ベビーリーフの育て方
ベビーリーフは春から秋が植え付け時期です。日当たりと水はけの良い場所に深さ約5mmで種をまき、発芽後は間引きをせずに中耕をしながら育てましょう。収穫までの作業は水やり・追肥などです。収穫までは約1か月です。
失敗なしでベビーリーフを栽培しましょう！
ベビーリーフの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。
種まき適期や植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています。
Contents Menu
- ベビーリーフの難易度と栽培のポイント
- 栽培時期
- 育てやすい品種
- 栽培前に準備しておくこと
- 露地栽培の土作りと畝作り
- 種まき
- 間引き
- 苗の植え付け
- 栽培管理（土寄せと中耕・トンネル掛け・水やり ・追肥 ）
- 収穫
- 病害対策
- 害虫対策
動画で見る「ベビーリーフの育て方」
YouTubeでも「ベビーリーフの育て方」を解説しています。テキストを手元に置いて動画を一緒に見ると、より理解が深まります。チャンネル登録おすすめです。
ベビーリーフの難易度と栽培のポイント
栽培難易度 ★☆☆☆☆
ベビーリーフは若い葉もの野菜の総称で、場所を選ばず種まきから収穫までが短いため栽培の難易度は低めです。若い葉を食べるので露地栽培よりもプランター栽培の方が向いています。
ベビーリーフは品種名ではなく、レタス類やコマツナ・ミズナ・ほうれん草などの葉野菜をごく小さい若い新芽の状態で収穫した物の総称です。
ベビーリーフは収穫までが短くて手間もかからないので、これから家庭菜園をはじめようと思っている初心者さんにもおすすめの葉野菜です。
露地でも栽培できますが、若い葉を食べるのでプランターや植木鉢での栽培に向いています。
株元を残して茎葉を摘む「摘み取り収穫」をすれば、シーズン中は何度も収穫を楽しめます。
ベビーリーフの栽培データ
| 科名 | キク科・アブラナ科など |
| 草丈 | 10cm前後 |
| 連作障害 | あり（1～2年） |
| 適した場所 | 日がよく当たる風通しの良い場所 |
| 日当たり | 🌞 or 🌤 |
| 土壌酸度 | pH6.0～6.5 |
| 株間 | 1～2cm |
| 発芽適温 | 15～20℃ |
| 生育適温 | 15～20℃ |
| 種まき時期 | 3月～10月 |
| 発芽日数 | 3日～5日 |
| 収穫時期 | 種まきから20～30日 |
栽培時期
ベビーリーフの栽培時期は厳寒期を除く通年で、保温栽培すれば年間を通して栽培できます。種まきは3月～10月で、収穫までは種をまいてから約1か月です。
栽培カレンダー
育てやすい品種
ベビーリーフはキク科とアブラナ科の品種の種子がミックスされたものです。どれを選んでも栽培方法や育てやすさに大きな違いはありません。
ベビーリーフの多くは、5～10種類の葉野菜の品種をミックスしてあります。
葉色は赤色・緑色・黄色などの淡色系やそれらがミックスされたカラフルなもの、葉形も丸葉やギザギザの葉・縮れ葉といった感じでさまざまな組み合わせの商品が発売されています。
ベビーリーフとして利用されている主要な品種は、「レタス類」「ミズナ」「コマツナ」「ほうれん草」「ミズナ」「チコリー」「ルッコラ」「クレソン」「ケール」「ツケナ」など多彩です。
ベビーリーフの栽培方法
ベビーリーフはプランター栽培と露地栽培が可能で、直まきとポットで育苗してから畑に移植する方法があります。
栽培前に準備しておくこと
ベビーリーフの栽培をはじめる前にしておくことは、プランター栽培では「プランターと栽培用土の準備」、露地栽培では「土作り」と「畝作り」などです。
