ナスが育たない主な原因は、栽培時期があっていない・日当たりが悪い・気温が低い・株間が狭い・土壌が合っていない・水不足・肥料不足・連作をしている・害虫の被害にあっている・病害に合っているなどです。
ナスの苗が育たない・苗が大きくならない・苗が枯れてしまった・ナス青枯れ病・ナスの実が小さい、などなど...
ナス栽培ではさまざまなトラブルや失敗が起きます。ナス栽培で失敗しやすい例を具体的にあげて、その解決方法をレクチャーします。
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ナスの苗の成長が悪いときや遅いときの原因はいくつかあります。その失敗例を見ながら対策をしてみましょう。
ナスはインド原産の高温性の野菜で、多湿にも強く日本の風土に遭った野菜です。生育適温は22~30℃です。
ポットまきでは2月から種をまいて育てますが、その頃の気温は低いため、苗の生長に時間がかかるのが普通です。
低温期の直まきはうまく育たないため、保温しながらのポットまきを基本とします。
なかなか大きくならない苗も3月中旬以降になって暖かい日が続くようになると一気に成長を始めます。気温が上がっても生長が遅いときは原因を探して対策しましょう。
ナスは苗の植え付け時期が早すぎて、気温の低い時期に苗を植えると生長が遅くなります。
苗の植え付けは4月下旬から、日中の気温が20℃を超えるようになってからです。気温が低いときはマルチやトンネル掛けなどで保温してやると生育がよくなります。
ナスは日中と夜間の温度差があると生育がよくなります。日中は25℃以上・夜間は18℃以上を確保します。
ただし、日中トンネル内の温度が30℃を超えるときは、裾をめくって温度を下げるようにしましょう。
ナスの苗の成長が遅いときや苗が大きくならない原因と対策を分かりやすく解説します。
a.日当たりが悪いと苗が育たない
ナスは日当たりの良い場所に苗を植え付けると生育がよくなります。日当たりが悪いと生育が悪くなるだけでなく、病気の原因にもなります。
最低でも1日に6時間以上は直射日光があたる場所が理想です。
b.土壌が悪いと苗が育たない
ナスは保水性があり通気性の良い土壌を好みます。乾燥には弱いので用土の乾燥に注意にしましょう。敷き藁などを敷くと乾燥対策になります。
また土壌酸度にも注意が必要です。PH6.0~6.5の範囲が適切な範囲です。
c.植え付け時期が遅いと苗が育たない
気温が低い時期に植えると苗の生育が遅くなります。早植えは禁物です。
関連知や気温が低い時期に栽培するときは、マルチやトンネル掛けをして地温を上げて栽培しましょう。
d.水不足だと苗が育たない
ナスは「水で作る」と言われるように、水分量を多く必要とする野菜です。土壌が長く乾燥すると生育不良の原因になるので水やりを忘れずに行いましょう。
気温が低い時期(2~4月)は、日中の気温が上がり始める時間帯に与えます。夕方以降の水やりは低温で茎葉を傷める原因になるので注意が必要です。
日照が強い時期(5月以降)は日中の水やりは控えましょう。水がお湯のようになって根や葉を傷めてしまうからです。早朝と気温が下がり始める昼以降に与えます。
e.連作障害になると苗が育たない
ナスは連作障害があります。毎年同じ場所に植えると生育が悪くなったり病気にかかりやすくなります。
同じ場所にナス科の野菜を連作するときは、最低でも4~5年は間隔を空けるようにしましょう。ただし、抵抗性の接ぎ木苗なら連作は可能です。
ナスの苗が枯れる原因はいくつかありますが代表的なものは以下になります。
a.水不足
ナスは水分が足りていないと茎葉が萎れます。気温が上がる夏以降は朝と夕方の2回、たっぷりと水やりをしましょう。
ナスは根を深く張るので水を与えているつもりでも足りていないときがあります。表面だけでなく地中深くまで染み込むように与えるのがポイントです。
b.肥料不足・肥料過多だと生育が不良になる
長期栽培するナスは肥料切れになりやすいので、元肥は堆肥や遅効性の化成肥料を中心に施しておきます。
苗の植え付け直後から一番花が咲き始めるまでは、追肥は施さずにゆっくりと苗を生長させましょう。肥料過多になると節間が広くなったり無駄に茎葉が増えたりするからです。
株が疲れてくる栽培後半は固形よりも液肥の方が樹勢回復には有効です。
c.病気に掛かっている
ナスの苗が萎れる病気は「青枯れ病」「半枯れ病」「立ち枯れ病」などです。
病気が疑われる時は早期治療を行って他の株に発生しないよう生育環境の改善も同時に行いましょう。
ナスの苗が枯れる原因について解説します。
低温障害
2月下旬の低温期に凍害や霜害にあうと苗が枯れてしまいます。保温して低温と霜対策をしっかりと行いましょう。
