落花生栽培で収穫までたどり着くには育て方のコツを知ることが成功への第一歩。初心者にも分かるように植え方から収穫まで落花生の育て方を丁寧にレクチャー。落花生の作り方はプランターでも露地でも簡単!家庭菜園で立派な落花生を育てましょう!
Contents Menu
1.落花生栽培カレンダー
2.落花生栽培成功のポイント
3.おすすめの品種
4.落花生を種から育てる(種のまき方)
5.落花生が発芽しない原因は?
6.落花生の苗の植え方
7.落花生の水やり
8.落花生の追肥
9.間引きのタイミング
10.土寄せのタイミング
11.落花生の収穫
12.落花生の育て方まとめ
13.落花生の病害対策
14.落花生の害虫対策
ラッカセイ栽培
難易度 ★★★☆☆
ラッカセイはマメ科の野菜で、花が落ちた部分から弦が伸びて地中に実がなることから「落花生」と呼ばれています。
ラッカセイの楽しみは何と言っても収穫の時、掘り出した房に沢山の莢が付いているのを見るのは感動ものです。
ラッカセイ栽培は難しいイメージがありますが、上手に育てるポイントさえ掴めば誰でも簡単に育てる事が出来ます。
ラッカセイは完熟させるとピーナッツになりますが、掘りたての実をゆでて食べると普段とは違う甘味を味わうことが出来ますよ。
ラッカセイは病害や害虫には比較的強い野菜なので、栽培期間は長いのですが、初心者でも上手に育てられます。
種植えから収穫までが約5か月と少し長いのですが、小さな黄色い蘭のような可愛い花は観賞用としても楽しめます。
ラッカセイに含まれる栄養素は、ビタミンE・ビタミンB1・カリウム・マグネシウムなど。
薄皮の部分には抗酸化作用やアンチエイジング効果があるレスベラトロールというポリフェノールが豊富に含まれています。
落花生は春植え(4月植え・5月植え・6月植え)が可能性です。収穫時期は種まきから約5か月です。
ラッカセイの育てやすいおすすめの品種には、「千葉半立」や「郷の香」「アズマユダカ」などがあります。
丈夫な野菜なのでどの品種でも比較的よく育ちます。
ラッカセイの種はスーパーなどではなく園芸店で売っている種子用のものを購入して育てましょう。初心者は苗から育てると簡単に収穫までたどり着けます。
残った種は冷暗所に保管しておけば、2~3年は保存することが可能です。
楽天市場の人気の落花生はこちら(クリック)
amazonの落花生一覧はこちら(クリック)
落花生を栽培するときのプランター(鉢)サイズは大型で深型のタイプ(長さ60㎝、幅50㎝、深さ25㎝以上)のものを利用して育てましょう。
落花生は地中に莢がなるので、浅型のプランターだと上手く育たないことがあります。
大型で深型サイズなら2株は育てることができます。
ラッカセイの栽培用土は排水性が良く肥沃な土を利用しましょう。市販の培養土を利用すれば初心者でも安心です。
自分で作る時の配合は
赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1
それに石灰を用土10ℓ当たり10gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~30gを混ぜ合わせた物を使いましょう。
プランターに入れる用土は、ウォータースペースが残る程度、鉢の縁からは3~5㎝程度の量にします。
用土を入れ過ぎると、株よせをする時にプランターの縁より用土が流れて、水やり時や降雨時にベランダが汚れてしまうからです。
落花生を露地栽培で育てる時の土作りですが、植え付けの2週間前までに苦土石灰を200g/m²施して良く耕しておきます。
植え付けの1週間前に堆肥を2kg/m²・化成肥料を(15:15:15)50g/m²を施して十分に耕して、畝幅60㎝、高さ10~15㎝の平畝を作りましょう。
落花生は石灰分を好むため必ず苦土石灰を施しておきます。1週間前には畝を作り保温と除草のためポリマルチを張りましょう。
ラッカセイは直播きとポット播きで種まきができますが、豆類は発芽が揃いにくいのでポット播きから育て発芽の揃った丈夫な苗を選んで植え付けましょう。
