タアサイは春と秋が植え付け時期です。日当たりと水はけの良い場所に1か所あたり3~4粒深さ約5mmで種をまき、発芽後は苗を間引きながら大きく育てましょう。主な作業は水やり・追肥・トンネル掛けなどです。収穫までは約2か月です。
タアサイの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。
種まき適期や植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています。
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栽培難易度 ★☆☆☆☆
タアサイは丈夫で育てやすく家庭菜園で人気の野菜です。寒さに強いイメージがあるタアサイですが、実は暑さにも強い野菜です。
タアサイは寒さに強いアブラナ科の野菜です。
日本には昭和初期に中国から入ってきました。
寒さに強い野菜で、霜に当たると甘味が増します。2月頃がもっとも美味しい時期で別名で「如月菜」とも呼ばれます。
春まきと秋まきでは草姿が変わります。タアサイは春から夏は株は立ち姿をしていますが、秋以降の低温期はタンポポのように葉を地面に大きく開げて成長します。
秋以降は株の間隔を十分に確保するのがポイントです。
タアサイは寒さにも強い野菜ですが、暑さにも強い野菜です。初心者は秋植えが害虫被害も少なく味も寒冷期に育てる方が甘味が増すのでおすすめです。
秋に植えたものは春先まで収穫できるので春植えよりもお得です。
タアサイ含まれる栄養素は、βカロチン(ビタミンA)・ビタミンE・カルシウム・カリウムなどで油を使った料理に重宝します。
タアサイ栽培は秋から冬にかけて育てるため、病害や害虫の被害にも遭いにくいので初心者にはおすすめの秋野菜。幼苗期の害虫被害にさえ気を付ければ問題なく育てられます。
科名 | アブラナ科 |
別名 | 杓子菜(シャクシナ)・ターサイ・如月菜(キサラギナ)・ターツァイなど |
草丈 | 20~30cm |
連作障害 | あり(1~2年) |
適した場所 | 日がよく当たる風通しの良い場所 |
日当たり | 🌞 or 🌤 |
土壌酸度 | pH6.0~6.5 |
株間 | 30~40cm以上 |
畝幅 | 60~80cm |
畝高 | 5~10cm(平畝) |
発芽適温 | 15~25℃ |
生育適温 | 15~20℃ |
種まき時期 | 3月~5月・9月~10月 |
発芽日数 | 3日~5日 |
苗植え付け時期 | 4月~5月・9月~11月 |
収穫時期 | 種まきから約2か月 |
タアサイは春から秋が栽培時期です。春まきは3月~5月、秋まきは9月~10月が種まき時期です。収穫は種まきから約2か月です。
タアサイは寒さ暑さに強く土壌も選ばない丈夫な野菜なので、どの品種を選んでも比較的上手に育てることができます。
タアサイには耐寒性があるので、病害虫の少ない秋植え品種が初心者にはおすすめ。
高温には弱いので、春まきは収穫までが短い早生種が育てやすい品種です。
タアサイの育てやすくて人気の品種は「緑彩2号」や「タアサイ」など。
タアサイはプランター栽培でも露地栽培でも育てることができます。タアサイ栽培の準備から収穫までの流れを丁寧に解説します。
タアサイの栽培を始める前にしておくことは、「道具と栽培用土の準備」栽培地の「土作り」「畝作り」などです。
タアサイを栽培するときのプランターサイズは大型タイプ(60cm以上)のものを利用しましょう。
秋まき以降のタアサイは葉を地面に大きく広げるので、大型(幅の広い)のプランターサイズがおすすめです。
タアサイ栽培で使う用土は市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに使えて便利です。葉野菜用で肥料入りの用土がおすすめです。
自分で用土を配合するときは、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~20gを混ぜ合わせた物を用意しましょう。
タアサイ栽培に適した土壌酸度(pH値)は、6.0~6.5です。
苦土石灰をを入れて酸度調整をしておきましょう。pHを1.0上げるには石灰が1㎡あたり400g(60cmのプランターで約50g)が目安です。
植え付けの直前に石灰を入れると根を傷めてしまうので、最低でも約2週間前には酸度調整を完了させておきましょう。
