大豆の種まき適期は6月~7月です。日当たりと水はけの良い土壌に1か所あたり2~3粒の種を深さ1cmでまいて、本葉が2枚の頃に元気な苗を2本だけ残して間引きます。水やりと追肥・土寄せをしながら育てましょう。4か月ほどで収穫できます。
大豆栽培のプランター選び・土作り・種まき方法・苗の間引き方・苗の植え付け方法・支柱の立て方・追肥と水やり方法・病害と害虫の対策・収穫方法になどを詳しくご紹介します。
栽培難易度 ★★☆☆☆
大豆はマメ科の野菜で中国北東部が原産地です。温暖な気候と強い日照でよく育ちます。収穫までの栽培期間が長いため難易度は普通です。
枝豆を成熟させたものが大豆です。枝豆を収穫せずに放置しておくと大豆になりますが、夏まきでは品種によっては収量が減るので品種選びが成功のポイントです。
大豆の栽培に慣れていない方や少数株を育てる方は、園芸店などで販売されているポット苗から育てる方法がおすすめです。
大豆の根に付く根粒菌が空気中の窒素を取り込むので、肥料を入れなくても育ちます。開花時期に水切れになるとさやの実入りが悪くなるので注意しましょう。
科名 | マメ科 |
別名 | 茶豆・黄ダイズ・畔豆(あぜまめ)・月見豆など |
草丈 | 50~70cm |
連作障害 | あり(3~4年) |
適した場所 | 日がよく当たる風通しの良い場所 |
日当たり | 🌞 or 🌤 |
土壌酸度 | pH6.0~6.5 |
株間 | 30cm以上 |
畝幅 | 40~60cm |
畝高 | 10~15cm(平畝) |
発芽適温 | 20~30℃ |
生育適温 | 25~28℃ |
種まき時期 | 6月~7月 |
発芽日数 | 7日~10日 |
苗植え付け時期 | 6月~8月 |
収穫時期 | 種まきから約4か月 |
ダイズには寄せ植えできるコンパニオンプランツがあります。相性の良い野菜を組み合わせれば、同じ場所でたくさんの野菜を育てることができます。(参考:ダイズと相性の良いコンパニオンプランツ)
大豆は初夏に植える野菜です。種まきは6月下旬以降、苗の植え付けは7月です。
収穫は種まきから約4か月ほどかかります。種まきが遅れると寒さに当たって実入りが悪くなるので、11月頃に収穫が終わるように種をまくのがポイントです。
大豆の品種には、秋ダイズ型(晩生系)と温度に反応して開花する夏ダイズ系(早生系)、その中間型の中生系があります。
ダイズの未熟果が枝豆で同じ植物ですが、枝豆専用品種を使うよりもダイズ専用の品種が使う方が確実です。
春まきの大豆は秋ダイズ系が向いています。日長が短くなると開花・結実する品種です。
夏まきの大豆として利用される品種は主に夏ダイズ型や中間型になります。収穫までが早い「早生種]が育てやすくおすすめです。
大豆は栽培期間が長いので、収穫までが短い早生種が栽培スペースを有効に使えておすすめです。
大豆はプランター栽培と露地栽培が可能で、種からと苗からのどちらからでも栽培が始められます。ここからは大豆の育て方を解説します。
大豆の栽培を始める前にしておくことは、「道具と栽培用土の準備」栽培地の「土作り」「畝作り」などです。
大豆を育てるときのプランターサイズは中型(60㎝以上)または、大鉢タイプ(深底)がおすすめです。中型のプランターで2~3株の栽培が可能です。
大豆の株間は約30㎝(枝豆よりも少し広め)なので、小型プランターや鉢で育てる場合は深底のプランター1つにつき1~2株が目安です。
狭い場所にたくさん植えると、養分と水分を奪い合って実の数が減ったり実入りが悪くなったりします。
栽培する株数に合わせて栽培容器の種類とサイズを決定しましょう。
プランター栽培では市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに植え付けできるので簡単です。大豆栽培には実野菜用の用土がおすすめです。
大豆の栽培用土を自分で配合するときは、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10gと、化学肥料を用土10ℓ当たり10~30gを混ぜ合わせましょう。
プランターにはウォータースペースを残すために、土を入れる量は全体の7分目程度までにしておきます。
この理由は、まし土のときや水やりのときに水や泥があふれるのを防止するのためです。
畑(菜園)で大豆を育てるときは、植え付けの2週間前までに酸度調整を終わらせておきましょう。