9㎝ポットに種を3粒、指の第一関節まで埋め込んでやります。蒔いた後は3㎝覆土し手で土を押さえつけて密着させます。
また、種を蒔いた後は種が十分に水を吸収出来るようにたっぷりと水を与えてやりましょう。水やり量が少ないと上手く発芽しないことがあります。
落花生を畑に直播きする時は遅霜の心配が無くなってからです。種は未熟や過熟なものは避けて皮の光沢の良いものを選びましょう。
畑やプランターに直播きする時は1箇所につき3~4粒の種を並べて蒔きます。
株間は30㎝ほど取って、1粒づつ1㎝の深さに蒔き3㎝ほど覆土しましょう。
落花生の種を畑に直播きする時は、種を蒔いた後に蒔き溝部分を足で踏みつけて種と土とをしっかりと密着させるようにしてやります。
落花生の間引きのタイミングは発芽が揃った頃です。本葉が2~3枚になっら元気な苗を1本だけ残して、他の苗は全て間引いてしまいましょう。
苗の間隔が30~50㎝程度になるように間引きます。
落花生の種が発芽しない原因はいくつかありますが、種まき後の水分量(水のやり方)によることが大半です。
土壌は多湿すぎていても乾燥しすぎていても発芽率は悪くなります。落花生は地温が上がってから種をまくため多湿環境では土中で種が腐ってしまいます。
発芽率を上げるために、種をまく前に一昼夜水に浸けておき水やりの量を減らすやり方です。ポットに種まくときは苗の植え付けから逆算して30日前に行いましょう。
落花生のタネを水に浸けるか浸けないか、これは人によって意見が分かれていますが、私自身は落花生の種を蒔く前に一晩水に浸けておくと発芽が揃いやすくなるという考えです。
落花生の種は他の野菜に比べると発芽率が極端に悪い(75%以下)です。私も実際に育てましたが、そのまま植えた時の発芽率は50%以下でした。
浸水させた時の発芽率は浸水しない時と比べて極端に良くなるというわけではありませんが、経験上は若干良くなることを実感しています。
浸水させることによる影響ですが、発芽率を大幅に上げるというよりも発芽を早めるという考えで行っています。発芽が難しい種ゆえに発芽を早めることで対策が練りやすくもなります。
あと、浸水させるかどうかは植える時期にもよります。例えば気温が高く雨が多い時期(5月後半以降)だと蒔いた種が腐って発芽しないことも。逆に気温が低く乾燥しやすい時期(4月~5月頃)だと発芽しないことがあるので注意しましょう。
ただし、種をまいてからの土壌の過湿は発芽率が悪くなるため極度の水やりには注意が必要です。
参考までに全国有機農業推進協議会の理事長の金子美登氏は浸水させると発芽率が上がると著書に書いておられます。
苗は植える株数が少ない場合は、ホームセンターなどで購入して育てるのも良いでしょう。
苗選びで気を付けることは、本葉の枚数です。本葉が多い苗は根付きが悪いので、本葉は2枚、多くても3枚までのものを選ぶようにしましょう。
ラッカセイの幼苗の葉が折りたたんている時がありますが、昼は開いて夜は折りたたむのが普通なので心配はいりません。
ラッカセイは本葉が2~3枚になるまでポットで育ててから植え付けます。プランターに植え付ける時は、15~25㎝程度の株間を確保し、露地栽培の場合は30~50㎝の株間を確保します。
露地に苗を植え付ける時はポットより少し大きめの穴を掘っておいて根鉢を壊さないように丁寧に穴の中に植え付けましょう。
プランターや植木鉢に苗を植え付ける場合は、鉢の5分目まで用土を入れポットから出した苗を置きます。その後、プランターの7分目まで(根鉢の上面まで)用土を入れます。
地温を上げるためにマルチングを行っているときは、マルチに穴を開けて植え付けましょう。根が活着して開花後1週間ほどしたらマルチは除去してください。
落花生を種から育てた時は芽が出るまでの間は種がしっかり水を吸収する様にたっぷりと水やりをします。(種を浸水してからまいた場合は少なめ。)
