種まき適期や苗の植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています。
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枝豆は種まきから収穫までの期間が長いのですが難易度は高くありません。連作を避ければ種からでも苗からでも比較的容易に育てられます。
夏の定番食材の枝豆は、中国北東部が原産地と言われていて、温暖な気候と強い日照を好むマメ科の野菜です。実は大豆の未成熟な若マメを枝豆と呼んでいます。
枝豆はタンパク質とビタミンAが豊富に含まれていてアミノ酸と等分のバランスが良い野菜です。軽く塩ゆでしてビールのお供にもぴったりです。
科名 | マメ科 |
別名 | エダマメ・畔豆(あぜまめ)・青豆(あおまめ)・月見豆など |
草丈 | 50~70cm |
連作障害 | あり(3~4年) |
適した場所 | 日がよく当たる風通しの良い場所 |
日当たり | 🌞 or 🌤 |
土壌酸度 | pH6.0~6.5 |
株間 | 20~30cm以上 |
畝幅 | 30~60cm |
畝高 | 10~15cm(平畝) |
発芽適温 | 20~30℃ |
生育適温 | 25~28℃ |
種まき時期 | 3月~5月 |
発芽日数 | 7日~10日 |
苗植え付け時期 | 4月~6月 |
収穫時期 | 種まきから約2.5か月 |
エダマメには寄せ植えできるコンパニオンプランツがあります。相性の良い野菜を組み合わせれば、同じ場所でたくさんの野菜を育てることができます。(参考:エダマメと相性の良いコンパニオンプランツ)
枝豆は春に種まきと苗の植え付けをする野菜です。種まきは3月下旬以降、苗の植え付けは4月~6月、地域によっては7月に植えることも可能です。
収穫は種まきから約2.5か月で、6月中旬~9月下旬です。
日長が短くなると開花・結実する秋ダイズ型(晩生系)と温度に反応して開花する夏ダイズ系(早生系)、その中間型の中生系があります。
枝豆として利用されるのは主に夏ダイズ型や中間型になります。収穫までが早い「早生種]が育てやすくおすすめです。(もっと詳しく:枝豆の品種でおすすめなのは?)
枝豆はプランター栽培と露地栽培が可能で、種からと苗からのどちらからでも栽培が始められます。ここからは枝豆の育て方を解説します。
枝豆の栽培を始める前にしておくことは、「道具と栽培用土の準備」栽培地の「土作り」「畝作り」などです。
枝豆を育てるときのプランターサイズは大型(60㎝~)または、大鉢タイプ(深底)がおすすめです。
枝豆の株間は30~40㎝は必要となるので、小型プランターや鉢で育てる場合は深底のプランター1つにつき1株までとしましょう。
プランター栽培では市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに植え付けできるので簡単です。枝豆栽培には実野菜用の用土がおすすめです。
枝豆の栽培用土を自分で配合するときは、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10gと、化学肥料を用土10ℓ当たり10~30gを混ぜ合わせましょう。
プランターにはウォータースペースを残すために、土を入れる量は全体の8分目程度までにしておきます。
この理由は、まし土のときや水やりのときに水や泥があふれるのを防止するのためです。
畑(菜園)で枝豆を育てるときは、植え付けの2週間前までに酸度調整を終わらせておきましょう。
枝豆に適した土壌酸度はpH6.0~6.5です。苦土石灰をを入れて酸度調整をしましょう。(pHを1.0上げるには石灰が1㎡あたり400g必要になります。)
植え付けの直前に石灰を入れると根を傷めてしまうので注意が必要です。
枝豆の露地栽培では、植え付けの1週間前になったら元肥を入れて平畝を作っておきます。
元肥は全面施肥で、1㎡あたり堆肥を2kg、化成肥料(15:15:15)を100g、苦土石灰を200gを施しておきましょう。