大豆に適した土壌酸度はpH6.0~6.5です。苦土石灰をを入れて酸度調整をしましょう。(pHを1.0上げるには石灰が1㎡あたり400g必要になります。)
植え付けの直前に石灰を入れると根を傷めてしまうので注意が必要です。
大豆の露地栽培では、植え付けの1週間前になったら元肥を入れて平畝を作っておきます。
元肥は全面施肥で、1㎡あたり堆肥を2kg、化成肥料(15:15:15)を100g、苦土石灰を200gを施しておきましょう。
前作で他の野菜を栽培していたときは元肥は入れなくてもかまいませんが、大豆は石灰分を必要とするので、苦土石灰のみは施しておきます。
畝は用土をよく耕してから作りましょう。畝は高畝で、畝幅は1条植えで30~40cm、2条植えで50~60cm、畝の高さは10~15cmとします。
※条とは列のことです
大豆は土への適応性がありますが、早生種は地温が上がりやすい砂質の方が生育がよく、夏どりの品種はやや重粘で水分の多い土質が生育がよくなります。
大豆は連作に弱い野菜です。同じ場所で栽培するときは3年~4年は期間を空けましょう。
連作障害が出ると、栽培途中で枯れたり、病害になったり、収量が減ったりします。
大豆は地域にもよりますが、6月~7月が種まき適期です。株間を30cm以上確保して、深さ2cmに種を2~3粒ずつまきます。種をまいてから発芽までは約1週間です。
大豆は種からでも簡単に育てられます。畑に直接まく「直まき」とポリポットに種をまく「ポットまき」があります。
害虫の被害が多い時期や気温が高い時期はポットまきが成功しやすく、気温や環境が安定している時期は直まきでもうまく発芽します。
温度や水やりの管理が難しいと感じる方は、ポットに種をまいて苗が植え付けの大きさになるまで育てましょう。
大豆の種まき時期は、ポットまきは6月上旬から、直まきは6月中旬以降です。
7月下旬頃までに種をまけば晩秋の収穫に合いますが、寒冷地など早く低温期に入る地域では、6月末頃までに種まきを終えましょう。
大豆の発芽に適した温度は20℃~30℃です。
大豆は種をまいてから約7日~10日で発芽します。
気温が低すぎると発芽が遅れたり発芽しなかったりします。(もっと詳しく:大豆が発芽しない原因と対策 )
大豆は密植して苗を植えるので栽培後半になると除草作業が大変です。マルチングをするのも雑草対策に有効です。
また寒冷地では晩秋になると気温と地温が低くなるため、マルチングをしておくと保温対策にもなります。
大豆は1か所あたり2~3粒の種をまきます。指の第一関節あたりまで押し込むようにして用土に埋め込みましょう。種をまいたあとは手で押さえて用土と種と密着さえておきます。
大豆のポットまきは、ポリポットに種を2~3粒まいて、指の第一関節あたりまで押し込むようにして種を埋め込みます。
種を埋める深さは種の大きさの2~3倍が目安です。深まきすると発芽不良の原因になるので注意しましょう。
畑に直まきする時は株と株の間隔を30cm以上空けて点まきします。発芽率を考慮して、1か所あたり3~4粒の種を指の第一関節あたり深さに埋めます。
種まき後はたっぷりと水やりして、発芽するまでの間は、用土の表面が乾いたタイミングでこまめに水やりをします。
気温が高くなる時間に種をまくと、水がお湯のようになって豆が蒸れてしまいます。涼しい時間帯に種まきをしましょう。
大豆の間引きは本葉が2~3枚になった頃がタイミングです。茎葉が太く緑が濃く、害虫や病害の被害に遭っていないものが良い苗です。残す株の根元を押さえて不要な株を抜き取りましょう。
大豆は本葉が2~3枚になった頃が間引き時期の目安です。
間引きの時期が早いと、途中で苗がだめになったときに新たに種をまき直しになり、逆に間引きが遅れると隣り合う苗の根が絡まって、残す苗の根を傷める原因になります。
時期が来たらタイミングよく間引きをしましょう。
残したい株の根元付近を押さえて、隣り合う不要な株を手で抜き取ります。
元気な苗を2本だけ残して、他の苗はすべて間引きます。間引きの際に抜き穴ができたら、埋めるのを忘れないようにしましょう。
ダイズは7月が苗の植え付け適期です。植え穴に根鉢を壊さないようにポットから丁寧に苗を取り出して植穴の中に置きます。株元に土を寄せて子葉の近くまで埋め、手で軽く根元を押さえて根と土を密着させておきましょう。
ダイズ栽培に慣れていない方や種から育てるのが難しいと感じる方は苗から育ててみましょう。苗から植え付けると収穫まで簡単に辿り着けます。
大豆の良い苗は、子葉(双葉)と初期葉(最初の本葉)の間の茎が太くしっかりしたものです。
