ハクサイが育たない主な原因は、栽培時期が間違っている・日当たりが悪い・気温が高い・株間が狭い・用土が古い・土壌酸度が合っていない・水不足や多湿・連作をしている・害虫や病害の被害に遭っているなどです。
「ハクサイが育たない」「苗が小さい」「生長が遅い」「葉が萎れる」「葉の色が薄い」「花が咲いた」「中央から茎が伸びた」といった、よくあるトラブルと解決方法をご紹介します。
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ハクサイはお鍋や汁の具、煮物など、多様な料理に使えて便利です。家庭菜園でも人気の野菜のひとつです。
ハクサイは、育て方はもちろんですが、栽培の管理方法が間違っていても、収穫までにさまざまなトラブルが発生します。
ハクサイがうまく育てられないときは必ずその原因があります。苗が大きくならない・育たないときは、その原因を見つけることがトラブル解決の糸口になります。
大事なことはハクサイの性質や特徴を知りながら栽培することです。ハクサイがどのような野菜でどういった環境を好むかなど、性質や特徴を知っておきましょう。
ハクサイは英名で「Chinese cabbage」というように古くから中国で栽培されていた野菜です。日本の土壌への適応性も高く栽培温度は比較的低温を好みます。
ハクサイの苗が大きくならない・生長しない原因を具体的にあげて解決方法を解説していきます。
ハクサイの苗が育たない・苗の成長が遅いときは以下の原因が考えられます。
a.日当たりが悪いと大きくならない
ハクサイは日当たりが悪いと苗が大きくなりません。日照不足になると生育が遅れるだけでなく、害虫が発生したり病害になったりします。1日に最低でも5~6時間は太陽光が当たる場所でで栽培しましょう。
b.気温が低い・高いと大きくならない
ハクサイの生育適温は20℃前後です。種まき時期の気温だけでなく収穫時の気温も考えておくことがポイントです。
気温が低い時期はマルチングやトンネル掛けで地温を上げ、気温が高い時期は日よけをなどで暑さ対策をしましょう。
c.土壌が合っていないと大きくならない
ハクサイは多湿を嫌いますが極度の乾燥も苦手です。栽培用土は、保水性がありながらも水はけの良い土を使いましょう。
病害を予防するためにも乾き過ぎず湿り過ぎずが大切です。用土は手で軽く握って形が崩れない程度の湿り気がベストです。
また酸性土壌にならないようにすることもポイントです。pH6.0~6.5の範囲になるように調整しましょう。
d.植え付け時期を間違うと大きくならない
ハクサイは夏から秋にかけてが育てやすい時期です。気温が低いと結球しないので植え付け時期が重要です。
種まきは8月下旬~9月上旬(寒冷地は9月~10月)春まきは3月で遅くても4月上旬まで(寒冷地は5月~6月)まで。
f.株間が狭いと苗が大きくならない
ハクサイの球を大きくするには、結球が始まるまでにいかに外葉を大きくするかがポイントになります。
そのためには株間をじゅうぶんに確保して日当たりと風通しが良くなる環境を作ることが大切です。
苗の植え付け間隔が狭すぎると、日当たりや風通しが悪くなり、隣り合う株同士で養分や水分を取り合うことにもなります。
g.連作障害
ハクサイには連作障害があります。同じ場所に植えると苗の生育が悪くなります。同じ場所には最低でも2~3年は植えないにしましょう。
連作すると初期の段階ではそれなりに苗は生長しますが、途中で枯れたり萎れたりすることが多くなります。
ハクサイの苗が枯れる原因と対策について詳しく解説します。
ハクサイが枯れる原因はいくつかありますが、代表的な原因は以下になります。当てはまっていないかをCheckしてみましょう。
a.病害に掛かっている
ハクサイは「菌核病」「尻腐れ病」「軟腐病」「黄化病」などが発生します。
多くの病害は土壌の多湿によって発生するカビや細菌が原因で起こります。生育環境(日当たり・風通し・温度・水分量)の改善を行いましょう。
生育環境を改善しても病害が蔓延するときは薬剤による治療を行うことも検討してください。
b.水やりが不足している
何日間も水やりをしていないと苗が枯れる原因になります。用土の表面が乾いたときが水やりのタイミングです。冬の間も水やりは必要です。忘れずに与えましょう。
露地栽培に比べてプランター栽培では水分が不足しやすくなります。水やりはプランターの底から水が染み出るくらいたっぷりと与えて下さい。