プランターに入れる用土の量は、ウォータースペースを残して、鉢の8分目程度(淵から3~4cm低め)にしておきます。
畑(菜園)でタアサイを育てるときは、植え付けの2週間前までに酸度調整を終わらせておきましょう。
タアサイを露地で育てるときの土作りですが、種まきの約2週間前になったら、石灰を150g/㎡・堆肥を3kg/㎡・化成肥料を(15:15:15)150g/㎡を畑に施してよく耕しておきます。
タアサイに適した畝は、幅60~80cm(2条まき)、高さ5~10cmの平畝です。根を張りやすいようにしっかりと耕しておきましょう。
タアサイの種まきは、直まきとポットまきができます。気温が低い時期と高い時期は、直まきよりもポットまきがおすすめです。
タアサイは種からでも簡単です。水切れに注意して、高温期は涼しい場所で発芽させるのがポイントです。
タアサイは春は立ち姿で育ちますが、秋は葉が地べたに広がって育ちます。春は筋まき、秋は点まきで種をまくのがポイントです。
タアサイの種まき適期は3月~5月と9月~10月です。
タアサイの発芽適温は15~25℃です。
タアサイは種をまいてから3~5日で発芽が始まります。気温が低かったり高かったりすると発芽までの日数は前後します。(もっと詳しく:タアサイの種が発芽しない原因と対策)
ポットまきでは、1か所あたり種を4~5粒ずつまき、直まきで点まきするときは5~7粒ずつ種をまきます。
種まき後は用土を手のひらで軽く押さえておきましょう。
点まきするときは瓶や缶の底を用土に押し当てると深さを一定にすることができ、発芽が揃いやすくなります。
本葉が1~2枚になったら元気な苗(双葉が残っていて葉が左右対称のもの)を2本残して他の苗をすべて間引き、3~4枚のときに1本だけ残して他の苗はすべて間引きましょう。
タアサイは収穫までに合計3回ほど間引きを行います。子葉(双葉)が出た頃に1回目の間引きを行いましょう。
1回目の間引きでは形の悪い子葉を間引いて1か所あたり3本まで間引いてやります。
1回目の間引きを行った後に1回目の土寄せを行います。
土寄せとは、苗が小さい時期は水やりや雨、風などで倒れやすいので、株の根元に周辺の土を寄せておく作業のことです。
2回目の間引きは本葉が2~3枚前後になった頃に行います。このときは色艶が良く茎の太いものを残しましょう。
この時の間引きで1か所あたり2本にします。1回目の間引きと同様に2回目の間引きを行ったあとも土寄せを行います。
3回目の間引きは本葉が5~6枚前後になった頃に行いましょう。この頃に生育が良く葉に痛みの少ない株を1つだけ残します。
3回目の間引きの時にも土寄せと追肥を行いましょう。ちなみに間引いたものはサラダなどにして食べることができます。
タアサイを種から育てるのが難しいと感じたら、園芸店などで売られている苗から育ててみましょう。
タアサイの苗の植え付け時期は春植えは4月~6月、秋植えは9月~10月です。本葉が5~6枚になった頃が植え付けるタイミングです。
秋植え以降のタアサイは葉を大きく広げるので、プランターでは30cm以上、露地栽培では40cm以上株間を取って植え付けます。春植えの株間は15~20cmです。
株間が狭く葉が込み合ってくると病害が発生しやすくなるので、なるべく日当たりの良い場所で育てましょう。
タアサイの苗の植え付けは、気温が低い季節は午前中、夏場の高温期は午後の涼しくなりはじめる時間帯に行います。夏場の気温が高くなるときに植えると萎れの原因になります。
植え穴を掘る植え方もありますが、根鉢の底に隙間ができると根付くのに時間がかかるので注意しましょう。
植穴を掘るやり方のときは、手のひらで押さえてしっかりと密着させるのがポイントです。
タアサイの苗を植え付ける前にポットごと水に浸してから植え付けると根付きがよくなります。
水に浸した場合は苗を植え付けてから2日ほどは水やりを控えましょう。こうすることで水を求めて根を地中に深く張る力がつきます。
気温の低い時はマルチング栽培やトンネル栽培で温度と地温の上昇を図ります。特に2月の晴天時はトンネル内の気温の上昇には注意が必要です。
春まきと秋口はトンネル掛けをして、低温対策と害虫対策をしっかりと行いましょう。
春植えは気温が低い時期になるため、低温対策・霜の対策と害虫対策を兼ねてトンネル掛けをしましょう。春先のトンネル掛けは、寒冷紗よりもビニル系のシートの方がより効果的です。
4月以降になり気温が上がると害虫の被害が多くなります。特に苗がちいさい時期に害虫の被害に遭うと、成長が遅れてしまうので注意しましょう。