前作で他の野菜を栽培していたときは元肥は入れなくてもかまいませんが、枝豆は石灰分を必要とするので、苦土石灰のみは施しておきます。
畝は用土をよく耕してから作りましょう。畝は高畝で、畝幅は1条植えで30~40cm、2条植えで50~60cm、畝の高さは10~15cmとします。
枝豆は土への適応性がありますが、早どり種は地温が上がりやすい砂質の方が生育がよくなり、夏どりの品種はやや重粘で水分の多い土質が生育がよくなります。
枝豆は連作に弱い野菜なので、3年~4年は同じ場所で栽培するのは避けましょう。連作すると枯れてしまったり、収穫できる量が減ってしまったりします。
枝豆は他の野菜との混植が出来る野菜です。プランター栽培やレンタル菜園で枝豆を栽培する時はスペースをうまく活用してみましょう。(もっと詳しく:枝豆と一緒に植えられるコンパニオンプランツ)
枝豆は4月以降から夏の終わり頃まで種まきができます。株間を25~30cmあけて、深さ2cmに種を2~3粒ずつまきましょう。種をまいて発芽まで水やりをすると約1週間で発芽が始まります。
枝豆は種からでも簡単に育てられます。畑に直接まく「直まき」とポリポットに種をまく「ポットまき」があります。
気温が高い時期は直まきし、気温が低い時期はポットまきがおすすめです。
枝豆は温度や水やりなど発芽までの管理が難しいので、初心者はポットまきからチャレンジしてみましょう。
枝豆の種まき時期は、ポットまきは4月上旬から、直まきは4月中旬以降です。
7月上旬頃までは種をまいても晩秋の収穫に合いますが、寒冷地など早く低温期になる地域では、6月頃を目安に種まきを終えましょう。
枝豆の発芽に適した温度は20℃~30℃です。
枝豆は種をまいてから約7日~10日で発芽します。
気温が低すぎると発芽が遅れたり発芽しなかったりします。(もっと詳しく:枝豆が発芽しない原因と対策 )
直まきでは日中の温度が20℃超えてから種をまくのが上手く発芽させるポイントです。気温が低い時期に種をまくときは、マルチングをして地温をしっかりと上げておきましょう。
気温が20℃以下の時期は、ポリポットに種をまいてハウスで20℃以上になるように温度管理をして発芽させましょう。
枝豆の種のまき方は、指の第一関節あたりまで押し込むようにして種を埋め込みます。発芽率を考慮して1か所あたり2~3粒の種をまきましょう。種をまいたあとは手で押さえて用土と種と密着さえておきます。
枝豆のポットまきは、ポリポットに種を2~3粒まいて、指の第一関節あたりまで押し込むようにして種を埋め込みます。
種を埋める深さは種の大きさの2~3倍が目安です。あまり深くまきすぎると、発芽不良の原因になります。
畑に直まきする時は20cm以株間をとって点まきします。1箇所に付き2~3粒ずつ3㎝ほどの深さで種をまきます。
種をまいてから発芽するまでの間は、用土の表面が乾いたらこまめに水やりをしましょう。
ただし、気温が高い時期に種をまいたときは、日中の気温が高い時間帯に水を与えすぎるとまいた豆が腐ってしまうので、気温の低い早朝か夕方にたっぷりと与えておきます。
種まきで失敗しやすいのは、気温の高い時間帯に種をまいてしまうことです。
気温が高くなる時間に種をまくと、水がお湯のようになって豆が蒸れてしまい種が全滅することがあります。
本葉が2~3枚になった頃が間引きの時期です。残したい株の根元付近を押さえて、隣り合う不要な株を手で抜き取ります。元気のよい苗を2本残して他の苗はすべて引き抜いてしまいましょう。
枝豆は本葉が2~3枚になった頃が間引きのタイミングです。
間引きの時期が早いと、途中で苗がだめになったときに新たに種をまき直さなくてはならなくなり、逆に間引きが遅すぎると、他の苗の根が絡まって残したい方の苗の根をちぎって傷めてしまう原因になります。
タイミングよく間引きをしましょう。
エダマメは4月中旬以降が植え付け時期です。植穴を掘って苗を置き、株元に土を寄せて子葉の近くまで埋めましょう。手で軽く根元を押さえて根と土を密着させて水をたっぷりと与えておきます。
エダマメ栽培に慣れていない方や種から育てるのが難しいと感じる方は苗から育ててみましょう。苗から植え付けると収穫まで簡単に辿り着けます。
