ハクサイは春と秋が栽培時期です。1か所あたり2~3粒深さ1cmで種をまいて、発芽したら元気な苗を1本だけ残して間引きします。栽培管理は水やり・追肥・土寄せなどがあります。種まきから3か月ほどで収穫適期になります。
種まきをはじめ、間引き・水やり・追肥・収穫方法など、ハクサイ栽培の管理方法を画像を交えて分かりやすく解説します。
失敗なしで立派なハクサイを家庭菜園で育てましょう。
ハクサイは害虫の被害が多く栽培管理が少し多めですが、害虫の対策をしっかり行えば初心者でも栽培は容易で簡単に育てることができます。
栽培難易度 ★★★☆☆
ハクサイはアブラナ科の大型の野菜ですが、大きなプランターや鉢を利用すれば家庭菜園でも育てることができます。
大型種のハクサイは難しいかもしれませんが、ミニ種ならベランダやバルコニーなど限られたスペースでも育てることができます。
春まきから育てるハクサイは害虫や病気の被害が多く結球させるのが難しいので、初心者の方は夏まきからがおすすめです。
ハクサイに含まれる栄養価はビタミンB・C、カルシウム・カリウムを多く含み浄血効果があると言われています。ハクサイは鍋の具はもちろん、煮物や炒め物・漬物にしたりと野菜が不足する冬場に重宝する野菜です。
ハクサイには寄せ植えできる野菜(コンパニオンプランツ)があります。相性の良い野菜を組み合わせれば、同じ場所でたくさんの野菜を育てることができます。(もっと詳しく:ハクサイと相性の良いコンパニオンプランツは?)
ハクサイは夏に植える野菜です。種まき時期は8月植え・9月植えが可能です。品種にもよりますが、春まきもできます。収穫までは種まきから約2.5~3か月です。
ハクサイの育てやすい種類は、「お黄にいり」「黄味小町」「CR郷風」「満風」などです。
残った種は冷暗所に保管しておけば、2~3年は保存することが可能です。初心者は幼苗期の害虫被害を防ぐ意味で苗から購入することをおすすめします。
楽天市場の人気のハクサイの種一覧はこちら(クリック)
amazonの種一覧はこちら(クリック)
ハクサイはプランター栽培でも露地栽培でも育てることができます。ハクサイ栽培の準備から収穫までの流れを丁寧に解説します。
ハクサイの栽培を始める前にしておくことは、「道具と栽培用土の準備」栽培地の「土作り」「畝作り」などです。
ハクサイは根を広く張るため栽培するときのプランターサイズは大型タイプ(60㎝以上)のものを利用しましょう。
ミニ種の場合は、標準サイズのプランターでも2株は十分に育てる事ができます。
ハクサイの栽培用土は排水性が良く肥沃な土を利用するのがポイントです。市販の葉野菜戦勝の用土を利用すれば、袋を開けてすぐに植え付けできて便利です。
自分で用土を配合する時は、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~20gを混ぜ合わせた物を使います。
プランターに入れる用土は、ウォータースペースが残る程度、鉢の縁から5cm以上低くしておきましょう。この理由は栽培の途中でまし土(用土を足す)をするからです。
用土を入れ過ぎると、株よせをする時にプランターの縁より用土が流れて、水やり時や降雨時にベランダが汚れる原因となります。
ハクサイを露地栽培で育てる時は、植え付けの10日以上前に、石灰を150g/m2・堆肥を2kg/m2・化成肥料を(15:15:15)100g/m2を施して十分に耕しておきます。
ハクサイに適した畝ですが、畝幅は1条植えで60㎝、2条植えで120cm、畝の高さは10~15cmの平畝です。
ハクサイは2月と8月の年に2回種まきができます。用土を入れたポリポットに2~3粒の種を深さ1cmにまき、発芽するまで温度管理しながら水やりをしましょう。発芽適温内なら2~3日で芽が出てきます。
ハクサイは直まきとポットまきができます。
直まきはポットまきよりも収穫までは短くなりますが、発芽を揃えるのが難しいうえ、幼苗期は害虫の被害に遭いやすいのでポットまきの方が簡単でおすすめです。