寒冷紗は小さな隙間から虫が入らないように縁までしっかりと止めておくのがポイントです。
また、夏植えのときは、日よけ対策としての黒色の寒冷紗のトンネル掛けがとても有効です。また、トンネル掛けをすることで夕立ちによる苗倒れの予防にもなります。
水やりの回数が多く多湿環境が続くと病害の原因となります。回数を増やすのではなく、1回の水やりの量を多めに与えるのがポイントです。
タアサイの水やりの頻度と与える量ですが、種をまいて発芽するまでの間と苗を植え付けて根付くまでの間は、用土の表面が乾いたタイミングで水やりをしましょう。
苗が根付いた後の水やりは、用土の表面が乾いたタイミングで行います。生長してからの水やりのし過ぎは、病害の発生を助長するので与えすぎには注意しましょう。
朝の水やりは、気温が上がり始める前と気温が下がり始めた頃に与えます。日中の気温が高いときに与えると、太陽光で根を傷めたり、水滴がレンズ代わりになって茎葉を傷めてしまいます。
タアサイは春まきは栽培期間が短いので元肥で育て、夏まき以降は追肥を与えながら育てます。プランター栽培では茎葉の様子を見ながら追肥を行いましょう。
タアサイの追肥の時期は、種から育てる場合は、2回目と3回目の間引きのタイミングで与えます。苗から植えたときは植え付けから約2週間後から追肥を開始しましょう。
それ以降の追肥は収穫期間が長い秋まきの場合のみ、2~3週間後に生育状態をみて必要なときのみ与えます。
株元から少し離れた場所に化成肥料を1株あたり10~15g程度パラパラとまいて、表面の用土と軽く混ぜ合わせて株元に寄せておきます。
用土を深くまで掘ると根を傷めてしまうので注意しましょう。
肥料は即効性の化成肥料または有機肥料がおすすめです。苗が小さなうちに追肥をタイミングよく与えることが、大株に育てるポイントです。
タアサイは種からは、春まきで50~60日、秋まきでは50~70日で収穫できます。
秋まきでは収穫時期をわざと遅らせて、霜が降りる頃に収穫すると葉が柔らかいものを収穫できます。
春まきでは草丈が25cmを超えたら、秋まきでは株の直径が25cmを超えた頃が収穫のタイミングです。
タアサイの収穫ですが、株取り収穫と摘み取り収穫の2種類の方法が楽しめます。
株取り収穫はハサミやナイフなどを使って株元を切り取って収穫します。株間が広いときは手で抜き取ってもかまいません。
秋まきのタアサイは中心部から新葉が次々と育ってくるので、外葉をかき取りながら長く収穫する「摘み取り収穫」ができます。
春まきでは、収穫適期を過ぎるととう立ちして花芽着いたり、茎葉が固くなって味が悪くなるので、株取り収穫がおすすめです。
タアサイがかかりやすい病害は白さび病・軟腐病・萎黄病・ウイルス病(モザイク病)などです。
タアサイは高温や低温、多湿が長く続くと病害が発生しやすくなります。
日当たりがよく風通しのよい環境で栽培することが病害の対策になります。病害が株全体に蔓延しないようにしっかりと対策をしましょう。
1.株間を広めにとり風通しをよくする。
2.日当たりに良い場所で育てる
3.水はけをよくする
4.病害にかかった茎葉は早めに摘み取る。
5.ウイルスを媒介するアブラムシは早めに駆除する
タアサイ栽培でよく見かける害虫は、アオムシやコナガの幼虫、アブラムシなどです。
タアサイには春と秋に集中して害虫が発生します。
害虫を駆除せずにそのまま放っておくと葉っぱが穴だらけになるので早期発見を心がけ見つけたらすぐに駆除しましょう。
特に幼苗期に被害に遭いやすいので、寒冷紗のトンネル掛けをすると害虫の被害を軽減できます。
タアサイは葉が拡がって育ちますので、プランターなどで育てる時は植える時期に合わせて十分な株間を確保しましょう。
葉が込み合うと害虫の住処になったり光合成が阻害されて生育が悪くなったりします。
タアサイは寒さに当たると甘味が増しますので、食味が良い秋まき(9月下旬以降)がおすすめです。秋まきでは葉が広がるので株間を広くとるのがポイント。
秋植えは害虫の被害も少ないので初心者向でも簡単に収穫までたどり着けるでしょう。
気温の高い時期に栽培する時はトンネル掛けをすれば害虫の被害を防ぐことができます。
▷家庭菜園で簡単野菜作りVegetableBeginnersguide
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