枝豆の良い苗の見極め方ですが、子葉(双葉)と初期葉(最初の本葉)の間の茎が太くしっかりしたものが良い苗です。
枝豆をポットまきで育てている場合は、種まきから約2~3週間経って、本葉が2~3枚になった頃が植え付け適期の苗です。
枝豆の苗を畑に植え付けるときは、暖かな風のない日を選ぶようにしましょう。
枝豆は20℃~30℃が生育がもっともよくなります。4月以降が植え付け時期で、日中の気温が20℃を超えるようになったら苗を植え付けましょう。
苗を植える間隔は品種にもよりますが20~30cmです。早生種は20cmほどで中生種と晩生種は30cmほどが目安になります。
株間を狭くすると主枝中心の草姿で分枝(枝分かれ)が抑制され、株間を拡げると側枝が増えて株が安定します。
雨風に影響を植えやすい露地栽培では、株を安定させるために30cmを目安に株間を確保しましょう。
・植え穴の底が凸凹していると根付くまでに時間がかかってしまいます。底は平らにならしておきましょう。
・植え付け後は根付くまでたっぷりと水やりを行いましょう。根付くと葉の生育が旺盛になります。
枝豆は種まき後にハトの食害や害虫の被害を受けやすいので、発芽するまでの間は寒冷紗や不織布をべたがけしておくと対策になります。
発芽してすぐの苗も鳥たちの大好物です。
ポットで育てる時はハトの食害や発芽不良に備えて、余裕があれば予備の苗を育てておけば万が一の事態でも苗を植え替えることができます。
枝豆の土寄せは根が表面に出る前に必ず行いましょう。周辺の用土の表面をほぐして株元に寄せて上から手のひらで軽く押さえておきます。
苗の生育が盛んになって草丈が高くなると、株が倒れて折れてしまう原因になります。定期的に倒伏防止をしておきましょう。
苗の根元が露出して太陽光が根に直接当たると、株の生育を弱める原因になります。
プランターの場合は水やりで用土が減りやすいので、定期的に用土を足します。
枝豆の土寄せのタイミングは、草丈が10cmになった頃に1回目を行います。
20~30cmになる頃が2回目の土寄せ時期です。
枝豆の支柱の立て方は、株元から少し離れた位置に1mの支柱を30㎝ほど埋め込みます。
根入れが浅いと強風などで倒れやすくなるので、頑丈にしておくのがポイントです。
支柱と主茎を麻の紐やビニルの紐でゆるく結んでおきます。
枝豆は草丈が高く茎も細く風の影響を受けやすいので支柱を立ててやりましょう。
根入れが浅いと強風などで倒れやすくなるので、頑丈にしておくのがポイントです。
枝豆は草丈が30cmを超える頃に支柱を立てておきます。支柱の位置が株から近すぎたり、支柱を立てる時期が遅れたりすると根を傷める原因になるので注意しましょう。
枝豆の水分量は、生育初期は少なめにして開花が始まってから収穫までの間はたっぷりと与えましょう。水や泥の跳ね返りに注意して株元に丁寧に与えるのがポイントです。
枝豆の水やりは、種まきから発芽するまでの間と苗を植え付けて根が張るまでの約1週間は、用土が乾いたタイミングでこまめに水やりをします。
苗が育ち始めたら、用土の表面が乾いたタイミングで水やりをすればOKです。毎日与える必要ありません。
開花の時期に水切れをすると、実の付きが悪くなってしまいます。雨が降らず晴れが続く時期は、毎日、朝か夕方にたっぷりと水やりを行いましょう。
枝豆は生長に合わせて水やりを変えると生育が良くなり収穫量もグッと増えます。イメージとしては、生育初期は少なめ、開花後から増やしていきます。
枝豆の水やりについてまとめてありますので、詳しく知りたい方はこちらをご参照ください(枝豆の正しい水やり方法)
枝豆の追肥は与える時期と与える量がポイントです。根に付く根粒菌が栄養を株に供給するため、つるぼけを防ぐために開花までは元肥と追肥なしで育てましょう。
枝豆の追肥は与える時期と与える量がポイントです。タイミングを間違えると茎葉ばかりが大きくなって実が着かなくなってしまいます。
枝豆は根に回りにいる根粒菌が土中の窒素を養分に変えて株に供給するため肥料は不要です。花が咲くまでは元肥と追肥なしで育てましょう。