プランターの選び方
ベビーリーフ栽培で利用するプランターサイズは小型（30cm）以上のものを利用しましょう。1株植えなら8号サイズ以上の浅型の植木鉢でも栽培ができます。
品種にもよりますが、小型サイズのプランター1つに対して100株以上の栽培が可能です。
栽培に使う用土の種類
ベビーリーフ栽培で使う用土は市販の培養土を利用すれば土作りの必要がなく袋から開けてすぐに使えるのでとても便利です。
自分で用土を配合するときは、赤玉土（7）：腐葉土（2）：バーミキュライト（1）を混ぜたものを使いましょう。
そこに石灰を用土10Lあたり10～20gと化成肥料を用土10Lあたり10～20gを入れてよく耕しておきます。
プランターへの用土の入れ方
プランターや植木鉢の底には、水はけを良くするために赤玉土や鉢底石などを数センチほど敷き詰めておきます。
種から育てるときは淵から5cmほどの位置まで用土を入れ、苗から育てるときは根鉢の高さを考慮して用土を入れておきましょう。（根鉢を置いてから残りの用土を足します。）
露地栽培の土作りと畝作り
土作りのやり方
ベビーリーフの露地栽培の土作りは種まき（苗の植え付け）の2週間前に終わらせておきましょう。苦土石灰100g/1㎡をまいて全体に混ざるように丁寧に耕しておきます。
種まき（苗の植え付け）の1週間前になったら、堆肥（2㎏/㎡）と化成肥料（100g/㎡）を畑の全面にまいて良く耕しておきましょう。
畝作りのやり方
ベビーリーフ栽培で作る畝は、畝幅は50cm～80cmで畝の高さは10～15cmの平畝です。
種まき
ベビーリーフは直まきとポットまきができます。どちらも発芽させるのは難しくありませんが、発芽適温外や害虫の被害が多い時期に種をまくときはポットまきが確実です。
ベビーリーフを種から育てる
ベビーリーフの種は一度に種を全部まくと収穫時期が重なって食べきれなくなってしまいます。1週間で食べる量の種を時期をずらしながらまく方法がおすすめです。発芽適温から大きく外れる時期（初春と晩秋）は、ポットに種をまいて苗が植え付けに適した大きさになるまで育苗して植え替えする方法が確実です。
適温内なら直まきでも発芽が揃います。
種まき時期
ベビーリーフの種まき適期は3月～10月です。保温栽培すれば厳寒期でも栽培できます。（参考：保温栽培のやり方）
発芽適温
ベビーリーフは15℃～20℃が発芽に適した温度です。
発芽日数
ベビーリーフは発芽適温内なら3日～5日で発芽が始まります。発芽適温から外れていると日数は前後します。（参考：ベビーリーフが発芽しない原因と対策）
直まきのやり方（手順）
- 用土を平らにならします
- 水をたっぷりとかけて用土を湿らせます
- 棒を押し当ててまき溝をつけます。
- 種を約1cmの間隔でまきます
- 用土を約5mm被せます
- 指先で軽く押さえて用土と種を密着させます
- 種が流れ出ないように水やりをします
ポットまきのやり方（手順）
- 3号のポリポットに種まき用の培養土を入れます。
- 水をたっぷりとかけます。
- 1か所あたり5～7粒の種をまきます。
- 用土を約5mm被せます
- 指先で軽く押さえて用土と種を密着させます。
- 種が流れ出ないように水やりをします。
種まきのコツとヒント
- 覆土は適切な量を被せましょう。
- 発芽までは風通しを良くして反日蔭で乾燥させないように管理しましょう。
- 発芽するまでは水切れに注意しましょう
間引き
ベビーリーフは密集させて栽培するため、苗の間引きは基本的に行う必要はありません。苗の根元が重なっているときのみ間引きをしましょう。
間引きの時期（タイミング）