ハクサイはやや乾燥を好むので、水やりが多すぎると多湿になり病害にかかりやすくなります。回数を増やすのではなく間を空けて1回でたっぷりと与えるのがポイントです。
a.肥料が少ない
ハクサイが萎れるのは先ほどの枯れる原因に加えて、肥料の与え方に問題があるかもしれません。肥料の与えすぎは萎れの原因になります。タイミングよく与えるようにしましょう。
b.肥料が多い
肥料は多すぎてもいけません。肥料が多すぎると根から水分が奪われてしまい萎れの原因になります。これを「肥料焼け」と言います。
1回目の追肥は本葉が7~8枚になった頃に1株あたり5~10g、2回目は1回目から2週間ほど経った頃に1回目と同量与えましょう。
c.肥料の位置が根に近い
追肥を行う際に肥料が根に直接触れてしまうと根を傷めてしまって萎れの原因になります。
肥料は根の先端からもっとも吸収されるので、株から少し離れた位置に与えるようにしましょう。
d.霜にあたる
秋まき以降では霜にあたると葉が傷んでしまいます。トンネル掛けなどをして対策をしましょう。
e.凍害に遭う
厳寒期に零下まで気温が下がると茎葉が凍結して萎れてしまいます。気温が低い時期はトンネル掛けなどをして低温対策をしておきましょう。
外葉が萎れてしまっても球の中身が傷んでいなければそのまま放置しても問題なく、食べても健康上の問題はありません。
ハクサイの葉が固くなる原因を詳しく解説します。
ハクサイの葉に黒色の斑点(点々)ができるのは生理障害が原因で「ゴマ症」といいます。病害ではなく肥料過多によって起こります。
肥沃で栄養過多な土壌でハクサイを育てるとよく現れますが、食べても健康上の問題はありません。
ゴマ症が出ると治ることはないので、気になる方は肥料(チッソ分)の与えすぎに注意して育てましょう。
ハクサイの葉が黄色くなって枯れてきたら病害にかかっている可能性があります。
地際付近の外葉や茎の部分が枯れてきたら「軟腐病」や「菌核病」の可能性があります。
軟腐病は窒素過多で軟弱に育てていることが原因で、菌核病は高温多湿が原因です。
感染は他のハクサイにも拡がるので、症状を見かけたら薬剤による対策を行うか感染した株を抜き取って対策しましょう。
ハクサイの葉がボロボロになった、葉に穴があいているようなときは害虫が原因です。ハクサイには、「アオムシ類」「コナガ類」「ハムシ類」「ヨトウムシ」など多くの害虫が集まります。
中でもアオムシなどイモムシ系の害虫は葉を食い荒らす厄介な害虫です。幼苗期に被害にあうと苗がなくなるほど食害を受け苗が枯れてしまいます。
ハクサイは害虫の被害に遭いやすい野菜で、苗が小さいときに葉を食害されると球が巻かない原因になります。
ハクサイは球を巻き始めるまでに外葉を大きくすることが重要です。
この時期に大きな被害を出さないように、害虫を見つけたら必ず駆除して、周辺に畑が多い地域ではトンネル掛けなどで他の畑から害虫の飛来を防ぎましょう。
ハクサイは一定期間低温に当たってから高温が続くと抽苔(中央から茎が伸びる)して花芽をつける習性があります。
晩秋から冬にかけて種をまいて低温に当たったハクサイは、3月以降になると「徒長(とう立ち)」して花が咲きます。
12℃以下の低温に7日以上あうと花芽分化(花や蕾をつける準備)を始めてしまいます。
花が咲くと養分が奪われて味や食感が悪くなります。花芽分化が始まるとそれ以上葉数が増えなくなって球の締まりが悪くなってしまいます。
ハクサイは苗が一定期間、低温にあたると球の中央から茎が伸びて開花する習性があります。これを抽苔またはとう立ちと言います。
秋まき以降は適切な時期にトンネル掛けをして保温して冬前に球を大きくしておきます。
春先になってから球が大きくなる状態だと、球が大きくなる前にとう立ちしてしまいます。冬に入る前に球が巻くように種まきをしてください。
ハクサイの生育不良を防ぐ最大のポイントは、冬になる前に球を巻かせるということにつきます。
種まきから球が巻き始めるまでは約2か月かかります。
お住いの地域の平均気温を確認しておき、球が大きくなる時期に12℃以下にならないよう計算して種をまき時期を決めることが大切です。
万が一種まきが遅れて、球が巻く前に低温期になってしまうときは、幼苗時期からビニールのトンネル掛けをして保温対策して生長を早めてみて下さい。
12℃以上を確保すれば結球期間を伸ばすことができますので、諦めずにぜひ試してみましょう。
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