開花前に追肥をやり過ぎると茎や葉ばかりが大きくなる「つるぼけ」という状態になって実がならなくなります。
枝豆の1回目の追肥は開花が始まった頃です。枝豆の花は5月下旬から7月下旬にかけて咲きます。ただし、生育が良いときは無理に与える必要はありません。
2回目の追肥は1回目の追肥が終わってから約2週間たった頃です。1回目の追肥が効きすぎていたら、2回目の追肥はストップします。
枝豆は開花後から中の実がどんどん膨らみ始め、40日~50日過ぎた頃から収穫できます。株ごと抜き取るか成熟した鞘から順番に摘み取るかしましょう。
莢を押さえると中の実が飛び出すようになる頃が収穫の最適期です。品種にもよりますが、開花から45日前後です。
栽培する地域にもよりますが、苗から育てる場合では、苗の植え付け日から、80日~90日ぐらいが収穫の目安です。
枝豆を収穫する時間帯は朝方がおすすめ。野菜は朝から夕方にかけて光合成を行って糖分(甘み)を作りだし、夕方から夜間にかけて養分を果実に送ります。
気温が上がってからではみずみずしさが失くなってしまいます。また気温が高くなってから収穫したものは傷みも早くなります。
実が大きくなったら、株元を持って株ごと引き抜いて収穫しましょう。収穫する時間帯は早朝がおすすめです。気温が低い時間帯なら枝豆の温度が低く品質が長時間保てるからです。
枝豆は株の上から莢が成熟します。品種にもよりますが、収穫適期は3~5日しかありません。莢の大きさにバラツキがあるときは、大きな莢からハサミやナイフで切り取って収穫してもかまいません。
枝豆の実がおいしい期間は極端に短いので、過熟状態(莢が黄色になる)前に収穫するようにしましょう。
枝豆は収穫後から一気に味と鮮度が落ちてしまいます。収穫量が多く食べきれない時は、すぐ塩ゆでしてから冷蔵庫で保存するようにしましょう。
枝から実を取らずに保存すると鮮度が少し長持ちします。枝ごと塩ゆでして、後から莢を取ってもOKです。
枝豆は「うどん粉病」「立ち枯れ病」「灰星病」「斑点細菌病」「べと病」「モザイク病」「炭そ病」などが発生します。連作したときや高温多湿の条件病害がで発生しやすくなります。密植を避け風通しのよい環境が病害の対策になります。
枝豆の苗に元気がないときは病害になっているかもしれません。枝豆は病害が少ない丈夫な野菜ですが、高温多湿の環境が続くとまれに発生することがあります。
枝豆が掛かりやすい病害は「うどん粉病」「白絹病」「立ち枯れ病」「灰星病」「斑点細菌病」「べと病」「モザイク病」「炭そ病」などがあります。
中でもウイルス病の一種「モザイク病」はアブラムシ等の害虫の飛来を防止することで防げます。
白絹病は、連作地や高温多湿下で発生しやすいので、連作、密植を避けることが出来ます。万が一発病した場合は株を早めに取り除くようにして下さい。
枝豆には、カメムシ類、シンクイムシ類、ハスモンヨトウなどの害虫が多く集まります。害虫を見かけたら数が増える前に駆除しましょう。風通しをよくして枯葉などは除去して住処を減らすことも大切です。
枝豆を栽培する時に発生しやすい害虫は、カメムシ類、シンクイムシ類、ハスモンヨトウです。
カメムシ類は発生初期に、シンクイムシ類は莢ができ始めたころにそれぞれ薬剤で防除出来ます。
ハスモンヨトウは、ふ化幼虫が葉裏に群生して食害し、上位の葉が「白化葉」になるのですぐわかります。
幼虫が大きくなると莢も食べるようになるので発生を見逃さないようにして幼虫が群生している葉ごと切り取って処分するといいでしょう。
枝豆は浅く根を張る性質をしているため、用土が乾燥しすぎないように注意しながら栽培しましょう。
エダマメなどのマメ類は生育初期に肥料を与えすぎると茎葉ばかりが育って実が少なるので、元肥を少なめにして生育状態を見ながら追肥で調整するのがポイントです。
(もっと詳しく:エダマメがうまく育たない原因と対策 )
特に開花期から結実期かけて用土を極度に乾燥させてしまうと落花が多くなり着莢率が低下します。
枝豆は収穫時期が近づくにつれて(開花が始まったら)、水やり量を増やすことで果実がより充実します。 (もっと詳しく:エダマメの実がならない・エダマメの莢が太らない原因と対策)