ハクサイの種まきは夏(8月~9月)です。春まきもできますが、高温に弱いのでミニ品種や早生種を選ぶようにしましょう。
ハクサイの種の発芽に適した温度は20~25℃です。
ハクサイは種をまいてから条件が整っていれば2~3日で発芽が始まります。気温が低かったり高かったりすると日数は前後します。(参考:ハクサイが発芽しない原因と対策)
ハクサイを直まきするときは、1箇所あたり4~5粒を点まきしましょう。直まきは発芽が揃いにくいので、ポットまきよりも種を多めにまいておくようにします。
ハクサイの間引きは、ポットまきは発芽して双葉が出そろったタイミングで行い、直まきでは葉が触れ合うタイミングで何回か間引きして、本葉が5~6枚になる頃までには間引きを終わらせておきましょう。
夏まきのハクサイは、種をまいてから3~4日で発芽が始まります。(栽培環境によって日数は前後します。)
ポットまきでは本葉が出る頃に、元気な苗を1本だけ残して他は全て間引いてしまいましょう。
直まきしたときは本葉が触れ合うタイミングで間引きをして、5~6枚になる頃に1本立てにします。
・ハクサイの幼苗の子葉が落ちてしまうことが良くありますが、これは水切れと肥料切れが十分でない時に起きる現象です。
・種まきや育苗で使う用土は新しいものを使って、種まき後は水切れを起こさないようにしましょう。
・早い時期に苗を間引くと、途中で枯れたり害虫の被害にあったときに苗がなくて困ることになります。生育の様子を見ながら適度なタイミングで間引きをするのがポイントです。
ハクサイの植え付けは3月~4月と8月~9月上旬が適期です。株間は40~50cmあけて苗を植えていきましょう。植え付けが遅れると外葉が大きくならず結球しないことがあるので適期を守って植え付けしましょう。
ハクサイの苗を選ぶときにチェックするポイントは本葉の枚数です。本葉が多すぎる苗は植えてからの根付きが悪いので、本葉は4~5枚までの苗を選びましょう。
ホームセンターで売っているハクサイの幼苗には、害虫(アオムシ類)の卵や小さな幼虫が付いていることも多いので、しっかりチェックしておきます。
ハクサイ栽培が難しいと言われるのは害虫が発生しやすいことが理由の一つです。特に幼苗時期は害虫の被害に遭いやすいので害虫対策は必須です。
害虫を放っておくと一晩で苗が全滅してしまう事もあるので注意しましょう。
ハクサイを苗から育てるときは8月下旬~9月末までに植え付けを終わらせましょう。ハクサイは植え付け時期がとても大切です。
植え付け時期が遅かったり根を傷めて活着が悪かったりすると葉数が少なくなってしまいます。(参考:ハクサイが育たない原因と対策 )
プランター栽培では株と株の間隔を40㎝以上、露地栽培の場合は最低でも50㎝以上は株間を確保しておきます。
ハクサイは結球が始まるまでに葉を大きく育てること大切です。株を大きくするために日当たりと風通しがよくなるように植え付け間隔をしっかりと確保してやりましょう。
ハクサイは株の間隔が狭いと養分と水分を奪い合って葉数が少なくなったり結球しなかったりすることがあります。株間をしっかりと確保しましょう。(参考:ハクサイが結球しない・葉が巻かない原因)
植え穴の用土は根が張りやすいようにほぐしておく、底を平らにして根鉢と用土の間に隙間ができないようにしておくのが早く根付かせるポイントです。
ハクサイの苗を植え付けた後は根付くまでたっぷりと水を与えましょう。
ハクサイの苗が根付いたサインは葉が急激に育ち始めたとき。通常は植え付けから約1~2週間程度で根付きます。
ハクサイの根は切れてしまうと新根が出にくい性質なので根鉢を壊さないように注意しましょう。
葉数が十分揃っていない状態で低温にさらされてしまうと結球しない原因になります。
ハクサイは土寄せをしないと苗が倒れてしまいます。雨が降った後や水やり後に土が流れてしまった時は土寄せをしっかりと行うようにしましょう。
ハクサイの土寄せ(プランターではまし土)は株元の茎の部分が長くなってきたときや追肥のタイミングに合わせて、収穫までに2~3回ほど行いましょう。
