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テーブルビートの育て方

テーブルビートは春と秋が栽培時期です。日当たりと水はけの良い場所に2~3粒の種を深さ約1cmでまいて、発芽後は間引きをしながら株を大きく育てます。主な作業は、水やり・追肥・土寄せなどです。収穫までは約2か月です。

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テーブルビートの育て方失敗しないテーブルビート栽培のコツ


失敗なしでテーブルビートを栽培しましょう!

テーブルビートの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。

種まき適期や植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています

Contents Menu

  1. テーブルビートの栽培難易度と育て方のコツ
  2. 栽培時期
  3. 育てやすい品種
  4. 種まき
  5. 間引き
  6. 水やり
  7. 追肥
  8. 収穫
  9. 害虫対策
  10. 病害対策
  11. テーブルビートの育て方まとめ

テーブルビートの栽培難易度と育て方のコツ

栽培難易度★★☆☆☆

テーブルビートは春と夏に種まきができ、収穫までの栽培期間が短く栽培が容易なので、初心者の方でも育てやすい根野菜の1つです。

テーブルビートの育て方のポイント


テーブルビートは株に似ていますが、実はホウレンソウと同じアカザ科の野菜です。

「ビーツ」「ビート」「赤ダイコン」とも言われる地中海沿岸・ヨーロッパ・中近東諸国に分布する野菜で、ロシア料理のボルシチの材料などで有名です。

酸性土を極端に嫌うので植え付け前に酸度調整をしておくことが上手に育てるポイントです。

寒さには強いのですが、暑さには弱い性質をしています。乾燥にも弱いので、高温期(8月~9月上旬)の水不足には注意しましょう。

畑に色鮮やかなテーブルビートを植えるだけで、賑やかで楽しい気分に浸れる、そんな素敵な根野菜です。

テーブルビートに含まれる栄養素は、ビタミンやミネラルが多く含まれます。中でも鉄分が豊富で飲む血液とも言われるほどの健康野菜です。

テーブルビートの栽培方法


テーブルビートはあまり馴染みがない野菜かも知れませんが、肉部は柔軟・多汁で味は甘味があって美味しい野菜です。

カブ同様に様々な料理に使えて便利です。テーブルビートを使った代表的な料理には、サラダ・ボルシチ・シチュー・ゆで野菜などがあります。

テーブルビートの栽培データ

科名 アカザ科
別名 カエンサイ・火焔菜・ビーツ・テーブルビーツ・レッドビート・ガーデンビートなど
草丈 50~60cm
連作障害 あり(1~2年)
適した場所 日がよく当たる風通しの良い場所
日当たり 🌞 or 🌤
土壌酸度 pH6.0~6.5
株間 10~15cm以上
畝幅 50~80cm
畝高 10~15cm(平畝)
発芽適温 15~25℃
生育適温 15~20℃
種まき時期 3月~4月・8月~9月
発芽日数 7日~10日
苗植え付け時期 4月~5月・9月~10月
収穫時期 種まきから約2か月



栽培時期

テーブルビートは春から秋が栽培時期です。

春まきは3月~4月(苗の植え付けは4月~5月)で、夏秋まきは8月~9月(苗の植え付けは9月~10月)です。

収穫までは種まきから約2か月です。


栽培カレンダー

テーブルビートの植え付け収穫カレンダー




育てやすい品種

テーブルビーツは地中海沿岸・ヨーロッパの野菜なので、日本ではあまり馴染みがない野菜です。種からでも簡単に育つので、ぜひチャレンジしてみましょう。

品種は色々なものが出回っていますが、どれを選んでも育て方に大きな違いはありません。

「デトロイドダークレッド」・「ビートルート」などが人気の品種です。


テーブルビートの栽培方法

テーブルビートは土作りが終わったら種まいて、苗を間引き少しずつ株の間隔を広げていきます。日々の管理は水やりと追肥、土寄せが主な作業になります。ここから先はテーブルビートの栽培方法を具体的に説明していきます。

テーブルビートに適したプランターサイズ


プランターの選び方

テーブルビーツを育てるときのプランターサイズですが、標準タイプ(60cm~65cm)以上のものを利用しましょう。

テーブルビーツは根を浅く張りあまり大きくならない性質をしているため、深さが15cm以下のプランターで栽培しても上手に育てられます。


栽培で使う用土の種類

テーブルビーツの栽培に適した用土は市販の培養土を利用すると袋から空けてすぐに植え付けできるので便利です。

テーブルビート栽培に使う用土の種類


自分で配合したものを使うときは、赤玉土5:砂2:バーミキュライト3、それに石灰を用土10ℓ当たり10gと化学肥料を用土10ℓ当たり20g混ぜ合わせた物を用意しましょう。

土壌酸度(pH)

テーブルビート栽培に適した土壌酸度はpH6.0~6.5です。


露地栽培(土作り・畝作り)