ベビーリーフの間引きは適宜行います。種をまいて発芽したら根の部分が重なっているときのみどちらかの苗を間引きます。
ベビーリーフは幼苗で収穫するため、無理に間引きをせずにそのまま育てても問題はありません。
株間を狭くして密植気味に栽培すると茎葉が柔らかくなります。
苗の間隔（株間）
ベビーリーフの株の間隔は1～3cmです。収穫時のサイズによって株間を決定しましょう。
苗の間引き方
苗が抜けないように残す苗の根元付近を指で軽く押さえて、不要な苗の根元を掴んで手で抜き取りましょう。
間引きが遅れて隣り合う苗の根と絡まって抜けにくいときは、ハサミで根元から切り取ってもかまいません。
苗の植え付け
ベビーリーフを種から育てるのが難しいと感じたら、園芸店などで売られている苗を購入して育ててみましょう。苗からだと収穫まで簡単に辿り着けます。
植え付け時期
ベビーリーフの苗の植え付け適期は、4月～11月上旬です。
生育適温
ベビーリーフは15℃～20℃が生育がもっとも良くなる温度です。
苗を植える間隔（株間）
株間を狭めて密植気味に栽培すると茎葉が柔らかくなり、広くすると茎葉の緑が濃く風味が強くなります。利用目的や好みの色合いと食感になるように株間を決定しましょう。
苗の植え方（手順）
- 根鉢より一回り大きな植穴を開けておきます。
- 根鉢を壊さないように丁寧に苗を取り出します。
- 穴の中に苗を入れます。
- 子葉が埋まらない程度に用土を入れます。
- 株元を軽く押さえて根と用土を密着させておきます。
- 水をたっぷりと与えます。
ベビーリーフの栽培管理
土寄せと中耕
ベビーリーフの土寄せは基本的には必要ありません。露地栽培では除草をかねて中耕してやりましょう。
中耕の時期（タイミング）
プランター栽培での土寄せや中耕は不要です。露地栽培では週に1回を目安に除草を兼ねて中耕を行いましょう。
中耕のやり方
株周りや列の間の固くなった用土の表面を軽くほぐしておきます。
トンネル掛け
ベビーリーフの防虫対策と防寒対策にはトンネル掛けが有効です。
ベビーリーフは害虫の被害に遭いやすいので寒冷紗のトンネル掛けがおすすめです。日中の気温が高い時期はトンネルの裾をめくって風を通して温度管理をしましょう。
11月以降から3月上旬までは低温で株の生育が悪くなり、また霜が降りると霜枯れの原因になるため、透明のビニール掛けに変更して霜対策と保温対策をしましょう。
水やり
ベビーリーフは成長にあわせて水やり方法を変えます。種まき後（苗の植え付け後）から約1週間程度はこまめに水やりをしますが、その後は用土の表面が乾いたタイミングで水やりをしましょう。
水やりの頻度（タイミング）
種まき後や苗の植え付け後の約1週間は、水切れにならないように用土の表面が乾いたタイミングでこまめに水やりをしましょう。
その後の水やりは用土の表面が乾いたときがタイミングです。
1回あたりの水やり量
プランター栽培では1回の水やりで鉢底から染み出るくらいたっぷりと与え、露地栽培では1株あたり1.5～2Lが目安です。表面だけでなく用土の中に染み込むまで与えましょう。
水やりのコツとヒント
- ベビーリーフは乾燥状態が長く続くと茎葉が固くなってしまいます。
- 苗が小さいうちの水やりは苗が倒れないように丁寧に与えるのがポイントです。
- ハス口の細かいものを使うか、ジョウロから出る水を手に受けて株と株の間に優しく水やりしましょう。
- 初期段階で苗が倒れたり抜けたりすると、株の成長が遅れる原因になります。
- 水の与えすぎは株を軟弱にして病害の要因になります。適量を心掛けましょう。
追肥