土寄せのやり方ですが、株周囲の用土の表面を軽くほぐして株元に寄せて手のひらで軽く押さえておきます。プランター栽培では新しい用土を足しておきます。
・ハクサイは株元の土寄せをしっかり行う事で、結球期以降の株をより安定させることができます。
・ハクサイは結球が始まってから用土の表面に伸びる細根を傷つけると生育不良の原因になるので、自信がない方は土寄せは行わないようにしましょう。
ハクサイは外葉が黄色くなって萎れたものや害虫の被害にひどく遭った葉は早いうちに摘み取ってしまいます。葉を摘み過ぎると球が大きくならないので、結球前は傷みのひどいものを中心に摘葉しましょう。
ハクサイの傷んだ葉を切り取らずにそのまま放置してしまうと、その部分から病気が発生する原因となり、病気が他の株に蔓延してする原因になります。
ただし、結球が始まるまでに葉数が少ないと大きな球が出来なくなってしまいます。葉を摘み取り過ぎないようにしましょう。トンネル掛けなどで害虫の被害を予防することが大切です。
ハクサイの外葉を1枚取って結球部分の上に被せて残りの外葉で包むようにして紐で縛っておけば、寒さや霜からの被害を防ぐことができます。
ハクサイは低温に強く、寧ろ寒さが厳しくなって霜が降りるようになるほど甘味が増していきます。
ハクサイは寒さに強い野菜とは言え、極寒期にそのままにしておくと冷害に遭って結球部が傷んでしまうので簡単な冷害対策を行いましょう。
外葉を包んで冷害対策をしておけば、畑に植え付けたまま2月頃まで置いておくことができます。
害虫の被害に遭って外葉を摘み取ってしまった時は代わりに新聞紙で覆ってやりましょう。
ハクサイは発芽するまでの間と苗を植え付けてから根付くまでの間は、用土の表面が乾かないようにこまめに水やりを行いましょう。それ以降の水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
ハクサイは水やりのタイミングと与える量・回数が球を大きくするためのポイントです。ハクサイの水やりについて詳しく解説します。
ハクサイは種をまいたあとから発芽するまでの間と苗を植え付けてから根付くまでの間は、用土の表面が乾かないようにこまめに水やりを行いましょう。
それ以降の水やりですが、毎日水やりをする必要はなく土の表面がしっかり乾いてから行いましょう。ハクサイは乾燥を嫌いますが、多湿すぎても軟腐病にかかりやすくなります。
朝の水やりは、気温が上がり始める前に与えます。日中の気温の高い時間に与えると、太陽光で根を傷めたり、水滴がレンズ代わりになって茎葉を傷めてしまいます。
夕方の水やりは気温が下がってから。ただし、気温が下がる秋以降は、夕方から夜間にかけての水やりは病気が発生しやすくなるので控えるようにしましょう。
プランター栽培の場合は、鉢底から水が染み出るまで水やりをします。露地栽培では1株あたり約1.5~2L与えます。
雨の日や曇りの日は多湿になりやすく病気の発生を助長するので水やりをする必要はありません。
ただし、マンションのベランダなどの雨が当たらない場所で栽培しているときは、雨が続いていても、用土の表面が乾いてたら水やりをしましょう。そのときは、いつもより量を少なめにします。
ハクサイは追肥の量と与えるタイミングが葉を大きく美味しくするためのポイントになります。
ハクサイは元肥を十分に与えておくようにしますが、結球を始める時期にもう1度だけ速攻性肥料を畝の肩に与えると更に結球しやすくなります。
追肥に使う肥料の種類は即効性(効きが早い)のもので、チッソ比率の高いものがおすすめです。成分が分からないときは園芸店などで葉もの野菜専用の肥料を使うと簡単です。
キャベツの追肥の量ですが、1株あたり化成肥料を約10g、葉の広がりに沿ってまき、表面の用土と軽く混ぜ合わせておきましょう。
株元付近で混ぜ合わせると表面の根を傷めてしまう事があるので、少し離れたところで混ぜ合わせるのがポイントです。