露地栽培では植え付けの2週間前までに土作りを済ませておき、植え付けの1週間前に元肥を施しておくようにしましょう。

テーブルビートの土作り


土作りのやり方

テーブルビートの土作りですが、植え付けの2週間前に1㎡あたり150~200gの苦土石灰を全体にまいて、石灰の塊りが残らないように丁寧に耕しておきます。

植え付けの1週間前までに、堆肥を2㎏/1㎡と化成肥料を100g/1㎡を畑全体にまいて良く耕しておきましょう。土の塊りがあるとまた根(根が割れること)があります。

畝作りのやり方

テーブルビート栽培に適した畝は、幅50cm(一条)~80cm(二条)、高さ10~15cmの平畝です。


テーブルビートの種まき

テーブルビートは直まきとポットまきができます。間引き菜を収穫しながら育てるときは筋まき、少数株を育てるときは点まきがおすすめです。筋まきは1cm間隔で、点まきは15cm~20cm間隔で種をまきましょう。

テーブルビートの種まき


テーブルビートを種から育てる

テーブルビーツの種は種球といういくつかの種子の塊りで、1つの種球に数粒の種がくっついてできています。1つの種をまくと種子の数だけ芽が出ます。

種まき時期

テーブルビートの種まきは春(3月~4月)と秋(9月~10月)です。

発芽適温

テーブルビートの発芽適温は15℃~30℃です。適温から大きく外れているとうまく発芽しません(参考:テーブルビートの種が発芽しない原因と対策

種をまく間隔(株間)

テーブルビートの株間は10~15cmです。直根性の(根をまっすぐ下に伸ばす)野菜なので、葉は広がりますが、株間は狭くても大丈夫です。

2列以上で育てるときは、列の間隔を30cm以上あけます。


種のまき方

テーブルビートは直まきとポットまきができます。点まきか筋まきで種をまきましょう。

直まき

点まきは1か所あたり3~4粒、筋まきは1cm間隔で種をまきます。

点まきは育てる株数が少ないときやプランター栽培向け、筋まきは露地栽培や間引き菜を収穫したいときにおすすめの種まき方法です。

ポットまき

露地栽培でテーブルビートを育てるときはポリポットで発芽させてから植え替える方法がより確実です。

ポリポットに2~3粒ずつ種をまいて、草丈が5~6cmになる頃に畑に植え替えましょう。

種まき後にすること


種まきのコツとポイント

種をまいた後は周辺の用土を寄せて盛土して用土の表面を手のひらで軽く押さえておきましょう。

盛土した後に押さえるのは水をやる時に用土が流れてしまうのを防ぐのが理由です。種を植えた後は種子が流れないように丁寧に水やりしましょう。

種まき後の水やりが少ないとうまく発芽しません。発芽するまではしっかりと水やりをしましょう。

間引き

テーブルビートの間引きは根の部分を太らせるために大切な作業となります。1回目の間引きは発芽が揃った頃、2回目以降は種のまき方で間引き時期が変わります。

テーブルビートの間引き方


テーブルビーツは間引きが不十分だと根の発育が悪くなるので間引きの時期がポイントです。 

種をまいてから約2週間ほど経って発芽が揃ったら1回目の間引きのタイミングです。

1つの種から数本の芽が出るので、生育の良い芽を2本だけ残して残りはハサミで切り落とします。

テーブルビートの間引きのタイミング


本葉が3~4枚に成長した時に2回目の間引きを行い1本にしまましょう。遅くても本葉が5~6枚になるまでには間引きを終わらせておくのが根を太らせるポイントです。

2回目の間引きの時に同時に追肥と土寄せを行っておくようにしましょう。間引いた芽はサラダ(ベビーリーフ)として食べることが出来ます。


テーブルビートの栽培管理

防寒対策

テーブルビートのトンネル掛け


テーブルビーツは耐寒性のある野菜ですが、気温がぐっと下がる10月以降は生育が遅くなります。

収穫時期を早めるコツとしてトンネル掛けで低温対策をしてやると生育が良くなります。

気温が15℃を下回るようになると葉が縮れて生育が悪くなるので、風が直接当たるような低温になり易い場所で栽培している場合は寒さ対策を行いましょう。

防寒対策は「プランターを風の当たらない場所に移動させる」「寒冷紗をトンネル掛けする」などです。


水やり

テーブルビーツは種をまいてから発芽するまでの間は用土の表面が乾かないようにこまめに水やりをしましょう。発芽後は用土の表面が乾いたときが水やりのタイミングです。

テーブルビートの水やりの頻度と与える量


水やりの頻度(タイミング)

テーブルビーツは種をまいてから発芽するまでの間は水を切らさないように用土の表面が乾かないように水やりをこまめに行いましょう。

発芽してからは用土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水やりをします。根が大きくなりはじめてからの乾燥は根割れの原因となるので注意しましょう。