大豆をポットまきしたときは、発芽から約2~3週間過ぎて、本葉が2~3枚になったものが植え付け適期です。
大豆の苗を畑に植え付けるときは、風のない日を選ぶようにしましょう。風が強いと苗がストレスを受けたり茎が折れたりする原因になります。
大豆は20℃~30℃が生育適温です。6月以降が植え付け時期で、日中の気温が20℃を超えるようになったら苗を植え付けましょう。
苗を植える間隔は品種にもよりますが、株間は枝豆よりもやや広めで30cm以上が目安です。
大豆は実を着けたまま秋まで栽培を続けるため、枝豆よりも株が拡がるからです。
株間が狭いと病害に遭いやすくなるので、風通しと日当たりを良くして多湿にならないようにするのがポイントです。
・植え穴の底が凸凹していると根付くまでに時間がかかってしまいます。底は平らにならしておきましょう。
・植え付け後は根付くまでたっぷりと水やりを行いましょう。根付くと葉の生育が旺盛になります。
大豆は種まき後にハトの食害や害虫の被害を受けやすいため、発芽するまでは寒冷紗や不織布のべた掛けが鳥害対策として有効です。
種や発芽してすぐの小さな苗は鳥(ハトやカラス)や小動物の好物です。
鳥や動物からの食害や発芽不良に備えて、予備の苗をポットで育てておくと苗を植え替えることができます。
大豆のは根が表面に出ないように定期的に土寄せを行いましょう。周辺の用土の表面をほぐして株元に寄せて上から手のひらで軽く押さえておきます。
株の生育が盛んになる草丈が高くなります。強風や豪雨で株が倒れると茎葉が折れる原因になります。定期的に倒伏防止に土寄せをしておきましょう。
また、苗の根元が露出して太陽光が根に直接当たると、株の生育を弱める原因にもなります。
プランターの場合は水やりで用土が減りやすいので、定期的にまし土(用土を足すこと)をしておきます。
大豆の土寄せのタイミングは、草丈が10cmになった頃に1回目を行い、草丈が20~30cmになった頃が2回目の土寄せの時期です。
大豆は秋前(台風時期)になると草丈が高くなって雨風の影響を受けやすくなります。支柱を立てて補強してやりましょう。根入れが浅いと強風などで倒れるので、用土の深くまでしておくのがポイントです。
大豆の支柱の立てるときは、株元から少し離れた位置に長さ約1mの支柱を地中30㎝の深さまで埋め込んでおきます。
根入れが浅いと強風などで倒れやすくなるので、頑丈にしておくのがポイントです。
支柱と主茎を麻の紐やビニルの紐でゆるく結んでおきます。きつく縛ると茎を傷めるので注意しましょう。
大豆の支柱を立てる時期は、草丈が30cmを超える頃で、台風時期までに支柱を立てておきましょう。
大豆の水やりは、生育初期は少なめ、開花が始まってから収穫までの間はやや多めです。開花時期の水不足は実入りが悪くなります。水や泥の跳ね返りに注意して株元に丁寧に与えましょう。
大豆の水やりは、種まきから発芽するまでの間と苗を植え付けて根が張るまでの約1週間は、用土が乾いたタイミングでこまめに水やりをします。
種まきから発芽までの期間は気温が高い時間帯に水やりをするとまいた豆が腐る原因になります。早朝か夕方前(14時~15時頃)に水やりをしましょう。
苗が育ち始めたら、用土の表面が乾いたタイミングで水やりをすればOKです。毎日与える必要ありません。
開花が始まったら水やり量を増やしましょう。この時期の水切れは葉なの落花が増えて実入りが悪くなってしまいます。
開花の時期に水切れをすると、実の付きが悪くなってしまいます。雨が降らず晴れが続く時期は、毎日、朝か夕方にたっぷりと水やりを行いましょう。
大豆は生長に合わせて水やりを変えると生育が良くなり収穫量もグッと増えます。イメージとしては、生育初期は少なめ、開花後から増やしていきます。
大豆の追肥は与える時期と与える量がポイントです。根に付く根粒菌が栄養を株に供給するため、つるぼけを防ぐために開花までは元肥と追肥なしで育てましょう。
大豆は根に回りに付く根粒菌が空気中の窒素を栄養に変える性質があります。開花が始まるまでは、元肥と追肥なしで育てましょう。
開花前に追肥をやり過ぎると茎や葉ばかりが大きくなる「つるぼけ」という状態になって実がならなくなります。
大豆の追肥は与える時期と与える量がポイントです。肥料が効きすぎると、茎葉ばかりが大きくなって収量が減ってしまうので注意しましょう。
大豆の1回目の追肥は開花が始まったときです。ただし、生育が良いときは無理に与える必要はありません。