枯れてしまった苗は残念ですが、生長が悪くなり実を付ける可能性も低くなります。
病害
ナスが枯れるときは病害かもしれません。苗が萎れるときは「青枯れ病」、枯れるときは「立ち枯れ病」の可能性があります。
青枯れ病は葉や茎が緑色のまま萎れて、2~3日ほどで緑色のまま枯れてしまいます。
苗立ち枯れ病は本葉が2~3枚の幼苗期の頃によく発生し、地際付近の茎が褐色に変色して細くなって萎れてその後は枯れてしまいます。
どちらも天候が悪く高温多湿の環境下でよく発生します。発病した苗は抜き取って、栽培に使用した容器と用土は感染源になるので使わないようにしましょう。
日照不足・水分不足
ナスは多日照と多水分を好むため、日当たりが悪く乾燥した場所で育てるとうまく育ちません。特に水分が不足すると茎葉の萎れの原因になります。
更新剪定後(切り戻し後)にナスが枯れてしまうことがあります。これは枝葉の切りすぎが原因で光合成ができなくなってしまうためです。
残した葉が傷んでいたり古かったりしたときも株が枯れることがあります。枝に残す葉は元気なものを選ぶことが大切です。
傷んだ葉が多い株を切り戻すときは、各枝の1/2以上短く枝を切らないようにし、傷んだ茎葉を取り除いて元気な茎葉だけを残しましょう。
ナスの葉に白い斑点が見えるときは「ハダニ」が発生している可能性があります。
ハダニはナスの葉に生息して茎葉を吸汁する害虫です。葉の表から見ると白い斑点となって見え、裏側には体色が赤色のダニがついています。
放置すると葉に糸を張るほど大量に増えて、茎葉だけでなく果実も白くなります。
ハダニは梅雨明け後の気温が高い時期にポリマルチを張っていると発生しやすくなります。ポリマルチを張っているときは敷き藁や刈り草などに変えると発生を抑制できます。
数が少ないうちは、散水ホースなどで勢いよく水をかけて一気に洗い流します。牛乳に木酢液を薄く混ぜた液をハダニにスプレーするのも効果的です。
数が増えて手に負えなくなったときは園芸店などで販売されている駆除剤の利用を検討しましょう。
ナスの葉が黄色くなる原因と対策を解説します。
ナスは高温(20度以上)を好む野菜です。苗が小さい時期の朝晩の気温が低い時期(5月中旬頃まで)は生理障害(疫病など)によって茎葉が黄変することがあります。
苗が小さい時期に茎葉が黄変したときは、傷んだ茎葉を取り除いて、トンネル掛けやホットキャップで生育適温になるまで保温してやりましょう。
肥料に含まれる窒素分は疫病を助長するので症状が出たときは追肥を行わないようにします。株が成長するにつれて耐性力が上がり、生理障害にも遭いにくくなっていきます。
株全体の葉が黄色くなるときは肥料不足の可能性があります。ナスは多肥性で肥料を多く必要とする野菜です。
生育中期以降は養分(肥料)が不足すると茎葉が黄色くなる症状が現れます。追肥を与えてしばらく様子をみましょう。
変色がひどいときは、遅効性の固形タイプではなく即効性の液体タイプの肥料を与えてみてください。
葉が縮れる・葉にモザイク模様が現れる原因と対策を解説します。
ナスの葉の形がおかしいときはウイルス病の一種「モザイク病」の可能性があります。
葉に濃淡のモザイク模様が出る・葉が縮れる・葉が縮む・葉がゆがむ・葉が細い・葉が萎縮するといった症状が特徴です。
ウイルス病はアブラムシやカメムシなど吸汁する害虫によって伝染する病気です。これらの害虫を見つけたら必ず駆除しましょう。
苗が小さいときはビニルシートなどで囲んだり、シルバーや白色のポリマルチを張ったりすると飛来防止になります。
ナスは茎枝が固いため、草丈が高くなると強風などによって株が倒れたり折れたりすることがよくあります。
ナスの枝が折れてしまうと、その先は生長が悪くなり実もあまり着かなくなってしまいます。
苗を植え付けた段階で(種からの場合は草丈が20cmを超えたら)、仮支柱を立てて倒伏対策をしておきましょう。
万が一、ナスの枝が折れてしまったときは挿し木をして新しい苗を育てる方法がおすすめです。
やり方は簡単で、折れた枝の上部の葉を数枚残して土に5~10cm挿して反日蔭に置いておくだけです。水を張ったコップに立てて根が出てから畑に植えてもかまいません。
挿し木した苗は最初は萎れて元気がありませんが、こまめに水やりをすると1週間ほどで根が張り葉っぱも元気になります。
こまめな水やりが出来ないときは1cmほど水を張ってトレーに鉢の底をつけて置く方法もおすすめです。
新芽が出始めたら日当たりの良い場所に移動させて、本葉が5~6枚になるまで育ててから畑に植え付けましょう。
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