水やりの時間帯

気温が高い時期は涼しい午前中に、気温が低い時期は暖かい日中(午前中)に水やりを行いましょう。

真冬の水やりは午後2時までに。夕方には用土の表面が乾いている状態にしておくのがコツです。夜間に凍結して茎葉を傷める心配がありません。

1回あたりの水やりの量

プランター栽培では鉢底から染み出るくらいたっぷりと与え、露地栽培では1株あたり1.0~1.5Lが目安です。表面だけでなく用土の中に染み込むように与えましょう。

水やりのコツとポイント

プランターで栽培している時は2週間に1回程度水やりの代わりに液肥を与えると生育が良くなります。

追肥

テーブルビートは最終の間引きのタイミングで追肥を与えましょう。根の肥大が勢いづく頃(収穫前の10日~14日)がもっとも肥料を必要とする時期です。

テーブルビートの追肥のタイミング


追肥の時期(タイミング)

最終の間引きのタイミングで化成肥料を株元周辺にばらまき表面の用土と軽く混ぜ合わせて株元に寄せておきましょう。

1回あたりの肥料の量

テーブルビートの1回あたりの追肥の量は、株の周りにひと掴み(3~5g)与えるか、畝の肩に20~30gばらまき、周辺の用土と軽く混ぜ合わせてから株元に寄せておきます。

追肥のコツとポイント

テーブルビーツは収穫までに肥料切れを起こさないようにしましょう。追肥では即効性(効きの速い)の肥料を与えるのがポイントです。

テーブルビートは根の肥大が勢いづく頃(収穫前の10日~14日)がもっとも肥料を必要とする時期です。忘れずに追肥を施しておきましょう。


テーブルビーツの収穫

テーブルビートの収穫のタイミングは土から見えている肩の部分が5~6cmになった頃で、種まきから約2か月ほどが目安です。株の根元付近を手で持って一気に引き抜きましょう。

テーブルビートの収穫時期


収穫時期(タイミング)

テーブルビートの収穫のタイミングですが、適温下では種をまいてから60日~70日頃が収穫時期の目安です。

収穫のタイミングが遅れると根が固くなり筋が入ってしまって食感が落ちてしまいます。収穫のタイミングを逃さないようにましょう。

見た目で収穫時期を判断する

土から出ている肩の部分が5~6cmになった頃です。

収穫方法

テーブルビートを収穫する時は、株の根元付近を手で持って一気に引き抜きましょう。

手で引き抜くのが困難なときは葉を根元から切り落として根の周辺にスコップを入れて掘り起こしてもかまいません。


テーブルビートの収穫方法


ビーツの切り口は美しい年輪の様な模様をしています。赤色をしているのはベタシアニンという色素で老化防止によいとされる抗酸化作用があります。

肉部は柔軟で瑞々しくほのかな甘みがあります。ビーツは生食や酢漬けが美味しく、皮のまま茹で冷めた後に皮をむいてスープの具にしてもおいしく食べられます。


害虫対策

テーブルビート栽培でよく見かける害虫は、ハモグリバエ、ヨトウガ、シロオビノメイガ、テンサイハモグリハナバエ、カメノコハムシなどです。

テーブルビートの害虫対策


春まきや初秋まきなど気温が高い時期の栽培では害虫が発生しやすくなります。

害虫は早期発見に心がけ、見つけ次第除去するようにしましょう。苗が小さいうちは寒冷紗のトンネル掛けも有効な害虫対策となります。


病害対策

テーブルビートに発生しやすい病害は軟腐病・そう根病・褐斑病・根腐れ病・葉腐れ病・黒根病・苗立枯病などです。


中でも良くかかるのは軟腐病で、症状は葉が萎れたり地際部分の辺りが腐ります。

病害の発生原因は土壌が合っていない事、低温または高温での栽培が考えられます。病害が発生しないように温度管理と土作りをしっかりと行うようにしましょう。

病害を発見した場合は早期発見、その後は適切に処理して他の株に病害がうつらないようにする事が大切です。


テーブルビートの育て方まとめ

テーブルビートの育て方まとめ


テーブルビートの種子は皮が固いので種まき前には1昼夜水に浸してから種をまくのが上手に発芽させるコツです。

表皮には発芽を抑える成分が含まれているので、直播きする時は必ず水に浸してから種をまくようにします。発芽後は必ず間引きをして1本立てで育てましょう。

テーブルビート栽培のまとめ


テーブルビートは気温が下がるにつれ葉の赤みが増していきます。気温が高い夏植えは避けて、気候が涼しくなってから植えるのがコツです。

テーブルビートには連作障害があります。同じ場所で栽培する時は、最低でも1~2年は間隔をあけてから育てるようにしましょう。


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