この時期は養分を必要とする時期なので、落花が多いときや開花量が少ないとき、葉が黄色くなっているときは追肥を行います。
2回目の追肥は1回目の追肥が終わってから約2週間たった頃です。1回目の追肥が効きすぎているときは、2回目の追肥はストップします。
大豆は株全体が枯れてカラカラに乾燥したときが収穫のタイミングです。株ごと抜き取って、風通しの良い場所でしっかりと乾燥させてから保存しましょう。
大豆の収穫時期は種まきから約4か月、苗の植え付けから約3.5か月です。
栽培する品種や栽培環境などによって収穫までの日数が前後するので、種袋の裏などに記載している収穫までの日数を確認しておきましょう。
葉や茎が茶色く枯れて莢を振るとカラカラと音がなるようになったときが収穫のタイミングです。
収穫時期が早いと、収穫した後に乾燥させる期間が長くなるので、慌てずに完熟するまで待ってから収穫するのがポイントです。
大豆を収穫するときは、株元から株ごと引き抜いて収穫します。引き抜いた株は2~3日天日で乾燥させてから、保存容器などに入れておきましょう。
大豆は畑で鞘だけを摘み取ろうとすると地上に果実がバラバラと地面に落ちてしまいます。
株数が少ないときやプランターなどで栽培しているときは、落下防止にブルーシートなどを敷くのも良いでしょう。
落花した種を放置しておくと翌年以降に発芽して、次の野菜の栽培に影響が出ることがあるので注意しましょう。
次の野菜を植える予定があるときは、全体の6~7割ほど完熟した段階で収穫しても大丈夫です。
早採りするときは、株の根元を紐などで縛って物干し竿などに房掛けし、1~2か月ほど乾燥させましょう。
乾燥が足りないと果実が腐って保存期間が短くなります。
株から果実を取る(脱穀する)ときは、新聞紙を拡げてその上に株を置いて木の棒や瓶で軽く叩くか、株が入る大きさのバケツに入れて、強く振りバケツの壁面に打ち付けて脱穀しましょう。
ちなみに傷んだ豆や虫食い跡のある豆は、粉状にすり潰して野菜の肥料として利用することができます。
脱穀したあとにはゴミが多く混ざっています。大きなゴミと虫喰いのある果実を先に手で取り除いてから、篩(フルイ)などで小さなゴミを取り除きましょう。
ゴミを取り除いたら天日で2~3日ほど当ててよく乾かしてから、密閉できる容器などで保存します。冷暗所で保存すれば1年以上は保存が可能です。
大豆は「うどん粉病」「立ち枯れ病」「灰星病」「斑点細菌病」「べと病」「モザイク病」「炭そ病」などが発生します。連作したときや高温多湿の条件病害がで発生しやすくなります。密植を避け風通しのよい環境が病害の対策になります。
大豆の苗に元気がないときは病害になっているかもしれません。大豆は病害が少ない丈夫な野菜ですが、高温多湿の環境が続くとまれに発生することがあります。
大豆が掛かりやすい病害は「うどん粉病」「白絹病」「立ち枯れ病」「灰星病」「斑点細菌病」「べと病」「モザイク病」「炭そ病」などがあります。
中でもウイルス病の一種「モザイク病」はアブラムシ等の害虫の飛来を防止することで防げます。
白絹病は、連作地や高温多湿下で発生しやすいので、連作、密植を避けることが出来ます。万が一発病した場合は株を早めに取り除くようにして下さい。
大豆には、カメムシ類、シンクイムシ類、ハスモンヨトウなどの害虫が多く集まります。害虫を見かけたら数が増える前に駆除しましょう。風通しをよくして枯葉などは除去して住処を減らすことも大切です。
大豆を栽培する時に発生しやすい害虫は、カメムシ類、シンクイムシ類、ハスモンヨトウです。
カメムシ類は発生初期に、シンクイムシ類は莢ができ始めたころにそれぞれ薬剤で防除出来ます。
ハスモンヨトウは、ふ化幼虫が葉裏に群生して食害し、上位の葉が「白化葉」になるのですぐわかります。
幼虫が大きくなると莢も食べるようになるので発生を見逃さないようにして幼虫が群生している葉ごと切り取って処分するといいでしょう。
ダイズなどのマメ類は生育初期に肥料を与えすぎると茎葉ばかりが育って実が少なるので、元肥を少なめにして生育状態を見ながら追肥で調整するのがポイントです。
大豆は浅く根を張る性質をしているため、水分を必要とする開花時期以降は用土が乾燥しすぎないように注意しましょう。
開花期から結実期かけての乾燥は落花が多くなって着莢率が低下する原因になります。
マメ科の野菜は連作ができないので、大豆を植えたあとは同じマメ科の野菜を植えるとうまく育ちません。
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