラムシ類を駆除します。薬剤を使う事に抵抗がある方はシルバーマルチやシルバーテープなどを設置して飛来を防ぐのも有効です。
ピーマンはインゲンの株間に植えると、インゲンが空気中の窒素を固定し、更に共生する菌根菌が土中のミネラルをピーマンに供給します。またお互いの害虫を退避させる効果もあります。
参考:野菜に発生する害虫の種類と対策