苗から植えた時は株が根付くまでの間(約1週間)はたっぷりと水を与えてやりましょう。
落花生は苗が根付くと茎葉が一気に成長を始めます。根付いたかどうかは株の成長具合をみて判断しましょう。
その後の水やり頻度ですが、開花が始まるまでは1回の量を少なめにし回数を多めに与えます。開花後は土の表面が乾いたらその都度水やりをしましょう。
落花生の追肥のタイミングは花が咲き始める頃で、1回あたりに与える量はプランター栽培の場合は化成肥料を1株あたり5gほど、露地栽培の時は20~30g/1㎡ほどです。
ラッカセイの根には根粒菌が着生しているため空気中の窒素を吸収する性質があります。そのため肥料の窒素分が多すぎると、弦ぼけの状態になって莢の中の実が大きく育ちません。窒素成分が少なくカリ成分の多い肥料を使いましょう。
元肥は輪作で前回育てた時の肥料が効いている時は、苦土石灰のみして元肥は少なめ(または無肥料)にしても十分に育ちます。その場合は葉の色や生育状態を見て必要に応じて追肥を与えるようにすれば大丈夫です。
草丈が30~40cmに伸び分枝してきた頃(開花の子房柄が伸びる頃)に15日間隔で2回ほど周辺の土を耕して株元に土を寄せ子房柄(弦)を土中に潜りやすくしてやりましょう。
立ち性品種と這い性品種ではつるの広がり方が違うので寄せ方を工夫します。立ち性品種は株元付近に土寄せを行い、這い性品種はやや広めに土寄せを行うようにします。
マルチチングをしている場合は、花が咲き始める頃にマルチを取り除いてから株元に土を寄せてしましょう。
ラッカセイは種を蒔いてから約5か月で収穫を迎えます。10月初旬から中旬頃になると葉が全体的に黄ばんで下葉が少し枯れ落ちてきた頃が収穫適期となります。
収穫適期を逃すと土中に莢が残ってしまうのでタイミングの見極めが大切です。収穫適期を逃さないように収穫前に試し掘りをしてみましょう。
株元の土を手で掘って莢(サヤ)が膨らんでいるかどうかを確認します。莢に網目ができていれば収穫のタイミング。
小さな莢でも網目がはっきりとしていれば収穫してしまいましょう。収穫が遅れると豆の品質と食味が悪くなります。
落花生は1株の中に熟度が違う莢が付きます。7~8割の莢に網目が入った頃を見計らって株ごと収穫します。
落花生を収穫する時のコツですが、そのまま手で株を引き抜くと多くの莢が土中に残ってしまいます。
スコップなどを使って株の周囲を大きく掘ってから株ごと引き抜くように収穫しましょう。
収穫後は莢の部分を上に向けて風通しの良い場所で数日~1週間ほど風乾させておきます。
ラッカセイの実成りを良くするに、元肥は窒素成分の少ない石灰質肥料を多めに与えるようにする事が収穫量を増やすコツです。
その他に以下のような点に気を付けて栽培してみましょう。
植え付ける畑をしっかりと耕しておく
腐葉土や堆肥などを混ぜてふかふかの土作りをしておく
種植え後は水を切らさないようにする
花が咲く頃の土寄せと中耕は忘れずに行う。
以上の点に注意して育てましょう。
ラッカセイに発生しやすい害虫は、オオタバコガ・ハンスモンヨトウ・アブラムシ・オンブバッタ・ネコブセンチュウ・ハダニ・ヨトウムシなど。
害虫被害を防ぐためには苗をよく観察することが大切です。
苗の成長が活発になるとラッカセイは葉が多くなるので害虫を見つけにくくなります。「葉に穴があいていないか」「食いちぎられた葉がないか」を目印にして、しっかりチェックしましょう。
ラッカセイに発生しやすい病害は、褐斑病・そうか病・えそ萎縮病・汚斑病・白絹病・斑紋病・根腐病・灰色かび病などです。主な発生原因は加湿が原因なので、水やりは1回あたりの量を少なめにして必要以上に与えないように心掛けましょう。
特にプランターや大鉢で育てる時は、プランターの底に鉢底石や発泡スチロールを敷き詰めて排水対策をしっかりと行うことで病害を抑制することが出来ます。露地栽培では排水のよい土壌を心掛けるようにしましょう。
ラッカセイは連作でも病害に掛かりやすくなります。一度植えた畑には2~3年の間隔を空けて植えるようにしましょう。