ベビーリーフは種まきから収穫までの期間の追肥は不要です。摘み取り収穫をするときは、収穫後に畝間や株と株の間に肥料をまいて表面の用土と混ぜ合わせておきましょう。
追肥時期（タイミング）
ベビーリーフは基本的に元肥のみで育てますが、株を残して再度収穫する場合は、収穫が終わったときに追肥を与えておきましょう。
与える肥料の種類
チッソ分の割合が多めの肥料を与えます。
1回あたりに与える量
プランターの場合
1株あたり3～5gを与えましょう。用土全体に肥料をまいて表面の用土を軽くほぐして混ぜておきます。
薄めた液肥を与えてもかまいません。
露地栽培の場合
1㎡あたり20～30gを与えましょう。列の両側に肥料をまいて用土をほぐして株元周辺に寄せておきます。
追肥のコツとヒント
- 追肥のあとに水やりをすると、肥料が効果的に土にしみこんで吸肥の効率がよくなります。
- 肥料の与えすぎは株が軟弱に育ってしまいます。適量を心掛けましょう。
ベビーリーフの収穫
ベビーリーフの収穫のタイミングや収穫の目安を知って、もっとも美味しい頃合いに収穫しましょう。
収穫時期
ベビーリーフは種まきから約40日、苗の植え付けから約30日で収穫適期を迎えます。
収穫に適した大きさ（見た目）
ベビーリーフの収穫時期を見た目で判断するときは、草丈が8～10cm以上でを超えたら収穫のタイミングです。
収穫方法
ベビーリーフは株採り収穫と摘み取り収穫（株の根元から切り取って再生栽培する）のどちらかです。
株採り収穫では株ごと抜き取って収穫します。摘み取り収穫では株元を1～2cmほど残してハサミで切り取りましょう。
ベビーリーフはいつ頃まで収穫できるの？
ベビーリーフの摘み取り栽培は、晩秋まで収穫を続けられます。新芽が出なくなったら株ごと抜き取って栽培を終わらせましょう。
病害対策
ベビーリーフにはさまざまな病害が発生します。病害の前兆を早く見つけることが大きな被害を防ぐことにつながります。早期の治療と再発防止対策をしっかりと行いましょう。
ベビーリーフに発生しやすい病害の種類
ベビーリーフ栽培でよく見かける病害は「苗立ち枯れ病」「べと病」「カビ病」「細菌病」「軟腐病」などです。
病害の予防方法
ベビーリーフが病害に掛かる主な原因は、日当たりが悪い、気温が高く風通しが悪い、畑の排水性が悪く多湿になっている（または水やりが多い）などです。
ベビーリーフの病害の発生を予防するためには、多湿を避ける、日当たりのよい場所で育てる、適正な時期に栽培を行う、用土を丁寧に耕して水はけの良い土壌作りを心掛けるなどで対策しましょう。
害虫対策
収穫前に害虫の被害に遭うと収量に大きく影響します。害虫を見かけたら早期に駆除することが被害を最小限に抑えるポイントです。害虫対策をしっかりと行って、害虫の集まりにくい環境を目指しましょう。
ベビーリーフに集まる害虫の種類
ベビーリーフに発生しやすい害虫は、「ナメクジ」「ヨトウムシ」「アブラムシ」「アオムシ」などです。
害虫の予防と対策
害虫は大きくなる前や数が増える前に早期に駆除することが大切です。葉の裏もよく観察して卵や幼虫を見つけたらすぐに捕殺しましょう。
栽培時に出る残渣（落ち葉や枯葉）はこまめに撤去し、株元が込み合ったら摘葉して風通しを良くすることで、害虫の住処をなくすことができます。
ベビーリーフの苗が小さい時期のトンネル掛けや不織布掛けは、害虫の飛来を予防する上でかなり有効な方法です。
自分の畑だけを対策しても、周辺の無対策の畑や雑草地に囲まれている畑などから害虫は次々と飛来してくるからです。
害虫の数が増えて自力で駆除できなくなる前に、人体への影響が少ない薬剤を使うことも検討しましょう。
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