ハクサイをプランターや鉢などの弱い土壌で育てる時は、植え付け2週間後から結球するまでの間、水やりを兼ねて週に1回、液肥を与えましょう。化成肥料の場合は2週間に1回程度与えます。
肥料不足を起こすとハクサイは結球しないので軟弱土壌で育てる時の肥料切れには注意が必要です。
ハクサイの収穫は種まきから75~100日で、球の先端部分が固く締まっていたら収穫の目安です。外葉を先に掻き取ってから根元にナイフを入れて株を切り取りましょう。
ハクサイは種をまいてから75日~100日(苗からだと60日~80日)で収穫適期になります。ミニ種の場合は種を植えてから約40日で収穫適期です。
栽培環境や品種によっても収穫までの日数が変わります。
ハクサイの収穫適期を判断する方法ですが、結球した頭の部分を手で押さえてみましょう。株の先端部分が固く締まっていれば収穫のタイミングです。
ハクサイを収穫方法ですが、結球部を手で斜めに倒して株の根元付近をナイフで切り取って収穫します。このときは外葉も一緒にざっくり切り取ってもかまいません。
外の固い葉は株を切り取ったあとに処分するのが楽に収穫するコツです。きれいに球だけを収穫する必要はありません。
収穫したハクサイはそのまま常温に置いておくとすぐに傷んでしまいますが、新聞紙などに包み温度変化の少ない冷暗所で保管しておくと鮮度は長持ちします。
ハクサイは防寒対策をしておけば畑で保存することが可能です。使う量だけ収穫して使わない株は抜かずにそのまま畑に置いておくと良いでしょう。
万が一、ハクサイが結球しなかった場合は、そのまま育てると春にトウ立ちしていずれ花が咲きます。
ハクサイの花はお浸しや辛し和えにすると大変おいしいので、結球が上手く行かなくても抜き取らずにそのまま育てるのもいいかも知れません。
ハクサイに発生しやすい代表的な害虫は、アオムシ・コナガ・ヨトウムシ・メイガ類・ハムシ類です。株元の風通しを良くして住処を減らしてこまめに駆除することが対策になります。
育苗期と植え付けてからしばらくの間は、寒冷紗などをトンネル掛けして害虫被害から守るように対策しておきましょう。
成長点が食害されると生育が止まり、結球しなくなるので、結球が始まった頃の害虫チェックは毎日忘れずに行うようにします。
ハクサイは害虫に成長点を食べられないようにすることも大切。ハクサイの生育初期は害虫被害に遭いやすいので特に注意しましょう。
毎日苗を観察することが大切です。「葉に穴があいていないか」「食いちぎられた葉がないか」を、こまめにチェックしましょう。早期発見を心掛れば被害を最小限に食い止めることが可能です。
ハクサイに発生しやすい病気は、菌核病・尻腐病・軟腐病・黄化病・根こぶ病などです。水はけと風通しを良くして高温多湿を避けることが病気の対策になります。
発生原因は高温多湿によるものが大半です。水やりは回数を少なめにして1回あたりの量を多くするのがポイントです。
気温が高いと病気が発生しやすくなるので、夏まきでは植え付け時期をできる限り遅くすることも有効な手段です。
毎日水やりをする必要はなく、土の表面が乾いたタイミングで与えるようにしましょう。
プランターや大鉢でハクサイを育てる時は、プランターの底に鉢底石や発泡スチロールを敷き詰めるなどして、水はけをよくすることが病気の抑制に繋がります。
また、ハクサイと同じアブラナ科の野菜を連作することも病気に掛かる原因になります。同じ場所にアブラナ科の野菜を栽培しないように栽培計画を立てましょう。
ハクサイはとにもかくにも十分に元肥を与えておくことです。ハクサイが結球しない原因の大半は肥料切れと水切れによるものです。
ハクサイ栽培のコツは、植え付ける畑をしっかりと耕しておくこと、腐葉土や堆肥などを混ぜてふかふかの土作りをしておくことです。
ハクサイは植え付け時期が遅いと結球に必要な葉数が足りないまま冬越しすることになるので植え付け適期を守りましょう。
ハクサイは日当たりのよい場所を好みます。根を浅く張る性質をしているので、株間をしっかりと確保することが球を大きくするポイントです。
▷家庭菜園で簡単野菜作りVegetablesBeginnersGuide!